中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和3年度第5回

日時

第5回:令和3年10月26日(火)13時~16時45分

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、
下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、諸井雅男委員、
青木茂樹専門委員、石原寿光専門委員、遠藤明史専門委員、佐藤陽治専門委員、
西井修専門委員、古田淳一専門委員、山口正和専門委員、山田清文専門委員

<事務局>
紀平薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について
(11月収載新薬)

 

議事

 
アジルバ顆粒1%
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
アジルバ顆粒1%になります。
特に御意見を伺う委員として諸井先生、遠藤先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
これも小児の剤形追加ということで、大きな論点はないと思います。もちろん、類似薬価方式でアジルバ錠がその対象であること、それから、剤形間比ですけれども、これも適切なものがないと思います 。G1/G2の対象はちょっととすることは 不適切ですし、事務局案で示した例も相当古い薬ですので、これもこれらを考慮して 剤形間比が1というのは妥当と思います。
小児加算もイとロを満足しておりますので、5%ということで特に異論はございません。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
申請者の見解と一致していますので、事務局案が妥当と私も考えます。
以上です。
○薬価算定組織委員長 ありがとうございます。
それでは、その他の先生から御意見があればお願いいたします。
よろしいでしょうか。大きな論点もなくということでございますので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ビンマックカプセル61mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
ビンマックカプセル61mgになります。
特に意見を伺う委員として、幸原先生、樅山先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
これは同じ活性を有し、カプセルの大きさは同じだけれども1回1カプセルで済んで、高齢者などでも飲みやすいということ。算定方式も類似薬効比較方式で事務局見解と申請者見解は一緒ということで、しかも、□□□□□□□□□□□□ということで問題はないと思います。
1つだけ質問があるのですけれども、後発品対策には該当しないとのことでしたけれども、これは、有効性は同じでも名前が違うのですけれども、この同じ後発品を作れるかどうかで判断すると理解していいですか。
○事務局
今、先生がおっしゃっていたルールなのですけれども、ラセミ体または先行品が存在する新薬の薬価算定というルールがございまして、簡単に言うと、ほとんど同じ医薬品が名前を変えて出てきたときには、それは先行品の薬価の8掛けで算定するというものです。ただし、今回はそれを発動しておりません。本剤はこれまで4カプセルで飲みにくかったものを1カプセルにした点から、臨床上、意味があるものと考えております。また、本ルールを適用し、8掛けで算定するとなると、ビンダケルカプセルより安い値段がつくような算定方式になっておりますので、本剤の価値としてビンダケルカプセルよりも安い薬価がつくというのは適切ではないと考えております。
今後、後発品が出てくるかということにつきましては、特許の問題と再審査の問題がありまして、少なくとも再審査期間につきましては、先行のビンダケルカプセルと同じ期間がついておりますので、ビンダケルカプセルの再審査期間が過ぎれば、薬事上としては後発品が出せるというような形になってございます。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。以上です。
○委員
ありがとうございました。
これは、名前はビンマックと変えたほうがいいというか、これは一応違う薬ということでいいわけですね。ビンダケル61とかという名前ではなくて、こちらのほうが適切だという理解でいいですか。
○事務局
品目の名前につきましては、薬事のほうで決めることなので、担当外からの推測ということになりますけれども、有効成分がビンダケルのほうはタファミジスメグルミンという成分であるのに対して、本剤はタファミジスと化学物質が違う形になっております。臨床現場でも違うものだと扱っていただく必要がありますので、違う名前をつけることが妥当であろうと思っております。以上です。
○委員
ありがとうございました。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございます。


