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2022年9月1日 第20回医療機器・体外診断薬の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会
医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課
〇日時 令和4年9月1日(金) 15時~
〇場所 WEBによる開催
〇議事
○矢野補佐 定刻となりましたので、ただいまから第20回医療機器・体外診断薬の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会を開催いたします。冒頭、会議の進行を務めます矢野と申します。よろしくお願いいたします。それでは、最初に行政側、業界側、団体代表者の方々から御挨拶を頂きたいと思います。はじめに、厚生労働省の八神局長からよろしくお願いたします。
○八神局長 医薬・生活衛生局長の八神です。よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中、意見交換会に御参集いただきましてありがとうございます。また、日頃より厚生労働行政につきまして、御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、今回もオンラインによる開催となります。どうぞよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症につきまして、引き続き対応が必要な状況が続いております。このような中、医療機器メーカー、体外診断用医薬品メーカーの皆様方におかれましては安定供給、研究開発など様々な御対応を頂いております。承認審査の関係では、本年8月には新型コロナウイルスの体外診断用医薬品の承認件数は90件を超えております。厚生労働省といたしましても、新型コロナウイルス感染症の診断や治療に用いる医療機器・体外診断用医薬品につきましては、優先的かつ迅速に審査を行ってまいります。また、現下の感染拡大に対しまして、医療現場への供給を優先するということを前提としつつ、抗原定性検査キットをインターネット等で入手が可能になるようにOTC化を認めたところでございます。申請がございましたら、迅速な手続を進めることとしております。
さて、令和元年の薬機法改正により、先駆的医療機器指定制度や変更計画確認制度いわゆるIDATENなど、医療機器の特性を踏まえた新たな承認制度のほか、添付文書の電子化など、安全対策の取組が進められています。また、今年5月の薬機法改正では、新型感染症等への対策として緊急承認制度が施行されています。業界の皆様方におかれましては種々御対応を頂いておりますが、引き続き御協力を賜りますようお願いいたします。
昨今、様々なプログラム医療機器の開発が進んでおります。政府といたしましては、本年6月に閣議決定をされました規制改革実施計画の中で、プログラム医療機器承認後の一定範囲のアップデートについて、有効性の状況をあらかじめ開発事業者に確認できることなど、一定の条件の下で審査の簡略化を検討するとされました。厚生労働省としましては、プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略に基づきまして、承認審査の考え方の整理や、プログラム医療機器の特性を踏まえた審査制度等の検討を進めているところです。引き続き、業界の皆様方の御意見を十分伺いながら検討していきたいと考えております。
今後とも、より良い医療機器・体外診断用医薬品をより早く患者、医療現場に届けるために努力をしてまいりたいと存じます。本日は限られた時間ではございますが、皆様から忌憚のない御意見等を頂きまして、有意義な意見交換の場とさせていただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○矢野補佐 ありがとうございました。では続いて、医薬品医療機器総合機構の藤原理事長、よろしくお願いいたします。
○独立行政法人医薬品医療機器総合機構藤原理事長 日頃から、PMDAの業務の推進につきまして御理解、御協力を頂いているところであります。改めて御礼申し上げます。昨年度に引き続き、新型コロナウイルス関連品目を含みます医療機器・体外診断用医薬品の迅速な承認審査や市販後安全対策への適切な対応に御協力賜りまして感謝申し上げます。
昨年度の医療機器・体外診断用医薬品の審査期間等につきましては、目標値を全て達成することができました。これは私どもの取組だけではなく、皆様方の御協力なくしては実現できなかったことであり、この場をお借りしましてお礼を申し上げる次第です。今年度も引き続き、医療機器等の審査期間等につきましては高い目標を目指しております。皆様の御協力を頂きながら、これらの目標を確実に達成できるよう役職員一丸となって臨んでまいりたいと思います。
さて、新型コロナウイルス感染症の国内発生から2年以上が経過しておりますが、いまだ収束とは言えない状況です。政府によりますまん延防止重点措置の適用は解除されておりますが、引き続き感染拡大防止を図るため、PMDAでは対面での業務を控えつつ、Web形式での面談会議や、郵送等による手続などの対応を行っております。また、デジタルガバナンスの更なる推進といたしまして、各種申込書等の押印廃止に続き、申請電子データシステム(ゲートウェイ)を活用した届出や申請手続のオンライン化を開始しました。届出は昨年度から開始し、申請は本年度7月から、医療機器では新医療機器及び臨床試験のある改良医療機器、体外診断用医薬品につきましては審議品目及び臨床試験のある承認基準外品目と基準適合品目について開始しております。その他の申請・相談手続につきましても、今年度中にオンライン化に向けた準備を現在進めております。
PMDAの業務のデジタル化を推進するために、今年4月からBPRDXシステムをPMDAに新設いたしました。より一層のデジタル化に対応できるように、必要な施策を今後も打ち出してまいりたいと思います。一方、最先端のプログラム医療機器の早期実用化の促進を目的に、昨年度に新設しましたプログラム医療機器審査室では、順調に審査を進めております。プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略として、一元化した相談窓口におきましても、相談者様に寄り添った対応を行っております。引き続き、円滑な相談等につきまして、開発のスピードアップに貢献するよう務めてまいりたいと思います。
最後に、本日は皆様方の忌憚のない御意見、御提案を頂き、実りの多い意見交換ができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○矢野補佐 ありがとうございました。続きまして、日本医療機器産業連合会の三村会長、よろしくお願いいたします。
○一般社団法人日本医療機器産業連合会三村会長 日本医療機器産業連合会会長の三村でございます。コロナも3年目を迎えました。感染者はやや下がってきてはおりますが、いまだに高止りしており、今年もオンライン開催となりますが、例年どおり、このような機会を設けていただきまして誠にありがとうございます。医療現場で必死に診療に当たっていただいている医療従事者の皆様、また、コロナ対応をされている行政の皆様には、心より感謝申し上げます。
我々医療機器業界は、この3年近く、日本の医療を止めることがないよう、医療機器の安定供給確保に向けて、一丸となって取り組んでまいりました。昨年の今頃は、国際コンテナ物流が大混乱に陥り、更には海外生産拠点のロックダウンによる生産停止なども発生し、サプライチェーンの確保には大変苦労をしておりました。更に今年は、ロシアによるウクライナ侵攻が加わり、部材・原材料価格及び輸送コストの異常とも言える高騰により、各企業とも大変厳しい経営の舵取りを強いられております。
御承知のとおり、一般消費財はじめ全ての物が値上がりしておりますが、医療機器は国の保険制度の枠組みの中で取り扱われているためになかなか値上げが厳しく、特に特定保険医療材料のように償還価格が定められている医療機器への価格転嫁は本当に難しく、各社は非常に困っております。本日は定期意見交換会ということで、本来は保険の話をする場ではないことは重々承知しておりますが、どのような事業環境に置かれて安定供給に取り組んでいるかを御理解いただきたく、少し愚痴のようになってしまいましたが、お話させていただきました。
さて本題ですが、本日は3つの観点から御提案を申し上げます。1つは、これまでも繰り返しお話しておりますが、医療機器の特性を踏まえた規制であること、2つ目は、事業の多様化・産業のグローバル化への対応並びにデジタル技術の進化を踏まえた手続の効率化、そして3つ目は、医療機器の開発促進に向けたデータ利活用の促進の観点でございます。既に資料を御覧いただいていることと存じますが、昨年の提案資料よりも、かなり枚数が多くなっております。今回、新規に御提案する項目は8つありますが、それ以外は全て継続項目、つまり、残念ながら積み残し案件ということになっております。この調子でまいりますと、来年はスライド枚数が40ページを超えてしまうのではないかと危惧しております。それぞれ慎重な検討が必要なものや調整に時間を要するものなど、事情は種々あろうとは思いますが、できる限り積み残しにならないよう、いつまでに何をどこまで進めるかを、お互いにしっかりとゴール設定を行い、着実に前に進めていただきたいと思っております。来年のこの場では、去年よりもこんなに資料の枚数が減ったと喜び合えるよう、業界としても取り組んでまいりますので、何とぞ御支援、御協力のほど、お願い申し上げます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
○矢野補佐 ありがとうございました。では続いて、米国医療機器・IVD工業会の小川会長、お願いいたします。
○一般社団法人米国医療機器・IVD工業会/先進医療技術工業会小川会長 AMDDの小川でございます。新型コロナウイルス感染症が再び広がる大変な状況の中で、特に御多忙を極めておられる厚生労働省、PMDAから多数の皆様に御出席いただき、例年通りの定期意見交換会を開催していただけることに、心より感謝申し上げます。平素より、医療機器・体外診断薬の規制と審査の最適化のための協働計画等の場において開発ラグの解消、各種業務の合理化・効率化、そして各種規制の国際整合が進んでいることを大変うれしく思っております。また、更に薬機法についても、次回の改正の議論が始まろうとしております。今後も引き続き、革新的な医療機器・体外診断薬の導入を後押しする施策の検討・導入を期待しております。
