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あさコラム vol. 5
感染症エクスプレス@厚労省 2016年5月20日

がまだせ!手洗い!

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
 前回のコラムで熊本地震の派遣報告をしましたが、「もう少し具体的
な話を」ということで、今回は手洗いについてお話したいと思います。

 正しい手洗い、感染症予防では大変重要です。
しかし、簡単なようで、いざ実践するとなると、なかなか難しいもの
であります。

 雨の降る4月27日、避難所となっている南阿蘇中学校をお訪ねしました。
 こちらはノロウイルスの集団発生の疑いがあった避難所で、気になる
避難所のひとつでしたので、状況について御案内いただきました。

 私がお伺いした時、既に体育館は土足禁止となり、トイレは1時間
おきに消毒剤で清掃されるなど清潔さを保っていました。
 手洗い場には、指の間まで石けんを泡立てるといった手の洗い方が
図で掲示され、液体石けんとペーパータオルが準備されていました。

 水道が断水なのに流水で手が洗えるため、不思議に思ってお尋ね
したら、自衛隊の皆さんが貯水槽に水を運んでくれているため、蛇口
から水が出るのだとか。
 ありがたいなぁ、なるほどね、と感心していたところ、ふと見ると、
マスクをした中高生ぐらいのボランティア少年が手洗い場に立って
います。

 何のために立っているのかなぁと、これまたお尋ねしたところ、
手洗い場を利用する皆さんの手洗いを見ているだけ、とのこと。
 何も言わずにただ見ているだけなのですが、少年の前では、皆さん、
しっかりと手を洗ってくれているそうです。
 これもなるほどね!と、大いに感心しました。

 その後の4月30日、南阿蘇中学校に再度お伺いしたところ、その
ボランティア少年は手洗い場から姿を消していました。
 もう少年が見ていなくても、正しい方法で手を洗う習慣が避難所
の皆さんについたから、との理由でした。
 南阿蘇村、素晴らしいコミュニティです。

<手洗い手順リーフレット>
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000123506.pdf

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