エフメノカプセル100mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
エフメノカプセル100mg。特に御意見を伺う委員として、田﨑先生、西井先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
今の原料費のところで外国の値段が3か国採用されているのですけれども、イギリスとフランスが古いせいなのかもしれないのですが大分安くて、ドイツだけが高い。それに引っ張られるような形に平均値がなっているのですけれども、そこが今までこういった形で調整されているのであれば、今までとおりということでいいのかもしれないのですけれども、ほかの価格とか、どうしてこの3か国を選んだのかなど、御説明いただいたほうがいいかなと思いました。よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがでしょうか。
○事務局
事務局より御回答いたします。
まず、どうしてこの3か国かということにつきましては、ルール上、この3か国とアメリカを加えた4か国の海外の価格を参照するということで、本品目につきましては、価格がついているのがこの3か国であったということでございます。ルール上は、海外での移転価格が示されていればそれも勘案してということになってございますけれども、本剤の場合、これらの3か国への移転価格というものは直接示されてはおりませんでした。
ただ、それぞれ海外での価格と比べれば、それらの海外への移転価格は当然安いはずですので、我が国への移転価格では□□□円ぐらいということで、その□□□円が海外と比べて高いのだろうということは想像できました。ただし、その□□□円の内訳も示されていない中で、一方で、日本向けに特別に費用がかかっているのだという説明は一定程度理解はできるという状況でございまして、3か国の平均価格を本剤では採用したということでございます。
○事務局
少し補足させていただきますと、日本向けにお金がかかっているポイントとしては大きく2点ぐらいあると思っております。一つが、添加剤に使っている成分の一部に□□□□□とかあるのですけれども、こちらが日本の□□□□□□□□□、日本の薬事上の基準を満たしているものを使わなければいけないということで、海外で使われている製剤と全く同じものではない日本用の製剤を製造しなければいけなかったという点。それから、PTPシート等の包装の部分につきましても、日本向けに別途作らなければいけなかったということで、単純に外国のものをそのまま持ってきてパッケージすればいいというわけではないと企業より説明を受けております。
また、我々、インボイスのほうも確認しておりますので、企業が実際に海外から□□□円で買っているということも確認しておりますので、そういう点も踏まえて薬価をつけることが必要ではないのかなと思っております。
もう一点、企業の原価計算表をご覧頂きますと、薬価□□□円の全体の半分ぐらいを占めているのが一般管理費の□□□円となってございます。要するに、海外では古くから使われていて、開発費用みたいなものは既に償却されているものと思いますけれども、日本で新たに臨床試験を実施して、その費用については企業は別途回収しなければいけないということで、国内臨床試験の費用につきまして計算上に入れているところでございます。こちらも本来かかっている費用を全部載せると、実はもっと高い金額になるのですけれども、ルール上、一般管理費販売費の上限は50.6%でございますので、それでキャップを切っているというところもあります。
そういったところも勘案いたしますと、企業が必要な経費を回収するために必要な薬価をつけるという観点からは、しようがない部分もあるのかなと考えてございます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、よろしいでしょうか。
○委員
分かりました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
今、御説明をいただきましたし、移転価格が若干高いと思いますけれども、日本国内のために様々かかっている費用を考えますと、妥当な価格だと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員の先生から御意見があれば御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
外国からの移転価格についてと、国内での開発費用ということなので、事務局としてもここが限界かなという判断だと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


リンヴォック錠30mg、サイバインコ錠50mg、サイバインコ錠100mg、サイバインコ錠200mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
リンヴォック錠30mg、サイバインコ錠50mg、同100mg、同200mgを一括検討させていただきます。
特に御意見を伺う委員として、小方先生、古田先生にお願いしております。
ここで退出いただく委員として遠藤先生と記載されていますが、遠藤先生はもう退室されていますね。
○事務局
大丈夫です。
○薬価算定組織委員長
それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
リンヴォック錠に関しましては、申請者、事務局と薬価も同じですので、事務局案で問題ないと思います。
もう一つのサイバインコ錠のほうに関しましては、類似薬効比較方式でリンヴォック錠ということで、これに関しましても事務局案でよいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
リンヴォックにつきましては、事務局案が妥当と考えております。
また、サイバインコにつきましても事務局案が妥当と考えておりまして、最類似薬をリンヴォックと考える。あと、有用性加算についてもデュピルマブとやはり同じラインというのが現状の考え方で、エビデンスでもそのとおりですし、実地でもそういうふうに考えられていますので、有用性加算に関する考えは事務局案が妥当だと考えます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
事務局に聞きたいのですけれども、リンヴォック錠はもともと小児加算はついていないのですか。
○事務局
もともと小児加算はついてございません。今回、30mg錠の規格追加になっているのですけれども、こちらは小児向けの製剤ではございませんで、小児向けには15mgを1日1回経口投与するということになっておりますので、30mg錠に小児加算をつけるというのはなじまないと考えてございます。
一方で、既存製剤について小児の適用追加をした場合には、薬価改定の際に改定時に加算を主張することが可能でございまして、そちらについては別途検討することになります。改定時加算について企業から申し出があった場合につきましては、次回11月末の薬価算定組織で、市場拡大再算定と併せてご審議いただくことになると思います。よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
分かりました。
例えばリンヴォック錠に小児加算がついていた場合、その類似薬効比較でやっても小児加算はつくものなのですか。もともとついていたらそれはつかないということになるのでしょうか。例えばの話なので、申し訳ないのですけれども。
○事務局
小児加算がついているものを比較薬に類似薬効比較方式でやったときに、さらに小児加算が乗るかという御質問であれば、小児加算は二重計上できない形になっております。あと、オーファンのときにつく市場性加算と小児加算も重複ができません。このようなルールになってございます。
○薬価算定組織委員長
分かりました。ありがとうございます。
ほかに、委員の先生方から特に御意見はございませんでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


レットヴィモカプセル40mg、レットヴィモカプセル80mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
レットヴィモカプセル40mg、レットヴィモカプセル80mg、特に意見を伺う委員として、深山先生、山口正和先生、それから、桂先生。桂先生は本日欠席となっております。
関与委員の弦間先生は今出席されていないので、このまま続けたいと思います。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案で何も問題はないと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○薬価算定組織委員長
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案で妥当だと考えております。
1つ事務局に確認させていただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。
最類似薬の選定の際に、申請者がアレクチニブ、事務局がクリゾチニブということで挙げていただいているのですけれども、その際、事務局のほうで申請者の理由のハとニに関しては主張どおりだということなのですが、ロについては、アレクチニブはRET融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する臨床試験で十分な有効性は得られないということで、これはあくまでもALK阻害作用による有効性を示すものであるということで申請者のほうの否定をしているのですけれども、そうすると、事務局案としては類似薬は特に挙げないでいるということで、総合的な判断でイとロを考えたときに、イの非小細胞肺がんのみの効果を有しているクリゾチニブが類似性が高いということで挙げているということでよろしかったでしょうか。
○事務局
概ねおっしゃるとおりでございまして、薬理作用の類似性の観点から言えば、クリゾチニブもアレクチニブも含めてチロシンキナーゼはみんな一律に同じラインに立っていると考えてございます。なので、甲乙がつけられないので、別の観点から評価してクリゾチニブを選ばせていただきました。
以上です。
○委員
薬理作用のところは特に挙げていないということでよろしいですね。分かりました。
ただ、今回、事務局のほうで市場性加算を拾っているというのはよかったと私は思っております。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば御発言ください。
特にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、御意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございます。


