第23回社会保障審議会統計分科会 生活機能分類専門委員会 議事録

日時

令和6年2月28日(水)11:00~12:00

審議方法

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)
出江紳一委員、井上剛伸委員、奥平真砂子委員、鎌倉やよい委員、小林広美委員、小松雅代委員、才藤栄一委員、藤田香織委員、向野雅彦委員、山田深委員、渡辺弘司委員

議題

  1. 1.委員長の選出について
  2. 2.WHO-FICネットワーク年次会議(ICF関連)の報告について
  3. 3.ICD-11 V章の和訳案について
  4. 4.その他

議事

議事内容

○事務局
 では、定刻となりましたので、これより第23回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、お忙しいところ、ウェブ会議による御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 冒頭進行を務めます事務局(国際分類情報管理室)の稲葉でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 開会に先立ちまして、本日はウェブによる開催ということで、御出席状況の確認と御発言の方法の説明をさせていただきます。
 Teamsの画面上に、ビデオ、マイクのアイコンがございます。
 最初にビデオ機能をオンにしていただき、マイク機能は、御発言をされるとき以外はオフ(ミュート)にしてください。アイコンをクリックして斜線が出ているとオフになっております。
 会議中、御発言の際は、「手を挙げる」ボタンをクリックし、マイク機能をオン(ミュート解除)にした上で、お名前を名乗っていただきまして、委員長に指名されてから御発言をお願いいたします。
 御発言の終わりには、「以上です」との一言を付けていただき、マイク機能をオフ(ミュート)にしていただくようお願いいたします。
 また、議題に関しまして御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことで、いわゆる異議なしの旨を確認させていただきます。
 Teamsには、チャットでメッセージを送る機能がございますが、御発言の際は、チャットではなく口頭で御発言いただきますようお願いいたします。
 チャットのメッセージは、マイクが使用できない場合や不具合を事務局にお知らせいただく場合にのみ御使用いただきますようお願いいたします。
 それでは、開会をしたいと思います。
 議事に先立ちまして、昨年7月に幹部の人事異動がございまして、参事官に石津が着任いたしました。開催に当たり、石津参事官より御挨拶申し上げます。

○事務局
 厚生労働省の石津と申します。
 昨年7月に厚生労働省の統計に関する企画調整を担当する参事官に着任いたしました。よろしくお願いいたします。
 本日は、御多忙の折、生活機能分類専門委員会に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。本委員会でございますが、国際生活機能分類(ICF)について、国内における効果的な普及啓発を図るという目的で、厚生労働省の社会保障審議会、その中の統計分科会の下に設置されているものでございます。
 令和4年1月にWHOから発効されたICD-11におきまして、ICFの一部の項目で構成されたV章が新たに章として立てられるなど、ICFの利活用がますます求められるという状況にございます。
 本日は、第1に、委員長の御選出、2番目に、最近のICFに関する動向の御報告、さらに、ただいま申し上げましたICD-11のV章の和訳案につきまして、これは以前も御審議いただいたところではございますが、その後、WHOにおきまして一部改正されたということを踏まえまして、新たな和訳案について御審議をお願いしたく存じます。
 委員の先生方におかれましては、専門的見地から忌憚のない御意見を私どもに賜りたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。

○事務局
 それでは、今回、任期最初の委員会ということになりますので、最初に委員の皆様方を私から御紹介させていただきます。名簿順にお名前を読み上げますので、簡単で結構でございますので、一言御挨拶をお願いいたします。
 では、最初に出江委員です。お願いいたします。

○出江委員
 皆さん、おはようございます。出江紳一と申します。
 去年の3月まで東北大学のリハビリテーション科の教授をしておりまして、今は神奈川県にあります鶴巻温泉病院というところで副院長職にあります。
 どうぞよろしくお願いします。

○事務局
 どうぞよろしくお願いいたします。
 では、次に井上委員です。よろしくお願いいたします。

○井上委員
 国立障害者リハビリテーションセンターの井上と申します。
 ICFに関しましては、FDRGでオブザーバーという形で関わらせていただいております。
 専門は福祉用具の分野になります。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、次に奥平委員です。お願いいたします。

○奥平委員
 奥平真砂子です。
 今は、デロイト トーマツ グループ合同会社で、障害者雇用や障害のある職員の活躍推進の仕事をしています。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、鎌倉委員です。よろしくお願いいたします。

○鎌倉委員
 鎌倉やよいと申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 現在、日本赤十字豊田看護大学の学長と、それから日本看護系大学協議会の代表理事を務めております。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、次に小林委員です。よろしくお願いいたします。