新型コロナウイルス感染症禍において、国際協調や国際整合及びデジタル技術の重要性が再認識されました。AMDDにおきましても昨年、AMDD内にデジタルヘルス委員会を立ち上げ、医療技術・機器の情報通信技術活用による医療・社会システムのデジタル化を通じて、より良い社会の推進への貢献を目指して制度、環境整備、活動に関する提言を発信していこうという考えの下、活動を進めております。特に、医療機器開発におけるリアルワールドデータの活用の推進や、そのために必須となる受益者の安全・安心の担保と、効果的な活用が両立するデジタルヘルスの環境整備は喫急の課題であると考えております。課題を整理して視覚化し、マクロな視点から提言していきたいと議論を進めております。医療・ヘルスケア分野において、デジタルトランスフォーメーションを加速するためにも、デジタル環境やIT活用について日本が諸外国に遅れを取らないよう、積極的な取組を引き続きお願いしたいというところでございます。
私たち産業界も、これまで以上に産官学の協働体制を進め、これからの新しい環境に対応した体制整備に積極的に協力してまいりたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。
○矢野補佐 ありがとうございました。続いて、欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会の森委員長、よろしくお願いいたします。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD森委員長 欧州ビジネス協会、EBCの森でございます。新型コロナウイルス感染症への対応で大変な激務な中、今回も定期意見交換会を開催いただきまして誠にありがとうございます。EBCといたしましても、継続してこのような場を設けていただけること、一同とても感謝しております。令和元年に施行されました改正薬機法のうち、残りの1つとなるUDIが、来る12月1日に施行となります。EBCといたしましては、先に施行された添付文書のGS1コードの提供方法との整合性を確認し、準備を行っているところです。人的なエラーを可及的に防ぐ観点からも、運用方法について、引き続き御相談等をさせていただくこともあろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
これまでも、行政と業界の協働計画や国際整合への取組により、様々な解決を一緒にさせていただき、成果を残してこられたと思っております。現下ではコロナ関係やプログラム医療機器など、新たな課題や問題はありますが、今回、少し異なる視点で新たに申し上げるとすれば、最近、日本パッシングというテーマもあるように見受けられます。特に新規性の高い製品に関しましては、欧米での上市を優先させる、あるいは申請のためのリソースを中国に優先されてしまう話を度々耳にするようになってまいりました。過去何回かにわたり、日本のリファレンスカントリー化について要望させていただいてまいりましたが、更に一層、審査の迅速化やリファレンスカントリー化が重要になってくると思います。日本のプレゼンスを高め、魅力的なマーケットにしていくことも、行政の皆様と共に取り組んでいけたらと思っております。本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○矢野補佐 ありがとうございました。続いて、日本臨床検査薬協会の小野会長、よろしくお願いいたします。
○一般社団法人日本臨床検査薬協会小野会長 日本臨床検査薬協会の小野でございます。御多忙の中、Webではございますが、このような会議を開催していただきまして誠にありがとうございます。当協会ではコロナ禍でも、今後も検査薬の確実な提供に努めてまいりたいと思っております。コロナ禍、コロナの第7波は収束に向かっているように感じますが、昨年度は体外診断薬全体で、前年度比41.2%に増えました。そのほとんどが、コロナの検査薬の中のコロナの抗原検査とコロナの遺伝子増幅検査で、それぞれ前年度、2020年度比270%以上増加しておりました。また、政府の日本全体でやっていましたPCR拡大施策により、クリニックを含む医療機関で、コロナのPCR検査用の小型の遺伝子増幅検査機器が約8,000台、追加設置が進んだものと考えております。今後、コロナ禍がある程度収束した後、これだけ導入が進んだこれらクリニックの設備の有効的な活用等について、業界と厚労省、PMDAと協議できたらよろしいかなと考えております。そもそも、コロナを含む病原体遺伝子品目の承認区分が、現状のまま承認基準外品でよいものかどうかということにつきましては、本日提案させていただきます。
また更に、コロナ抗原検査キットのOTC化を迅速に承認していただきました。誠にありがとうございました。我々検査薬協会は、従来より未承認の、いわゆる研究用検査キットには反対する立場をしております。今後、インフルの流行期にはインフルのOTC検査薬への対応方針や、一部で人数の高まりが予想されているコロナとインフルのコンビ検査キットのOTC化などについて、どのように考えていったらよろしいのかということ等についても、コロナ関連の関心事として我々の協会では興味を持っている加盟会社が多くあります。各団体の皆様が言っておりましたとおり、このような定期意見交換の場をずっと継続し、意見を申し述べる機会を与えていただいております。本日は、我々の提案もさせていただきますので、御協議のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。
○矢野補佐 ありがとうございました。では次に、本日の資料の確認を簡単にいたします。議事次第、出席者名簿、資料1から5として行政側、団体から提出された資料を用意しております。もし不足等がありましたら、御連絡いただければと思います。
続いて、確認事項です。本日の配布資料につきましては原則公開になりますので、後日、厚生労働省のホームページに掲載を予定しております。また、議事録につきましては、会議後に案を作成、各発言者の確認を経た上でホームページに掲載させていただく予定です。
本日のWeb会議の実施に当たり、注意事項を御案内いたします。ハウリング防止のため、発言者以外はミュートにしてください。発言者は所属、お名前を名乗っていただきますようお願いいたします。それでは提出いただきました資料について、各団体の方々からそれぞれ説明していただき、その後、意見交換とさせていただきたいと思います。
以降の進行につきまして、医療機器審査管理課の中山課長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中山課長 医療機器審査管理課長の中山です。どうぞよろしくお願いいたします。まず、本日提出いただいた資料について、行政側と業界側からそれぞれ一通り説明いただき、終わりましたら、残りの時間については質疑応答、意見交換をさせていただきたいと思っています。昨年、この時間が少し短かったということがあるようですので、説明時間については少し端的に行うということに努めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、まず厚生労働省提出書類について、前半の部分を私から説明させていただきたいと思います。
まず、医療機器承認審査迅速化に関する取組です。4ページ目です。デバイス・ラグの試算というデータが出ております。開発ラグについては今年は2.3年ということですが、審査ラグについては引き続きゼロということになります。開発ラグについては、品目数も少なく、ブレが生じしやすい部分が影響しているかと思います。審査ラグについては、米国の審査機関より短くなるというところは達成できているという状況が続いているかと思いますので、これを継続していきたいというように考えます。5ページです。機械器具等の治験計画届出件数の推移ですが、30件程度を推移しています。次に、新医療機器の申請品目数、承認品目数のデータが出ております。
7ページ以降が個別の医療機器審査の内容についてのスライドです。まず最初に、話題性もありますが、プログラム医療機器の実用化促進パッケージ戦略ということで、DASH for SaMDというものを挙げております。これは既に、これまでも説明されておりますので、この1年の動きについて簡単に触れていきたいと思います。
8ページ目です。まず大きな1つ目として、萌芽的シーズの早期把握と審査の考え方の公表という柱の中で、次世代医療機器評価指標としては、今年6月9日付けで行動変容を伴う医療機器プログラムに関する評価指標というものを発出しております。さらに、3つ目のPMDA科学委員会でも、AIを活用したプログラム医療機器に関する専門部会というのを今年度から開始しているという状況です。その他としては、一番下の人工知能関連技術を活用した医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)についてということで、これも3月31日付けで発出しているという状況です。
9ページです。相談窓口の一元化をしたというのは、皆様御承知のとおりかというように思います。10ページです。医療機器の特性に応じた承認制度の導入ということで、あらかじめ予定されている改善・改良計画については事前に確認する制度です。先ほども局長から触れられておりましたが、IDATENと呼ばれる制度を導入しているということで、後ほどのスライドで少し触れます。11ページです。早期実用化のための体制強化ということで、厚労省、PMDAとも体制強化を図り、さらに、この1年の話題としては、産学官連携フォーラムというものを今年2月に開催し、今年度も実施予定です。12ページです。これまでの承認実績に基づくプログラム医療機器の全体像ということで、どのようなタイプのものが、どのくらいの数が承認されているかを示した図となっています。13ページです。プログラム医療機器の承認事例です。最近のもので言うと、事例1の高血圧治療補助アプリが令和4年4月承認ということで、行動変容により高血圧治療を補助するものとして承認をされているという状況があります。14ページです。いわゆるIDATENですが、この事例として、令和4年8月時点で確認済みの変更計画に基づく変更届は3件で、事例が1、2、3と示されております。
