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2013年8月19日 第43回独立行政法人評価委員会年金部会議事録
○日時
平成25年8月19日(月)9:54~12:30
○場所
厚生労働省専用第12会議室
○出席者
山口部会長、川北部会長代理、竹原委員、安浪委員、大出委員、大野委員、光多委員 |
○議事
(以下、議事録)
○山口部会長
ただいまから「第43回独立行政法人評価委員会年金部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日の議事について事務局から御説明をお願いいたします。
○政策評価官
おはようございます。本日の議事につきましては、お手元に配付しております議事次第のとおり、年金積立金管理運用独立行政法人に関しましては、財務諸表に関する意見、年金積立金運用報告、総合評価についての審議を行い、年金・健康保険福祉施設整理機構については財務諸表に関する意見、総合評価、暫定評価、組織・業務全般の見直し当初案について審議を進めていただくことになります。
初めに、審議の進め方で共通する事項について御説明申し上げます。まず財務諸表に関する意見ですが、担当である安浪委員から御報告いただき、それを踏まえた御審議をお願いしたいと思います。
次に、総合評価ですが、前回皆様方にお付けいただいた個別評価の結果に基づき、起草委員において起草いただきました総合評価(案)及び評価シートの「委員会としての評定理由案」等について御審議いただければと思います。また、皆様に御記入いただきました評定記入用紙については、御参考いただけるよう、お手元に置かせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、個別の事項についての説明になりますが、年金積立金管理運用独立行政法人については、法人所管課から年金積立金の運用状況の報告を行い、年金・健康保険福祉施設整理機構に関しては、暫定評価及び組織・業務全般の見直し当初案についての審議を行いますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○山口部会長
ありがとうございました。それでは議事に入ります。まずは総合評価書、財務諸表に関する意見についてです。起草委員の方々にはお忙しい中・御尽力いただきましてありがとうございました。初めに、年金積立金管理運用独立行政法人について、まず最初に、財務諸表に関する意見についての審議に入ります。財務諸表については、独立行政法人通則法第38条に基づき、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認することとされております。それでは、財務諸表について安浪委員から御説明をお願いします。
○安浪委員
財務担当の安浪です。それではお手元にお配りしております横書きの資料、「財務諸表の適正性についての意見」にしたがいまして御説明いたします。
1.概要及び結果。平成25年7月30日に24年度の財務諸表全般について質疑を行いました。同時に会計監査人であるあずさ監査法人に対し、監査の概要及び結果に関し、ヒアリングを行いました。監査時間は1,041時間、監査重点項目は投資の評価の妥当性。主な監査手続としては、受託機関への残高確認、内部統制報告書の入手、運用寄託金の残高確認。監査結果に関しては、会計上の問題点、内部統制上の問題点は特にないと伺っております。
平成25年6月18日付であずさ監査法人から以下の意見が出されております。1財務諸表は適正に表示されている。2利益の処分に関する書類は法令に適合している。3事業報告書は財政状態・運用状況を正しく示している。以上より、私は年金積立金管理運用独立行政法人の平成24年度の財務諸表は、適正に作成されているものと判断いたしました。
2番目として、投資の種類・四半期別収益の前期比較を行っております。左に平成23年度、右に平成24年度の数字を記載しております。24年度に関しての変動理由をこの表に従いまして御説明いたします。第1四半期では特に外国株式、国内株式の収益の落ち込みが大きく、赤字となりました。4Qでは金融緩和による円安、株高により外国株式、国内株式の収益が大幅に増加しまして、7.6兆円の利益となりました。このために、第1四半期の赤字を埋め、通期では過去最高の11.2兆円の利益となりました。これは特に外国株式と国内株式の収益が去年に比べ、大幅に増加したためであります。財投債の利息は残高が減少していますので前期比減少しております。それと国内債券の第3四半期の赤字は、金利の上昇による影響だと理解しております。
裏にまいりまして、運用資産と運用寄託金の増減を前期比較しております。資産サイドの運用資産と、負債サイドの運用寄託金をそれぞれ期首から期末までの増減をこの表にまとめています。23年度はこの表を見ていただくと理解していただけると思いますので、平成24年度について御説明します。平成24年度は先ほど申しましたように、11.2兆円の利益が出ました。3.7兆円の寄託金償還(寄託受入金の、受入れと相殺した後の数字)があったのですが、3.7兆円の寄託金償還を7.5兆円超過しております。したがいまして運用資産は前期に比べ、7兆円増加しました。
国庫納付金は、前期比0.5超円増加し、0.6兆円となりました。前期比較につきましては以上です。私からの説明として、財務諸表の適正性に関するコメントは以上です。
○山口部会長
ありがとうございました。ただいま御報告いただきました、年金積立金管理運用独立行政法人の財務諸表について、御意見等がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。それでは、平成24年度の財務諸表に対する意見としては、資料1-1の案のとおりで、修正意見はないということのようですので、これを取りまとめ、厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○山口部会長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
次に、年金積立金運用報告書について、担当課より説明いただき、これに対する質疑を行いたいと思います。
○大臣官房参事官(資金運用担当)
資料1-2「年金積立金管理運用独立行政法人の総合評価について」を御覧下さい。GPIFの総合評価なのですが、事業の目的が年金事業の安定化ということですので、皆様にやっていただいた個別評価の分析結果と併せ、年金積立金の運用が年金財政に与える影響につきまして、検証報告の内容を考慮して、総合評価をしていただくことになっております。法文上は独法の通則法第32条について、GPIF法で読み替えており、参考の年金積立金管理運用独立行政法人法の第28条をご覧下さい。年金財政に与える影響の検証ということで、厚生労働大臣は、毎年度年金積立金の運用が年金財政に与える影響について検証し、独立行政法人評価委員会に報告しなければならないということになっております。
平成24年度の年金積立金運用報告書が資料1-3です。概要を説明させていただきます。2ページが「概要」です。2.年金積立金の運用実績ということで、(1)が24年の表になっていますが、前回、管理運用法人の運用実績は、資産額120.5兆円、収益率10.21%という報告がありました。年金積立金全体といいますと、年金特別会計の支払い等で持っている積立金が5.6兆円ありまして、そこの収益と合わせますと年金積立金全体の実績となり、平成24年度の運用実績は9.56%、11.2兆円で、全体の積立金額126兆円になっております。これまでの運用実績で申しますと、平成13年に自主運用が開始されましたが、累積で36兆3,662億円、平均収益率は2.26%となっております。
3ページは、年金積立金の運用実績が年金財政にどのような影響を与えるかということです。年金積立金の負債サイドといいますか、給付額については、長期的に見ると名目賃金上昇率に連動して増加することになっております。このため評価方法ですが、運用収入から賃金上昇率を引きまして、財政再計算、財政検証のときの前提と比較して上回っているかどうかを見ていただいております。一番下にグラフがありますが、平成24年度は名目運用利回りが9.56%で、24年度の名目賃金上昇率が0.2%でしたので、実質的な運用利回りは、青いグラフですが9.33%。平成21年度の財政検証のときには、マイナス0.76%を予定していましたので、その差は、10.69%予定よりはよかったということになります。自主運用開始から比べてみますと、開始以来の名目運用利回りが2.26%で、その間の名目賃金上昇率がマイナス0.49%ありましたので、実質的な運用利回りは2.76%。予定された運用利回りが0.37%でしたので、それよりも2.38%上回ったということになります。管理運用法人設立以来、過去7年間を比べてみますと、この間の名目運用利回りが1.53%で、名目賃金上昇率がマイナス0.54%でしたので、2.08%ですが、財政検証で予定しました運用利回りは、マイナス0.14%ありますので、2.22%予定よりはよかったという形になっております。
以下のページは、今申しました概要につきまして、詳細を述べております。4ページから9ページまでは、年金積立金の運用と仕組みについての概要でございまして、10ページから13ページは、平成24年度からの運用実績のより詳細なデータです。14ページから16ページは、自主運用開始しました平成13年度の運用実績でございまして、22ページまでがグラフ化したものです。23ページから31ページは運用実績や年金財政に与える影響のより詳細なデータです。32ページ以降は参考資料ということで、諸外国の年金積立金の概要です。今年は多少入替え等をしました。私からの説明は以上です。
○山口部会長
ただいま御報告いただきました年金積立金運用報告書について、御質問等ありますか。よろしいでしょうか。
次に独立行政法人の総合評価について、年金積立金管理運用独立行政法人の起草委員である、竹原委員から御報告をお願いいたします。なお、議事運営の都合上、御報告の時間はおおむね10分程度でお願いいたします。
○竹原委員
年金積立金管理運用独立行政法人の平成24年度の総合評価書については、大野委員と私とで検討を行い起草いたしました。資料1-4を御覧ください。起草委員を代表して評価書案の概要を御報告いたします。
評価書案は平成24年度業務実績、具体的な評価内容及び年金積立金の運用実績が年金財政に与える影響の評価の3部構成としております。
今年度の評価の視点としては、平成22年3月に定められた、第2期中期目標の第3年度目として、昨年度までの評価委員会において、指摘した事項等を踏まえて、評価を実施することとしております。なお、年金積立金の運用は、長期的な観点から運用が求められていることから、管理運用法人の評価に当たっても、長期的な視点で評価することが重要である旨付記しております。
平成24年度業務実績全般の評価ですが、年金積立金の管理及び運用に関する事項については、必要なリスク管理を行い、全体として管理運用法人の設立目的に沿って、適切に業務運営が行われていると評価いたしました。年金積立金の管理及び運用の全般に関する事項については、平成24年度は当初は欧州債務危機の再燃懸念や、米国の景気悪化の懸念等により停滞し、その後は外国為替市場の円高修正が進行するとともに、内外株式の価格が大幅に上昇した状況でした。このように市場が大きく変動する中で、市場平均を示す指標であるベンチマークと比較した場合、外国債券及び外国株式については、プラスの超過収益率、国内債券及び短期債については、おおむねベンチマーク並の収益率、国内株式については、マイナスの超過収益率となりました。
また、平成22年度から平成24年度の第2中期目標期間では、外国債券はプラスの収益率、その他の資産はおおむねベンチマーク並の収益率を確保しております。これらから、堅実な管理及び運用が行われているものと評価できます。なお、運用資産全体の収益率と、複合ベンチマークとの比較では、プラスの収益率を得ています。
管理運用法人においては、受託受入機関との定期ミーティングや、リスク管理ミーティング等により、リスク管理のための適切な取組を実施していると評価できます。
また、平成22年度末にかけて、国内債券は基本ポートフォリオの乖離許容幅を一時的に超過した状況で、市場に影響を与えることなくリバランスを実施し、適切に基本ポートフォリオを管理しているものと評価できます。
