【照会先】
医薬・生活衛生局
食品監視安全課
課 長 三木 朗
課長補佐 福島 和子
(代表電話)03-5253-1111(内線2477)
(直通電話)03-3595-2337
食品基準審査課新開発食品保健対策室
専 門 官 豊田 美紀
主 査 浅生 政徳
(代表電話)03-5253-1111 (内線4270)
(直通電話)03-3595-2341
食品衛生法に基づく安全性審査を経ていない遺伝子組換え微生物を利用した添加物についての対応
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1. 概要
○ 組換えDNA技術応用食品及び添加物については、上記告示で定める厚生労働大臣の安全性審査を経た旨を公表さ
れたものでなければ流通は認められていませんが、このたび、天野エンザイム株式会社から、同社が製造販売して
いる添加物(「プロテアーゼ」)の製造工程において、遺伝子組換え微生物を利用しているにもかかわらず、当該添
加物が厚生労働大臣の安全性審査を経ていない旨、報告を受けました。
○ 当該添加物は、食品の製造工程においてたん白質やペプチドを加水分解する目的で使用されています。
○ 当該添加物は、同社が平成25(2013)年に吸収合併した会社から、非遺伝子組換え微生物として受け継いだ菌株
を用いて製造されたものです。今般、同社が外部検査機関に依頼して菌体の詳細な遺伝子配列を確認したところ、
遺伝子組換え操作に由来すると考えられる遺伝子配列が存在することが判明しました。
○ 同社は既に自主判断で当該添加物の製造、販売を中止し、販売先に残存している当該添加物の自主回収に着手し
ています。
2. 現在までの対応
当該添加物は厚生労働大臣の安全性審査を経ていないことから、天野エンザイム株式会社に対し、安全性審査の手続が完了するまでの間は、当該添加物の製造、販売を中止するよう指示するとともに、その提供を受けた事業者が新たに当該添加物を使用することがないよう、回収等の必要な措置を取るよう要請しました。また、当該添加物の安全性審査のために必要なデータの提出を指示しました。
3.当該添加物の安全性と今後の対応等
(1)安全性
天野エンザイム株式会社から次のとおり報告を受けており、現時点で直ちに健康への影響があるものとは考えていません。
○ 当該添加物は食品衛生法に定めるプロテアーゼの成分規格には合致していること。
○ 亜慢性毒性試験等においても特筆すべき異常が認められていないこと。
なお、当該添加物は既に国内で広く使用されていますが、その摂取に関して安全上問題があるという情報は報告されていません。
(2)今後の対応等
○ 安全性評価に必要な資料が提出され次第、速やかに食品安全委員会に諮問します。
○ 既に流通している当該添加物を用いた食品の販売、流通の停止等については、食品安全委員会の評価結果を見て
判断します。
第13条 厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若し
くは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは
添加物の成分につき規格を定めることができる。
2 前項の規定により基準又は規格が定められたときは、その基準に合わない方法により食品若しくは添加物を製造
し、加工し、使用し、調理し、若しくは保存し、その基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売し、若
しくは輸入し、又はその規格に合わない食品若しくは添加物を製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存
し、若しくは販売してはならない。
3 (略)
<参考2>組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続(平成12年厚生省告示第233号)
第3条 厚生労働大臣は、組換えDNA技術を応用した食品又は添加物について、その開発者、その代理人その他適切
な資料を提出することができる者から申請があったときは、食品が組換えDNA技術によって得られた生物であり、
又は当該生物を含む場合にあっては当該生物の品種ごとに、食品又は添加物が組換えDNA技術によって得られた生
物を利用して製造された物であり、又は当該物を含む場合にあっては当該生物の品種ごと又は当該食品若しくは添
加物の品目ごとにその安全性の審査を行う。
2 前項の審査は、食品安全委員会の意見を聴いて行うものとする。
3~6 (略)