ソグルーヤ皮下注5mg、同10mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
ソグルーヤ皮下注5mg、同10mg、特に意見を伺う委員として、眞野先生、石原先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
週1回になる点とか、糖尿病の患者さんは禁忌としていたのが、実際はいろいろかなり注意して使っているということがありますし、事務局の御意見のとおりでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
そのほかの委員の先生から御発言いかがでしょうか。
○委員
この週1回は患者さんにとっては利便性があるように思うのですが、それぐらいでは利便性加算を加えないというのがこの薬価算定組織の見解ということでいいのですね。これまでもそうしてきたということで。確認だけしたかったのです。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがですか。
○事務局
週1回自己注製剤と毎日自己注製剤で加算をつけるつけないの判断をした前例ではないのですが、幾つか近い事例というのはあって、以前、御紹介させていただきました。
加算の有無は、そのときそのときで個別に加算に値する価値があるかを議論していただいて認めているものになります。投与間隔の延びることのメリットの一つとして、例えば病院に行く回数が減るというのは、患者さんにとってかなり大きな価値があろうということで、月に1回だったものが6か月に1回だったものについて5%認めた前例はございました。一方で、本剤はどちらにしろ自己注製剤であるので、家で打たなければいけないということに変わりはないということで、通院頻度が減るといったメリットはないと考えております。
企業のほうはアドヒアランスの向上ということを言っておるのですけれども、これは以前の薬価算定組織のときにどなたか先生から御発言いただいた記憶があるのですけれども、週に1回では打ち忘れるリスクもあり、毎日打つことの負担軽減と、どちらが明確に価値が高いとはなかなか言えるものではないと御発言があったと記憶しております。事務局としても、週に1回自己注になることは価値がそこまで高いとは考えていない次第でございます。
以上です。
○委員
了解しました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他、御発言はいかがでしょうか。
○委員
確認で、教えていただければと思うのですが、ビスホスホネート製剤とかは自己注ではなくてまさに内服薬の話ではありますけれども、連日投与と週1回投与というのがございますけれども、週1回投与の内服剤が薬価算定組織で評価されたという実例はあるのでしょうか。
○事務局
ちょっとデータベースを確認させてください。少々お待ち下さい。
○薬価算定組織委員長
恐らく患者さんにとっては、普通に考えると毎日打つよりは週1回のほうがいいですよね。医師側としては何も変わらないのと、効果が変わらないというところはどう評価するかという感じですかね。
○事務局
確認したところ、内服薬でも連日投与のものが週1回の投与となった製剤について、加算を認めていない例がございました。
○委員
ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
○薬剤管理官
1点、御紹介といいますか、お話をさせていただければと思います。
今御議論いただきました投与間隔や通院間隔について臨床上有用性が認められるかという点については、基本的には個別の医薬品ごとあるいは疾患ごとの判断によると思っております。ですので、そういった点でぜひ御意見をいただければと思っております。
もう一点、今、中医協のほうで議論になっておりますのが、費用対効果評価との関係性についてです。先般、ユルトミリスという製剤で、既存薬が2週間に1回投与だったものが8週間に1回の投与ということで、通院回数が減るということで、薬価算定上の有用性加算をつけた上で収載していたのですけれども、その後、費用対効果評価を行った結果、通院回数の減少というものが費用対効果評価上、評価し切れなかったということで、その加算部分が 減算されるといった評価結果になったということがございます。
基本的には費用対効果評価の現在の手法による限界というものもあるのかなと思っているのですけれども、薬価算定における加算の考え方と費用対効果評価における評価について、お互いに組織同士の意見交換をすべきではないかというようなお話が中医協のほうでもありまして、今後、そういった事例が出ましたら随時御紹介をさせていただこうと思っております。
ですので、今回の件についても、算定の段階で有用性についてどこまで認めるのかどうかという観点について基本的にお考えいただければいいと思っておりますけれども、今後の費用対効果評価といったような観点から、その加算がいかに意味があるのかといった点も少し頭の片隅に置きながら御議論いただければと思います。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
あと、事務局に聞きたいのですけれども、ピーク時の人数に関しては、患者数はほとんど決まっていると思いますので、週に1回打つのと毎日打つのとで、製剤が出たときにどれぐらいがこちらに移行するという計算なのでしょうか。
○事務局
シェア率ということだと思います。
企業の資料によりますと、企業推計においては本剤のピークシェアが最大でピーク時で□□□に達するということになるので、既存のソマトロピン製剤がおよそ□□□ぐらい、本剤が□□□ぐらいの使用率になると推測しております。
○薬価算定組織委員長
大体そんなものというか、先ほど言われたようなほかのビスホスホネート製剤みたいなものでも同じようなシェアの変化をたどっているという感じなのでしょうね。
○事務局
ちなみに、企業の推計自体は、全く別の薬ですけれども、□□□□□□□□□□のシェア率を参考に決めているということのようでございます。
○薬価算定組織委員長
そうすると、大体こういうような薬剤が出てくるとそれぐらいのシェア率に近づいていくという実態が恐らくあるということですね。
○事務局
正確な把握は難しいですが、そういう推計をしているということだと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


