中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和5年度第2回、第3回

日時

第2回:令和5年7月18日(火)
第3回:令和5年7月25日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第2回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、森山光彦委員、諸井雅男委員
河原昌美専門委員、佐藤陽治専門委員、古田淳一専門委員、堀裕一専門委員、山口正和専門委員、山田清文専門委員

第3回
前田愼委員長、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、諸井雅男委員
         
<事務局>
安川薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について
市場拡大再算定の要件該当性等について

 

議事

 
コレチメント錠9mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「コレチメント錠9mg」です。特に御意見を伺う委員として、森山先生、河原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 特に事務局案で問題はないと思います。
 また、リポジショニング特例としても、海外の第Ⅲ相試験で、特に潰瘍性大腸炎の場合は、発症症例数も違いますが、有効性にさほどの差はないのかなと、専門分野ではないのですが思いますので、私としてはこのまま認めてよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 本製品は非常に患部に特異的に到達するDDS技術によって創出された薬剤で、効果がとても期待できると私は思いました。残念ながら非劣性が検証されていないということですが、前述の理由により、申請者及び事務局案とも同じ薬価ということもありまして、事務局案が適切と考えております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があれば御発言をお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 事務局にお伺いしたいのですけれども、非劣性が検証できなかったということなのですが、海外の臨床試験でかなり差があるというか、日常的にも使われているお薬だと思いますので、これはこれでいいかと思うのですけれども、そうすると、国内臨床試験の位置づけというのは一体何なのかというのがはっきりしなくなってしまうのですが、どれぐらいの差があったら大丈夫なのかなど何か基準はあるのでしょうか。
○事務局
 なかなか難しいところではあるのですが、薬事承認におきましては、本剤の場合、
国内で比較薬に対して検証できなかったという結果ではあるものの、まさに御指摘いただきましたとおり、海外臨床試験でプラセボに対して優越性が検証されていること、海外でも長い使用実績があること、それから、対象疾患に明確な人種差がないことなどを踏まえて、承認したということになったかと思います。ただし、今申し上げたような背景情報といいますか、ほかの要素が全くないという状況ですと、やはり国内臨床試験で検証されていないと承認は難しいのだろうなとは考えてございます。
 本剤につきましては、様々な要素を総合的に判断して、承認して差し支えないだろうというところで担当部局が薬事承認したということで、薬価収載もさせていただくというような形になろうかと思います。
 どこまでいっても個別判断という形になってしまうかと思いますので、何か明確な基準があるというようなものではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 最初から収載する気があるのだったら、逆にお金をかけて国内臨床試験をやる必要があるのかとも思うのですけれども、そういうものでもないのですね。
○事務局
 分野、各品目の個々の状況を踏まえて判断とは思うのですけれども、今回はこういう形で承認が上がってきたというところでございます。
○薬価算定組織委員長
 分かりました。
 その他、委員の皆様から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特にないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リットフーロカプセル50mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「リットフーロカプセル50mg」です。特に意見を伺う委員として、下井先生、山口先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局の御説明で、今までの前例どおりというところで比較薬の小児加算と有用性加算の評価状況と、本剤が小児に向けても開発を進めて来たという姿勢も含めての評価というところもあろうかと思いますので、事務局案に賛同いたしまして、事務局案どおりという回答になります。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も納得いたしましたので、特に問題なく、事務局案が適当であると思っております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員の先生方から意見があればお願いいたします。
 いかがでしょうか。お二人以外は意見をもともと書かれていないので、事務局算定案に賛成なのかと考えますけれども、御説明を聞いた後でも、これでよろしいでしょうか。