15ページ以降、体外診断用医薬品に関する取組です。最近では一番ホットな話題になるかもしれませんが、この1か月間弱の間に、新型コロナウイルス抗原検査キットのOTC化が迅速に進んだという状況です。御存じのとおり、8月10日の厚労省のアドバイザリーボードで方向性が確認され、その1週間後の部会でガイドラインが了承されました。そこから申請が可能となり、その1週間後にはロシュの製品がOTCとして初めて承認されました。昨日からは、インターネットを介しての販売も開始されている状況で、迅速に進んでいる状況です。17ページです。1つの話題として、体外薬診断用医薬品の毒薬・劇薬の指定及び除外ということで、これは規定上、整備がされていなかったので、きちっとそれを医療機器・体外診断薬部会で議論するということで位置付け、その実例として7月11日に議論が行われたという事例を紹介しております。
18ページ以降は国際関係です。19ページを御覧いただくと、MDSAPの取組ということで、これも既に御紹介したとおりです。実際の本格運用というものを、1年前は今年の4月以降までには実施予定となっておりましたが、実際に今年4月から本格運用を開始したという状況になっております。20ページです。GHWPへの加盟申請ということで、これについても左下の四角囲みにあるとおり、本年5月16日に加盟申請の書簡を発出し、来年2月開催予定の年会において日本の加盟が承認される見込みです。加盟が承認されましたら、業界の皆さんともども取り組んでいかないといけないと思いますので、御協力のほどをお願いしたいと思います。以降については、安全対策課長からお願いいたします。
○中井課長 続いて、改正薬機法の施行について、資料22ページ以降の御説明を申し上げます。23ページです。これもかなり皆さんに御案内かと思いますので、時間節約のためポイントだけにさせていただきたいと思います。令和3年8月1日から添付文書を電子化するということをまとめております。このポイントは真ん中にある、製造販売業者からは初回納品時は紙です。改訂時には迅速に提供できる体制を構築することがポイントです。ただ、その初回納品についても、医薬品を例にすれば、新医薬品を想定しています。ジェネリック等については、特に紙でなければ駄目ということは考えておりません。
25ページで医療機器の容器等への符号の記載ということでGS1コードとすることにしています。26ページにその具体的内容ということで、医療機器・対外診断用医薬品はGS1-128シンボル又はGS1データマトリックスとしています。27ページ以降は注意事項等情報の公表です。先ほどの符号を用いて公表をするということです。28ページに、アプリで符号を読み取ります。これも医機連と日薬連の皆様方の御協力を得て、添文ナビという結構評判の高いアプリで、そのアプリでスマホで見ると添付文書に飛びます。もう既に運用が始まっております。29ページには提供の体制ということで、先ほど、初めてとか変わった場合ということを説明しましたが、それについてまとめたものになります。
30ページです。医薬品ですが、先ほどの添文ナビでGS1コードを読むと添付文書が直接表示される。32ページ目には添付文書だけではなくて、審査報告書やインタビューフォーム、RMPなど、添付文書の改訂の履歴も含めて見れるということです。33ページはスケジュールです。既に昨年8月1日に施行され、現在、経過措置期間中で、経過措置は2023年8月1日までとなっております。以上が添付文書の電子化です。
31ページのトレーサビリティの向上ということで、バーコード表示の義務化になります。35ページ目、医薬品ですが、既に義務化される前から、かなりの割合でバーコード表示がされています。36ページには医療機器についてもバーコード表示、100%ではありませんが、かなりの率でバーコード表示をしていただいています。37ページには、法改正後のトレーサビリティの向上ということで、符号について、これもGS1コードですが、これについて、今現在、もうすぐ省令及び通知を出す予定でして、近々、皆様方のお手元に届くかと思っております。
スライド38ページにはスケジュールが書いてありますが、現在、12月1日から施行されると。これは経過措置ではありませんのでご留意ください。バーコードについては、ほぼ付けていただいているという実態があります。それを法的に、バックアップしたという形になっているかと思うのですが、できれば、このバーコードを付けることが目的ではなくて、それをどう活用するのかという議論を進めていきたいと思っています。医薬品、医療機器それぞれバーコードの活用の方策についての研究班も設けて、今後これをどう活用していくのかを議論させていただきたいと思っておりますので、是非、皆様方にも御意見を賜りたいと思っております。私のほうからは以上です。
○中山課長 厚生労働省からの説明は終わりました。続いて、PMDAからの説明をお願いしたいと思います。10分程度でお願いします。
○独立行政法人医薬品医療機器総合機構髙橋執行役員 医療機器・体外診断用医薬品の担当執行役員をしております髙橋でございます。私のほうから、資料2に基づいて御説明させていただきます。全て、2ページ目にあるように直近の話題になるようなものを整理しましたので、御覧いただければと思います。
3ページ目です。これは昨年度においての業務の実績ということで整理をしております。例えば、2列目にある新医療機器の通常品目、これは14か月の目標を掲げておりますが、これについては11.9か月、33品目について審査を実施したところです。これらについて、いずれも目標を大幅にクリアするような実績ができたということです。
次は、最近の申請・届出のオンラインシステムについて御説明いたします。理事長から冒頭にもお話があったように、オンライン化については本年度中ということで進めているところです。届出については昨年度から実施していますが、本年度は申請について、オンラインシステムを活用して申請を受け付けるという形で進めているところです。6ページ目です。本年7月から新医療機器改良(臨床あり)について、体外診断薬では新規品目や基準不適合品目(臨床あり)というものについて実施したところで、この後10月、来年1月ということで段階的にオンライン化を進めていく予定です。
次は、プログラム医療機器の状況について御説明いたします。資料8枚目です。先ほど厚労省の資料にもありましたが、相談窓口の一元化ということで、PMDAのほうで一元的な窓口となって相談を受け付けているところです。昨年度のデータですが、現在のところ、受付件数としては238件ありました。大体1営業日ごとに1件ずつの御相談申込みがあるということで、これについて丁寧な対応を取ってきたところです。9ページ目です。プログラム医療機器の年度別の承認件数の推移です。御承知のとおり、プログラム医療機器単体が医療機器となったのが平成26年ですが、その後、平成27年度から右肩上がりで申請件数が上がってきたところです。ここ3年ぐらいは大体40件ぐらいで横ばいになっているというような状況が見られるのではないかと思っています。10、11ページ目については、話題となっているAIを活用したプログラム医療機器の承認状況を整理しております。これまでプログラム医療機器単体が医療機器でなかったときからも換算して、約20件の承認を行ったところです。
12ページ目です。本年4月に行動変容アプリへの対応ということで、高血圧治療補助アプリを承認したところです。これについては先ほどの厚労省の資料にもありましたので、詳細な説明は割愛させていただきます。
13ページ目です。プログラム医療機器に係る最近の取組ということで、これも先ほど厚労省の御説明にもありましたように、行動変容を伴う医療機器プログラムに関する評価指標の策定や、PMDAの中では科学委員会、このAI専門部会というものを本年7月から開催しており、現在いろいろと議論をしているところです。この議論の過程については、最終的には報告書ということでまとまると思いますので、それを御覧いただければと思います。それと、一番最後の所にあるように、これは仮称ですが、プログラム医療機器優先審査制度を現在検討をしている最中です。
これまで審査の話を中心にお話をしていましたが、医療機器・体外診断薬に係る調査についてお話させていただきたいと思います。15ページ目です。MDSAP、すなわち医療機器の単一調査プログラムですが、これは、QMS調査の効率的な実施ということで、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルの5か国が共同で認定した認証機関です。この認証機関の実地調査の結果を各国で活用しようという取組で、これまで試行的に実施していたところですが、本年4月から本格導入することができました。実施に当たっては、業界の皆様と意見交換の場をもって、その中で、互いに議論をして進めていったものなので、これの御協力に、この場を借りて感謝をしたいと思っております。
次に、最後の17ページ目です。登録認証機関に対する立会検査の実施についてということで、登録認証機関は我が国には11の機関がありますが、これまで登録認証機関に対する監督としては、その登録認証機関に対する調査を行うということを中心にやってきました。これは、MDSAPや欧州の取組の中で、その登録認証機関が実際に医療機器の工場などに、いわゆる調査に行ったときに、それに立ち会う調査を実施しておりましたので、これも本年4月から我が国でも導入して立会検査を実施しているところです。これについても、先ほどのMDSAPと同じで、業界の皆様の御協力の下、実施が可能となったということで、この場を借りてお礼を申し上げたいというように思います。PMDAからの説明は以上です。
○中山課長 続きまして、業界側の提出資料についての説明を頂きます。資料3について、医機連さんから御説明をお願いします。
○一般社団法人日本医療機器産業連合会田中法制委員会委員長 医機連の法制委員長をしております田中から、資料3について説明いたします。その前に、厚労省とPMDAの方々からの御説明を頂きまして、ありがとうございました。いろいろな取組が進んでいるということも、改めて認識できたところです。本日は、マクロ的に、又は長期的な要望も含めてかなり盛りだくさんな内容になっております。時間的なこともありますので、手短にポイントだけ説明させていただきます。