ネクスビアザイム点滴静注用100mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
ネクスビアザイム点滴静注用100mgになります。
特に意見を伺う委員として、齋藤先生、石原先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
今、事務局からありましたように非劣性が検証されたわけで、特別有用性があるという判断にはならないと思います。事務局案に賛成です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
同じくまだ非劣性だけですので、これは事務局案どおりでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方からほかに御意見があればお願いいたします。
特にございませんでしょうか。大きな論点はございませんので、よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織の意見としてまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


サフネロー点滴静注300mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
サフネロー点滴静注300mgになります。
特に意見を伺う委員として、諸井先生、山田清文先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
まず、最類似薬はベンリスタでよろしいと思いますが、一日薬価合わせが申請者と少し違うという点で、同じ静注薬よりも一番使われている競合関係にある皮下注薬を加味したという点で、事務局案が妥当と思います。一日薬価は事務局案と申請者案でそれほど大きな違いはないと思われました。
事務局案が妥当と思いますが、補正加算について、有用性加算の□□%がなしというところで申請者と差が少しついているなと思いました。その理由としましては、やはりエビデンスといいますか、その辺が有用性加算をつけるには少し不足かなという点で、事務局のほうではなしとされたわけですが、ちょっと気になったのが、国際共同試験で結果を開く前に評価指標を変更していると書いてあるのですが、これは何か理由があって変えたのですか。主要評価項目としてSRIからBICLAに変更し、そして、その結果として有用性が出たということなのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがですか。
○事務局
御指摘ありがとうございます。
審査報告書にも記載されているのですけれども、まず海外04試験というものと05試験というものが2つございました。先に海外試験の05試験のほうでSRIを主要評価項目としていた試験で、プラセボに対しての有意差は見られなかった。それで同時に並行して走っていた国際共同試験の04試験のほうも同じSRIを主要評価項目としていたところ、05試験の結果を受けて、開鍵前にですけれども、SRIからBICLAに変更したというような背景がございます。
○委員
分かりました。
では、有用性加算はエビデンスがやや不足ということで、なしということで妥当と思います。
あと、新薬創出等加算は該当するということで、これもよろしいかと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
最類似薬の選定、一日薬価の算出方法も事務局案が適切だと思います。
それから、有用性加算を認めずに、新薬創出等加算は該当ありとするのも、バランスが取れた妥当な案かなと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の先生から御意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
事務局の説明でも、私自身は有用性加算はゼロでいいかということを書いてしまったのですけれども、Ⅰ型インターフェロン阻害という比較的期待できるのではないかと頭の中で思われているものが、実際の臨床試験でなかなか強いエビデンスは出せなかったということで、総合的には事務局の意見、皆様の意見でよろしいかなと思います。その他御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


コセンティクス皮下注75mgシリンジ
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
コセンティクス皮下注75mgシリンジになります。
特に意見を伺う委員として、田﨑先生、古田先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
小児加算の5%のところは、事務局案どおりで致し方ないかなと思っています。
1つ、ちょっと細かいところなのですけれども、規格間調整のところで、データの仕様の違いによって数値が若干変わってきている点、ちょっと教えていただければなと思います。よろしくお願いします。
○事務局
細かい計算過程を資料から省略してしまいまして、申し訳ございません。
規格間比を出すときに、申請者側は汎用規格□□□□円に対して、事務局案は6万679円。準汎用規格も□□□□円から11万8145円と数円から数十円の差が出てございます。
これらの計算の差が出てきているのは、シリンジとペンの薬価の加重平均値を使っているのですけれども、加重平均をするときの販売数量のデータにつきまして、我々事務局案では令和2年度の薬価調査の販売数量データを使用してございます。ただ、薬価調査の販売数量データは、企業を含め、外部に公表しておりませんので、彼らは直接の計算をすることができません。そのため、申請資料といたしましては、民間のデータベース企業である□□□□のデータを使って彼らは計算して企業案を持ってきているということでございます。
この現象はいつも起きていることでございまして、企業が□□□□で持ってきているのを我々が薬価調査の数字に置き換えて計算し直すということでやらせていただいております。
以上です。
○薬価算定組織委員長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
○委員
ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
□□先生、御意見をお願いいたします。
○委員
小児乾癬の生物学的製剤ということで、非常に重要な位置づけの薬だと思います。なので、新規性、重要性というのは申請者の主張のとおりです。
成人のデータでも海外と日本人で何かすごく変わっているわけではないのがこれまでのコセンティクスの実績ではありますが、もちろん今回の治験で示している強固さが足りないというのは事務局のとおりだと思いますので、これは考え方の問題だと思いますので、事務局案は妥当だと考えました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方からほかに御意見があればお願いいたします。
事務局、小児加算について、今回は5%なのですけれども、例えば10%つけるような、またはつけたような薬剤というのはどのようなものがあるのでしょうか。
○事務局
小児加算のパーセンテージについては、主に国内での小児を対象にした臨床試験の充実度を中心に評価させていただいております。
今回は小児を対象とした国際共同試験で全162例、そのうち日本人症例は5例というところで、必ずしも多くないと評価をさせていただいております。
近年小児加算を5%ではなくて10%をつけている例としては、国内臨床試験の症例数が、322例、73例、89例、126例、300例ということで、大体日本人の症例数が小児を対象とした臨床試験で100前後といいましょうか、そのぐらいの大規模な小児の臨床試験を実施している場合に10%という形で評価させていただいております。
もちろん適用疾患で患者数が集めやすい、集めにくいといった事情もございますので、必ずしも100とかという数字で単純に切っているわけではございませんけれども、過去の傾向としてはそのようになっています。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。
ほかに意見がなければ、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