 事務局、これは外国価格がないのですが、日本で最初に承認された薬なのでしょうか。
○事務局
 本剤につきましては、外国価格はないところではございますが、国際共同試験により開発が進められた品目で、同時期に海外でも承認申請をされていますので、まだ他国で収載に至っていないというものかと思います。
○薬価算定組織委員長
 そういうことですね。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リトゴビ錠4mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「リトゴビ錠4mg」です。特に意見を伺う委員として、田﨑先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 今、有用性加算のところは事務局から御説明があったとおりで、比較薬のペマジールに対して有効性があるというのは確かに症例報告であるものの、ガイドライン等においては同等の位置づけということで、必ずしも比較薬のペマジールの効果不十分例に対して有効とは言えないということで、事務局算定案どおりでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案にありますように、有用性加算を認めないという考え方でよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生方から御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 □□先生、どうぞ。
○□□委員
 FGFR2の効果を有する抗がん剤としてですけれども、他のがん腫においてもFGFR2等に対する効果が認められるというような論文もあって、他のがん腫で今、治験とかをしているということはないのでしょうか。というのは、市場規模予測が32名になっているので、もし他のがん腫でも治験をされていると、ここの数字が大幅に変わってくるかなと思ったので質問させていただきました。
○事務局
 情報を調べますので、少々お時間をください。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から。
 □□先生、いかがですか。
○□□委員
 私も事務局案に特に異論はございません。やはり類似薬効比較方式で比較薬のペマジールに対して何か有効性に係る優越性があるかという点に関しては特段そのデータもございませんので、加算の対象にはならないと感じました。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 先ほどの□□先生からのご質問に回答します。企業の提出資料を確認いたしまして、現在の開発状況につきましては、本剤の承認後も何らか臨床試験の実施は予定されているようですが、申請時期や剤形、規格、それから、何に対してというところについては特に情報がないところでございます。
○薬価算定組織委員長
 ペマジール錠はまだほかのがん腫には広がっていないのですよね。
○□□委員
 今、他効能で治験をやっているというのが、前回のこのペマジールの薬価算定のときに言われたような記憶があったので、確認させてもらいました。このがん腫しかないのであれば、この数字で問題はないと思います。
○薬価算定組織委員長
 それにしても、ピーク時予測が32人というのは少なくないですかね。そんなものなのでしょうか。肝内胆管がんは年間数千人ですかね。そのうちの多分本当に2%なのでしょうか
○事務局
 まず、比較薬のペマジールについては、現在、胆道がんに加えまして、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性の腫瘍という効能は持ってございます。
 次に御指摘いただきました患者の数、市場規模の予測のところでございますけれども、こちらにつきましては、胆道がんの臨床病期IV期で薬物療法を実施している患者数が1,400名程度であったというところから推計しておりまして、こちらで肝内胆管がん等を含めておりますけれども922名というところに絞り、さらに、企業の調査に基づきまして、遺伝子パネルの検査実施率ですとか、本剤が適応となる患者の割合、市場のシェアを加味しまして、32人という形で予測がなされているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 純粋に胆道がんとしての数字は、たしかペマジールのときも2桁ぐらいの数字で申請されていたように思います。ですから、32人というのはそんなに違和感はないのですけれども、多分ペマジールに比べると、こちらの薬剤のほうが適応とかの観点で使いやすいのではないかなと思うので、もうちょっと多くてもいいのかなというぐらいですけれども、確証はありません。
○薬価算定組織委員長
 少なくともペマジールと恐らく同等であろうということは何となく全体的には考えられることかなと思いますし、決して優れている点が今のところはエビデンスとしてはないということだと思いますので、ほぼ同等と考えてよろしいのではないかなと思いますが、その他、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○□□委員
 情報だけになりますけれども、前回の薬価算定組織のペマジールのときのお話ですと、切除不能、転移・再発患者にもなると思うのですが、肝内胆管がんの発症は3,400人想定されて、FGFRの変異がある方は7.4%ということでありました。ここから、単純計算で250人ぐらいの患者さんで、さらに二次治療かつゲノムの検査でコンパニオン検査も行っているという想定からしますと、確かに2桁の症例数というのがあり得るかなという感じでした。