○小林委員
 お願いいたします。
 日本介護支援専門員協会で副会長をしております小林と申します。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、小松委員です。お願いいたします。

○小松委員
 おはようございます。大阪大学の小松と申します。
 専門としましては、ICFを基本とさせていただいて、難病の患者さんであったり、小児慢性特定疾病の患者さん等の支援にどう結び付けられるかということで、公衆衛生をメインとして研究を進めさせていただいております。
 本日はよろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、才藤委員です。よろしくお願いいたします。

○才藤委員
 才藤栄一です。
 藤田医科大学で今、最高顧問というポジションにいますが、教授職にもついていて、リハビリテーション医学が専門です。
 この委員会ではベテランの1人になりましたが、今後ともよろしくお願いします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 次の林委員は事前に欠席と伺っております。
 では、藤田委員、よろしくお願いいたします。

○藤田委員
 国立病院機構沖縄病院の藤田と申します。
 沖縄病院では、政策医療を中心に、難病の患者さんもかなり多く在籍されております。私自身は、日本診療情報管理学会のほうで国際統計分類に携わっております。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 次の正立委員につきましては事前に欠席と伺っております。
 では、向野委員、お願いいたします。

○向野委員
 北海道大学病院リハビリテーション科の向野でございます。
 私は、ICFの研究、臨床に関わっているのですけれども、今はWHO-FICの協力センター会議の中で、CSAC-ICFというICF改訂諮問会議の委員長をさせていただいております。
 今日はよろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、山田委員です。よろしくお願いします。

○山田委員
 私は、杏林大学リハビリテーション科で診療科長、教授をさせていただいております。
 ICF関連では、WHO-FICのCSAC、FDRGのほうに参加させていただいています。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、渡辺委員です。よろしくお願いいたします。

○渡辺委員
 日本医師会の渡辺といいます。
 本業は小児科の開業医でございます。
 よろしくお願いいたします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 それでは、運営要綱に従いまして、会の成立状況について御報告いたします。あらかじめ事務局にて確認させていただいたところ、現在、11名の出席をいただいております。
 事前に御欠席の御連絡をいただいている委員は、林委員、正立委員の2名でございます。
 現時点で、委員の3分の1を超える出席をいただいておりますので、本会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 次に、本日の会議資料の確認をさせていただきます。
 事前送付いたしました会議資料を御覧ください。議事次第をはじめとしまして、議事次第に記載のとおり、資料1から2-3、参考資料1-1から3までございます。
 資料の不備などございましたら、事務局までお知らせください。
 では、議事に入ります前に、委員会運営について、簡単に説明をさせていただきます。
 本委員会の運営については、社会保障審議会の運営に準ずること、会議は原則公開であること、議事録も原則公開されることとなっております。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、議事1の「委員長の選出について」ということで、本委員会の委員長の選出を行いたいと存じます。委員長は委員の互選により、選任することとなっておりますので、委員の中から御推薦をいただきたいと思いますが、各委員の先生方、いかがでしょうか。

○小松委員
 大阪大学の小松です。
 これまでのICFへの成果でありましたりとか、リハビリテーション医学でも高く評価をされておられまして、国内外でも御活躍中の才藤先生が適任ではないかと思います。よろしくお願いいたします。

○事務局
 小松委員、ありがとうございます。
 才藤委員推薦の御発言がございましたが、皆様いかがでしょうか。

(委員首肯)

○事務局
 御異存がないようでしたら、本委員会の委員長は才藤委員にお願いいたしたく存じます。まずは、御就任に当たりまして、才藤委員長から一言いただけますでしょうか。

○才藤委員長
 才藤です。ありがとうございます。
 ICFはこれからが正念場ではないかなと思います。ですのでこの会の委員長を務めることは大変光栄です。今後とも尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 では、才藤委員長、本専門委員会の運営要綱によりますと、委員長は委員長代理を指名することができるとされております。よろしければ、委員長代理の指名をお願いできますでしょうか。

○才藤委員長
 鎌倉やよい先生が適任者と考えております。
 鎌倉先生はこの委員会に長年参加いただいていますし、日本の看護を代表する方です。そういう意味では、このICFを特にICD等に組み込むときには非常に大きな貢献をしていただけると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○事務局
 才藤委員長より、鎌倉委員の指名がございましたが、皆様いかがでしょうか。御異存がないようでしたら、委員長代理は鎌倉委員にお願いいたしたく存じますが、いかがでしょうか。