また平成23年度に収益機会拡大のために、運用受託機関を選定したエマージング株式運用を開始し、運用成果の向上に向けた取組を進めていること等は評価できます。
また、年金給付のための流動性を確保するため、キャッシュ・アウト等の対応ファンドを増額することなどにより、市場の価格形成を配慮しつつ、必要な資金を円滑かつ確実に確保することができたことは高く評価できます。
次に資料1-4の3ページ、イの部分ですが、管理運営体制全般に関する事項です。管理運営体制の全般に関する事項については、業務運営の効率化とそれに伴う経費の節減に関して、国内債券のアクティブ運用及びパッシブ運用に係る運用受託機関構成の一体的な見直し及びその際に行った管理運用委託手数料率の更なる引下げにより、資産の時価変動による増加要因があったものの、管理運用委託手数料額は前年度比で約8億円減少したこと、一般競争入札等の実施や随意契約における価格交渉等の見直しによりコスト削減に努めたことは評価できます。
また、内部統制の一層の強化に向けた体制整備等として、内部統制の基本方針に基づいて、理事長による重要情報の適時適切な把握や、役職員への周知徹底のための体制整備など、適切な対応を行っているものと評価できます。
ウ、年金積立金の運用実績が年金財政に与える影響の評価については、実質的な運用利回りについて、管理運用法人で管理する積立金と年金特別会計で管理する積立金を合わせた「年金積立金全体」の運用実績と、財政再計算及び財政検証における前提等を比較すると、平成24年度単年度、年金積立金の自主運用開始年度である平成13年度からの12年間、管理運用法人が設立された平成18年度からの7年間のいずれについても運用実績が財政再計算及び財政検証上の前提を上回っており、年金積立金の運用が年金財政にプラスの影響を与えていると評価することができます。
第2部の具体的な評価内容に関しては、年金給付のための流動性の確保について、流動性を確保するためのキャッシュ・アウト対応、ファンドを増額したこと等が高く評価できます。また、業務運営の効率化に伴う経費節減については、管理運用委託手数料に関して、国内債券運用に関わる運用受託機関構成見直しの際に行った、管理運用委託手数料率の引下げにより、資産の時価変動による増加要因があったものの、約8億円の節減が働いたこと等が評価できます。
その他、評価シートのコメントや、前回の年金部会における議論を基に、おおむねA評価を行っておりますが、今後更に積極的な取組を期待する事項については、その旨を指摘しております。私からの報告は以上です。
○山口部会長
ありがとうございました。ただいま御報告をいただきました総合評価書の案につきまして、御意見等がありましたらお願いします。
○光多委員
きちんと整理されておられると思いますが、1つだけ。2ページの下のほうに、「エマージング株式運用を開始し、運用成果の向上に向けた取組を進めていること等は評価する」と書いていますが、23年度から開始したエマージングについて、具体的に運用の成果もある程度出ていると思いますし、運用成果の向上に向けた取組というのは、ほかに比べると、もうちょっと具体的にお書きになったほうがいいかなという感じがいたしますが、いかがでしょうか。
○竹原委員
この点につきましては確かに前回の部会におきましても、一部運用実績の報告もありましたが、ただ、エマージング株式市場の動向自体がまだ不透明なところもありますので、このような表現にとどめています。もう少し詳細を記載したほうがいいということであれば、具体的なエマージング株式運用部分も平成24年度の運用実績等の数字も含めて、加筆をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山口部会長
よろしいでしょうか。ほかに御意見ございませんか。
○川北部会長代理
1点は、2ページの下から3分の1ぐらいの所、「会計検査院の報告に基づき、基本ポートフォリオの検証について必要な対応がなされた」と。これはその通りですが、ただし続いて、「基本ポートフォリオの検証・見直しについて今後更なる検討を期待する」と書かれているわけですが、この更なる検討というのは、具体的にどういうことをイメージされているのかということをお聞きしたいというのが1点です。
それと、もう1点は7ページなのですが、「株主の議決権行使」に関して、上から2行目から6行目に書かれていると思うのですが、この点に関しましては、現在金融庁を中心に、議決権行使のみならず、それをもう少し拡大をした、スチュワードシップに関する議論が今なされています。これに関して、何か少し言及というか、単純に議決権行使だけで済む問題ではないのだろうと私は理解しているのですけれども、その辺り書きぶりをどうするのか、若しくは法人のほうから意見がありましたら少しお聞かせいただければと思います。以上です。
○竹原委員
まず第一番目の御質問の「会計検査院の報告に基づき、基本ポートフォリオの検証について、必要な対処がなされたものと評価できるのが、基本ポートフォリオの検証見直しについて、今後更なる検討を期待する」という記述についてですが、これは基本ポートフォリオが適切に見直されたことについては評価しているわけですが、ただし現在、次期の中期計画、及び財政再計算後の基本ポートフォリオの検証について、法人内部で検討を進めているということですので、その点を踏まえてこのような表現にまとめさせていただきました。
それから、7ページの議決権行使の問題につきましては、現状の法人の中期計画における方針としては、このような形になっていますが、今回の場合には、平成24年度評価ですので、こうした表現とさせていただきましたが、この点については法人のほうで将来的にということで、何かありましたら御説明をお願いしたいと思います。
○大臣官房参事官(資金運用担当)
議決権行使につきましては、GPIFの運用が、政府の民間市場に対するところの介入になってはいけないという考え方が強くありまして、アメリカの連邦公務員の基金と同じなのですが、株式の保有に関しましては、自ら方針を立てずに、運用受託機関の判断で一生懸命やらせるというやり方を取っているかと存じます。
他方、安倍内閣の下で、産業競争力会議ということで、企業に対して議決権行使をどうするべきかという御議論がありまして、先ほど委員から御紹介がありましたように、スチュワードシップコード、これはイギリスのほうで株主が長期的観点から、株主行動も含め、よりどのような議決権行使をやったらいいかという任意のコードなのですが、こういうものにつきまして日本でも検討してはということで、先般金融庁で検討が始まったということです。
他方、GPIFにつきましては、内閣官房で、公的、準公的資金一般ということですが、在り方の検討を今しておりますが、その中の1項目として、長期的な観点から株等の収益率を上げる方策として、議決権行使の在り方も検討されています。現行の体制としては、今御説明ありましたように、従来的な考え方に基づけば、適切な対応を行っているということで評価していただいたのではないかと事務局的には考えております。
○光多委員
今の川北委員の質問の延長で、2ページのポートフォリオの関係ですが、検査員の報告に関しては、必要な対応はなされたのだけれども、検証見直しについて今後更なる検討を期待するというのは、何かニュアンス上は十分やっていないというような、そんなニュアンスもちょっと受け取られるのですが、今やっているのだけれども、例えばマーケットが激しく動いている中で、例えば継続的な検討は必要であるとか、要するに、「更なる検討を期待する」という表現よりは、何かもう少し具体的に必要であるのか、多分もうやっているのだけれども、マーケットが非常に激動しているので、そこに対して引き続き何らかの継続的な検討が必要と、そういう意味だと思うのです。その辺については御意見を伺いたいのですが。
○竹原委員
継続的な検討という部分以外についてですが、例えば現在は賃金上昇率との対比といった明示的な目標がない状態です。それも含めて、運用基本ポートフォリオの決定方法そのものについての議論も必要であるということもありますので、継続的検討と、それ以外に新しい財政再計算の結果を踏まえた検証も含めてという意味で、このような表現とさせていただきました。
○光多委員
今の説明で分かったのですが、「更なる」という言葉に集約されているわけですね。
○竹原委員
確かに「更なる」という所に集約しているのですが、ただ、御指摘のとおり、分かりにくい面はありますので、この部分については若干分かりやすいように文言を修正させていただければと思います。
○大臣官房参事官(資金運用担当)
起草委員からいただいた「更なる検討」ということで、私どもがどう考えていくかという話ですが、現在、平成26年の財政検証ということで、基本ポートフォリオを作る場合の経済前提、積立金の在り方、どういう形で運用目標を示していくかということにつきましては、厚生労働省で、経済前提と積立金運用の在り方に関する専門委員会で、現在検討しております。それを含めた取組に対して、エールを送っていただいたのかなと、受け止めた次第です。
○山口部会長
ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、ただいま出されました御意見に基づきまして、平成24年度の総合評価書の一部修正をいたしまして、法人及び政独委に報告結果として通知するとともに、これを公表したいと思います。なお、このあと誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応につきましては、私に御一任いただければと思います。そのように取り扱ってよろしいでしょうか。
(各委員了承)
○山口部会長
ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます。最後に、理事長のほうから一言お願いします。
○年金積立金管理運用独立行政法人理事長
ただいま私どもの平成24年度の実績に関して全体として積極的な評価をいただきまして、感謝しております。これまで何度も申し上げてきた話ですが、この第2期中期計画期間に入った後、我々の最大のテーマは、特会への多額の寄託金の返還、いわゆるキャッシュ・アウトにいかに円滑に対応していくかという問題であったかと認識しています。これに関しては、前回も御説明しましたとおり、昨年度の国内債券に係る運用受託機関の見直しに際し、キャッシュ・アウト等対応ファンドを大きく増額、財投債残高が減少していく中でも、市場に負担のかからない元利金の償還等により、平成28年度までの各年度で、おおむね3兆5,000億円から、5兆5,000億円を確保できる見通しとなりました。
その点につきましては、ただいま本委員会でも高い評価を受けたところですが、来年初の年金財政の検証結果、また今後の国の財政の動向にもよりますが、キャッシュ・アウトの円滑な対応という面では大きく前進することができたと考えます。なお、この評価結果の中に言及のありました、国内株式アクティブ運用の不振ということですが、これは現在運用受託機関の見直しに着手しているところです。マーケットもいろいろ状況によって変化するものですから、100%というわけには必ずしもまいりませんが、これまでの不振の要因等を分析した上で、今後、着実にプラスの超過収益率を確保していけるよう、努力してまいりたいと考えています。
また、先ほども参事官からお話がありましたが、現在、当法人を含む公的、準公的資金の運用等に関する有識者会議が、政府のほうで開催されております。まだ始まったばかりで、どういう議論がなされるのか必ずしも予断の限りではありませんが、当法人は運用資金が極めて巨額ということで、非常に注目を浴びやすいことは否定できないと思っております。他方、マーケットのほうも、ひと頃に比べれば、状況は好転しつつあるとは言え、いわゆるアベノミクスの今後の展開がどうなるか、米国における金融政策の動向、影響であるとか、現在やや小康状態にある欧州情勢についても、依然として火種は残っているということで、これからどう展開していくのか、また、中国をはじめとするエマージング経済の動向など、不透明要因も相変らず多い状況です。私どもといたしましては、外部からの様々な意見を虚心坦懐に受け止めるとともに、市場の動向を注視しつつ、状況に応じて適切な対応を検討する等、長期的な観点から安全かつ効率的な運用に努めてまいりたいと考えております。委員の先生方からも引き続きよろしく御指導のほど賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○山口部会長
