ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会年金部会)> 第40回独立行政法人評価委員会年金部会 議事要旨(2013年6月7日)




2013年6月7日 第40回独立行政法人評価委員会年金部会 議事要旨

○日時

平成25年6月7日(金)10:00~11:30


○場所

厚生労働省専用第14会議室


○議事

(1)議事の公開について (事務局より本日の議事について説明のうえ、議論の途中経過が市場に影響を及ぼすこと等のおそれがあることから非公開とすることを提案し、了承された。)

(2)中期計画の変更(基本ポートフォリオの変更)について

≪法人より説明。以下、質疑。≫ (○:評価委員 ●:法人)

○ 今回の基本ポートフォリオの変更は、長期的な構造変化に基づくものではなく、短期的な調整という位置付けだと考えてよいか。

● 期待リターンという観点からの長期的な構造変化については、厚生労働省の社会保障審議会年金部会の下にある、年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会(以下「専門委員会」)において、平成26年財政検証ではどのような経済前提を設けるべきかという検討が行われているものと理解している。

● 長期的な期待リターンの水準については、第1期中期計画から第2期中期計画策定のときに設定した期待リターンが今回の検証においても概ね有効であるという結論であり、期待リターンという観点からの長期的な構造変化というのは確認できなかった。

○ 今回、過去36年間のデータで作業をしているが、1985年から1990年の後は大分経済状況が変わっていると思うので、1990年以降の20年間ぐらいのデータで、併せて検証してみて欲しい。

● 次期中期計画のポートフォリオ策定時における検討課題とさせていただく。

○ これだけ外国為替や株価の変動が大きいと、短期的に乖離許容幅をオーバーする可能性もあるので、乖離許容幅をもう少し広げようという議論はなかったのか。

● 今回のリスク、相関係数について推計したところ、国内債券のリスク水準は若干高まったが、他の資産については若干低下していることから、乖離許容幅については変更の必要はないとの結論になった。

○ 従来の方式に沿った検証の下ではそれほど大きな変化がないだけであって、例えば各アセットクラスの収益率の推計方法や制約条件といったものについて、再検証が必要な時期に来ていることを指摘しておきたい。

○ 年金財政への影響についてのシミュレーションでは、極端に金利が変化するケースについて、3年間で3%まで上昇 するというシミュレーションを行っているが、もう少し短い期間で上昇するシナリオも考えておくべき。その場合、GPIFの投資行動が市場に非常に大きな影響を与える可能性についてはどうか。

● 実際の売り買いへの影響とキャッシュアウトの関係については、キャッシュアウト等対応ファンドである程度の規模の流動性を確保し、資産売却を行うことなく、必要な現金をキャッシュアウト等に充てることができる。金利上昇時に債券を売ると、キャピタル・ロスが確定してしまうため、持ちきりである当該ファンドを活用することが基本的な対応。もう1つは、基本ポートフォリオと乖離許容幅の関係については、はたして国内債券の許容乖離幅を下回る場合があるのか正確にはシミュレーションしていないが、そこまで大きな変動にはならないと思っている。

○ 乖離許容幅は、どのタイミングで測られるのか。

● 乖離状況のモニターについては、原則的としては、月末の状況で見ている。

○ 期待リターンは数値にかなり幅があって、どこをとるかは恣意性が高い気もするが、絞り込むことは難しいことも理解できる。また資産間で期間の取り方など推計方法に違いもある。リターンの決め方は今後の検討課題と思うので、法人でも議論し見直していただきたい。

○ 平成24年10月の会計検査院報告において、「中期目標期間中に定期的に検証することを検討する」という指摘があったということだが、1年ごとに検証すべきということか。また、デュレーションの長期化により国内債券のリスクが増加しているが、今後のデュレーションの長期化の影響についてどう考えるか。

● 国内債券のリスクについては、将来のデュレーションの長期化もある程度織り込んでセットした。定期的な検証の頻度は、検討課題。

○ 将来の長期金利水準は、長期的には2.5%から3%と推計されている中で、3%という上限の数字としたのはなぜか。

● 推定の範囲内ではあるが、今後もきちんと注視して、もう少し低い方がいいだろうという判断になれば、変えることになる。平成26年の財政検証に向けて、長期金利の水準も含めた議論が、厚生労働省の専門委員会において行われており、それを踏まえ対応していく。

○ 期待リターンの数値の範囲には幅があるが、仮に、全てが中心値でポートフォリオを組んだ場合には、結果がかなり変わるということか。

● 今回は、あくまで定期的な検証ということで、現行のポートフォリオにおける諸条件が前提。例えば期待リターンについて、明らかに変えた方がいいということが確認できれば、そのような大幅な見直しを行う。 今回の結論は、期待リターンについては、今回の検証でも概ね有効だとするもの。また、全ての資産において、長期金利に対する調整項目という形でセットされているので、仮に長期金利の水準を下げて設定した場合、他のリスクの影響が同じであれば、全体の数字が平行移動するだけで、資産構成はさほど影響ない。

○ 国内の長期金利の変動と、海外の長期金利の変動は別ではないのか。国内の金利が下がったからといって、外国の金利が等しく下がるわけではない。

● 外国資産については、日本の短期金利にリスクプレミアムを乗せている。短期金利については、為替を通じて調整されるという考えを取っている。

○ 考え方は理解したが、それは推計方法としては問題があるのではないか。

● 他に有効な推計方法があるのかどうか、次期中期計画のポートフォリオ策定時の検討課題とさせていただきたい。

○ ほかに御意見等なければ、本部会としては本件について異存はないということでよろしいか。

(各委員了承)

○ それでは、そのようにさせていただく。

以上


<照会先>

政策統括官付政策評価官室独立行政法人評価係

代表: 03(5253)1111 内線7790

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会年金部会)> 第40回独立行政法人評価委員会年金部会 議事要旨(2013年6月7日)

ページの先頭へ戻る