主要なテーマということで、5つの柱という形で整理いたしました。3ページ目の「はじめに」については三村会長からお話を頂きましたので、4ページ目から御覧ください。4ページ目ですが、デジタル社会とかグローバル化が進んだ社会を想定した形で、今、また今後取り組むべき課題を整理してみました。開発のフェーズという意味では、情報のデジタル化が進むという形になりますので、そのリアルワールドデータ、医療データを使った開発をどうやって変えていくのか、使えるための環境の推進が重要であるということです。審査のフェーズで書いてあるのが、この新しい技術を使っていく、そういう世界になってくると、技術に長けた新規参入者が増え、現実的にスタートアップの方々が増えていっているということになります。そのような形になりますと、透明性の高い制度が重要になると思います。また、日本の規制の良いところを外に周知していくことによって、リライアンスの向上であったり、新しいことを始めるに当たっては各国いろいろな規制を検討しますので、国際調和が重要になってくるところです。物流はスキップして、市販後の安全性の観点では、グローバルでいろいろなことを展開していくという形になりますと、他国の安全性とか有効性とか、いろいろな情報は増えていくし、そこの受け渡しも増えていきますので、増えていく情報をどうやって省力して、何のためにその情報を使っていくのかという活用に向けた分析も重要なファクターではないかと考えています。最後に販売に関しては、海外購入も含めた形で、インターネットがかなり普及している現在、インターネット販売が増えています。あと、国を越えてシームレスな形で情報が増えていますので、一般人の医療リテラシーの向上も重要だと考えています。
少しマクロ的に見た上で、改めて今の現状ということで資料を入れています。5ページ目は承認と認証の件数を見ています。過去5年間、ほぼ横ばいですが、少しピックアップして何が増えているのかを見ていくと、これは認証のデータを拾っているのですが、直近5年間で増加傾向にあるのは、単体の医療機器のプログラムであったり計測機器など、いわゆるデジタル関連の機器が増えていることが分かると思います。
6ページ目を御覧ください。こちらは単体のプログラムの承認・認証を取得した企業を分析したデータです。こちらを見ていくと、承認・認証を取得している品目が単体プログラムのみという企業の割合が、単体プログラムの品目の中の3割程度あることが分かりました。これらの企業は、単体プログラムの制度が導入された2015年以降に参入した企業だということが分かります。このような現状把握のためのデータです。
7ページですが、このようなところを踏まえた形でこの5つのカテゴリーに分けてみました。1つ目が、医療データを有効活用していこうというもので、機器の評価と開発の推進をどのような形でできるのかということです。2つ目が、機器の特性に即した規制で、既存の規制を更に発展させることとか、透明性を確保していくことは重要になるのだというようなことでの提案になります。3つ目は、デジタルツールを使うということで、手続の効率化を是非お願いしたいというもので、品目であったり業態の変更管理になります。4つ目は、情報が増えていくことに伴う新たな変化という表現をさせていただきましたが、そのほかサイバーリスクとか、新しい変化に対しての対応が必要です。最後は、規制の国際調和とか日本のリライアンスの向上というところでまとめてみました。
8ページ目です。医機連の中の各委員会から上がってきた要望と意見で、22個あります。全てを説明し切れないので、新規の要望を中心に説明させていただきます。
1枚めくっていただいて、医療データ関係、開発関係のフェーズです。10ページ目は臨床評価報告書に関することで、これはとても良い制度だと思いますので、そこの透明性を高めたということで、ここは引き続きお願いしたいと思います。2つ目の提案ですが、こちらは臨床研究法の見直しをしていただいています。臨床研究法、倫理指針、治験と3つありますので、そこを国際整合を踏まえた形で整合していただきたいという内容になります。12ページ目は、リアルワールドデータの利活用の推進です。市販後においての製造販売後調査は既に進みつつあるというところで、改めて、そこに出てきたデータを、例えば適応追加とか外部対照比較に使うことはできないか、もう少し検討したいという内容になります。13ページ目については、厚生労働省でもいろいろと御検討いただいている内容と認識しています。ただ、開発している企業にとっては、かなり注目度、ニーズの高い案件になっておりまして、医療データをどのようにして使っていくことができるのかを、ガイダンス等を作ることによって、医療機関も理解しやすいような環境にしていくことが重要ではないかという提案です。
続いて、医療機器プログラムの特性に合った規制の要望です。15ページ目は、プログラム医療機器のクラスⅠ相当品目の扱いです。クラスⅠ相当品目は薬機法の規制が掛からないのですが、そこで本当にメリットがあるのかというところと、このクラスⅠがないために、何もない世界から承認若しくは認証に入ってしまうことによって、スタートアップの方々にとっても、少ししにくい世界なのではないかという声も上がってきております。いろいろな意見があるかと思いますので、改めて議論する場を設定していただきたいという要望になっております。16ページ目は、管理に関してのいろいろな施策も組んで、優先制度も検討していただいているとお伺いしております。その中の1つの考え方ですが、市販前に必要な臨床評価を、フィージビリティ試験で有効性が推測できるという範囲にして、市販後に集めたデータで再評価していこうという、いわゆるリバランスの考え方は既にお示しいただいていますが、プログラム医療機器においてはどんな形で使えるのかを明確化をするということと、あと、こちらに関しては、その後の出口戦略では保険診療も重要になってきますので、保険との連携は重要かなと考えています。次の認証制度の話と、その次のQMSは、両方ともこの制度が始まってから17年経過し、改めて見直しながら、今はどういう制度がいいのか検討したいという要望になっています。
次のセクションにいきたいと思います。20ページ目です。こちらは、デジタルツールを活用した形で健康管理を効率的に行いたいという要望です。1つ目のまずすぐにお願いしたいのは、名称変更や原材料メーカーの名称変更など、実態に変更がない変更については、ほかの変更時のついでに変更することはできないかということです。既に医薬品のほうでもされているという話も伺っていて、ここは早急にお願いしたいことです。2つ目は、医療機器ならではの悩ましいところなのですが、品目数が多いということと、横断的にいろいろな部材の変更も多く出てきますので、品目横断的な変更を一括で変更できないかという要望です。21ページ目に移ります。こちらはデジタルツールを使った形で、業態そのものを効率的に管理したいという内容になります。販売業ですと特に都道府県、またその先の保健所単位で届出や許可が必要になってきて、その管理を合理化したいという要望です。22ページ目は、法人格が変わる場合は、業態も全て取り直しになるのですけれども、そこには事業承継制度というような形を作ることができないかという要望になります。23ページ目は、リモートでの業務がコロナ禍で増えてきておりますので、常駐規制の緩和の要望になります。
4つ目のセクションになります。こちらは情報増大に伴う変化という形でまとめさせていただいています。25ページ目です。特定保守管理医療機器の長期臨床使用の課題です。サイバーセキュリティの対応がとても重要なのは医療機関も企業側も認識しているのですが、一番心配なのは、10年以上たってもまだ使われている医療機器が医療機関に多々あるということで、それについての対応も考えているという内容です。26ページ目の中古医療機器に関しては昨年も挙げさせていただきまして、引き続き検討していきたいという内容になっています。27ページ目は、規制改革会議のほうでも既に挙げていただいておりまして、一般人がそのまま購入することができるという一般向けの医療機器が増えていますので、それに対しての広告規制をどう考えるのかということで、既に検討し始めていますので、改めてのお願いになります。「また」以下に書いてありますけれども、一般人が購入することができない品目であったとしても、適切な情報提供が重要ではないかと考えており、ここで一番のネックになっているのは、広告ができないということで、新医療機器のように1品目しかないものは疾患啓発という観点であったとしても、その医療について説明することができないため、そこを何とかしたいというのが要望になります。28ページ目は、インターネット販売においての個人輸入の取扱いの見直しになります。特にコンタクトレンズが多いのですが、薬機法の存在を一体どう考えたらいいのかというぐらい、かなりの量が個人輸入で海外から入ってきている状況になっていますので、こちらの取締りの強化をお願いしたいという要望になります。29ページ目の不具合報告と、次の注意事項等情報の電子化活用のためにということで、こちらは昨年度から引き続き挙げさせていただいています。ワーキング等も立ち上げて進めたいので、是非ともよろしくお願いします。続きまして、UDIの利活用の推進です。先ほどの中井課長の言葉にもありましたとおり、医療安全を目的としたトレーサビリティと、どうやってこのデータを使うのか、データベースについても議論を始めたいということで入れさせていただいております。
最後の5つ目は、国際調和、リライアンスの向上、リファレンスカントリー化については、既にいろいろとやっていただいていますが、引き続きこの3つ、市販前のリファレンス化、日本の制度をリファレンスとする枠組みの推進、また、IMDRFにおけるSingle Review Programの構築の推進、この3つをお願いします。資料の説明はここまでとさせていただきます。