ありがとうございました。では、現在までの意見、報告等を踏まえ、個別評定を修正したい方は、ここで評定記入用紙の修正、確定の時間を設けさせていただきますのでよろしくお願いします。なお、修正に当たり、事務局より留意事項がありますので、よろしくお願いします。
○政策評価官室長補佐
評定記入用紙についての修正は、赤鉛筆で修正していただきますようお願いいたします。修正のあるページには、付箋を貼っていただくようお願いいたします。また、机上配付しております個別項目に関する評価結果は、こちらは現時点でいただいております評定を、Sを5点、Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点に点数化したものです。なお、委員名のほうは空欄としており、各委員には御自身の名前しか分からない状態になっております。評定記入用紙につきましては、部会終了後に回収しますので、お持ち帰りにならず、机の上に置いたままお帰りいただきますようお願いします。
○山口部会長
それでは、5分程度お時間を取らせていただきますので、評定記入用紙の確認並びに修正をお願いいたします。
(評価シート記入)
○山口部会長
よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして、年金積立金管理運用独立行政法人の平成24年度業務実績評価に関する意見を取りまとめいたします。評価書には評価結果の別添として、評価シートの集約版が添付されていますが、本日評定記入用紙の確認修正を行っていただいたことにより、評価シートの集約版の内容が変更となる際には、その内容については私に御一任いただきたいと思います。場合によっては、個別に各委員に御意見を承るということもあるかもしれませんので、その際にはよろしくお願いします。それでは、ここで法人の入れ替を行いますのでしばらくお待ちください。どうもありがとうございました。
(法人・所管課入れ替え)
○山口部会長
それでは次に、年金・健康保険福祉施設整理機構について審議いたします。
始めに財務諸表について、安浪委員から御説明をお願いします。
○安浪委員
財務担当をやっております安浪です。
それでは、財務諸表の適切性についての意見、表裏が印刷の資料に基づきまして御説明します。
概要及び結果ですが、平成25年7月23日に独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構に対して平成24年度の財務諸表全般について質疑を行いました。また、同時に会計監査人である有限責任監査法人トーマツに対して監査の概要及び結果に関し、ヒアリングを行いました。監査時間は350時間、主な監査手続では実査、残高確認で、販売用不動産は鑑定書があることから立会いは行っていません。監査結果ですが、会計上の問題点、内部統制上の問題点は特にないと伺っています。平成25年6月18日付で有限責任監査法人トーマツから以下の意見が出されています。1財務諸表は適正に表示されている。2利益の処分に関する書類は法令に適合している。3事業報告書は財政状態・運用状況を正しく示している。以上により私は独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の平成24年度の財務諸表は適正に作成されているものと判断しました。
それから2番目として財務状況の前期比較です1)最初に貸借対照表関係です。1販売用不動産。当期は販売用不動産の売却はありませんでした。3つの船員保険病院が56億円で増資による受入れをされました。評価替差額金としての評価損が19億円発生したために当期末では販売用不動産は37億円増加し732億円となりました。2預り金です。今期、川崎社会保険病院、東北厚生年金病院、東京北社会保険病院の売却契約が結ばれたために契約保証金を11億円入金しました。これを預り金として処理しています。このために預り金は前期に比べ11億円増加しました。3番目として国庫納付金ですが、当期は31億円の国庫納付をしたためにその結果としまして2,054億円の国庫納付金累計額になっています。前期の国庫納付金はありませんでした。
それから損益計算書関係ですが、1経常損益ですが、今期の業務収入は販売用不動産の売却はありませんでしたので、雑収入のみであり、業務収入は前期並の1億円でした。経常費用は業務費として病院の工事費が28億円発生したために37億円となりました。この結果、経常損失は35億円の損失となりました。前期の経常損失は6億円の損失でした。
次に当期純利益ですが、今期は臨時利益として清算金収入が46億円あったために先ほどの経常損失35億円にこの清算金収入等を加えると当期利益は11億円となりました。前期の当期純利益は5億円でした。私の説明は以上です。
○山口部会長
ありがとうございました。
では、ただいま御報告いただきました年金・健康保険福祉施設整理機構の財務諸表について御意見等ありましたらお願いします。
○川北部会長代理
基本的な質問で恐縮ですが、安浪委員のペーパーの1枚目の1で、「評価損が19億円発生したために当期末の販売不動産は37億円増加した」とあるのですが、この関係が、つまり評価損と不動産の増加の関係がどうなっているのか教えていただきたいのですが。
○安浪委員
期中の増減を説明しますと、増加で56億円の増加があります。当期の減少要因は19億円です。相殺しますと37億円の増加になるということです。
○川北部会長代理
そういうことですか。
○山口部会長
ほかに御意見等ございますか。よろしいでしょうか。
それでは平成24年度の財務諸表に対する意見としては資料2-1の案のとおりで修正意見はないようですので、これを取りまとめ厚生労働大臣に提出したいと思いますがよろしゅうございますでしょうか。
(各委員了承)
○山口部会長
ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
では、次に年金・健康保険福祉施設整理機構の総合評価について審議します。年金・健康保険福祉施設整理機構の起草委員である光多委員から御報告をお願いします。なお、議事運営の都合上、概ね10分程度でお願いします。
○光多委員
資料2-2は、平成24年度の業務実績の評価結果です。起草委員の私と川北委員とで協議をして作らせていただきました。
全体の構成ですが、1から3ページの第1段落までは、これまでの経緯について事実を説明しています。3ページ目の2つ目の段落から平成23年度の評価の視点について書いています。それから下から3つ目の段落からが平成24年度の評価の視点ですが、そこに3つ評価の視点があります。第1番目の評価の視点は、譲渡指示があった病院が6つに増えたことで、この譲渡業務への取組についてが第1番目の視点です。それから第2番目ですが、来年の4月からの新機構の改組に向けて準備業務を行う組織体制の整備、更には運営方針の策定などの形で組織改正の準備等が第2番目の評価の視点です。第3番目は、新機構の改組に向けた移行準備として財務調査、第3フェーズの財務調査の実施、それから対応、この3つが具体的な評価の視点です。この3つの評価の視点に合わせて評価をしています。
4ページ目の平成24年度の業務実績全般の評価ですが、前回の御説明を受けて一応、その暫定評価書を書いてみたのですが、時間の関係もあって十分に御説明をいただけなかった点もありますので、やや暫定的な評価になっています。4ページ目の(2)の2段目ですが、これは先ほど申し上げた3つの評価の視点の中の2番目の評価の視点でして、新機構への運営方針の策定についてです。一応、仮置きですが、準備作業が大きく前進したという形で一応、評価していますが、これについては後ほど、またお願いがあります。
それから4ページ目の一番下の段落で、これは先ほどの評価の視点でいくと、第3番目の評価の視点ですが、財務調査で、第3フェーズを含めた財務調査をやったということです。
次の5ページですが、一応、その第3フェーズの財務調査をやって「病院を運営する各団体等に対して適切な運営ができるよう指導を行っており、評価できる」と書いてありますが、これについてもまた後ほどお願いしたいと思っています。
それから5ページ目の上から2段落目ですが、これは先ほど申し上げました3つの視点の中の第1番目の評価の視点でして、年金福祉施設等の譲渡に関してです。6つの病院の譲渡業務を行ったわけですが、真ん中辺りに「この結果、発足以来の譲渡実績は契約ベースで売却額2,341億円で出資価格対比195億円のプラスで、出資価格総額を上回る売却額を確保した」ということです。この6つの病院の譲渡業務につきましても、非常に短い期間でしたがきちんとおやりになったということです。それから、その中で下から2番目の段落ですが、それぞれの病院については医療行為が継続して行われる形で、その辺についてもきちんとおやりになったという形で一応、書いてありますが、前回ちょっと、その辺の御説明が時間の関係もあって十分でありませんでしたので機構から御説明をいただきたいのですが、3つに分けて御説明いただきたいと思います。
先ほど申し上げました3つの評価の視点の関係ですが、まず第1番目の評価の視点の病院の譲渡についてですが、特に随意契約の病院につきまして、鑑定評価の活用の在り方とか、それから契約先との金額交渉とか契約の状況について御説明をお願いしたいと思っています。
それから先ほどの評価の視点の2番目ですが、新組織への改組に向けた取組、具体的にいうと、いろいろな膨大な作業があると思うのですが、それぞれの作業について工程表をお作りになって、それを順次やっていくことが必要なわけですが、どういう工程表をお作りになって、それがどこまでおやりになったのかの形について、このあと、御説明をお願いしたいと思います。
それから先ほどの評価の視点で、第3番目の視点ですが、第3フェーズの財務調査ですが、具体的にどういう調査を行ったのか、それからこの調査については外部委託を活用したと思われますが、その外部委託の調査の中でRFOがどんな形で活動し、またそれに対して関与していったのか、そういうことについて御説明をお願いしたいと思います。
以上、私が申し上げました3点についてこれから御説明をお願いします。よろしくお願いします。
○山口部会長
それでは各委員の御意見をいただく前に、前回の部会において各委員から御指摘のありました点、並びにただいまの光多委員から御指摘のありました点につきまして法人から御説明をお願いします。
○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役
それでは年金・健康保険福祉施設整理機構の審議役ですが、私どもから今、光多委員から御指示いただいた3点について御説明をします。前回は本当に時間もない中で説明が十分にできなかった点を改めてお詫びします。
3点の説明ですが、まず1番目の随意契約と、それから価格の問題についてですが、この話に入る前に、そもそも年金福祉施設等の譲渡と、それから病院の譲渡の違いについて簡単に説明した上で入らせていただきます。
年金福祉施設等の譲渡につきましては平成22年度で全ての譲渡が終了したわけですが、この譲渡の基本的な考え方として福祉施設につきましては年金資金等の損失の最少化を図るとの考え方で譲渡が行われています。譲渡条件については、一部を除いて特に譲渡条件を付さないということで、一部というのは健康管理センターとか老人ホームとかのものですが、こうしたもの以外については一般的に譲渡条件は特に付せずに、また譲渡の相手方についても特段、制限がないということで、民間の株式会社等も対象になり得るといったようなものでした。契約の方法については、一般競争入札を原則として、例外的に随意契約が行われたものは地方公共団体の収用に応じた7施設、この施設のみ随意契約でして、他は全て一般競争入札で譲渡が行われました。最初に譲渡の基本的な考え方で申したように、年金資金等の損失の最少化を図る観点から入札によって高い譲渡を目指すことだと理解しています。
これに対し平成20年以降、指示されました病院に関する譲渡ですけれども、こちらは譲渡の基本的な考え方として年金資金等の損失の最少化を図ることにプラスして地域の医療体制が損なわれないように十分に配慮することを国から要請されていたところです。その結果、譲渡条件については当然のことながら、そこで行われている医療機能を維持することが求められたところです。医療機能の維持ですから、当然、その収入と言いますか、それは転売費用とかではなくて、あくまでも病院を維持する中で収益がどれだけあるかということで、受けた側としては判断していくことかと思います。加えて、特にその地域医療を維持する観点から、地元自治体から様々な譲渡の条件が求められまして、小児医療を継続するとか救急医療を継続するとか、診療科や病床数を減らさないような様々な制約、まあ言ってみれば、不採算な条件を抱えることを前提にして譲渡が行われるような、そういった難しさがあったということです。また、譲渡の相手方につきましても、地方公共団体、公益性のある医療法人ということで、言ってみれば譲渡の相手方が限られていると、市場性が狭い中で譲渡が行われることがあったわけです。