○薬価算定組織委員長
 妥当であるということですね。ありがとうございます。
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特によろしいですか。
○事務局
 はい。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特に御意見はありませんので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
エムパベリ皮下注1080mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「エムパベリ皮下注1080mg」です。特に意見を伺う委員として、眞野先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局より、有用性加算について御説明いただきましたけれども、③-aについては説明のとおりで該当すると考えていいと思っています。また、③-bについては、先ほどの説明にもありましたけれども、新たな治療の選択肢を提供するという位置づけであって、標準的治療法とまでは言えないということで、③-bは特にここでは評価しないでよろしいのではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
 特にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、これは全く専門外なので分からないのですけれども、一次治療が失敗というか抵抗性になる率というのは相当高いのでしょうか。
○事務局
 患者推計におきましては、C5補体阻害薬、ソリリス等でございますが、そちらが効果不十分な割合が□□と予測してございますので、□□ほどの方は効かなくなってくるというところのようです。特にこの分野のお薬は本剤のような補体を阻害するお薬以外にもあろうかと思いますので、そういったものでほかの選択肢を取られるということもありますので、その□□の患者さんのうち、さらに4分の1程度が本剤に移ってくるのではないかと予測されているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特によろしいでしょうか。
 御意見もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
オンキャスパー点滴静注用3750
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「オンキャスパー点滴静注用3750」です。特に意見を伺う委員として、田﨑先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 有用性加算のところですけれども、今、事務局から詳しく説明いただいたところなのですが、③-aについては、先ほども説明がありましたとおり、効果が不十分な症例に対して有効性が示されたことに加えて、未承認薬等検討会議で開発が要請された品目であるということで、加算はよろしいかなと思っております。
 ③-bにつきましては、これは標準的治療法に取って代わるものではないという説明でよろしいかと思いますし、③-cについても詳しく説明していただきましたが、頻度が著しく軽減されるというのは3週間が3か月というような形だという御説明でしたので、その点も加算を認めないということでよろしいかと思います。
 また、小児加算についても、御説明があったとおり、加算の対象ということでよろしいと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員の先生方から御意見があればお願いいたします。いかがでしょうか。説明を聞いた上では特に問題ないかなと思いますけれども、御発言はいかがでしょうか。
 ③-cに関しては、週3回が週に1回ぐらいになっただけだと駄目だということで、何か月の単位で延びないといけないということなのでしょうかね。なかなかこれも個別の案件によるのだと思いますけれども、著しく改善したという印象の問題なのかなと思いますので、事務局、これについては明確な基準はないということでよろしいですよね。
○事務局
 まさに個別での判断で、特に前例といいますか過去をどのように評価していたかというところから見てその程度を判断しているというところかと思います。
 本剤につきましては、週3回の投与等が2週に1回の投与になるというところではございますけれども、一方で投与方法ですね。既収載品は筋肉内投与であるのに対して、本剤については点滴静注が必要になるというところもありまして、いずれも一長一短はあるかなと思います。この程度であれば現場で患者さんに合わせて選択される範囲となのかなとも思ってございますので、今回は加算に該当しない案とさせていただきました。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○□□委員
 これは開発要請を受けてから今までかなりの時間がたっていますよね。この臨床上の価値というのは、私は専門外なので分からないのですけれども、開発要請された当時と比べてもまだ今でも十分臨床上の有用性があるということの理解でいいのでしょうか。
○事務局
 この分野の治療薬といたしましては、L-アスパラギナーゼが随分前から長く使われていたところでございます。ただ一方、過敏症を示す患者が一定数いることもありまして、投与ができない患者さんも中にはいらっしゃるところでございます。その中で、本剤はL-アスパラギナーゼがペグ化された医薬品というところでございまして、過敏症のリスクが多少は改善されているというところもありまして、開発要請された当時と状況としては大きく変わっていないのかなと思います。
