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2013年7月31日 第28回科学技術部会ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要
医政局研究開発振興課
○日時
平成25年7月31日(水)16:00~18:00
○場所
厚生労働省 20階 医政局会議室2
○出席者
【委員】
永井委員長 | 青木委員 | 位田委員 | 梅澤委員 | 貴志委員 |
木下委員 | 竹内委員 | 戸口田委員 | 中畑委員 | 中村委員 |
松山委員 | 湊口委員 |
【事務局】
一瀬研究開発振興課長 | 堀再生医療研究推進室長 | 今井ヒト幹細胞臨床研究対策専門官 |
○議事
議事概要
すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた朗源会ウェルフェアグループ及び産業技術総合研究所からの申請、先行審議となった福岡徳洲会病院及び東京大学医学部附属病院からの申請、変更案件の札幌北楡病院からの申請について審議された。
その結果、継続審議及び先行審議の申請は持ち回り審議となった。その他の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。
(審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1~5参照。)
別紙1 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年7月31日審議
<研究課題名>
重症末梢動脈疾患に対する自家間葉系幹細胞を用いた血管再生
<申請年月日>
平成25年4月24日
<実施施設及び総括責任者>
産業技術総合研究所 弓場 俊輔
<対象疾患>
重症末梢動脈疾患
<ヒト幹細胞の種類>
自家骨髄由来間葉系幹細胞
<実施期間及び対象症例数>
厚生労働大臣意見発出日から2年間 5症例
<治療研究の概要>
共同研究機関である大隈病院で採取された約20mlの患者骨髄を本研究所に搬送し、骨髄から間葉系幹細胞を培養増殖する。大隈病院に搬送し、患者下肢虚血部位に筋肉内注射にて移植する。
<その他(外国での状況等)>
平成23年にLu
D等は下肢虚血疾患患者に対して骨髄間葉系幹細胞あるいは骨髄単核球の局所投与による2重盲検無作為化比較試験を行い、前者の治療効果が高いことを報告している。また、本研究者らも間葉系幹細胞が骨髄単核球に比して血管再生能に優れていることを報告している。
<新規性について>
骨髄より培養された間葉系幹細胞を用いて血管再生を行う点に新規性がある。
別紙2 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年7月31日審議
<研究課題名>
重症末梢動脈疾患に対する自家間葉系幹細胞を用いた血管再生
<申請年月日>
平成25年4月25日
<実施施設及び総括責任者>
朗源会ウェルフェアグループ 大串 始
<対象疾患>
重症末梢動脈疾患
<ヒト幹細胞の種類>
自家骨髄由来間葉系幹細胞
<実施期間及び対象症例数>
厚生労働大臣意見発出日から2年間 5症例
<治療研究の概要>
病院で採取された約20mlの患者骨髄を共同研究機関である産業技術総合研究所に搬送し、骨髄から間葉系幹細胞を培養増殖する。病院に搬送し、患者下肢虚血部位に筋肉内注射にて移植する。
<その他(外国での状況等)>
平成23年にLu
D等は下肢虚血疾患患者に対して骨髄間葉系幹細胞あるいは骨髄単核球の局所投与による2重盲検無作為化比較試験を行い、前者の治療効果が高いことを報告している。また、本研究者らも間葉系幹細胞が骨髄単核球に比して血管再生能に優れていることを報告している。
<新規性について>
骨髄より培養された間葉系幹細胞を用いて血管再生を行う点に新規性がある。
別紙3 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年7月31日審議
<研究課題名>
ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた重症虚血肢に対する血管新生療法についての研究
<申請年月日>
平成25年5月30日
<実施施設及び総括責任者>
福岡徳洲会病院 下村 英紀
<対象疾患>
閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血肢
<ヒト幹細胞の種類>
ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞
<実施期間及び対象症例数>
厚生労働大臣意見発出日から5年間 40症例
<治療研究の概要>
重症化した末梢動脈疾患の患者のうち、既存の治療で十分な効果が得られない症例に対して、皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞(ADRCs)による血管新生療法を行う。皮下脂肪組織から脂肪吸引法にて脂肪組織を吸引し、ADRCs分離装置を用いてADRCsを分離する。虚血肢の骨格筋内40~60カ所に移植し、治療効果と安全性を評価する。名古屋大学医学部附属病院及び信州大学医学部附属病院との共同研究。
<その他(外国での状況等)>
平成13年UCLA大学のZukらにより、皮下脂肪組織から間葉系前駆細胞が発見同定された。研究責任者らにより、ADRCsの移植により、移植細胞と虚血組織から血管新生増強因子が分泌され、骨髄から血管内皮前駆細胞が放出され血管新生を増強する機序が明らかにされた。ADRCs分離装置は欧州CE