契約の方法につきましても、一般競争入札、随契もありますが、一般競争入札の場合には川崎で行われましたけれども入札が終わるまで、どこが落札するか、譲渡先になるか不明の状況がどうしても続いてしまいますので、その結果、そういったことに対する不安から職員の離職が生じたりする問題も別途生じてしまったところもありました。そうしたことから随意契約については逐次、対象範囲が拡大してきた経緯がありまして、ここにあるように岡谷塩嶺から始まりまして病院等の所在する地方公共団体といったところに範囲が広げられ、また病院の所在する都道府県内の保健医療に関する教育研究を行う学部、学科を置く大学を設置する者、あるいは機構が単独で病院の運営を委託している者といったところに随意契約の範囲が広げられる形で、実際の円滑な譲渡、医療機能の維持といったことが模索されてきたことが、これまでの厚労省からの指示の中でも行われてきたわけです。そうした中で、随意契約が病院の場合には主流になってきたわけですが、随意契約による病院の譲渡価格の設定方法について、次に御説明させていただきます。
この点につきましては、ただいま申したように年金資金等の損失を最少化する観点から、まず譲渡に当たっては中期目標の中でも不動産鑑定評価の手法に基づくことが命じられていたところです。この不動産鑑定評価を行うに当たっては、不動産鑑定業者を選定する必要がありますが、これについてはしっかりとしたところに評価をしていただくということから、競争入札の参加資格で鑑定士が20名以上所属していることを条件に、そこを対象にして一般競争入札により選定することにし、しかもその随契による予定価格を設定するに当たっては2社の不動産鑑定会社から鑑定評価を取り寄せることを行っていたところです。その取り寄せた不動産鑑定評価につきましては、当然のことながら私どもRFOとしてもきちんと内容を確認しています。具体的には民間から採用した不動産鑑定士がおりますので、不動産鑑定士の資格を有する職員を中心に内容を確認し、疑問点については十分に意見交換をした上で、問題がないと判断し、その上で第三者の目でもしっかりチェックしていただくという趣旨で設けられている譲渡業務諮問委員会で御審議をいただいています。譲渡業務諮問委員会は、ここにメンバーとしては、例えば信託銀行の出身の方、不動産の専門家ですとか、経営の専門家ですとか、そういった方々も入っていただいたもので、そこに私どもは、この鑑定業者の2社の鑑定評価額を開示し、また評価額算定のプロセス、積算価格とか収益価格などの基本的な算定の考え方も御説明した上で、その上で当該2社の平均をもって価格を設定することについて、予定価格の設定方法として問題がないという意見をいただいたところです。従って、このようなプロセスを経て、価格についてもきちんと適正な価格を不動産評価額に基づく設定をさせていただいているのが1点目の御質問に対する回答です。
それからちょっと順番が前後しますが、財務調査について次に御説明させていただきます。
平成22年度、平成23年度、ここで第1フェーズ、第2フェーズの調査を行い、平成24年度において第3フェーズの調査を行っています。第1フェーズ、第2フェーズにおきましては、基本的には病院の各勘定科目の勘定残高を決算書と照合して、合算する財務諸表を、全体で作成することを行っています。また資産についても病院の有する資産の他に、私どもRFOの有する資産についても含めて全体像が見えるようにしたことが、この第1フェーズ、第2フェーズの基本的に行ったことでして、第1フェーズは全病院を現地調査を実施して行っています。第2フェーズにつきましては、これを特に第1フェーズで問題があった病院は現地調査とヒアリングを行っていまして、いずれも私どもから監査法人に業務を委託しまして調査を実施しました。第3フェーズにつきましては、これに加えて残高の確認だけではなく、業務のフローにまでに踏み込んだと。これは新しく新機構になれば、今度は新機構の業務として、これらの病院の運営に関する明確な実態把握を行っていく必要がありますし、その業務内容についても必要な改善が見える形にしていく必要があるということで、この第3フェーズについては内部統制の状況も含めて調査を行ったところがあります。この具体的な内部統制調査の中身ですが、各施設における状況として、1つは現金とか医業未収金とか買掛金、未払金、預り金等の各勘定が適切な内部統制の下で管理されているかどうかとか、もう1つは土地、建物、医療機器等の固定資産が適切に管理されているかといった、こういう内容に踏み込んだ調査を行ったところです。
御質問がありました委託先の監査法人と私どもとの役割分担ですが、まず私どもが監査法人に委託して現地の調査を行っておりますけれども、その行った中でそれぞれの病院ごとにこと細かな指摘事項が報告されます。私どもが、その報告事項について事実関係の確認とか、あるいはこれをどう改善していくのかといった改善に関する方針を委託3団体に求めまして、そこから私どもに直接報告をしていただきながら、それに対してまた不十分な事項については再度、こちらから回答を求めるといったようなことで改善すべき前提としての事実関係、それから改善する具体的な内容についてやり取りを委託先団体との間で行ってきたわけです。特にまた不適切な状況が認められた病院については、私どもが改めて直接、現地に行きまして実地で監査を行い、その中で新たな不備な事項が発見されたこともありまして、監査法人に任せっきりではなくて、直接確認をしているところがポイントです。そうした結果、どんな事項が改善が必要な点として把握されたかというと、これは様々な点がありまして、やはり内容的に現状がかなり十分でない杜撰なものであるような実態が把握されたところです。例えば、診療報酬の保険請求額と実際の入金額の差額について差額の原因調査が行われないこととか、あるいは収納された現金の残高と会計システムにおける残高の整合確認が行われていないこととか、あるいは窓口残高の締め処理とか回収が1名のみで行われていて、複数人が関与していないといったことですとか、あるいは領収書について連番管理がされていないので1枚破られても分からないといったことですとか、現場レベルでの非常に重要な問題点もありましたし、また管理・経理の仕方で本来、発生主義で処理すべきところを現金主義で誤った対応がされていたりとか、さらには固定資産や棚卸資産について実査が行われていないため台帳と現物に不一致が見られるなどの、こういった様々な事項がそれぞれの病院ごとに把握されまして、それぞれについて病院に対して確認をし、改善を求めてきたことがあります。
私どもはこういった実態の中から個別の改善指導を行うと共に、そもそも全体として適切な内部統制システムができていないところが分かりましたので、それの構築に向けて改めて指導を行ってきました。また、原因がはっきり分からない経理処理をされたようなものについては徹底した原因究明を行わせること。それらを踏まえて、どうしても決算修正が必要な部分が出てきましたので、これについてはRFOが委託する監査法人と連携して決算修正の内容を検証して、適切な決算修正が行われるように指導してきています。
これら一連のことにつきましては、当然のことながら監督官庁であります厚生労働省にも適宜、御報告しながら一体となって指導を進めてきているところです。こうした財務調査によって、改めて社会保険病院等の不適切な会計処理が明確に認識され、このことは新機構発足に向けて改善すべき点を早い段階で明らかにすることができたので、来年の4月に向けた準備作業の中で、こうした問題点については是正、指導することに繋がっていったと考えています。
続きまして、御指摘のあった3点目で、新機構の移行の準備の進捗管理の話ですが、これについては膨大な作業がありまして、膨大な作業をここで全て御説明をするのは難しいのですが、主立ったものをちょっと掲げさせていただきます。
まず、昨年の4月以降に新理事長の指示の下に、移行に必要な業務はどんなものがあるか、全業務をリストアップして、その中でそれぞれ担当者と責任者を決めて平成26年4月までの業務スケジュールを作成し、それを毎月初めの定例会議で進捗状況を報告させながら、適宜、修正して進捗管理を行っていると、これが基本的なことです。その中で、考え方としては、これは単年度でなかなか分けて考える部分が難しいところがあります。2年間でシームレスに最後にきちっとした形で移行が間に合うように準備作業を進めることが基本ですが、大きく分けますと平成24年度には大きな方針、枠組みを決めると、そして平成25年度には具体的な事項の準備を進める考え方です。例えば、理念とかミッションとかについては早い段階で方向を決めて病院に対する周知を図ってきていますし、任命権とかの人事に関する基本方針については、やはり早い段階で院長会議等で説明をしています。その上で、例えば新機構の就業規則とか給与規程については平成25年3月の内に一応、方針を決め、院長会議で周知を図ってきたということです。そういうものに併せて、今度は具体的な現在いる職員の給与の切替作業は25年度において、また継続作業をしていくと。こういったイメージで様々な作業が行われています。
もう1点だけちょっと移行準備作業で補足しますが、総合医を含む人材育成が下にありますが、新機構のミッションで総合医の育成を掲げています。そういったことについて、具体的にどういう体制で準備作業を進めるかというと、ここにありますように昨年11月に総合医の戦略諮問委員会、これは外部の専門家、有識者にも入っていただくようなものを設置しまして、その中で新機構において行うべき新しい業務についても外部の専門家の意見もいただきながら準備をしております。先ほど、譲渡業務諮問委員会のことがありましたが、そうしたこれまでの業務の中で外部の専門家の意見を聞くことと併せて、そうした新しい枠組みについてはまた新しい枠組みを作りながら課題について検討している。これは、先般ちょっと御説明してなかったことですが、そうしたこともしながら準備作業を進めていることを御報告させていただきます。以上です。
○山口部会長
ただいまの御報告いただいた総合評価書の案につきまして、委員の皆様から御意見がありましたらお願いをいたします。
○光多委員
案の前に、今、御説明いただいたことで、前回時間がなかったのですが、今回手際良くまとめていだいて、非常によく分かりました。3点ほどお伺いしたいのですが、最初の譲渡の話です。1つは、この一般競争入札が原則で、随契が可能なケースとしてある、とありますが、これ確かに、医療行為の継続という形でいくと、随意契約のほうが望ましい面があるということかもしれませんけれども、年金会計のほうがやはりそれなりの形のきちんとした資金管理が必要だと思います。随意契約で、言葉は悪いのですが、やや価格が低い形で行われるというのは、年金会計としては問題があるわけです。医療と雇用を維持しながら、ある程度の価格で処分、譲渡する形でいくと、総合評価、一般競争入札方式をお使いになる形も含めて、検討されたほうがいいのではないかと思います。要するに、例えばその譲渡価格だけではなく、具体的にその譲渡を受けた後で、どういう形で医療とか雇用を守りながらやっていくのかという質的な提案も受けて、価格とそういう提案とを含めた総合評価でやっていくという形も含めて、おやりになる形はいかがかと思います。
そういうことを入れないと、この一般競争入札と随意契約だけでは、いかにも選択肢が少ないのではないかと思います。この形は分かりますが、例えば随契のときにいろいろ御苦労があると思いますが、実際に鑑定の価格を具体的にきちんと理解をし、それから医療とか雇用の継続を含めた形の契約をきちんとやっておられるのかどうか。それについては確認をさせていただきたいと思います。
それから財務フェーズですが、これはかなり難しいことがたくさん出てきている。ホームページでも拝見しました。この中で、いろいろな方が指導しておられると思いますが、その指導の成果は具体的にどういう形になってきているのか。例えば、構造的な問題で、直ちに正常化できないところもあると思うのです。そういうところで、どの程度指導の成果が出てきているのかが、2番目の質問です。