パドセブ点滴静注用30mg
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
パドセブ点滴静注用30mg、特に御意見を伺う委員として、下井先生、山田清文先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
ありがとうございます。
回答としては事務局案に賛成という回答をさせていただきました。
有用性加算の特に①-bのところですけれども、新規の作用機序という点ですが、こちらが既にカドサイラのほうで評価されていて薬価として含まれていると二重取りということになってしまうので、今回はなじまないと思ったということでございます。
③-fに関しては、今まで標準治療がないという言い方になるかどうかということでいうと、パクリタキセル、ドセタキセルといったタキサンが通常保険診療で行われている治療法としてございますので、標準治療がないというのは、これまでの薬価算定組織の評価からも言いづらいのかなと思いまして、最終的に事務局案は妥当と評価させていただきました。
カドサイラが以前に①-bとして評価されているので、今回、再評価がなじまないというのは、理解は合っていますでしょうか。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがですか。
○事務局
おっしゃるとおりなのですが、正確に申し上げますと、カドサイラは平成26年に原価計算方式で算定されておりまして、当時、今のようなポイント制度による加算は、原価計算方式は取り入れてございませんでした。ただ、いずれにしても、営業利益率の加算という方式で、そちらで110%、10%の加算が乗っております。①-bで評価されているというわけではありませんが、薬理作用としては既に評価を受けているものと考えています。
○薬価算定組織委員長
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
私もコメントさせていただきましたように、有用性加算のイの①-bが該当しないということが論点かなと思ってコメントさせていただきましたけれども、今の○○先生、それから、事務局の説明でよく理解できました。事務局案どおりで適当だと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員から御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
○事務局
□□先生に事前にいただいた御質問のほう、今、御納得いただいたということだったのですけれども、一応こちらのほうで回答も用意しておりますので、もうちょっと詳しく御説明させていただいてもよろしいでしょうか。
○薬価算定組織委員長
お願いいたします。
○事務局
□□先生からの御質問ということで、標的の分子についてですが、御指摘のとおり、ターゲットとした指標細胞表面の抗原が違うだけでは加算には該当しないと今回判断をしておりまして、類似薬効方式の算定の場合、比較薬の薬価に対して追加的な価値があるかどうかを算定のポイント要件に照らしながら評価を行っております。
今回比較薬としたカドサイラは、本剤パドセブと適用がん種は異なるものの、固形がんに対する抗体薬物複合体であること、また、いずれも複数のがん種に適用拡大の余地があることを踏まえ、比較薬としております。
その際、Nectin-4をターゲットとした点は確かに新規ではありますが、細胞表面抗原を変えただけでは細胞表面抗原を認識して結合した薬剤を送達するという作用機序に追加的な価値があるとは言い難く、一日薬価は比較薬と同レベルとするのが妥当と考えております。
なお、御指摘のとおり、MMAE結合のADCという観点でもアドセトリス、ポライビーがあり、新規作用機序とは言えないと考えております。
以上となります。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、いかがでしょうか。今の事務局の御説明で大体御納得ということでよろしいでしょうか。
それでは、意見がないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございます。