○中山課長 ありがとうございました。引き続きまして、AMDD、AdvaMed、EBCの連名で提出されている資料について、御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○一般社団法人米国医療機器・IVD工業会/先進医療技術工業会佐伯RAQA委員会委員長 AMDDのRAQA委員長をしております佐伯と申します。よろしくお願いいたします。まず、本日のプレゼンですが、AMDD、AdvaMed、そしてEBCの合同のプレゼンテーションとなっています。まず私のほうから説明させていただき、最後のほうにEBCの西牟田さんから事例を挙げて御説明をするという流れで進めさせていただきます。
まず、スライドの2ページ目を御覧ください。本日の内容です。プログラム医療機器に関する課題及び要望、エビデンス創出を加速するための環境整備、国際整合とリファレンスカントリー化に向けた取組という、3つの大きな柱の下に御説明させていただきたいと考えています。
3ページにお進みください。はじめに、昨年に引き続きコロナがまだまだ続いておりますが、その中でも、先ほどPMDAからの御説明にもありましたとおり、審査の迅速化に全く衰えがないどころか、更に短くなっているような感触を得ておりまして、私もRAの一担当者として心から感謝申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。また、協働計画のほうでも、引き続き多岐にわたる改善・改良の広い国際整合等を含めた内容についての議論が継続されておりまして、更にDASH for SaMD等による新しいものに対しても、厚労省内、PMDA内の審査部門の体制からきちんと整備していただいて、窓口も一元化され、またIDATENの制度等についても通知、Q&A等が出まして、非常に進めていただいていることも有り難く思っております。引き続き革新的な医療機器の開発及び市場導入への促進に対する御指導をお願いしたいと思っております。
もう1つ、今、グローバルにおける日本の薬事承認の価値の高まりというのを、私もグローバル企業の一員として感じております。PMDA審査の迅速化が更に進み、あとはMDRの導入によってヨーロッパの承認がちょっと遅れているということが、多分これは各企業でも多かれ少なかれ共通だと思うのですけれども、その中で日本での承認がFDAやCEマークより先んじる事例が出てきております。これはもちろん以前からもございましたけれども、それが増えているような感触を感じております。
これに伴って、日本の承認が他国の承認審査において参照される事例が増加していると考えております。それに伴って、日本の承認を他国で活用いただくための実務的な問題も生じております。これについては、後述のスライド8で、EBCのほうで具体的な要望を御説明させていただきます。
また、グローバル化という意味では、アジアでのリーダーシップは確立されていると思いますけれども、更に拡大・進化、特に中国との相互関係を強化していただけますと、日本企業が中国に出て行くだけではなく、グローバル企業ですと、アジアの中やグローバル企業の中での地位などにすごく影響しますので、先ほどEBCの委員長からの御挨拶にもありましたとおり、パッシングされないで日本の承認が価値あるものになる、アジアでのリーダーシップにおける日本の価値が高まることは、外資と言われる企業にとっても非常に重要なことと感じております。
4ページに進んでいただきまして、まずプログラム医療機器に関する課題及び要望です。こちらは先ほどから御説明いただいているような、いろいろなバックグラウンド整備をしていただいてはいるのですが、しかしながら、まだプログラム医療機器の特性を踏まえた審査制度の構築という意味では、少々課題が残っていると認識しております。ハードウェアの審査要求事項をそのまま適用するとか、市販前評価の必要性について、議論の余地があるのではと考えております。特性を反映した制度の構築、運用確保を要望いたします。例えばプログラム医療機器のあるべき変更制度や運用の新たな検討、これはもちろん今もやっていただいておりますが、それの促進です。例えばリアルワールドデータの使用を前提とするような制度の構築や、安全担保プラス有効性推定で仮承認するような新たな制度の構築など、そういうものを議論していければなと考えております。また、サイバーセキュリティについてもいろいろな法制が整っておりますけれども、業界との検討を継続していただいて、国際整合された、本邦独自みたいなものがない制度構築・運用を要望いたします。
5ページに行っていただきます。2番目の柱としてエビデンス創出を加速するための環境整備として、リアルワールドデータの薬事申請への利用、海外では既に進んでおりますので、それがそのまま日本でも使えるような、日米でデータベースの信頼性や個人情報の取扱い等の考え方における違いが出ないような運用をお願いできればと思います。もう1つ問題として、学会主導のデータベースももっと活用できればと考えているのですが、患者同意の面や企業に許されるアクセスや取得情報の限定など、課題が多々あると認識しております。残念ながら、今の段階では企業による新製品の開発やアルゴリズムの改良、薬事申請の活用は進んでいるとは言えない状況と認識しております。AIを含む医療データが取得する2次データの活用の推進についても、これは個人情報保護法でデータの匿名化や仮名加工、次世代医療基盤法、情報セキュリティガイダンス、倫理指針運用の解釈の議論が必須と考えます。
3番目としては、臨床研究関連の規制です。今、GCP、臨床研究法、倫理指針というように、それぞれのスタディの定義があって、これが運用されているわけですが、これの統合と言いますか、標準化と言いますか、開発促進のための環境整備に向けて、臨床研究に関する3つの規制の現状は、特に初めて入ってくる人や外から見ると非常に複雑です。今すぐにこうしたらいいというような具体的な案があるわけではないのですが、これについて議論が開始されることを期待しております。
6ページ目に進んでいただきまして、3番目の柱の国際整合とリファレンスカントリー化に向けた取組の1番目として、各種規制及び調査結果の相互利用です。これは毎年言わさせていただいているので、またかという感じになってしまうかもしれないのですけれども、MDSRPの議論の促進と継続的な規制の国際化は、迅速な導入には不可欠と考えております。今、ISO-10993-1の改定でも、大もとの基本的な考え方は国際整合していると理解しております。今後、運用等を考えていく際に、私ども、いわゆるAMDD、EBC、AdvaMedの立場からいたしますと、海外で取ったものが使えるように、そのまま日本の申請に使えるように、もちろん日本で取ったものもそのまま海外の申請で使えるようにというような運用の検討を要望いたします。さらに、国際共同治験を踏まえて、GCP適合性調査結果について、日米欧での相互受入れ、MRAのようなものも、今すぐには無理だとは思いますけれども、将来的には検討していただければなと考えております。あとは、外国症例報告及び研究報告の対象範囲、報告方法について、今、国際共同治験とかいろいろございますし、日本の企業はグローバルに展開されている所が多いと思いますので、海外での報告制度との国際整合を踏まえつつ、ただ、海外に合わせればいいというものではないので、本邦の医療現場に資する迅速な情報提供が可能なシステムの議論を期待しております。
7ページ目ですが、国際整合とリファレンスカントリー化の2つ目として、QMS制度の更なる合理化と国際整合ということで、MDSAPの本格導入、今後への期待。先ほどPMDAの髙橋様から御説明がありましたが、これはAMDDやEBC、AdvaMedのように海外展開している企業にとっては、非常に有用な活用できるシステムで、今年の4月から本格導入され、弊社も一外資系企業として、試行的運用の頃から参加させていただいておりますけれども、非常に助かる制度と認識しております。ただ、もちろんビジネスモデルによって、形式が違ってくると思いますので、使い勝手が分からないとか、余り使えないという企業さんもいらっしゃると思うのですが、これは費用的にも、使う人が減ると費用が高くなってしまうので、なるべく利点の周知というのも、併せてお願いしたいと思います。あとは、QMS意見交換会というのをPMDAと、AMDDとで開催させていただいていて、非常に会員から忌憚なき意見交換の場として有意義で有り難いということで、御礼を申し上げたいと思い、ここに記載させていただきました。今年の6月に、久し振りに対面で再開させていただきました。この最後に、国際整合を踏まえたQMS調査制度の在り方検討ということで、厚労科研の成果を非常に期待しております。そして、終了後もそこで終わりではなくて、業界との議論を続ける場を是非作っていただければと考えております。
次のスライドに進んでいただきまして、ここでEBCの西牟田さんにバトンタッチしたいと思います。事例の説明をお願いいたします。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会西牟田MD薬事部会長 EBCの西牟田です。よろしくお願いします。スライド8の説明をさせていただきます。日本の審査結果となる承認を海外で活用するリファレンスカントリー化に向けた取組の事例を説明いたします。
先ほどAMDDの佐伯様よりも発言がありましたが、ヨーロッパにおきまして、MDRによるCEマークの取得に遅れが生じているということもあり、FSCと呼ばれる自由販売証明書と同等の位置付けとなる本邦の書類として、OMETAが発行の受付けを行う外国政府宛証明書を海外の薬事担当者から依頼されることが多くなっております。シンガポールやタイ、ブラジルからの問合せが多いと感じております。
しかしながら、外国政府宛証明書の発行のためには、医療機器の英文販売名というものが必要になるのですが、現在、承認書には英文販売名の記載がなされていません。国内で製造を行っている企業であれば、その確認のために輸出用医療機器の届出を行い、その控えを提出することが可能なのですが、私たちのようなAMDDやEBCなど、輸入がベースとなる企業では、輸出用医療機器の届出を行うことができません。解決のための1つのアイディアとしては、承認書の備考欄に、英文販売名を記載することが考えられます。他の方法や状況の整理を含めて、この課題について行政と取り組むことができたらと思っております。AMDD、AdvaMed、EBCからの説明は以上です。どうぞよろしくお願いします。