3番目ですが、具体的にこの工程表を作っていただいて、前からあったのかもしれませんが、これで非常によく分かりました。これを拝見しますと、実際の新組織への移行についてのメインの業務は平成25年度になるわけですね。そういう点でいくと、ここの項目、大変難しいことだと思いますが、これだけの項目を、かなり人員が減少したといいますか、効率化された体制でおやりになっていると思いますが、あれだけの人間でこれだけのことを本当にやれるのかなとやや疑問に思います。前回お話をしたかもしれませんが、やはり人員の削減とか効率化だけでやれる話ではないかと思いますので、これだけおやりになるについての体制整備はどうしたらいいのか。それについて、3点お伺いしたいのですが、よろしくお願いします。
○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役
今、御質問がありました1点目については、これは私どもは契約の方法については一般競争入札によるか、随契によるかということについては、譲渡指示のところで厚労省から指示をされますので、私どもはこれは随契でということで、指示を受けたものについて随契でやらしていただいているということなので、むしろ年金局のほうで対応していただくべきものと思っております。
それから2点目の鑑定評価については、これはもちろん私どもとしては、内容について先ほども御説明しましたが、私どもとしてもこれは説明していく必要があると思っておりますし、不動産鑑定士の資格を有する職員を、私どもの職員として採用しているのは、正に私どもがきちんと不動産鑑定評価の内容を把握するためです。その意味で、きちんとした評価を行った上で、譲渡業務諮問委員会に御説明をさせていただいているということです。そうした体制は、こうした譲渡業務がある以上は、私どもとしてもこれからもきちっと維持していく必要があると思っております。
○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
残りの2つの問題ですが、まず最初の、これだけの作業があるのにこれだけの人数で大丈夫かと。これについては、今お見せしました工程表は私が就任してかなり早い時期に作りました。こういうことでやるということで、実際には、先ほども説明があったように、平成24年度で最も大事なことは、やはり新機構への移行準備への基礎を作ることです。例えばミッションをはっきりさせるとか、給与なんかについての基本的な考えをするという基礎作りをやったと思います。しかし、実際には給与が、3団体が違う給与を移行するという基本的な考えを具体的なものに移すのにはかなりエネルギーと時間が必要で、この平成25年になってから始めているというような、大体そういう考えでやってきています。
それで御質問の、人数が足りない、それに対してボリュームが多い、どう対処しているか。実は、私としては非常に難しい宿題を与えられていまして、一方で人数については削減してくれという目標があって、それについて要請に応えなくてはいけないと同時に、膨大な量をやるということで、3つの評価としていうことで、譲渡と新機構の準備と、それから財務です。これらは、それぞれが膨大な量で、お聞きになられたからお答えしますけれども、これは文字どおり、私のスタッフがそれこそ毎晩遅くまでやって、この仕事量に対応しているというのが実際です。これからも人数が多くなることが、できればもちろんそれに越したことはありませんが、限られた人数をしぼる中で、これだけの量をやっていくということです。しかし、一生懸命スタッフがやっていただいたおかげで、大まかな筋というか、大まかな方向性はできてきたので、あと半年ぐらいですが、今まで以上に頑張ってやりたいと思っております。
それから、これだけの財務のいろいろな会計ガバナンス等々の指導をしたけれども、その評価についてはどうかというのが、2番目の御質問だと思います。相手側の全社連の本部及び病院もすぐにやっていただいている所もありますが、長い間に、2ページ目のペーパーにありますように、最後の所の四角囲いで、社会保険病院の不適切な会計処理が明確に認知されており、今回、我々の第3フェーズをやったことで、初めてこのことが公になったということです。長い間このプラクティスというか、こういう会計処理がされていたので、委員おっしゃるように、そう簡単ではありません。なかなか本部で言ったことがすぐに実行されることはないので、私としては、これからはRFOがもう少し直接、今までは委託先団体に任せていたわけですが、これからは我々がもっと直接関与する度合いを強めなければいけないと考えております。
○山口部会長
御意見ございますか。
○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長
1点追加です。先ほど工程表の中で、メインの業務は平成25年度という御質問でございましたが、理事長からも御報告がありましたように、全社連の社会保険病院グループは個々病院ごとにお給料、手当を決めております。51病院もてんでばらばら、51の就業規則あるというのが、今日の現状です。昨年、平成24年4月に理事長就任なさって、我々も当時日本橋の事務所に集合したわけですが、まず初めに取り組んだのが、個々病院の給与の実態です。全国法人組織の全社連本部というのが存在しましたが、全社連本部は個々病院の給料すら把握しておりませんでした。例えば、社会保険中央病院で給料がいくら、こういうクラスで出ているとか、現実に手当がどういう規定で現場で支給されているかということすら、全社連本部は掌握しておりません。全て病院任せという状態でした。したがいまして、平成24年度に我々が行った最も大きな調査というか、まず最初の取掛りは、全社連51病院、全ての病院の給料の実態を我々が調査しないとものが動かない、何も考えられないところがあったというのが、先ほど言いましたフェーズ3の財務調査と併せて御報告しておきたいと思います。
○光多委員
今の関係で、この頂いた資料で、平成24年度には大きな方針、枠組みが決定し、平成25年度には具体的な事項の準備を進めると書いてあるものですから、具体的に見ますと、やはり今おっしゃったように、かなり長年の話で、それを25年度にきちんとした形をおやりになるのでしょうけれども、平成26年4月からどんな形で新組織がスタートするのか。パーフェクトなのか、例えば給与も、財務関係も全部解決する、パーフェクトな形でスタートというのは可能なのでしょうか。ある程度は積み残しがあって、どんな状態で平成26年4月からスタートするかというところ、その辺の感じはいかがでしょうか。
○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
厚生労働省の社会保険病院対策室長です。所管官庁の立場から全体的なことを申し上げますと、基本的には財務調査の関係でお話をいただいているところなのですが、この辺の財務会計処理の関係についてはRFOのほうからも説明ありましたように、今の全社連病院における財務会計処理というのは不適切な問題も多々見られているところです。今後、最終的な決算修正の結果を近々公表することにしております。先ほど理事長からもありましたように、今まで委託元、委託先の関係で委託先にある程度任せていた部分についても、来年4月からは新法人で病院を直営をすることになりますので、今後はRFOのほうで個々の病院に対して直接指導、指揮、指示をしていただくという方向で、我々、RFOなり、全社連なりに指示、指導したいと考えております。当然平成26年4月の時点で、こういった財務会計処理が不適切なまま新機構に移行することはあってはならないことだと考えておりますので、そういった形を取り、来年4月にはきっちりした形で移行することを考えているところです。以上です。
○川北部会長代理
今の関係ですが、具体的に考えますと、例えばこの工程表のところに、財務・人事・給与システム、医療情報システムと書いてあるのですが、システムと書いてあるからには何らかの電算処理をイメージされていると思うのですが、この辺り、今年度中に本当に完了するのかどうか。それから財務の関係で言うと、相互の牽制とか、そういうガバナンス的なことが必要になってくると思うのですが、そういう内部の体制なり、そういうものが整うのかどうか。それから給与の点で言いますと、会社でいうとテーブルを決めないといけないわけですが、そのテーブルなどがきちんとそろっている状態なのか、それとも今後、その年度中に実施されるのかどうか。具体的なところを教えていただければと思うのですけれども。
○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長
御指摘ありがとうございます。システムのほうというのは一番効率的に、病院の数でいくと全社連の病院の数がいちばん多うございます。予定しているのは57病院ですが、47が社会保険病院、あとの7つと3つ、船保が3つ、厚生団が7つということです。インフラは全社連が整備したインフラでやろう、乗っかろうと。今、全社連が使っている会計ソフトをカスタマイズして、独法の準則に合致したものに変えるということです。
本省の室長のほうからもございましたように、今の全社連の会計ガバナンスも無茶苦茶で全然なってない状況ですので、近々に我々のほうが直接指導に乗り出さないとならない状態です。ですから、我々がフェーズ3を一緒に作業した監査法人とともに、全社連の職場、現場の職員、会計担当に直接、秋以降指導していくことを念頭に考えております。
それから給与については、パーフェクトに平成26年4月にできるかどうかは分かりませんが、独法の公的の水準というのは決まっておりますので、例えば国立病院とか労災病院とか、先行している独法病院の公的水準をベースに、病院現場と会話しております。たくさんの病院が異なった手当、異なった給与で今やっておりますが、極力その職員の離散にならないように、然はさりながら、やはり公的水準では高いということになっている給与をどのように下げていくかということがポイントでして、その辺のところも秋口までに2万数千人に、個々シュミレーションした給与表を提示し、来期の就業の確認をし、また、どういうところが職員の意向にそわないという形か。ただ、職員が給与を下がるのは嫌だと言っても、続けられる手当、続けられる給与と、続けられないものがありますので、そこのところはきっちり区分した上で、確保対策もやっていかないといけない。そんな状況です。
○山口部会長
ほかに御意見等ございますか。
○安浪委員
先ほど光多委員が言われたことに関連するのですが、不動産の譲渡に関連して、不動産の譲渡はやはり市場原理に基づいた時価取引が原則だということなのです。この表にもまとめていただきましたように、当社の場合は地域の医療体制が損なわれないように十分配慮するということと、相手先が地方公共団体とか公益性のある法人だということで、市場性に制約を受けると。大きく市場性に制約を受ける要因が2つあるわけですね。医療体制が損なわれないことと、相手さんが限られてきている。ということは、随意契約の場合に、その価格が市場性とかけ離れた値段で行われる可能性がある。そういうことがあるわけですから、価格の説明責任は、一般の市場取引よりははるかに高いのだと。一般の民間同士であれば、市場原理に基づいて恐らく取り引きしているだろうから、そう問われないかも分かりませんが、当社の場合は市場性を制約する要因が、今申し上げたように2つあるわけです。地域医療体制が損なわれない配慮が必要だということと、相手先が限られている。これ、どちらも市場性に制約を受ける要因であるわけです。したがいまして、随意契約である場合、市場性から離れた価格でやる可能性があるのであれば、なおさらのこと、価格の説明責任というのは大きく問われている。一般の民間企業よりもはるかに大きな価格に対する説明責任が問われているんだという意識を構築していただきたいということです。それがやはりRFOさんとしての説明責任の根幹になっているという意識を持っていただきたいということを光多委員の御質問にも関連しましたが、私の意見として言わせていただきたいと思います。
○光多委員