ライアットMIBG-I 131静注
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
ライアットMIBG-I 131 静注です。
特に意見を伺う委員として、森山先生、本日は欠席でございます。また、青木先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
加算のほうも両方とも認めていただいていますし、オーファンドラッグで非常に重要な薬ですので、査定のほうは妥当だと判断しました。
ただし、薬剤を使える部屋の制限が非常に強いお薬ですので、それに関して管理費が相当かかるということを核医学の先生がおっしゃっていて、次の診療報酬改定を求めていらっしゃるようです。それが通った場合は事務局様の予想どおり少しずつ増えていくかと思いますけれども、通らない場合は、やっても病院が赤字になる可能性が高いので、国公立の今までやっていたようなところが続けてやるのが精いっぱいではないかなということで、企業のような予想をしたのだと思います。
ということで、管理料がつくことが非常に重要なのではないかと考えております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員の先生方から御意見があれば御発言をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
ありがとうございます。
事務局にお伺いしたい点が2点ございまして、1点目は、海外運賃というものが原料費の内訳表には載っていたのですけれども、海外から輸入している成分というのはいったい何でしょうか。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがですか。
○事務局
事務局より御回答させていただきます。
131Iのラジオアイソトープを他国から輸入しているという状況で、国内でそれぞれの原料を合成して製造しているという状況でございます。
○委員
分かりました。
実際にそれらの輸入に関する価格というのは、インボイスで提出されているものなのですか。
○事務局
いわゆる領収書をインボイスで提出されてございます。
○委員
ありがとうございます。
もう一点は、臨床試験の点なのですけれども、もともとの先進医療Bとか臨床試験とかが今回のPMDAの審査報告書に書かれていたのですけれども、そちらのほうはこの臨床研究の費用には含まれていないのでしょうか。
○事務局
事務局より回答させていただきます。
PMDAの審査報告書には3つ試験が記載されてございまして、1つが国内第Ⅱ相の評価資料とされているもの、残り2つが参考資料とされているものでした。
企業の原価計算の資料を見ますと、参考資料で計上されているものは原価表の中には全く入っていなくて、評価資料とされている国内第Ⅱ相の費用のみが入っているという状況でございます。
○委員
承知しました。ありがとうございます。
海外から自費で輸入していた今までの治療の価格と今回の薬価との乖離があまりに大きくて、論文とかですと海外から輸入した患者さんは45万円ぐらいで一回治療していますよと言っていた中で、国内で製造するとなると1回当たり400万円もかかるということで、医療財政への影響がかなり大きいなというのがすごく気になったのですが、今回の内容ですと査定が難しいなと感じた次第です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、輸入しているというのは、出来上がった品物を輸入して、今、実際に自費等で行っているということなのですか。
○委員
そうです。
○事務局
まさに□□先生の御指摘のとおりなのですけれども、輸入原料にかかっている費用というのが、原料費□□□□□□円ということで、材料は非常に安く輸入していて、それを製造する製造原価も、真ん中ぐらいにあるのですけれども、査定後□□□□□□円ということで、物の製造自体にはあまりお金がかかっていないというのは事実でございます。
国内で持ってくるために臨床試験を実施していて、その試験研究費が積まれている。一方で、日本での市場が非常に小さい市場規模になってしまっているので、それを患者数で割り返してしまうと□□□□□□円ということで、販管費のほうで大分積み上がってしまうというような形でこのような価格になっているという次第でございます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。制度上仕方がないという感じでしょうかね。
その他の委員から御意見、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


アロフィセル注
日時:令和3年10月26日(火)

○薬価算定組織委員長
アロフィセル注になります。
特に御意見を伺う委員として、齋藤先生、森山先生、佐藤先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
類似薬効方式ではなくて、原価計算方式にされた今の御説明もよく納得できましたし、査定の内容も今おっしゃってくださいましたけれども、非常に妥当だと思います。事務局案でいいと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案で妥当だと存じます。
ただ、2つ質問させていただきたいことがございます。
一つは有用性加算についてなのですけれども、今回、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□となっていますが、確認なのですけれども、有用性加算(Ⅱ)のイ項の臨床上有用な新規の作用機序を有することに該当しないという理由です。恐らく、既にMSC(間葉系幹細胞)で知られている生理機能であるということと、ほかの疾患を対象とした間葉系幹細胞製品があるということから、今回は新規と言えないという理解なのかなと思うのですけれども、まずはその点を確認させていただけますか。
○薬価算定組織委員長
事務局、いかがでしょうか。
○事務局
御質問ありがとうございます。事務局より回答させていただきます。
臨床上有用な新規の作用機序を有する医薬品なのかということに関しては、事務局としましても非常に検討したところでございまして、臨床上本当に有用なのかというところが懸念として残っているところでして、審査報告書を読ませていただきますと、確かにインフリキシマブを含めた抗菌薬や免疫調節薬が効かなかった患者に対して試験がされているところではあるのですけれども、インフリキシマブに比較して本当に有用性が示せているかというところは、必ずしもそうは言えないと考えておりまして、そういうところを勘案すると、「臨床上有用な」というところで。
○委員
そちらがひっかかったということですね。新規のというのは、事務局の見解も、申請者の見解も、要するに薬理作用は異なるとおっしゃっていたので、なのに有用性がつかないというのはどういう理由なのだろうと疑問に思ったという次第でございます。
○事務局
そういう意味では、「臨床上有用な」というところに疑問符がついたというところでございます。
○委員
ありがとうございます。
もう一つは、前にも確認させていただいたのですが、査定内容の一般管理費販売費のうち、特定使用成績調査に係る調査票記載に対する報酬が□□□□円から□□□□円にまで査定されているというところなのですけれども、これはここの記載のところで、何かの根拠に基づいて査定と書いていただいたほうがいいかなと思って、そこのところも議事録に残しておいていただきたいので、御説明いただけますか。
○事務局
御質問ありがとうございます。
これの□□□□円の根拠でございますけれども、公正取引協議会の出している基準に調査・研究委託に関する基準というものがございまして、我々はこれを参考にして先生方への謝礼金額を査定させていただいているわけでございますが、こちらの基準には一般使用成績調査に関して1症例当たり1万円を超えない額を目安とし、長時間の作業を要するものでも3万円を超えない額を目安にしてくださいと書いておりまして、さらに、長期観察や特定期間ごとの報告を求める場合には、1症例ではなくて1調査票当たり3万円とすることもできると書かれております。
ただ、一方で、特定使用成績調査に関しては具体的な金額の規定はございませんで、記載としては「社会通念に照らして過大にわたらない適切な報酬額」という記載になっておりまして、では、過大にわたらない適切な報酬額とはどのように決めるかという話でございますが、今回は、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、そうであれば□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□円とさせていただいております。
○委員
ありがとうございます。よく分かりました。
○薬価算定組織委員長
その他、委員の先生方、御意見はいかがでしょうか。
事務局に伺いたいのですけれども、今回疾患でインフリキシマブとの比較ということが言われたのですが、先ほど佐藤先生からも御意見がありましたけれども、間葉系幹細胞という点からすると、今回は完全に細胞を輸入してしまっているので、今まで例えば自己の間葉系幹細胞を育てて移植する、前回出た脊髄のものとか幾つかあると思うのですけれども、そういうものとの比較というのは、今後、疾患によって出てくる間葉系幹細胞と、間葉系幹細胞全体で見たときの薬価みたいなものというのは考慮されるものなのでしょうか。それとも、やはり疾患ベースでやっていくということなのでしょうか。
○事務局
今日のパドセブのADCのところで、がん種が違うのだけれども、固形がんに対するADC、しかも、表面抗体も違うのだけれども、作用機序の本質的な部分が同じだからということで類似薬にさせていただきました。そういう意味では、がん種を越えて一日薬価合わせをするようなケースというのは、今でも既に少しずつ出てきているところでございます。
間葉系幹細胞というレベルになりますと、さすがに事例がまだないので、こういう方針ですとはなかなか申し上げにくいのですけれども、今あるものですと、ステミラックという脊髄損傷に使う自家の間葉系幹細胞を移植する治療法はありますが、本剤アロフィセルとは自家と他家で全く違うもので、かかるコスト構造も全く違うと思いますので、さすがにそれを合わせるという発想は難しいかなと思っております。
一方で、今後、よそから輸入してくる間葉系幹細胞治療の中でコスト構造が似ているようなものが出てきたときには、それが一日薬価合わせできるかどうかというのは別途検討が必要だと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他、御意見はよろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