(委員首肯)

○事務局
 では、鎌倉委員にお願いいたしたく存じます。鎌倉委員長代理からも一言いただけますでしょうか。

○鎌倉委員
 鎌倉でございます。
 御指名にあずかりまして、本当に光栄に存じます。
 才藤先生を支援というか助けていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 看護の立場からはいろいろと発言ができるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局
 ありがとうございます。
 それでは、ここからは才藤委員長に議事進行をお願いしたいと思います。才藤委員長、よろしくお願いいたします。

○才藤委員長
 それでは、議題の2に入りたいと思います。「WHO-FICネットワーク年次会議(ICF関連)の報告について」、事務局から説明をお願いします。

○事務局
 事務局でございます。
 では、資料1「WHO-FICネットワーク年次会議(ICF関連)の報告」について、御報告をいたします。
 2021年から2023年までの3年間分の報告となりますので、かいつまんで御報告させていただきたいと思います。
 また、資料につきましては会議時点の内容となりますので、予定とされている事項の中には、実際にはスケジュールどおり行われていないこともございます。御了承いただけましたらと思います。
 WHO-FICネットワーク年次会議につきましては、2021年が、コロナ禍であったためにオンライン開催となりました。10月18日から22日までの5日間開催されております。
 2022年は、ジュネーブのWHO本部において、10月17日から21日までの5日間、対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
 2023年は、ドイツ・ボンにおいて、10月16日から20日までの5日間、2022年と同様に、対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
 次に、ICF関連の主な議論及び報告内容となります。資料1の前半はCSAC-ICFについて、後半はFDRGについてとなっております。
 2021年から2023年までのCSAC-ICFの動きにつきましては、まず、2021年にICF改正手続に変更がございまして、基本的にICD-11の改正手続に基づいて行うこととされ、ICF改正の議論においては、CSAC-ICFが中心的役割を果たすことになりました。FDRGでは、全ての提案についての議論を行うということはなくなり、主に専門的事項について議論することになりました。
 また、ICFの旧プラットフォームから新プラットフォームに移行作業が行われ、2017年版が新プラットフォームに移行されました。
 2022年は、共同議長の選出の年でしたが、年次会議の場では投票は行われず、後日、向野委員が共同議長として選出され、就任しております。
 新しいメンテナンスプラットフォームの機能が紹介されました。既に2017年版は新プラットフォームに移行されていますが、2018年以降の改正につきましては未対応となっており、そのうちの一部については、新しいプラットフォームの機能を考慮した再検討が必要とのことで、CSAC-ICFで議論及び決定する必要があるとされました。
 2023年につきましては、2018年以降の改正分のうち69の改正提案につきまして、新しいプラットフォームに統合する上での問題があるということが分かりまして、4回にわたって議論してきたことの説明がございました。過去にCSACで決定された内容を再度議論することにつきましては、会議の出席者から異論があったのですが、最終的に新しいプラットフォームの機能を考慮した形で統合する方向で検討を進めることとなりました。
 改正提案につきましては、2021年からプラットフォーム移行の件が解決していなかったこともあり、投票は行われてはおりません。
 ICF年次改正版は新しいプラットフォーム上で、2024年2月にリリース予定とされました。
 次に、FDRGの御報告となります。FDRGの御報告は、基本的にCSAC-ICFと専門的事項についての御報告となります。
 2021年では、CSAC-ICFの御報告とあわせまして、今後の重要な取組として、ICFのそれぞれの分類項目の同義語、概念に含まれる単語についての検討が行われ、CSAC-ICFやFDRGが今後その作成を担当していくということについての説明がございました。
 また、EICとコーディングシナリオの作成に向け連携していく旨報告がございました。
 2022年につきましては、WHOからは、現在はICFも新しいプラットフォームへの移行中ということで、今後のアップデートはエビデンスやデータに基づく質の高い提案しか受け付けないという方向で進めるという方針であること、ターミノロジーの充実にも取り組むことについての御報告がございました。
 WHOアカデミーのICD-11 V章のeラーニングツールについて、カリキュラムのテンプレートに沿って作成を始めたこと、作成後にFDRGのレビューを経る旨報告がございました。
 2023年は、WHOからは、ICFの新バージョンのリリースが今後行われることとともに、FDRGにはICDやICHIとの整合性、ターミノロジーの充実についての取組に期待する旨発言がございました。
 また、ICFターミノロジーに関する各国の取組状況について共有され、ICD-11 V章のeラーニングツールの改訂状況につきましても報告がございました。
 なお、資料1の4ページにつきましては、2024年2月にICF年次改定版(ICF2024年版)がリリースされましたので、画面イメージとURLをご参考に付けております。この新しいプラットフォームにつきましては、まだリリースされたばかりで、確認や検証もできていないということもございますので、今回は公表された旨をお知らせさせていただき、今後、確認、検証をしていきたいと思います。
 以上となります。