先ほど説明を抜かしたので恐縮でしたが、この評価結果の16ページを御覧ください。この辺の表現は随分考えて書いたつもりなのですが、組織体制、人員経費関係については、平成24年度の当機構のラスパイレス指数が117.9という形で、非常に高い。この施設機構の平成24年のラスパイレス対象者は全員が国からの出向者である形の中で、なぜ高いのか。そこに地域的要因で、調査対象者全員が東京であること、それから職員構成が8名、対象者が8名。次の段落にありますが、新機構改組に向けた困難な業務に対するための、非常にこういう知見がある職員を配置した形で、結果的には117.9という形で非常に高い。ただ、実際の新組織になると、そこは薄まっていくので、平成24年度、平成25年度特有の現象だと思います。一応この辺のところ、表現の仕方はもう一遍考えてみますが、書かせていただいております。以上、ちょっと付け加えさせていただきます。
○山口部会長
ありがとうございました。先ほど光多委員からは暫定的な表現といったようなことで、総合評価書について、さらにちょっと工夫をしていきたいといったようなこともございました。今日いろいろな御意見もございましたし、法人のほうからの御説明もありました。起草委員とも相談をいたしまして、具体的な修正についてはそういったことを踏まえた上で、最終的に私が事務局と調整して決めさせていただく形で、御一任いただければありがたいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○山口部会長
なお、平成24年度の総合評価書として、法人及び政独委に評価結果として通知をする、そして、これを公表するというような段取りになりますので、よろしくお願いします。
では、引き続きまして現在までの意見、報告等を踏まえ、個別評定を修正したい方は、ここで評定記入用紙の修正確定の時間を設けさせていただきますので、よろしくお願いします。先ほどと同様5分程度で評定記入用紙の確認と修正をお願いいたします。
(評価シート記入)
○山口部会長
まだお書きの方もいらっしゃいますが、これをもって年金・健康保険福祉施設整理機構の平成24年度業務実績評価に関する意見を取りまとめいたします。なお、先ほど同様に、評価シートの集約版について、修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただきたいと存じます。
次に、暫定評価についての審議に入ります。まず、事務局から暫定評価について御説明をお願いいたします。
○政策評価官室長補佐
暫定評価について説明します。ピンク色の資料集の59ページの(3)ですが、これまでの評価結果を次期中期目標の策定等へ反映させるという観点から、中期目標期間の最終年度において、中期目標期間の業績に係る暫定評価を行うこととされております。暫定評価については、中期目標期間中の各年度における法人の実績等を踏まえ、起草委員の先生に作成していただいた暫定評価結果案を基に御審議いただく形になります。なお、暫定評価については、総会での決定事項となりますので、本日の部会で審議を行い、1次評価を行った上で、その結果を部会長より総会に報告していただき、総会での審議を経て暫定評価を決定するという流れになります。以上です。
○山口部会長
続きまして、法人から中期目標期間の業務実績について10分程度で説明をしていただき、起草委員である光多委員から、暫定評価書の案について、同じく10分程度で御説明いただき、その後、質疑応答を10分程度行いたいという流れで進めていきたいと思います。まず、法人から中期目標期間の業務実績についての説明をお願いいたします。
○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役
資料2-3、暫定評価説明資料に沿って説明いたします。評価項目1から順番に説明いたします。【評価項目1】ですが、「効率的な業務運営体制の確立」です。この業務体制ですが、平成17年度の当初については、施設譲渡の企画・開発、入札・売却といったものに主眼を置いた体制を作り、それで譲渡業務を進めてきたところです。その間には適宜、必要に応じて体制の見直しをしてまいりましたが、特に平成24年度以降については、新機構設立に向けた準備業務が機構の業務として追加されたということで、準備室を立ち上げたこと。それから、その体制の下で、それぞれの経験のある人材を確保しつつ、業務の円滑な実施に努めてきているというところが基本です。
この間において、当然、内部職員だけではなくて、外部の専門的知見をいかす体制ということで、積極的にできるようなものは外部委託をしてきたということがあります。譲渡に関してのアドバイザー業務とかデユーデリの業務、あるいは先般説明した財務調査の話とか、エンジニアリングレポートとか、事業の引継支援業務といった様々な業務について、外部委託を実施しながら業務を進めてきたところです。
【評価項目2】ですが、「業務管理の充実」です。これについては進捗管理が1つありまして、国から出資を受けた資産についての情報管理、これは物品台帳等については全てPDF化したり、データベースによる集約管理を行ってきているところです。併せて財務調査の結果についても、これを基に新機構の開始貸借対照表、開始BSを作成することに活用したりしながら、財務内部統制調査についても実施してきたところです。併せて当機構の業務をめぐっては、訴訟等の問題に対応するために、法務文書課を設置し、また偽情報への対応についても、機構ホームページ等により情報を開示して、被害の発生防止に努めてきたということがあります。
【評価項目3】です。「業務管理の効率化に伴う経費節減」ということで、特に一般管理費については、平成25年度において、平成17年度対比18%以上削減という目標が掲げられておりますが、これについて平成24年度の段階で60%の削減ということで、一般管理費はかなり削減をしてきているところです。一方で、常勤役職員の数については、平成25年度末までに平成17年度対比8%以上の人員削減ということが目標として掲げられておりますが、これについても41.5%の削減ということで、かなり努力してきているところです。契約及び情報保護の徹底については、特に契約については契約監視委員会、随意契約等見直し計画の策定、一般競争入札の徹底といったことを行ってきているところです。
【評価項目4】、「各施設の経営状況等の把握・地方公共団体への説明」です。この点については、まず経営状況の把握については、機構が発足した当時に全施設を対象に不動産調査を実施して、機構の譲渡計画を立案して、これに沿って実施してきているというのが基本です。その上で、経営状況については、最近では財務調査によって各病院の状況を把握してきていると。新機構移行に向けた準備もこの中で進めてきているところが病院に関する追加点です。自治体への説明についても、特にこの施設が所在する全ての地方公共団体に対して、機構発足時にアンケート調査を実施して、譲渡あるいは譲渡に関する考え方についてお聞きし、また特に譲渡をしていく上で、自治体による支援策の取り付けが極めて重要なポイントだという認識の下に、固定資産税の免除、一定期間の減免・あるいは付加価値の拡大に関する取組をしてきたということで、自治体とも密に連携しながら、取組を促すような対応をしてきたところです。病院等の譲渡に関しても、譲渡条件等について、自治体との間では十分協議を行いながら進めてきております。
【評価項目5】です。「年金福祉施設等の譲渡又は廃止」の関係ですが、この関係は幾つかスライドがありますので、簡単に説明いたします。譲渡廃止については、先ほど申しましたように各事業年度ごとに年度計画を立案して進めてきて、福祉施設については平成22年8月をもって、全施設の売却を完了したということです。売却額の合計については下の表にも出ておりますが、総額で2,185億円、売却原価比で188.5%、出資価格比で109.2%が福祉施設で、機構が当初から目標としてきた「時価を上回り売却すること」及び「出資価格を毀損しないこと」という2つの目標を達成しております。病院については、6病院で既に契約をしておりますが、この6病院の結果についても、総額で155億円、同じように売却原価比、出資価格比で100%上回っている状況であるところです。
【評価項目5】の2つ目ですが、契約方法については、収用に応じた7施設を除いて、福祉施設は全て一般競争入札、病院は随契というのは先ほどお話させていただいたところです。なお、契約の条件については、福祉施設は一部のものに譲渡条件を付けてあります。一方、病院は病床の規模、あるいは救急、診療科の維持・継続といった様々な条件が、病院の譲渡については自治体からの要望を踏まえて付加され、これが契約条件の中に明記される形で譲渡が行われているところです。
譲渡価格は先ほど説明したような内容ですが、特に平成19年度以降は最低売却額の全件開示に踏み込むといったことを行っているところです。委託先公益法人の雇用への配慮も、当初からお願いをしてきております。この点については福祉施設については10ページの表になりますが、雇用への配慮に努めるようにお願いした結果、譲渡時に従業員がいた施設の72%において一部継続を含めた雇用の継続がされたということがあります。
【評価項目6】、「年金福祉施設等の運営及び資産価値の保全」です。この点については、従前の公共施設の譲渡では必ずしも行われていなかったと理解しておりますが、このRFOにおいては特に例えば不動産に関する支障を事前に解消しておくといったこと。例えばいろいろな接道敷地の購入とか境界線の調整といった支障について、事前に解消する、あるいは劣化した機能について改善をするということで、熱源の更新とか、外壁の改修などをして、より譲渡がしやすい環境に努めることを行わせていただいたところがあります。
13ページ、【評価項目7】、「買受需要の把握」です。買受需要については、基本的には福祉施設の売却においても、現存する建物とそこで働く人を活かすためには、事業を継続することが有効という考え方で、協力ベースではありますが、そうしたことを求めてきたという経緯があります。その結果、福祉施設においても、譲渡時に事業を行っていた施設の74%において、事業が継続されたということがあります。この間には、全施設の実査に加えて、地方公共団体、金融機関、ゼネコン、地元の有力企業を訪問して、買受需要の把握を行うとか、様々な取組をしてきたところです。また、病院等の譲渡についても、基本的には継続が前提というのは、先ほど説明したとおりの方針で臨んできております。
【評価項目8】、「情報の提供」です。情報の提供については、運営に関する情報を可能な限り開示し、透明性の確保に努めてきたということで、譲渡価格に関する内部情報・入札者情報以外は、基本的に全て開示をするという方針で臨んでまいりました。また、特に私どもで実施した公的施設売却に係るノウハウを整理して、国や独立行政法人から譲渡手法について問合せがあった場合には、原則として面談により詳細な情報提供を行うということで、私どものノウハウを他にも活用していただくことを行ってきたところです。
【評価項目9】、「新機構への改組に向けた準備」、この関係は先ほど説明したとおりです。また、評価項目9は平成24年度から新たに追加したものですので、先般説明した内容と同じ内容です。
17ページの【評価項目10】は「予算、収支計画、資金計画、短期借入金の限度額」といったところで、平成17年度と平成23年度を除いて予算額を上回る決算額となったということ。これは不動産売却収入等の収入が計画を上回っていることが原因でした。一方、一般管理費については予算以内で抑えてきたところがあります。短期借入れについては、初年度である平成17年度のみということで、これも中期計画の範囲内となっているところです。
【評価項目11】、「人事に関する計画」です。人事に関する方針ですが、一般職員については実績評価と能力評価による評価。一方、譲渡専門員については民間に準じて、成果主義に基づく実績評価を行うということで、職員の専門性を高め、勤務成績を考慮した人事評価を徹底して行っております。また、人員に関する措置ということで、数については先ほどお話したように目標を大幅に上回る人員削減を行ってきたところです。
【評価項目12】、「国庫納付金」は、初年度の平成17年度と東日本大震災により被害を被った復旧経費を考慮した平成23年度はゼロでしたが、それ以外の各年については国庫納付を行ってまいりました。国庫納付の総額は2,054億円で、いずれも決算終了後、速やかに各年において納付がされているところです。
【評価項目13】、「外部の有識者からなる機関に関する事項」は、外部の有識者からなる譲渡業務諮問委員会を設置して、先ほど説明しましたが、ここで譲渡価格の設定方法も含めて御議論いただいているところです。
【評価項目14】、「保有する個人情報の保護に関する事項」。平成20年度に法務文書課を設置して、ここで個人情報の保護に関する業務を取り行っております。また、職員研修、総務省の研修会への参加を行っております。