タブネオスカプセル10mg
日時:令和3年10月26日(火)※令和4年5月収載に伴い追記

○薬価算定組織委員長
タブネオスカプセル10mgになります。
特に意見を伺う委員として、眞野先生、谷本先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
□□先生については、本日、外来診療のため、事前に御意見いただいていますので、事務局から御紹介させていただければと思います。
本剤は既存グルココルチコイド療法と同様の位置づけであり、事務局案の有用性加算(Ⅱ)Aの5%は妥当であるというコメントをいただいてございます。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方から御意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
有用性については、使用実態を見てみないと効果のほどは分からないという感じでもありますかね。
開示率□%というのはなかなか難しいのですけれども、申請者と事務局との見解が少しだけ離れているのですが。これは何か理由があるのでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
説明させていただきます。
申請者と見解が相違しているということではございません。申請者と相違している開示度の%につきましては、製造原価、一般管理販売費の金額が違うことに起因しているものでございまして、具体的に開示されていない部分としましては、先ほど申し上げた移転価格□□□円のところが該当するということで、最終的な薬価の違いによって%が異なっているということでございます。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
分かりました。
その他の先生方から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
特に意見もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


モイゼルト軟膏0.3%、同1%
日時:令和3年10月26日(火)※令和4年5月収載に伴い追記

○薬価算定組織委員長
モイゼルト軟膏0.3%、同1%になります。
特に意見を伺う委員として、深山先生、古田先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
○○先生、いかがでしょうか。
○委員
算定方式、小児加算とも、先ほど御説明いただいてよく分かりましたので、特に異議はありません。これで妥当と考えます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案が妥当と考えます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員から御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
特に意見もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