○中山課長 最後になりますが、臨薬協さんとAMDD、EBCさんの連名の資料を説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○一般社団法人日本臨床検査薬協会内山法規委員会委員長 臨薬協法規委員会の委員長をしている内山です。改めて、厚生労働省及びPMDAの皆様におかれましては、日頃より体診業界における様々な課題及び要望に対して御検討並びに御対応いただきましたこと、厚く御礼申し上げます。時間も押しているようですし、議論の時間もありますので、本日、臨薬協から用意させていただいた課題について手短に説明させていただきます。本日の課題は1ページ目に挙げた3点です。細かい話については、この後の議論の中で少し補足させていただくということで、コアの所だけお話させていただきます。
2ページ目です。最初の提案として、新型コロナ感染症からの教訓として、既に本日皆様からもいろいろとお話がありましたとおり、コロナは一向に収まる気配はなく、長期化のする中で、今年の6月17日には、「新型コロナ感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の方向性」の中で、コロナウイルス感染症対策本部では検査体制の強化について2つの課題が挙げられているのを承知しております。その中で、スライドにもあるように、2ポツ目に、検査試薬や検査キット等の検査に関する必要な物資についても、緊急時等に生産・輸入等に係る適切な措置を講ずるように国が整備するという課題が挙げられております。こちらの課題については、是非とも体制整備を検討する段階から、検査試薬の開発・供給を担う診断薬業界を加え、御協力させていただきたいという趣旨です。
また、これらの検討を進める上で、国内の企業だけではなくて、海外企業の協力も当然必要になることから円滑なコミュニケーションのためにも日本語だけではなくて、英文での言語を活用する、日英両言語で具体的な通知を頂くと円滑に進むのではないかと思います。さらに、6月24日、プレス発表がありましたが、岸田首相が、日本版CDCの創設といったことを明言されておりまして、リリースを見ますと、既に感染症研究所と国立国際研究センターを中核に日本版CDCを創設する予定であるとか、それらを管轄する所は、厚労省の中に感染症対策本部を創設する予定と、かなり具体的なお話になっているということでした。感染研ということになりますと、我々業界では今、診断薬では承認前試験という枠組みで感染研を利用させていただいているわけです。これまでの協働計画の中で、品目審査における承認前試験の在り方も議論させていただいており、今度の日本版CDCの創設を機会に、承認前試験の在り方についても、今後承認前試験の見直しを含めた検討をしていただきたいということです。
2つ目は、冒頭、臨薬協会長の小野からも話がありましたとおり、病原体遺伝子品目については現在、品目にかかわらず、全て基準外品目という形になっております。参考資料の8ページに、病原体遺伝子検査のこれまでの実績を整理させていただきましたが、やはり、遺伝子検査項目についても、既に技術も確立し、長い品目の実績もあり、そろそろ遺伝子検査というだけで基準外品目にする必要性はないのではないかということで、今後、この件については、先日の7月に行われた迅速化協働計画の中でも話題にもさせていただき、協働計画の新たなテーマに加えてもいいのではないかという御意見も頂いている中で、本件について、具体的な見直しを早急にお願いしたいと考えております。具体的な要望事項としては、製品の特性に合わせて、あるいは診断項目のリスクに応じて申請区分を見直すということで進めていただくのがよろしいのではないかと考えております。
3点目、体外診断薬の特性に合わせた規制に関して、法改正を視野にという形でタイトルを付けております。つい先日、次回の法改正を視野に入れて、体外診断用医薬品を、このまま医薬品の枠組みにするのか、あるいは医療機器の枠組みに移すのか、はたまた体外診として独立したものにするのかという議論を、昨年の秋ぐらいからお話している中で、業界として、今後どういう枠組みにしたときにどういう課題があるかを機器課に御説明させていただいております。その際に、機器課の方もこのことについて既にいろいろ御検討していただいたようで、様々な御助言を頂きました。今後、法改正を視野に含めて、この特性についての規制を見直していただきたいのですが、その中でも、特に論点となるのが体外診断薬の定義の見直しです。
5ページ目に具体的に書いておりますが、法改正を視野に入れた場合においても、現状の薬機法の定義では、専ら疾病の診断という形になっており、一方、既に承認された体外診断薬の中には、疾病の診断以外に、例えば血液型の判定や妊娠判定、コンパニオン診断薬やTDM、治療方針の決定、モニタリングといった専ら疾病の診断の目的意外で承認されている体外診断薬もあります。また、海外の規制ルールと定義を比べますと、海外では予後の診断、予測、生理学的状態把握や治療の判断用途がIVDとして非常に流通しているといったような国際整合の観点と、両面から定義の見直しを進めていただきたいと考えております。
薬機法に関するもう一つの意見として、昨年の定期意見交換会の中でもお話をさせていただきました業態の管理責任者の資格要件、つまり、現在の体外診断薬の製造販売業、製造業務における管理薬剤師の要件に関しては、11ページの参考資料の中で現状の薬剤師の業種別の推移を書かせていただいておりますが、薬剤師の人数が増えている一方で、企業に就職する薬剤師の比率が少なからず低下している中で、薬剤師を確保するのが企業で難しくなっている現状を鑑みて、やはり、資格要件の見直しを引き続き御検討いただきたい。また従来、資格要件の見直しは我々も法改正が必要な案件だと考えていたところですが、9ページから10ページの参考資料において現在の法令の記載内容を書いておりますが、必ずしも法改正ではなくても、省令等を見直しすることで、資格要件が緩和できるような文言が見えておりますので、これらも活用しながら、法改正に先んじて御検討いただければと考えております。以上、少し駆け足になりましたが、臨薬協のプレゼンを終了させていただきます。よろしくお願いします。
○中山課長 これから意見交換の時間になります。私は医療機器審査管理課長ですが、全般として申し上げますと、御要望をたくさん頂きました。最初の臨床評価報告書とか、治験ガイダンスの運用解釈に関する文章等の整備、あるいは3つ目のリアルワールドデータの活用、医療機器プログラムの特性に合った審査制度の導入と透明性確保、これらは皆様から御要望を頂いているところです。実際に通知を発出するなどして動いているところですので、こうしたものについては、引き続き御協力を得ながら検討していきたいと思っております。さらに、その他、いろいろな御要望を頂いております。例えば、クラスⅠの在り方についてという話もあります。例えば、そういったことについてもどのようなことが可能なのか、具体的に意見交換しながら、それぞれについてどういうことができそうか検討していくということかと感じております。
1つ若干ネガティブな話でいきますと、認証機関の在り方の見直しというのがありましたが、認証制度自体、国が定める認証基準に基づいて業務を行うという基本的な考え方の部分は、これはなかなか変えられないと思います。そういった基本的な考え方の中で何ができるのかについては、いろいろ意見交換はしてみたいと思いますが、なかなか難しい点もあるのではないかと感じるところです。あとは、高畑さんから補足してもらいます。
○高畑室長 医療機器審査管理課の高畑です。もう一点、これもネガティブと言いますとあれですが、特定保守管理医療機器の長期使用の見直しについては、サイバーセキュリティの対策としては医療機関向けのガイダンス等、国際的にも検討されておりまして、そういったもので医療機関に対して啓発をしていく、実際に具体的な脅威も発生している状況もありますので、ますますそういった認識も高まっていくのだろうと思っております。医政局とも連携して対応を進めていくことになると思っています。一方で、一概に長期に使用されている医療機器を制度的にどうにか見直されるようにということは、どのようなことが具体的にできるか難しいところがあるとは感じております。啓発の活動が中心になるのではないかとは感じております。以上です。
○中山課長 ほかに行政側から御発言があればお願いします。
○野村室長 医政局研究開発政策課の野村です。お世話になっております。幾つか臨床試験関係、あるいは個人情報保護法などについても御質問があり、新規の事項もありましたので、この機会にお話をさせていただきます。
まず、幾つかレジストリに関する御指摘を頂いております。学会がお作りになったレジストリは確かに企業ではすぐに使えないということがあるかと思います。宣伝になりますが、私どもはクリニカルイノベーションネットワークの事業におきまして、企業の皆様と学会で協力をして、使い勝手が良いような改修に対して、半額の補助を行っております。これも医機連さんを通じて御案内などもさせていただいているかと思いますが、なかなか出足が鈍いところもあります。実際に企業の皆様と学会の話合いの場なども私どもはサポートをさせていただいておりますので、是非、遠慮なく御相談を頂ければと思います。
非常に大事な御指摘として、医療データの活用に際しての個人情報保護法、この改正に基づく生命・医学系倫理指針の規定の問題などについても、新規の事項ということで御指摘を頂いております。まず指針については、これは厚労省のみならず、文科省、経産省、それぞれ同じ指針を合同で所管しております。合同の委員会で、この見直しなどについて今検討を進めているところです。
幾つか医療機関向けのガイドライン、あるいは企業に対するガイドラインの御指摘がありました。この点は今年度、厚生労働科学研究費、補助金の公募で課題に関する研究の公募をしております。採択条件におきましては、医療従事者、企業、患者団体も研究体制に入っていただきたいという形の条件にしております。是非、こういった検討の中でも御意見を賜ればと思いますので、よろしくお願いします。
3つの規制があって不便という御指摘も頂いております。もともとの法律の成り立ちなどがありまして、すぐには難しいと思いますので、まずは臨床研究法については、先日、法律の5年後の見直しということで、見直しの提示をさせていただきました。この中では、医機連さんにも御意見を賜りまして、大変ありがとうございました。薬機法を横目で見ながらの見直しも考えていきたいと思います。今後、法律の見直しにもあるかもしれませんし、まずは手元で運用の見直しも考えられると思いますので、是非、積極的な御協力をお願いしたいと思います。長くなりましたが、私からは以上です。