【評価項目15】、「終身利用型老人ホームの譲渡に関する事項」は、厚生年金サンテール千葉の譲渡に絡む問題です。入居者の終身利用権を保護するために、譲渡条件を付して譲渡を行うということで、適切な条件を設定して、引き続き入居者の終身利用権が保護されるような取組をしてまいったことと、併せて買受者に承継された入居一時金等について、定期的な確認を実施しており、現状、特段の問題が生じていないことは確認しているところです。以上です。
○山口部会長
暫定評価書の案について、光多委員から10分程度で御説明をお願いします。
○光多委員
資料2-4です。今回の「中期目標期間」の暫定評価は極めて難しいことで、2つの業務を一緒にやるということなので、その辺が非常に難しくて、しかも今日の御説明でかなりいろいろなことが分かってきましたので、その辺についてまた更に書き入れていきたいと思いますので、大変恐縮ですが、これは暫定評価結果の暫定版という形で書いてあります。
1ページの「評価の視点」で、これは過去の経緯からずっと書いてあります。2ページに施設整理機構が来年から新しい組織に改組されるという形を書いてあります。
1の(2)の「中期目標期間の業務実績全般の評価」として、年金福祉施設等の譲渡又は廃止と社会保険病院等の運営管理又は譲渡への対応を分けて評価を行うとともに、年金福祉施設等、300施設全ての譲渡が完了したことから、譲渡完了に至る期間を含めて評価を行うという形で、全般的には2つに分けて、評価を行っております。
3ページの真ん中までが全体的な評価の視点です。3ページの真ん中の最初の段落ですが、全体的な表現としてはこの3行に言い尽くされるわけで、「このように施設整理機構の置かれた環境変化に応じ評価を行ってきたところであるが、中期目標期間全般としては、次のとおり、高い業績を実現していると認められ、大いに評価できる」と、一応ここが1つの大きな結論です。その後ですが、年金福祉施設等の譲渡と新組織への準備と2つに分けてありますが、年金福祉施設等の譲渡については、全ての施設の譲渡が完了したと。これは極めて高い評価をしていいのではないかと思いますが、その売却実績は売却額2,185億円で出資価格対比184億円のプラスで、出資価格総額を上回る売却額を確保した。金額だけではなくて、施設譲渡時に事業を行っていた258施設のうち、74%に当たる192施設について事業が継続され、公共性に配慮した事業継続への取組の成果は極めて大きいものと評価できる。事業の継続と雇用の継続を合わせて、しかも高く譲渡を行ったという形で、極めて高い評価をしていいのではないかと思います。この辺については、それぞれの年度で極めて高い評価が与えられておりますので、それを反映してこういう表現でいいかなと思っております。
4ページですが、先ほどお話しましたように、今回の新しい組織への準備は、前の年金福祉施設等の譲渡は大変分かりやすかった、幾つの施設を幾らで売るという形で非常に分かりやすかったのですが、現在、非常に複雑で、かつ難しい仕事です。これについては、先ほど申し上げましたように暫定的な表現になっており、4ページ「前例のない譲渡業務を地域医療が継続されることに配慮しながら適切に行えたと認められる」と、一応、こう書いてあります。
その後ですが、先ほどの平成24年度の評価結果を反映させながら、また少し文書を考えていきたいと思っていますが、5ページに「新機構の運営方針を確定させていくことができており、改組に向けた準備作業は大きく前進したと認められ、大いに評価される」と書いてあります。これは先ほどからの議論を踏まえて、大きく前進したと考えるのか、着実に前進した、又は計画どおりに前進したと考えるのか。先ほどの工程表を拝見すると、非常にいろいろな問題を平成25年度にやっていかなければいけないということだと思いますので、現段階でこういう表現がいいのかどうかについては、また考えさせていただきたいと思います。
5ページの真ん中辺りでも、新機構の使命、人事・給与・財務など、新しい機構の運営の方針について徹底的に議論を行い、「運営方針を確定させている」についても、もう少し修文したいと思っております。同じことが次の段落にあります第3フェーズの財務調査についても言えるわけです。そういう形で、2つに分けて書いてありますが、特に平成24年度の評価を踏まえて、少し修文をしていきたいと思っております。
6ページ以降は、具体的な評価内容ですが、今までのことを縷々書いてあります。先ほどお話しましたように、新機構への準備については、例えば10ページの下、「病院の譲渡について高く評価できる」と書いてあります。これについても、少し文章を考えたいと思います。また、15ページの「新機構への改組に向けた準備」についても、先ほどありましたように、「改組に向けた準備作業は大きく前進したと認められ、大いに評価できる」と書いてあります。これについても、今日の議論を踏まえた結果で考えたいと思います。要は先ほどありました工程表を御説明いただいたわけですが、これからが本番だというところですので、そういう点で暫定評価も非常に難しい時期の暫定評価ですので、暫定評価の暫定という形かもしれませんが、今日の議論を踏まえて、これについてはもう一遍、文章を練り直させていただきたい。そういうことで大変申し訳ございませんが、この暫定評価については暫定的な暫定評価という形を御理解いただきたいと思います。以上です。
○山口部会長
暫定評価の案について、御意見等ありましたらお願いいたします。
○竹原委員
細かな点で申し訳ないのですが、雇用の継続の72%については、一部継続を含む数字になっていて、事業の継続状況は一部継続を含まない数字になっているかと思うのですが、そこである意味で不整合があると思います。実際に雇用が一部継続になっている状況というのは、どういった状況なのでしょうか。1人でも従業員が残っていれば、大半の方が雇用状態は継続しなくても17%に入っているということなのでしょうか。
○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役
事業継続のほうは、正に事業の全部か一部かという話になります。10ページの表は、一部継続というのは、一部の従業員が継続されたという意味です。ですから、その一部が何人かということについては、私は今この場では数字がないのですが、おっしゃるとおり全員ではなくて、一部の職員が継続された場合が一部継続と書かれているということの整理のようです。17%の施設において一部の職員が新法人にも採用されたという数字だということです。
○大野委員
【評価項目3】、「業務管理の効率化に伴う経費節減」の点ですが、まず暫定評価がAとなっております。その中身ですが、一般管理費が平成17年度対比で60%の削減ということで、目標を非常に大幅に上回るような経費削減が達成されたということですが、暫定評価はAとなっています。人件費に関しても、目標を上回る削減となっていますが、両方を加味してもAという評価で、これに関しても暫定評価結果の評価書の中に記載があります。60%削減という非常に大幅に上回る削減がなされたにもかかわらず、A評価であることをつなぐために、一般管理費が60%削減というところが、予算として震災等がもし仮に発生した場合に備えてという形で、多めに予算を取っていたところが、実際にはそういった事態が発生しなかったので、支出の必要がなかったということで、削減ということ。そういった事情が裏にあったのではないかとも記憶していますので、暫定評価結果の5ページの下から2段落目に、経費削減60%についての記載があるのですが、60%も削減したにもかかわらず、暫定評価がAであることの理由を、もし可能でしたら付記されてはいかがかと思いました。
○山口部会長
これは暫定評価結果についての御意見ですか。
○大野委員
暫定結果は修正することはできないかと思うのですが、こちらがAという評価を下していることの正当性を文章でつなげるために、60%の削減という数値であるにもかかわらず、暫定評価でAという結果を下しているその理由というか、背景みたいなものについて、文章で追記をされてはいかがかといった提案です。
○山口部会長
これについて、何か御意見はありますでしょうか。暫定評価は、過去の平成17年から平成24年の括弧の中に書いてある数字を平均化していると思います。ですから、毎年の評価でSが多くてもAになるということがあるということですね。つまり、ぎりぎりのS評価が多い場合には、Aの年度も含め平均にしたらAになってしまうということ。例えば平均が4.43とかになった場合、そういうことですよね。このため、こういう事態が出てくることになるのですが、若干、表現を工夫してはどうかということです。ほかに御意見はありますか。
○光多委員
竹原委員のおっしゃった3ページですが、先ほど事務局から御説明いただいた一部継続がどういう内容かというのをチェックした上で、場合によれば72%(一部継続17%を含む)とかいう形で書いたほうがいいかもしれません。一部継続の内容をチェックした上で考えさせていただきます。
○山口部会長
分かりました。幾つか御意見を頂きました。先ほど光多委員からも、表現については本日の御説明も踏まえて、若干、更に工夫したいといった話もありましたので、大きな流れ自体は今日、御報告しているものではありますが、若干の修正はあるということで、最終的には私と事務局と調整をする形で決めさせていただきたいと考えておりますので、御一任いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○山口部会長
ありがとうございます。これについては、8月28日の総会で、私のほうから委員会へ報告をしたいと思っております。
次に、組織・業務全般の見直し当初案についての審議に入りたいと思います。事務局から組織・業務全般の見直し当初案の枠組みについて説明をしていただいて、その後、担当課より10分程度で内容の説明をお願いしたいと思います。まず、事務局、お願いします。
○政策評価官室長補佐
組織・業務全般の見直し当初案の進め方について説明いたします。資料集の139ページにありますとおり、独立行政法人通則法第35条により主務大臣は独立行政法人中期目標期間終了時において、当該法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方等について検討を行い、所要の措置を講じることとされております。その際に評価委員会の意見を聞かなければならないこととなっております。このため、法人の所管課で作成した組織・業務全般の見直し当初案について、御意見を頂くことになります。
具体的には、同じく資料集の141ページにあります平成15年8月1日の閣議決定に基づいて進めていくことになりますが、この閣議決定の内容を簡単にまとめた流れ図が資料集の140ページに記載されております。なお、組織・業務全般の見直し当初案に対する評価委員会の意見は、こちらも総会の決定事項になりますので、部会で審議した後、総会においても審議を行い、その意見を踏まえ修正したものを、総務省政独委に提出するという流れになります。その後、総務省政独委での審議を経て、組織・業務全般の見直し案として、本年12月に再度、部会及び総会において審議を行う形になります。事務局からは以上です。
○山口部会長
担当課のほう、お願いします。
○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
年金局の事業企画課の社会保険病院対策室です。資料2-5に基づいて説明いたします。独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構、これは平成26年、来年の4月以降は独立行政法人地域医療機能推進機構に改組されることになっておりますが、その組織・業務の見直し当初案です。資料の1ページ目、法律の一部を改正する法律の概要です。地域医療機能推進機構については、年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)は、今まで御議論がありましたように、年金福祉施設等の整理・合理化を図ることを目的に、平成17年10月に5年間という期限付きで当初、設置された独法です。このRFOを平成23年に成立した議員立法により改組して、地域医療機能推進機構を設置することとなっているものです。この新しい機構については、RFOから社会保険病院等を引き継いで、病院を直営することになっております。現在、社会保険病院等については、国からの出資を受けてRFOが保有し、実際の病院運営は特例民法法人等に委託されているところですが、新機構については今申し上げたとおり、RFOから社会保険病院等を引き継いだ上で直営をし、資料1ページ目の「法律の趣旨、1.」に記載があるように、地域医療に貢献をしつつ、安定的な病院運営を行うことを目的としているものです。
