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あさコラム vol.32
感染症エクスプレス@厚労省 2016年12月2日
予防ファースト、検査ファースト
こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
今季の季節性インフルエンザの流行入りが確認されました。
第46週(11月14日~20日)の感染症発生動向調査で、インフルエンザ定点
医療機関当たり報告数が1.38(全国およそ5,000カ所の定点医療機関を受診
したインフルエンザ患者数が6,843人)となりました。
流行開始の目安となる1.00を上回ったことで、今季の流行入りとなりまし
た。
今季は例年よりも早い流行入りです。
咳エチケットと手洗い、予防接種など、インフルエンザ予防を周知してま
いりますので、皆様もよろしくお願いいたします。
また、高病原性鳥インフルエンザH5N6も、野鳥に続き、青森県及び新潟県
の農場で、家きんにも感染が確認されました。
家きんの殺処分、埋却、移動制限区域の設定など、自治体や要請を受けた
自衛隊が防疫措置に着手しておりますが、厚生労働省としても、当該家きん
農場の従事者の方々の健康状態の 把握や防疫作業の従事者の方々への感染
防護策の指導や健康調査を行うように、自治体にお願いをいたしました。
必要があれば、備蓄タミフル(抗インフルエンザ薬)の配布も行えるよう
準備しておりますが、今後も関係省庁や自治体と連携して、鳥インフルエン
ザのヒトへの感染防止に万全を期してまいります。
(ちなみに、国内では家畜防疫上の措置に加え、殺菌消毒などの衛生管理
が流通の各段階で実施されていることから、鶏卵や鶏肉を食べることにより、
鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するおそれはないと考えられていま
す)
ということで、この1週間はインフルエンザに追われていましたが、さる
12月1日は「世界エイズデー」。
1988年、WHO(世界保健機関)が12月1日を世界エイズデーと定め、エイ
ズに関する啓発活動等の実施を提唱、UNAIDS(国連合同エイズ計画)もこの
活動を継承しています。
29回目となる世界エイズデーですが、今回も厚生労働省からは次の3つの
重要なメッセージを送りました。
メッセージその1「HIV検査を受けましょう」
HIV感染を判断できるのは検査だけ。そして、早期に感染を発見すれば、
定期的な通院と治療により、エイズの発症を防ぐことができます。HIV検査
は、全国の保健所等で、無料・匿名で受けられます。
メッセージその2「予防が大事です」
HIV感染は性的接触によるものがほとんど、つまり誰にでも感染のリスク
があります。感染予防策として適切にコンドームを使用してください。
メッセージその3「正しい知識と関心を」
HIVの感染経路は限られています(性的接触による感染、血液を介しての
感染、母子感染)。普段の生活(握手、くしゃみ、入浴など)で感染する
ことはほとんどありません。感染者の方や患者の方に対する理解を深め、
エイズに対する関心を持ち続けることが重要です。
これらのメッセージを伝えるべく、厚生労働省では、今年も「RED RIBBON
LIVE 2016」や街頭キャンペーン、HIV無料検査といったイベントを準備い
たしました。
特に、今年で11回目を迎えた「RED RIBBON LIVE」は、「HIV/エイズは予
防ファースト、検査ファースト。」をテーマに、11月29日、満員となった
東京港区・赤坂BLITZで開催いたしました。
ライブはギターで素敵な調べを奏でる押尾コータローさん、新潟県発のア
イドルNegiccoの皆さん、心に染みる歌声の曽我部恵一さん、魂のロック歌
手の世良公則さんと様々な世代に向けたアーティストが出演。
そして、今回も登場してくれたTERU(GLAY)さんは、押尾さんのギター
演奏とのコラボレーションで、GLAYの名曲「HOWEVER」を熱唱してくれまし
た。
トークでは、せんだみつおさんが保健所でのHIV検査を受診する体当たり
レポートの紹介や、加藤鷹さん、蒼井そらさん、紗倉まなさん、こにわさ
んが、厚生労働省エイズ動向委員会委員長の岩本愛吉先生とともに、予防
と検査の重要性を訴えてくれました。
そして、このLIVEを盛り上げてくれたMCには山本シュウさんと脊山麻里
子さん。
特にシュウさんには、私の前職(血液対策課長)の時から、献血推進キ
ャンペーン「LOVE in Action プロジェクト」でお世話になっていたことも
あり、ご縁を感じています。
HIV予防について熱く語りかけてくれたシュウさん、今回もレモンの被り
物で「レモンさん」となり、総合プロデューサーとして「合言葉はWe are
シンセキ!」と頑張って下さいました。
シュウさん、ホンマにありがとう!でした!
出演して下さった皆様、LIVEを企画制作して下さったTBSラジオの皆様も、
心から感謝です。
なお、このLIVEは、LINE LIVEとニコニコ生放送でもネット中継して頂き、
動画視聴数が50万を超える大反響でした。
この数字の大きさ、担当者一同、ビックリしています。
「LIVEを開催したり、コンドームを配布したりすることが、性感染者数を
減らすことになるのだろうか」と、懐疑的な声もありますが、性感染症対策
の最大の敵は「無関心」。
歌のチカラで世界を変えることができるのなら、そのチカラに期待して関
心を高めるきっかけにしてもらうのもアリだと思います。
前回紹介した性感染症予防PRのために作成して頂いた「美少女戦士セーラ
ームーン」のコンドームも、各地での世界エイズデーのイベントで配布され
好評を博しているとの報告もいただいております。
たくさんのご支援をいただきながらHIV・性感染症に対する無関心を解消
できるよう、そして、性感染症の予防を推進し、感染者数の減少という
アウトカムが出せるよう、まだまだ頑張っていきます!
では、次回もどうぞよろしくお願いします。
山本シュウさんと一緒に
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