○才藤委員長
 ありがとうございます。
 今までのところで何か御質問、御意見はございますか。
 3年分をアップデートしていただいたので、分かりにくいところもあると思うのですけれども、当事者としていろいろ苦労した向野先生、何かコメントはありますか。

○向野委員
 ありがとうございます。向野でございます。
 私は、2022年の途中からCSACの改訂プロセスに関わっているのと、FDRGは投票人としてもこの期間、出席させていただいております。
 CSACでの議論に関しては、新しいプラットフォームに移行するに当たって、今までの提案を一回分類のレイヤーの下に入れるというような提案があって、赤い公式版には載せないで、改訂の準備版のところに取りあえず置くというような提案がWHOからありまして、それが少しもめるというようなことがあったのですけれども、一応その件については解決して、今年2月に一旦リリース版ができました。
 ただ、CSAC-ICFの委員会の中でチェックをしたところ、まだ幾つかプラットフォームでうまく載せられていないところ、問題が発見されたということで、今、そのチェックと修正作業を行っているという段階でございます。
 今後は、日本語版をまた作っていくということが必要になると思いますので、その点もまた委員会である程度関わっていかないといけないところなのかなと思っておりますが、その点は厚労省のほうでスケジュールされているものはございますでしょうか。その1点だけ確認させていただきたいと思います。

○才藤委員長
 今の質問は重要かなと思うのですけれども、厚労省側はどうでしょうか。

○事務局
 現在、2018年までの改正分につきましては、本委員会においては和訳案等を御審議いただいておりまして、改正分の和訳が確定しているところでございますが、2019年以後の改正分につきましては、WHOより公表されていなかったところ、また、ICF2024年1月版において、2020年までの改正が反映されていると今も向野委員からもお話がございまして、上記の検証とあわせて新しく和訳が必要となる改正分の確認を行う必要があるということでございますが、現在そのようなスケジュール等は検討中でございまして、まだお示しができないところでございます。今後、どのように進めていくかということを検討してまいりたいと思います。また、こうした検討を進めていくに当たり、必要に応じて委員の皆様の御意見を伺いたいと考えておりまして、引き続き御協力をお願いしたいと思います。
 以上となります。

○才藤委員長
 ありがとうございます。よく分かりました。
 ICD-11に載せ込むところが現実には一番大きなところなので、そこに響くようなことがありそうなときには、早めに手を打ったほうがいいのではないかなと思います。
 参加している山田先生、どうですか。ほかに何かありますか。

○山田委員
 向野先生がおっしゃったようにまだフィックスしきれていない、固まっていない部分もございますので、そこを見てから作業をしないといけないかなというのと、日本語に訳すこともそうなのですけれども、従来は書籍で出版されていたのを、現在もウェブ上でという形になっているので、そこをどうするかも検討していく必要が出てくるかなと思っております。今後の課題として共有いただければと思います。
 以上です。

○才藤委員長
 ありがとうございます。
 あと、FDRGのほうで関わっていらっしゃる井上先生、何かコメントはありますか。

○井上委員
 ありがとうございます。
 今、向野先生、山田先生に御説明いただいたところで十分かと思いますが、私の福祉用具の領域のほうですと、環境因子のところはなかなかあまり議論が出てきていないところではあるのですけれども、ICHIのほうで結構環境因子を整備したということがございまして、そことの整合性を取るような議論、一回出て今は消えてしまっているところはあるのですけれども、そんな動きもございますので、引き続きこの辺りをウオッチしつつ、貢献できるところは貢献していくという、そんな形で進めていきたいなと思っております。

○才藤委員長
 ありがとうございます。
 この3年間分の駆け足のアップデートをいただきました。ほかに質問がなければ先に進みたいと思います。私が考えるに今後の主要なテーマであるV章の和訳案について議論をいただきたいと思います。事務局から御説明をお願いします。