 ただ、先ほど説明の中にもありましたとおり、今年の3月、L-アスパラギナーゼに対して過敏症の既往歴を有する患者さんに限定して使われるアーウィナーゼが収載されたところでございます。その点は状況が大きく変わったかと思いますけれども、本剤も8月に収載を予定しているというところで、多少の時期の差というところもあって、本剤も評価してもいいかと考えてございます。
 加えて、本剤につきましては、最初に2006年の未承認薬等検討会議で検討され、2008年に開発要請がなされたというものでございますけれども、海外における本剤の開発状況の変化を踏まえて2018年に改めて開発要請がなされているという状況もございますので、医療上のニーズは変わらずあると考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特にないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アクトヒブ
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「アクトヒブ」です。特に意見を伺う委員として、深山先生、諸井先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 申請者の見解に対しての事務局の見解は合理的だと思いますので、これでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 類似薬効比較方式でその対象、類似薬がニューモバックスNPシリンジということで、これも私は異論はございませんが、1つ確認なのですが、ニューモバックスNPシリンジの薬価が4,735円ということ、また、メナクトラとメンクアッドフィ筋注も補体C5阻害薬の投与前に接種が求められている薬だと思うのですが、メナクトラとメンクアッドフィの薬価がニューモバックスの4倍と違うのですけれども、これは算定時が高かったということですか。もし分かれば、ワクチンで4倍ぐらい違うというのはどうしてかと思いましたので、事務局から何かあればお願いします。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 先生の御指摘のとおり、もともと収載された際に原価計算方式で算定した際の積み上げの仕方でこれだけ差がついているものと考えてございます。メンクアッドフィ自体はメナクトラを比較薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定しているところではございますけれども、同じ感染症を対象にしたワクチンでございましたので、そのような方法を取らせていただいております。メナクトラにつきましては収載時に、原価計算方式で算定していまして、約2万円程度の薬価がついていますが、ここは原価計算方式での算定なので仕方がないのかと考えてございます。
 そういった選択肢がある中で、最類似薬選定の考え方や、企業もニューモバックスNPシリンジを最類似薬とすることを希望しているというところも踏まえまして、ニューモバックスNPシリンジを最類似薬とすることが妥当と考え、薬価を算定させていただいたというところでございます。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、これはほかに何か対象となるような、ニューモバックス以外のより安価なものもあるのですか。
○事務局
 現在、本剤のような補体阻害剤、C3、C5問わずですけれども、補体阻害剤に先立って接種が薬事上求められているワクチンということですと、この最類似薬の選定に挙げましたニューモバックス、メナクトラ、メンクアッドフィの3つになってございます。
○薬価算定組織委員長
 そういうことなのですね。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御意見もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ルクスターナ注
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ルクスターナ注」です。特に意見を伺う委員として、齋藤先生、佐藤先生、堀先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 高額な再生医療等製品で、専門以外はなかなか難しいのですけれども、意見を伺いたいと思います。
 それでは、□□先生からいかがでしょうか。
○□□委員
 事務局から論点と説明がありましたが、有用性加算における③-bの考え方は事務局案がやはり適当だと思います。それから、市場性加算適用率についても、事務局案の判断が妥当と考えます。原価計算における査定内容も妥当と考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案は妥当だと存じます。
 論点になっている③-bでございますけれども、本邦の治療ガイドラインの表現が断定的ではないというところがポイントでございます。NICEの推奨は2019年で、本邦の診療ガイドラインが2016年発出なので、何年かのずれがあるのですけれども、要するに最近の日本のコンセンサスというのが見えないというところで、ここで逆に標準治療ですと断定するのもよろしくないのではないかと思います。
 事務局に確認ですけれども、例えば次回以降の薬価の見直しにおいて、国内の診療ガイドラインが改定されて標準治療として本剤が認められていたような場合は、薬価算定見直しの考慮の対象となると考えてよろしいのでしょうか。そこが気になるところなのですけれども。
○事務局