この新しい地域医療機能推進機構の概要としては、資料の2.法人の目的としては救急医療等の5事業、リハビリ等地域医療・介護を提供する機能の確保を図り、公衆衛生の向上、住民福祉の増進を図ることを目的としております。法人の業務(2)ですが、病院等の設置、運営となっております。すなわち、病院等を直営するということです。
(3)に病院等の譲渡とありますが、平成23年に成立した議員立法には、これまでの社会保険病院等をめぐる議論の経緯を考慮して、引き続き地域で必要とされる医療機能が確保されるものについては譲渡することができるという規程があります。もちろん、地元の自治体との調整が必要ということは当然のことです。
3.その他にあるように、改組時期は平成26年4月となっております。
次ページの資料ですが、改組のイメージということで、RFOと新機構との比較をしているところです。目的や業務については、1ページ目の改正法の概要で説明したとおりです。先に説明したとおり、法人の目的業務については、年金福祉施設等の譲渡を行うRFOから病院等を直営する新機構に大きく変わることになっております。組織体制についても、役職員の所にあるように、これまでRFOは役員4名、職員20数名の体制だったわけですが、これが来年4月以降、病院等も全部含めますので、役員13名、職員約2万人の体制に大きく変わることになっております。ちなみに、この役員の人数については、法律の中に人数も含めて規定がされているところです。
次ページですが、「事務・事業の見直しの当初案」についてです。見直し当初案については、新機構では地域において必要とされる医療・介護機能の確保を図るという機構の目的を果たしていただくために、資料に記載しているような方針で事業を実施していただくこととしてはどうかと考えているところです。ポイントにもありますように、現在、それぞれの社会保険病院等は、病院ごとに得意分野などの強みを持って、現在でも地域医療に貢献をしていただいているところですが、新機構の移行後についても、地域の実情や各病院、老健施設などの強みをいかして、全国規模の病院グループとして、各地域のほかの医療機関などとも連携をしていただきながら、急性期医療から回復期、リハビリ、介護に至るまでのシームレスなサービスを提供していただき、地域医療・介護の確保に取り組むこととしていただきたいと考えているところです。具体的には、各病院がそれぞれの地域での取組が十分でない分野について、そういった分野を積極的に補完してもらうとともに、地域医療の支援する機能の体制を整備していただく。例えば地域の医療機関との連携であるとか、地域の医療従事者に対する教育・研修、地域医療に関する情報発信といったことに取り組んでいただき、救急、災害、へき地、周産期、小児医療といった5事業やリハビリの実施に積極的に取り組んでいただくということです。また、2つ目の○に書いてあるように、現在、社会保険病院等、約半数に介護・老人保健施設が併設されておりますので、新機構においてはこれを引き継いでいただくことになります。こういった特色を踏まえて、様々なサービス、老人保健施設サービス、ショートステイ、リハビリ、訪問看護といった諸々の複合的なサービスを一体的に提供していただく拠点として、医療、介護、生活支援などが日常生活の場で一体的に提供できる地域の体制ということである地域包括ケアの推進に努めていっていただきたいということです。
次ページの「組織・運営の見直し当初案」は、これまで社会保険病院等については、RFOから特例民法法人等に運営を委託していたわけです。また、これまでは委託先団体がそれぞれ団体ごとに異なった方針で、病院の運営を行っていたという実態もあります。しかしながら、来年4月以降は、社会保険病院等は新機構が直営することになりますので、これに伴って、先ほど申し上げたように全国規模の病院グループとしてスケールメリットをいかした組織・運営を実現していくことが必要になると考えております。また、一元的な規定等に基づいて、内部統制を確立した運営を行っていく必要があると考えております。
見直し当初案のポイントとしては、1つは新機構の病院間での人事異動を行うなど、法人内で適切な人員配置を実現していただくということ。2つ目として、経営指導など、病院運営については機構の本部が積極的に関与することとしていただく。これまでは、先ほど申し上げましたように、それぞれ特例民法法人の方針によっていたところが否定できないわけなのですが、新機構については、そこは本部がきっちりグリップをしていくということです。3つ目の○にあるように、職員の適正配置や共同入札の実施などにより、より効率的な運営を実施することに取り組んでいただくということです。新機構の業務・組織の見直し当初案に関する説明は以上です。
○山口部会長
ただいま御説明いただきました組織・業務全般の見直し当初案について、御質問等ありましたらよろしくお願いいたします。
○光多委員
特に問題というわけではなく確認質問なのですが、事務・事業の見直し当初案についてで、確かに半数の病院に老健施設が附属しているという特色を踏まえて、地域包括ケアの推進に取り組むということですが、今、御説明がありましたように、例えば老健施設単独では地域包括ケアにならなくて、小規模、多機能とかサ高住とかいろいろな形を含めてやらなければいけなくて、なおかつ地域包括ケアの場合には、かなり自治体が主導権を取ってやっていかなければいけないと思います。そういうことでいくと、新しい組織が地域包括ケアにどの程度取り組んでいくのかということについて、何か感触があったら御説明いただきたいのですが。多分これを本格的におやりになると、病院の新しい機構の組織も、性格もかなり変わってくると思うのですが、その辺のニュアンスを教えていただきたいのですが。
○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
補足があればRFOから補足をしてもらえればと思うのですが、今、御質問がありましたように、地域包括ケアを実現していただくためには、いろいろな地域における主体、また地方自治体との連携が重要になってまいります。新機構の病院が積極的にといいますか、主体的に地域包括ケアに乗り出していくというよりは、むしろ例えば老健施設を持っておりますので、そこでショートステイとかリハビリとか訪問看護とか、いろいろなサービスができる土台が社会保険病院等にはあると思います。そういったサービス基盤を持って、自治体と連携をしていただき、こういった地域包括ケアの実現にも寄与していただく。そのための人材の育成などといったことにも、恐らく新機構で貢献できると思いますので、そういった形で地域包括ケアの推進に寄与していただきたいという趣旨です。
○山口部会長
今のは修正意見ということではなく質問ですか。
○光多委員
そうです。
○川北部会長代理
1点だけ、改組のイメージということで、改組後、役職員の構成で、常勤の理事が5名、非常勤の理事が5名ということで、現在の体制に比べてかなり増えるのですが、これに関してそれぞれの理事の役割についてどういうことをイメージされているのか。これも質問ですけれども。
○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
常勤理事5名、非常勤理事5名というのは、常勤・非常勤と人数までは法律に書いてあるわけなのですが、それぞれの役割分担ということですが、常勤理事については、今のところまだ我々の所管官庁としての考え方ということで、確定したわけではありませんがお話をさせていただきますと、常勤理事の場合、常勤していただきますので、日常的な法人の運営に関していろいろ携わっていただくことが必要になると思います。例えば法人の管理・運営とか、財務の担当であるとか、労務管理の担当であるとか、あるいは病院ですので、医務の担当といったことを役割分担がなされるのだと思います。
非常勤理事の5名についても、地域医療機構は今の見込みですと57病院を直営していただくことになります。一応、全国に散らばっておりますので、この5名というのが法律上、制約が掛かっておりますが、今のところ例えば地域のブロックを担当していただくような非常勤理事ということで、役割分担していただいてはどうかと考えているところです。以上です。
○大野委員
役職員の所です。職員が2万人前後ということで、これは57病院の職員の数を含めたということであるかと思うのですが、それに対して左の現在の職員数が23名となっていますので、この23名に相当するといいますか、地域医療機能推進機構の中で、その業務に携わる職員の数は、別に明記されたほうがよろしいのではないかとも思うのですが、大体何人ぐらいというのがもし決まっていたら、教えていただければと思います。
○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
職員の2万人前後の中には、いわゆる新機構の本部の職員も含めているのですが、本部体制についてはまだ検討中ですので、今、大体何人ぐらいというのを申し上げることはできませんが、今の23名はRFOの本体の部分です。こちらはそれぞれの委託先団体の本部の職員は当然入っていませんので、それなりの規模にはなるのかなということですが、まだ詳細は検討中です。申し訳ございません。
○山口部会長
よろしいでしょうか、それでは修正意見はないようですので、この後の誤字脱字、事実誤認などにより修正が必要になった場合の対応については、私に御一任いただきたいと存じます。そのような取扱いでよろしいでしょうか。
(各委員了承)
○山口部会長
ありがとうございます。そのようにさせていただきます。
最後に、理事長から一言いただければと思います。お願いいたします。
○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
本日は委員の先生方に平成24年度の業務実績の総合評価、中期目標期間の暫定評価、更に組織・業務見直しの当初案について御審議をいただきまして、本当にありがとうございます。今般の評価委員会の先生方のいろいろなアドバイス、御助言は、私だけではなくて機構全職員に伝えるとともに、これからの一層効率的な業務体制にいかしていきたいと思います。
何度も議論がありましたように、当機構は平成26年4月1日から新しい独立行政法人地域医療機能推進機構に移行することになります。その準備には、あと残すところ7か月余りとなっております。準備作業は、職員一同、急ピッチで進んでいるところです。平成25年度の評価をいただく際には改めて説明いたしますが、地域医療機能推進機構の改組に向けて全力を尽くしてまいりますので、委員の先生方におかれましては、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。
○山口部会長
本日の議事は以上です。なお、本日、御審議いただきました平成24年度の総合評価と財務諸表については、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規程に基づき、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、政独委への通知、公表の手続が行われることになります。年金・健康保険福祉施設整理機構の暫定評価の結果の報告及び組織・業務全般の見直し当初案に係る委員の皆様からの御意見については、8月28日の総会で私から委員会へ報告させていただくことになっております。事務局から今後の予定等、連絡事項についてお願いいたします。
○政策評価官室長補佐
今後の予定等について連絡いたします。本日、御審議いただきました法人の総合評価書については必要に応じて修正等の事務手続を進めさせていただき、確定したものは後日、委員の皆様に郵送いたします。また、正委員の皆様におかれましては、8月28日(水)13時から、専用第12会議室において評価委員会の総会が予定されておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○山口部会長
それでは、本日の部会はこれで終了とさせていただきます。長時間にわたり熱心な御審議をいただきまして、ありがとうございました。
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