○事務局
 よろしくお願いいたします。
 それでは、議事3の「ICD-11 V章の和訳案について」、御説明させていただきます。
 該当の資料は、資料2-1から2-3及び参考資料1-1から1-2でございます。
 まず、資料2-1から御説明させていただきます。
 「1.経緯」にてお示ししているこれまでの経緯になりますが、ICD-11は世界保健機関(WHO)において、2018年6月の公表、2019年5月の採択を経て、2022年1月に発効されております。
 このようなWHOの動向を踏まえて、我が国では、ICD-11の収載用語の和訳作業を進めてきたところでございます。
 ICD-11のMMS、死亡・疾病統計用分類のうち、生活機能評価に関するセクションであるV章の和訳につきましては、「疾病、傷害及び死因分類部会」及び「疾病、傷害及び死因分類専門委員会」に対して、和訳案の提示を含めて、審議に当たって必要な知見の提供を行うとの方針の下、作業を進めてまいりました。
 こちらの方針の下、2020年4月から5月にかけて書面で開催させていただきました第20回生活機能分類専門委員会において、資料2-3にございますとおり、ICD-11 MMSの「2019年4月版」を基に作成されたICD-11 V章の和訳案を御承認いただきました。
 ICD-11の分類の表記に用いる用語については、ICD-11 MMSのV章以外の和訳案の作成は最終調整を行っている状況でございまして、そちらとあわせて2020年に御承認いただいたV章の和訳案をICD専門委員会へ提示する予定としておりました。
 しかし、その後、WHOにおいて、MMSが経時的に変更されて、V章の内容にも変更が生じていたことが判明いたしました。
 こちらを受けまして、「2019年4月版」と「2023年1月版」のMMS V章の比較検証を行いまして、資料2-2にお示ししておりますとおり、ICD-11 V章(MMS 2019年4月版)の和訳案を基に、変更点が反映された「ICD-11 V章(MMS 2023年1月版)の和訳案」を作成いたしました。
 資料2-2を御覧ください。こちらに今回御審議いただく和訳案をお示ししております。
 MMS V章のWHO-DAS 2.0(36項目版)、簡易版モデル障害調査、一般的機能の構成要素という3ブロックから成る構成につきましては、以前のものから変更はございません。また、表の右側にお示ししております和訳案につきましても、基本的には2020年の第20回のICF専門委員会で御承認いただきましたものから大幅な変更はございません。
 2019年4月版から2023年1月版への主な変更点について、簡単に口頭で御説明させていただきます。
 1つ目の変更点といたしまして、用語の一部追加や修正がございました。具体的に申し上げますと、WHO-DASのブロックで残余の項目が削減された一方、一般的機能の構成要素のブロックでは、新規の用語や残余の項目が追加されたという変更がございました。新規に追加された用語につきましては、既に御承認いただいたほかの用語で使用されている和訳案を流用いたしまして、整合性に注意しながら和訳案を作成させていただきました。
 2点目の変更点といたしましては、コードの変更がございます。今お示ししている資料で言いますと、左から3列目にお示ししているところになりますけれども、WHOによる残余等の階層の整理に伴い、コードが全て新しくなりました。ほとんどの用語はコードのみの変更で、原文の用語、英語の部分につきましては変更がないことを確認しております。
 3点目の変更点につきましては、残余の訳語を作ったというところでございます。残余に当たる用語、つまり、V章においてはOther specified、またはunspecifiedという言葉が付与されている用語の和訳案のことですけれども、上位の分類が同一フレーズであるということから、過去の2020年の御審議におきましては、一律に省略表記とさせていただいておりました。
 しかし、今回は、「ICD-11 V章(MMS 2023年1月版)の和訳案」を改めて御審議いただくに当たりまして、残余に当たる用語につきましても和訳案を表記しております。
 それでは、資料2-1にお戻りください。
 ただいま御説明した変更点等を踏まえまして、「ICD-11 V章(MMS 2023年1月版)の和訳案」として改めて御審議をいただき、こちらの和訳案を御承認いただきたいと考えております。
 なお、今回の御審議を経て、「疾病、傷害及び死因分類部会」及び「疾病、傷害及び死因分類専門委員会」に、「ICD-11 V章(MMS 2023年1月版)の和訳案」を提示させていただきたいと考えております。
 また、ICD-11の分類の表記に用いる用語以外については、例えばファウンデーション上のTitleやSynonymになりますけれども、WHOの更新情報の確認と検証を並行して実施し、その結果に応じて、引き続き和訳案の作成や整理などを進めてまいりたいと考えております。
 また、こちらは今回の御審議に直接関係するものではございませんが、第26回疾病、傷害及び死因分類専門委員会におきまして、ICD-11全体の和訳作業に関する進捗報告を行いましたので、参考として参考資料1-1、1-2をお付けしております。
 事務局からの説明は以上でございます。