○中山課長 ほか、行政側から何かありますか。
○髙橋室長 医薬安全対策課の髙橋です。安全対策関係の資料を幾つか頂いておりますので、継続案件でしたが、御説明させていただきます。
1点目、不具合報告制度の効率化についてです。外国症例につきましては、外国から導入された医療機器も多いことから、重要であると考えております。研究報告も現在のところ重要であると考えておりますが、頂いた御要望等については、今、業界で不具合報告手引ワーキングを設け、行政側もPMDAを含めて参加させていただいておりますので、ここで継続的に議論させていただきたいと思います。
2点目は、添付文書のXML化の話がありました。こちらはPMDAで対応しており、システム改修に向けて議論しているところですので、業界側の要望も汲み取った上で、より良いシステムとなるように議論していきたいと考えております。
最後はUDIの利活用の関係です。最初の中井課長の説明にもありましたが、バーコード表示関係を最終化しており間もなくお示しできるところです。医機連におかれましては、法制委員会、PMS委員会、UDI委員会がまとまって、これまでずっと御議論していただき、本当にありがとうございました。感謝申し上げたいと思います。やっとここまでたどり着いたわけですが、今から新しい要望というのは難しいところですので、その点は御理解いただきたいと思います。改めて、これまで本当に長く御協力いただいたことに感謝申し上げます。以上です。
○中山課長 あとはよろしいですか。では、取りあえず業界の方々から御発言をお願いしたいと思います。江田様、お願いします。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会江田IVD部会担当副委員長 EBCでIVDを担当しています江田と申します。今日はこのような機会を設けていただいて大変ありがとうございます。最初にお話がありました、COVIDの抗原定性のOTCネット販売の取組につきましては、業界と一緒に迅速に御対応いただきまして本当にありがとうございました。今日はIVDのところがちょっと駆け足でしたので、2点だけ追加でコメントをさせていただきます。
まず、コロナ禍の教訓の部分で期待されている有事対応情報、これの日英両言語での通知につきまして、我々は本国と連携を取って準備をしているわけなのですけれども、今後こういう事態が起こったとき、より迅速・的確な対応ができるように、改めてこの点をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
2点目は、EBCでは国際整合について、いつもお願いをしています。国際整合についてIVDからはIVDの定義の見直しをお願いしていますけれども、それに加えまして欧州ではIVDRが適用開始になって、今正に大きな変化が生じている状況にあります。その状況の下、日欧双方にとってメリットが出るような仕組み作り、これを目指して行政の皆様方と検討を進めていければと思っていますので、今後とも法改正の議論も含めてよろしく御協力、御支援のほどお願いしたいと思っています。以上です、ありがとうございます。
○中山課長 ありがとうございます。いろいろと意見交換させていただきながら、対応できるところをしっかりやっていきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。内山様、お願いします。
○一般社団法人日本臨床検査薬協会内山法規委員会委員長 臨薬協の法規委員会の内山です。今、江田様からありました体外診断薬のOTC検査のことで、今日は定期意見交換会でもご説明いただき迅速にOTC化を進めていただき、業界としても非常に歓迎しているところです。一方、今後これを普及させる上でいろいろな課題も出てくるのかなと思います。例えば、OTC検査薬の現状のルールとしては、まずはOTCとして承認を得ることが第一でかつ供給するメーカーは、医療用医薬品としての供給を優先した上で、OTC化という形式です。市場においては、セルフメディケーションの立場から、やはりもっとコロナのOTC検査が増えて供給していかなければいけないという中で、その辺の需要と供給のバランスを考えていかないと、先般、会長の小野も話していたように、まだまだAmazonとかそういった通販サイトでは研究用試薬といったようなものも売られていることを考えると、我々としてはやはりOTC検査でも、きちんと品質の確保された体外診断薬のOTC検査薬を使っていただきたいと考えています。
さらに添付文書の扱いなど様々な細かいところの課題もあるのではないか。そういったところも今後少しずつ議論をしていかなければいけないと考えます。1つの例を挙げますと、例えば今、添付文書の電子化がありまして、医療機関向け体外診断薬については電子化され、一般用検査薬については医療用とは異なる添付文書を同梱するという形になります。そうすると各メーカーは、同じ承認を持った体外診断薬で、製造時にOTC向けと医療向けと分けて管理をしなければいけないといったことも生じる。それは非常にQMS上大変煩雑な管理となるので、その辺をどう対応して、また安定供給につなげるかという課題もあるのではないかと思いました。この辺のOTCの今後について、何か御意見を頂ければと思いますけれども、いかがでしょうか。
○中山課長 御意見ありがとうございました。今回のコロナ検査キットのOTC化につきましては、こうした社会情勢といいますか、社会からの要請がありましたので、特例的にというか手続的にも国がガイドラインの案を作成して提示するといった措置で対応したところがありまして、そもそもこの案件がある前からOTC化がどうあるべきかという議論は、いろいろな所であったと承知しています。本来あるべきOTC化がどうあるべきかといったことと、この後のコロナの情勢をどう考えるのかといったことなども踏まえながら、いろいろ考えて検討していかなければいけない課題であると思っています。以上です。
○一般社団法人日本臨床検査薬協会内山法規委員会委員長 ありがとうございます。
○中山課長 医機連さん、お願いします。
○一般社団法人日本医療機器産業連合会松本副会長 よろしいでしょうか、医機連副会長の松本です。今日は大変勉強になりました。ありがとうございます。私からは時間もありませんので、3点に絞って手短にと思います。
1つ目は、先ごろ成立しました経済安保推進法の活用です。今でも医療機器の部材あるいは原材料の不足というのは、種類によっては本当に困った問題であるという状況が続いていると思いますが、何とか経済安全保障推進法のような法律で、医療関連について何か特別考えていただければ有り難いなと思っています。
2つ目は、日本は嫌でも応でも人口減少社会に直面していくということで、一口に少子高齢化と申しますけれども、これは1つには自動化・ロボット化というようなことで解決できる面と、もう1つは人的資源をどうしていくか。海外に製造拠点を設ける、あるいは増やしていくという、外で解決する方法と、日本の国内で製造拠点を増やす、あるいは現状あった所で人的資源をどうしていくかという場合に、ベトナムであるとか諸外国から技能実習生のような形で数が増えてきているのが現実だと思います。JICAさんとかいろいろと協力していただいて、更なる技能実習生を、名前はともかく、増やすような方策を考えていったらいかがかと思うことが2つ目です。
3つ目は、医機連からの提出資料の4ページの「Digital社会を迎えるために取組むべき課題」のすぐ下の真ん中の製造/物流の下の4番目に、R-SUDの推進というのがあります。これは御承知のとおり Remanufactured Single Use Deviceの略で、2017年7月に法案はもう成立しているわけですが、アメリカ辺りではもう20年ほど前から再製造単回使用医療機器の使用ということは行われて、その結果かなりの金額の医療機器が節約されています。
日本もウィズコロナの時代がこれからも続くという前提に立って考えると、嫌でも応でも医療費の増加は歪めないし、医療機器でも節減に努めていくことは当然であると思います。これは2015年に国連サミットの合意に基づいて出されたSDGsの12番目に「つくる責任、つかう責任」とありますけれども、それからしましても、環境保全という側面からしましても、単回使用医療機器の再製造をいろいろな意味で官民一体になって推進できないかと、アカデミアの方、あるいはユーザーの方々とも一緒に考えています。その辺のところをまたお考えいただければ幸いと存じます。私からは以上です。
○中山課長 どうもありがとうございました。頂いた御意見に関しましては、関連する部局とも共有する形で、しっかり受け止めさせていただきたいと思います。再製造のところも我々としては関係しますけれども、既にいろいろと着手していますが、足りないところなど意見交換もさせていただきながら、進めていきたいと考えています。ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。
○一般社団法人日本医療機器産業連合会住吉副会長 医機連副会長の住吉と申します。医機連からたくさん提言があったのですけれども、その中の後半に出ました「デジタル社会に即した品目・業態の変更管理」、21ページの品目の変更手続の効率化・適正化でちょっとお願いしたいことがあります。
今公開されている外国製造業者認定・登録一覧、外国製造所の登録代行者について、それが不明で、代行者が撤退した場合、外国製造所の登録更新が行われない、あるいはほかの製造委託している日本の製造販売業者が登録失効のリスクを抱えています。このようなリスクを解消するために、製造業登録のデータベース化と登録の代行者の情報を開示して、登録時の入力を例えば英語で受け入れる、海外からの登録を可能とするなど、まだやれることがあるのではないか。
あとは、昨今こういう厳しい状態の中にあると、例えばサイズ拡大目的の統合とか企業のM&A、出すほうも買うほうもいろいろ行われています。そういったものが今後たくさん発生するときに、安定供給のための原材料の変更とか製造所の変更・移転・変更手続が非常に煩雑で、事業を圧迫することが考えられます。実質的に設備や建屋・人員配置・業務内容に変更がない場合の一括手続ですとか円滑な事業の継承、こういったものを是非考えていただけると有難いと思います。以上です。