 御指摘ありがとうございます。既に収載されている品目の薬価の見直しについてと思いますけれども、現行のルール上は改定時の加算という項目がございます。ただ、この改定時加算の要件には、ガイドラインへの記載という観点が現行のルールでは存在しないというところでございます。一方で、国際的に信頼できる雑誌に掲載された論文等で何かしら有用性というところが示されているものについては、真の臨床的有用性というところの観点で評価するというスキームは存在してございます。ただ、本剤の疾病の分野を考えますと、真の臨床的有用性というのをどう評価するのかというところもなかなか難しいだろうと想像もするところがございますので、この剤について何らか適用するのは、現行のルールでは少し難しいのかなという印象を持ってございます。
○□□委員
 分かりました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 ガイドラインですけれども、やはり希少疾患で、なかなか標準治療というのを設定しにくいということがあります。事務局案で妥当だと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。
○□□委員
 これは非常に高額な薬なので、専門外なので伺いたいのですけれども、臨床試験の成績ではこれは有効性がかなり期待されているのですか。
○□□委員
 この疾患は、夜盲等が認められ、多くの場合失明に至る疾患です。臨床試験では、照度を落とした暗いところに道がありまして、その道に沿って患者さんが歩く、移動能力を評価しているのですけれども、この投与の患者さんが道を歩けるようになったことが示されたと聞いています。私は治験担当医師には入っていませんが、そのような状況でございます。
○□□委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 そうしますと、患者さんにとっては画期的と言っていいような薬剤であるということでよろしいのでしょうか。
○□□委員
 そのように思います。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。なかなか患者も少なくて、経験している方々もいないと思いますので、難しいかなと思いますけれども、薬価について、これは原価計算方式であることはやむを得ないところなのかなと思いますが、外国価格ともほとんど変わりがございませんし、実際に患者さんの人数も少なくてピーク時5人ということですけれども、いかがでしょうか。先ほどの③-bのところは、やはりなかなか今の時点では評価が難しいということと、本当にガイドラインに載るか、真の有用性が示されるかというところで、後々再評価される道はあるということでしたし、今回はそこまではつけられないということだと思いますけれども、事務局、何か補足はありますか。よろしいですか。
○事務局
 補足はございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
シュンレンカ錠300mg、シュンレンカ錠463.5mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「シュンレンカ錠300mg、同皮下注463.5mg」です。特に意見を伺う委員として、□□先生、□□先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 やはり論点としては有用性加算のところと思うのですけれども、確かに①-bと③-aについては、事務局の意見のとおり該当すると考えていいのだろうという意見です。  その他の①-c、②-1a、2b、③-b、c、fで、特に国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験の対照群というのが治療が無効なレジメンで、それに対しては本剤の有用性というのは言えていると思うのですけれども、限定されていると考えます。このデザインからすると認めなくていいのではないかと思っています。事務局案でいいと思いました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 薬価算定において、投与形態、剤形区分、剤形及び用法から、類似薬としてシュンレンカ錠に対してはボカブリア錠、シュンレンカ皮下注に対してはボカブリア水懸筋注あるいはリカムビス水懸筋注を挙げつつも、本薬の類似性はなしとして原価計算方式を採用する事務局案は妥当と思いますし、原価計算の事務局算定案も妥当であると思います。補正に関して申請者が主張する要件のうち、要件のイの①-c、ロの②-1a、2b、ハの③-b、c、fは該当しないとする事務局案も妥当であると思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
 いかがでしょうか。なかなか難しいですけれども、例えばこれは抗がん剤とかでも多剤耐性になった患者さんに対する薬を収載するときというのは大体同じような感じで、新しい機序であって、有用性加算は比較的重なりがあるので、どれを取っていったらいいかというのはなかなか難しいと思うのですけれども、過去の例として同じような感じで補正加算をつけている薬剤というのはあるのでしょうか。
○事務局
 同じようにという観点で、①-b、③-aを認めるというのはあります。
 □□先生からも御指摘がございましたけれども、特にロの②-1a、②-2bでございますけれども、こちらは類似薬に比べて高い有効性、安全性という観点で評価をいたしますので、基本的には臨床試験で優越性を検証した場合の評価軸になろうかと考えてございます。本剤につきましては、比較薬がプラセボということですので、何らかのレジメンに、プラセボを上乗せした群と、本剤を上乗せした群とで優越性を検証していますけれども、そういう形では評価のしづらい観点かと思います。