○才藤委員長
 ありがとうございます。
 内容がたくさんありますが、皆さんいかがですか。今、承認いただければ次の作業に入るということですね。

○事務局
 そうでございます。

○才藤委員長
 皆さんこれで承認いただけるか、その前に質問がございますかというところですけれども、よろしいですか。一生懸命やってきた向野先生や山田先生、何か御意見はありますか。

○向野委員
 今回、今、事務局からお話があったように、変更としては軽微な変更で、番号の変更と、残余の項目はその他の特定の精神機能とか、ここのコードで分類されない精神機能を例えばコード付けしたいときに使うようなコードが追加になったので、それの訳だけを追加しているというような状況かと思います。

○才藤委員長
 ありがとうございます。
 山田先生、何か追加はありますか。大丈夫ですか。

○山田委員
 大丈夫です。

○才藤委員長
 多分皆さんの中で何人かは聞きたいけれども恥ずかしくて今さら聞けないなというのを私がお聞きしますけれども、V章というのは、チャプター5ではなくてV章(ヴイショウ)なのですね。これは向野先生に聞くのがいいかなと思いますが。

○向野委員
 これはV章ということです。番号は1から22か23ぐらいまで章がありまして、なぜVかはちょっと分からないのですけれども、補助セクションとして生活機能のためのセクション、V章というのが作られています。

○才藤委員長
 ローマ数字で5をVと書きますね。V以外にもいわゆるローマ数字でXがあったと思います。チャプター5と言うとほかのチャプターとダブってしまうのでVと言っているのではないでしょうか。

○向野委員
 一応1から23のチャプターのほかにV章とX章があります。

○才藤委員長
 そうですね。Xは10だと思うのです。要するにVの意味というのが数字なのか別なのか、その辺は皆さん聞きたくて、でも聞くと素人っぽいから聞けないというところがあると思います。その辺はWHOの人にでも、なぜこんな分かりにくい名称を付けているのと聞いておいてくれるとありがたいです。

○向野委員
 分かりました。

○才藤委員長
  厚労省の方でその辺分かりますか。

○事務局
 事務局です。
 先生、御指摘ありがとうございます。
 ICD-11のMMSにつきましては、普通の数字で示されているのは1章から26章までございます。そのほかにV章とX章というものがございます。

○事務局
 補足をさせていただければと思います。
 現行のICD-10は、WHOがそもそもローマ数字で示していたところ、今回のICD-11においては、WHO本体のほうも普通の数字表記に1から26章がなっておりますので、WHOのページを見ていただいたときに、先生御懸念のVとほかの数字の5章が混じるということはございませんので、その点はICD-11になったら特に御心配はないものになるかと思います。

○才藤委員長
 ありがとうございます。ただ興味で聞いただけです。なぜVとXなのか、Wでは駄目なのかとか、その辺はどこかでコラムなどで書いていただけると、皆さんがICFにも興味を持つのではないかなと思います。向野先生、忙しいかもしれませんけれども、暇なときにでも調べて教えてください。余談になりました。
 ほかに今のところで質問はございますか。あるいは御意見はございますか。
 どうぞ。

○藤田委員
 沖縄病院の藤田です。
 V章の文字なのですけれども、私の憶測なのですが、恐らく26までに今までの章をちゃんと項目立てて、補助セクションとしてVとかエクステンションのXがついていますけれども、アルファベットの最後からY、Zは残余の項目で使われているので、Xが来て、その前でVが来ているのかなと今ちょっと思ったのですけれども、正確なものが分かればまた教えていただきたいです。

○才藤委員長
 向野先生、宿題になりましたので、よろしくお願いします。
 ほかはよろしいですか。
 コメントありがとうございました。
 一応皆さん承認いただいたということで、V章の和訳案について資料2-2を承認して、「疾病、傷害及び死因分類専門委員会」へ提出することとしたいと思います。
 それでは、最後の議題になります。議題の4「その他」について、事務局から連絡事項などありましたらお願いします。

○事務局
 事務局でございます。
 本委員会の次回の開催でございますが、現在のところは未定でございます。議題案などがまとまりましたら、委員会開催の日程調整を依頼させていただきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上となります。

○才藤委員長
 ありがとうございました。
 では、第23回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会を閉会といたします。
 本日は皆様どうもありがとうございました。

(了)

照会先

厚生労働省政策統括官付参事官付国際分類情報管理室 髙橋、稲葉

代表03-5253-1111 内線7493