Markを取得し、循環器疾患に対する臨床研究が開始されているところ。
<新規性について>
ADRCsを新たな細胞供給源として血管再生療法に用いることに新規性がある。
別紙4 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年7月31日審議
<研究課題名>
角膜内皮細胞減少眼に対する他家培養ヒト角膜内皮細胞シート移植の探索的臨床試験
<申請年月日>
平成25年6月14日
<実施施設及び総括責任者>
東京大学医学部附属病院 山上 聡
<対象疾患>
水疱性角膜症
<ヒト幹細胞の種類>
ヒト他家培養角膜内皮細胞
<実施期間及び対象症例数>
厚生労働大臣意見発出日から3年間 4症例
<治療研究の概要>
安全性・有効性の評価を行う。従来他家角膜移植の他有効な治療法がなかった本疾患の治療を、培養した角膜内皮細胞シートの移植により行う。あらかじめ分離・培養・保存した角膜内皮細胞を用いる。
<その他(外国での状況等)>
まだ培養ヒト角膜内皮細胞を用いた臨床研究の報告はない。培養ヒト角膜内皮細胞の懸濁液をROCK阻害剤とともに前房内に注入する方法が、本年3月末にヒト幹臨床研究として了承されている。
<新規性について>
水疱性角膜症に培養角膜内皮細胞シート移植を行うところ。
別紙5 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年7月31日審議
<研究課題名>
末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験
<申請年月日>
平成24年11月1日
<実施施設及び総括責任者>
特定医療法人北楡会 札幌北楡病院 堀江 卓
<対象疾患>
既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病)
<ヒト幹細胞の種類>
自家末梢血単核球細胞
<実施期間及び対象症例数>
平成26年1月3日まで 144症例(被験者群72症例、対照群72症例)
<治療研究の概要>
G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し末梢血管再生効果を見る。北野病院等を含む計26施設による多施設共同研究を予定。
<その他(外国での状況等)>
Inabaら、Asaharaらは,G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し,慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方,Kawamuraら(平成17年)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく,G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang、Ishida(平成17年)、Hoshino(平成19年)による同様の臨床研究の報告がある。
<新規性について>
計26施設が参加予定の多施設無作為化群間比較臨床研究として実施されるため、プロトコールとしての新規性を認める。
厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿
氏 名 所 属 ・ 役 職
青木 清 上智大学生命倫理研究所長
位田 隆一 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
梅澤 明弘 国立成育医療研究センター研究所 副所長
春日井 昇平 東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
貴志 和生 慶應義塾大学医学部形成外科 教授
木下 茂
京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
小島 至 群馬大学生体調節研究所 教授
島崎 修次 国士舘大学大学院救急システム研究科長
高橋 政代 理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
竹内 正弘 北里大学薬学部臨床医学 教授
戸口田 淳也
京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○永井 良三 自治医科大学長
中畑 龍俊 京都大学iPS細胞研究所 副所長
中村 耕三 国立障害者リハビリテーションセンター 総長
前川 平 京都大学医学部付属病院輸血細胞治療部 教授
松山 晃文 (公財)先端医療振興財団再生医療実現拠点ネットワークプログラム(JST)開発支援室長
水澤 英洋 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
湊口 信也 岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
山口 照英 国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
山中 竹春 国立がん研究センター 生物統計部門長
(敬称略)
○:委員長
<照会先>
厚生労働省医政局研究開発振興課再生医療研究推進室
TEL: | 03-5253-1111(内線2685) |
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