 一方で、ハにつきましては、比較薬に対して優越性を検証しなければ評価できないというものではないと考えて運用していますので、今回は、多剤耐性にフォーカスした薬ということで③-aと評価をさせていただいた事務局案としました。
○薬価算定組織委員長
 皆様、よろしいでしょうか。
 あと、これは外国平均価格調整はなしということで判断しているのですね。海外と同額ですかね。
○事務局
 外国平均価格調整につきましても25ページと34ページを見ていただくと、錠剤は1錠81,500円、皮下注は2バイアルで287万7,498円という英国のMIMSの価格がございますが、1か国のみの価格に基づくため、外国平均価格調整には該当しません。ただし、こちらの英国の価格と比べても、そこまで乖離はないです。
○薬価算定組織委員長
 よろしいかと思います。
 あと、これだけ有用性加算の該当する要件について様々検討されているのですけれども、加算係数が最終的にゼロなのですが、この開示率は□□%ということですか。
○事務局
 □□%でございます。
○薬価算定組織委員長
 分かりました。開示率が50%未満の場合は加算係数がゼロになる基準となってから結構久しいのですけれども、全くこの開示率が上がっていないところに若干問題を感じますね。
○事務局
 事務局といたしましても、なかなかどのような工夫をすればこの開示率を上げられるかは一つの課題と捉えています。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、特に意見がないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ヘムライブラ皮下注30mg、ヘムライブラ皮下注60mg、ヘムライブラ皮下注90mg、ヘムライブラ皮下注105mg、ヘムライブラ皮下注150mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ヘムライブラ皮下注30mg、同皮下注60mg、同皮下注90mg、同皮下注105mg、同皮下注150mg」の市場拡大再算定の要件該当性等です。
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、本日御出席の委員から御意見があれば御発言をお願いいたします。
 何かございませんでしょうか。
 企業と多少ずれがあって、□□先生からの御指摘のとおり、年間販売額の算出方法については、もう少し周知が必要なのかなとは思いますが、補正加算の5%に関してはどなたも御意見はないでしょうか。よろしいでしょうか。
 患者数がこれだけ多くなったというか、予測より多かった要因というのは、事務局、何なのですかね。この薬が選択されたという意味ですかね。
○事務局
 資料の2ページを御覧いただきますと、本剤については、収載時の効能・効果に対しまして、平成30年12月、令和4年6月に効能追加がたびたびなされているというところもありまして、それが一つの要因かなと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。特に御意見はないようですね。
 特に御意見がないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。資料の事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リムパーザ錠100mg、リムパーザ錠150mg
日時:令和5年7月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「リムパーザ錠100mg、同錠150mg」の市場拡大再算定の要件該当性等です。
 退室委員は下井委員です。
(下井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 事務局から、事務局算定案について欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、本日御出席の委員で御意見があればお願いいたします。いかがでしょうか。
 リムパーザに関しては、市場規模を企業に対して、どのように計算するのかというのをもう少し御説明したほうが、ここの金額で齟齬があるのは何となく時間の無駄かなという気もするのでというのが一つです。
 あとは、真の臨床的有用性が示されたというのは、リムパーザのほうではそのとおりかなと思いますが、類似品のゼジューラでは認められていないというのは、企業としては非常に納得感がないかなという気は、一緒に下げられたけれども、類似品の方は補正加算がつかないということになるのだと思いますが、これはルール上仕方がないと思うのですけれども、このルールは多少将来的に変えたほうがいいのではないかなと若干思った次第でございますが、事務局、いかがですか。
○事務局
 まず、市場規模の算出法でございます。ここは、業界としてはやはりNDBで判断されるというのは承知の上でやっているのだろうと理解してございます。
 また、御指摘いただいた類似品の納得感というところでございますけれども、類似品のルールの見直しも課題と考えてございますので、ぜひ今後も御指導いただければと思います。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 委員の皆様、何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、特段ないようですので、資料の事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。