○高畑室長 医療機器審査管理課の高畑です。コメントありがとうございます。御指摘の点ですけれども、外国製造業者の認定のシステムやデータベース化といったところは、手続の面などいろいろと問題があるのだろうと思っています。そういった問題に対応していくためには、システムの改修等が必要になってきますので、長期的な形で対応する必要があるのだろうと思っていますけれども、具体的な問題点をお聞きしながら、どういった形で対応可能かは、意見交換を進めさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○中山課長 ほかにございますでしょうか。田中さん、お願いします。
○一般社団法人日本医療機器産業連合会田中法制委員会委員長 せっかくの機会のため、今の件と、その前のクラスⅠのプログラム医療機器について、2点コメントをさせていただきます。
外国製造業の登録についても、2005年に制度が導入されてから17年経つので、是非見直しをしていただきたいです。申請の代行を許しているためにかなり複雑化しており、突然登録が更新しなくなることもあり、使っている製造販売業者にとってリスクが高いというところもあります。このデータベースはFDAでは以前からあるのですが、データベース化は予算等確保していただかなければならないので、すぐにというのは難しいということは重々承知なのですけれども、是非前向きに検討していただきたいものになります。
もう1つ、クラスⅠ相当品のというところで御検討いただけるということなのですが、ここに類する問題としてはプログラム医療機器の医療機器への該当性がかなり複雑、分かりにくいということでいろいろな声を頂いています。今週、医機連で講習会がありまして、今回はまず医機連側からいろいろ調べて整理したものについて説明しました。今、該当性のガイダンスは次のバージョンを検討いただいていますが、そこをもう少し分かりやすくし、状況によって変わるというのは企業としてはかなりリスクになりますので、クラスⅠを考えるときには併せて医療機器の該当性も踏まえた形で検討いただきたいと考えています。よろしくお願いします。
○中山課長 ちょっとこちらからコメントさせていただきます。
○藤井補佐 監視指導・麻薬対策課の藤井です。ありがとうございます。プログラム医療機器の該当性の判断結果につきましては、ホームページでリストなどをお示ししているところです。引き続きリストの充実などを進めていきたいと思います。また、それ以外の点でも御意見等いただければ検討していきたいと思います。よろしくお願いします。
○中山課長 よろしいでしょうか。引き続き意見交換しながらやっていきたいと思います。
○一般社団法人日本医療機器産業連合会田中法制委員会委員長 よろしくお願いします。
○中山課長 では内山様、お願いします。
○一般社団法人日本臨床検査薬協会内山法規委員会委員長 先ほど医政局の野村室長様のお話を興味深く拝聴しましたので、ちょっとコメントさせていただきます。今日の臨薬協からのテーマの新型コロナ感染症に向けてという中で、生産の安定性と併せて開発を迅速にするために、やはり検体の評価は外せないところです。昨今、感染症関係はなかなか検体が医療機関で入手できないという中、今後迅速な審査が行われるにしても、ある程度の検体評価が必要で、いかに臨床の検体を評価できる体制を作るかというのは非常に大切ではないかと考えています。臨薬協としては、過去にバイオバンクの利活用についてお話をさせていただきまして、実は各バイオバンクの利用機関の方からも非常に興味を持って体制を整備していただきましたけれども、なかなか感染症の検体は集まらないというところがあります。
例えば、今度のCDC創設の中には国際医療研究センターも入ってくるという中で、こういった感染症による検体の確保、それからバイオバンクの仕組みをいかした検体の確保も検討していただく必要があるのではないか。もう1つ、医学研究に関する倫理指針が現在、体外診断薬は医療機関での検体を利用する上で、企業側あるいは医療機関側の双方の拠り所の1つに利用されていますが、体外診断薬の薬事申請については倫理指針に書いてある研究のスコープからはちょっと違うという中で、やはりこういった臨床検体の利用についてのルールを整備していただく必要があると考えています。
これまでの審査迅速化協働計画の中では、臨床性能試験ガイドラインの検討ということで、ガイドラインの法制化を見据えた議論をしているところでありますが、一方で指針の中でそういった薬事申請のデータに利用できるというような仕組みができると、医療機関側としては、倫理指針は非常に馴染みのあるルールですので、その辺を併せて御検討、御相談させていただければと思っています。よろしくお願いします。
○野村室長 野村です。ありがとうございます。まず検体のお話について、これは他部局になるので今後の推移を見守っていただければと思いますけれども、今、感染症法の見直しの検討の中でも、治療薬のみならず診断法あるいは診断薬などの開発も非常に重要であるというようなお話も出てきていますし、当然、治験・治療薬の開発などについても、今お話のあった検体は重要なことになってくるかと思います。今後、そういった議論に是非御関心を持っていただいて、私どももいろいろ御意見を聞きながらインプットをさせていただければと思います。
それから、指針の活用という観点について御意見を頂きました。どうしても指針そのものの主体的なスコープとしては、研究者が研究を進められる際の目安といいますか、そういったものを考えています。もちろん一般的に使えるものではあるので御参照いただければと思いますが、これをどういうふうに活用していくかという観点については、医薬ともよく御相談をさせていただきながら、いずれにしても円滑に研究が進むような工夫ができるとよろしいと思いましたので、引き続きよろしくお願いします。
○一般社団法人日本臨床検査薬協会内山法規委員会委員長 野村室長、どうもありがとうございました。
○中山課長 佐藤様、お願いします。
○一般社団法人米国医療機器・IVD工業会/先進医療技術工業会佐藤IVD委員会委員長 AMDDのIVD担当をしています佐藤です。議論の中身ではないのですけれども、今日重要な部分で資料に誤記があったので、訂正をお願いしたいと思います。PMDAで発表いただいた資料の3ページ目なのですが、IVDの審査期間のゴールを、80%タイルで12か月をゴールにしているのですけれども、医療機器のほうを引きずって60%となっていました。非常に重要な数値目標なので、Webにアップされる前にこの部分を修正いただきたいと思います。
○中山課長 どうもありがとうございます。
○一般社団法人米国医療機器・IVD工業会/先進医療技術工業会佐藤IVD委員会委員長 よろしくお願いします。
○独立行政法人医薬品・医療機器総合機構 PMDAです、すみません。もしかして誤記があったかもしれませんので、確認して適切に修正したいと思います。ありがとうございました。
○中山課長 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、最後になりますけれども、結びにこちらの審議官の山本から一言お願いしたいと思います。
○山本審議官 審議官の山本でございます。本日は多くの方に御参加いただきまして、本当にありがとうございます。冒頭で局長も申し上げたかと思いますが、コロナのパンデミックが到来してから2年半以上を超えてまいりまして、この会議もWebスタイルということで、3回目になると思います。
その間、本当に様々な制約がある中、感染拡大防止の御協力を頂いたり、その中で医療物資を継続的に現場にお届けいただいている業界の皆様、本当にありがとうございます。非常に難しいことを続けていただいていると思いますが、本当に感謝申し上げます。
また、PMDAの方々も、この間、様々な制約がある中、迅速という言葉では表せないぐらい、超特急な処理、対応をしていただいたことも数えきれないかと思います。本当に日々のお仕事、ありがとうございます。私どももPMDAの様々なパフォーマンスのお陰で医療現場あるいはコロナ対応も回っていると、日々実感しています。この場をお借りしましてお礼を申し上げたいと思います。
3回目になりまして、今日感じていたのは、Web会議のやり方もうちもうまくなったものだと思いまして、最初1回目をやったときは、ほとんどブツブツの通信環境だったりでございましたし、時間配分もぐちゃぐちゃだったりして、昨年は少しましになった気がしますが、それでも意見交換の時間が余りなかったというような思い出もございます。
今日はかなり、完璧とは言わないですけれど完璧に近くて、私がまだ5分もしゃべらなければいけないのではないかというぐらい、時間の配分も結構いけていたのかなと思いつつ、まだ伸びしろがあるかなと思っています。来年はフェイストゥフェイスでやりたいと思いつつ、Webのスタイルもまた伸びしろがあると思っています。
本日様々な資料も充実して、大きいこと、非常に具体的なこと、目の前のこと、中長期的なこと、様々な多岐にわたるご提案、あるいはPMDAからの御報告も頂いたと思います。これをコロナの中で気付いたことということで、今後にいかして是非実りあるものに、来年、これから1年で実りあるものにしていきたいと私も思っていますし、皆様にも是非そのスタンスで引き続き御協力を頂きたいと思います。
実務的にできることは、許す限りで早めに実現できるところはしていきたいと思いますし、また先ほど来話に出ていますように、5年後の制度見直しも、もう考え始める時期にきております。そういう意味で流し込んでいくタイミングが来ますので、取捨選択しながら、あるいは早めにできること、法律事項で法改正が必要なこと、皆様と御意見を交換しながら着実に良い方向に向けていきたいと思っていますので、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。
○中山課長 それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。皆様、御参集いただきまして本当にありがとうございます。引き続きよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。