メグルダーゼ静注用1000
日時:令和3年10月26日(火)※令和5年11月収載に伴い追記

○薬価算定組織委員長
メグルダーゼ静注用1000になります。
特に意見を伺う委員として下井先生、谷本先生にお願いしております。
それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
なお、本件は企業の意見陳述がございます。
よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
○○先生、いかがでしょうか。
○委員
本品の一番重要な点は、メトトレキサートの排泄遅延がある方に対して、今までロイコボリンでは排泄を促進するわけではなかった中で、こちらのお薬であれば消えていくという促進作用がありますので、非常に高用量のメトトレキサートを投与している患者さんの抗がん剤の治療強度を保つという点で重要と思います。
一方で、有用性としては血中濃度が下がるというところだけではありますので、そのまま実際に治療強度を保って治療ができるかどうかという一番重要な点はこれからかなというところでございまして、今、事務局からいただいている有用性加算の案のほうが企業案と比較して、実際は妥当であろうと思っております。
コメントとして記載させていただいた点でございますけれども、原価計算方式の中で、外国からの輸入価格がそれ以上安くなる可能性がないかということ、もう一つは、今回、企業申請の使われる患者数の試算が薬価算定用の資料のほうに載ってございますが、今のところ、あくまで症例数は試算されているのですけれども、今回メトトレキサートを複数回投与されることになって、そのたびにこちらのほうが投与されることになろうかと思いますので、骨肉腫の患者さんやリンパ腫の患者さんといった高用量のメトトレキサートを投与する患者さんの投与回数が複数回になると思われる点で試算が数倍に増えるのではないかということで、研究開発費の償却費が減ることが期待できるのではないかなと考えた次第でございます。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
事務局、この市場規模予測に関しては御意見はいかがでしょうか。
○事務局
○○委員より御指摘いただきました点は、輸入価格と症例に対するところの2点について回答させていただければと思います。
まず、こちらの製剤につきましては、米国のBTG社が製造しており、その原体を輸入していますので、ほかの外国からの輸入が難しいと考えられます。また、米国以外では日本のみが承認されていますので、日本以外への移転価格はありませんでした。
また、臨床研究費に関しましては、開発経費や労務費が計上されており、そのうち、開発経費については、委託業務費用のうち、時間換算が可能であったものは査定をしています。また、証憑を確認し、モニタリング業務費用等が掲載されていることを確認しています。
臨床研究費のうち、労務費に関しては、労務時間の提出資料といたしまして、各社員の勤怠記録に対してフルタイム当量、FTEというような形で業務にどれだけ割合を割いたか把握できる資料を提出していただき、その上で勤務時間が妥当かどうかを確認させていただきました。
また、2つ目の症例に対する追加投与等につきましては、臨床試験の実施された追加投与や再投与に準じて、追加投与の割合や再投与の割合を実際に使う数量として積算し、最終的に研究開発費、償却計画の中で積算した瓶数で割り返して、その上で薬価の算定の積み上げた金額とさせていただいているところでございます。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、よろしいですか。
○委員
承知いたしました。
○薬価算定組織委員長
ちょっと高額ですけれども。
○事務局
薬価に影響するのが患者数の部分でございまして、実際にピーク時においてメトトレキサートの排泄遅延が生じたときに、どの程度の患者さんが本剤を使うのかということについて、企業とある程度ディスカッションをしています。メトトレキサートの排泄遅延が発生する割合については、臨床試験のデータに基づき1.8%という数字を採用しました。文献によりますと1~10%という報告があるので、若干少ない見積もりではあるかと思っております。
一方で、実際にどの程度の患者さんに本剤が使われるかということに対しては、ピーク時に70%という浸透率を予想しています。かなり高額な医薬品でございますので、メトトレキサート排泄遅延が起きたとしても、腎の機能とかが十分な患者さんであれば使われないとか、病院でこの薬をされてなくて使われないというケースも想定はしたのですけれども、正確な数字を予測するのは難しいという中で、一定程度普及するということは考慮いたしまして、最終的に1年間103人と推計させていただいたところでございます。
この点が、事前に企業といろいろディスカッションをした中では薬価にはねる部分としては論点となっているところでございますが、企業と確認をした上でこちらの案とさせていただいております。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、企業のほうから意見の聴取を行いたいと思います。
事務局は企業入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
最初にメグルダーゼ静注用についての御意見を5分以内で御説明ください。
続いて、委員から質問をさせていただきますので、御回答をお願いいたします。
よろしくお願いします。
○申請者
よろしくお願いいたします。大原薬品の□□です。
本日は意見陳述のお時間を頂戴しまして、誠にありがとうございます。
次をお願いいたします。
効能・効果はメトトレキサート・ロイコボリン救援療法によるメトトレキサート排泄遅延時の解毒で、用法・用量はグルカルピダーゼとして50U/kgを5分間かけて静脈内投与するです。
なお、以後、メトトレキサートをMTXと呼称します。
本剤は、第1回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議にて関連学会より開発要望書が提出されましたが、海外未承認薬であったことから開発要請が出されませんでした。一方で、小児がん及び血液腫瘍患者団体から開発要望書が出されるなど、医療現場、患者団体より開発が強く要望されていました。
次をお願いいたします。
本剤の加算要件として、要件①-b、③-b、③cに該当するものと考えていますが、本日は要件①-bの充足性について説明させていただきます。
本来は薬理作用発現のための薬剤の標的分子が、既収載品目であるロイコボリンとは全く異なり、MTXを直接加水分解することにより、血中MTX濃度を低下させる薬剤であり、審査報告書にも臨床的意義があると記載されています。
次をお願いします。
MTX・ロイコボリン救援療法による課題について説明します。
MTXは細胞に取り込まれることで、核酸合成を阻害し、細胞増殖を抑制することで抗腫瘍効果を発揮します。ロイコボリンは細胞に取り込まれ、MTXによって阻害された正常細胞の核酸合成を再開させる目的でMTXと併用されていますが、ロイコボリンには血中MTX濃度を低下させる作用はありません。
一方、適切にロイコボリン投与や支持療法を実施しても、MTXが尿細管で結晶化することで急性腎不全となり、MTX排泄遅延を引き起こすことがあります。その結果、血中MTX濃度が上昇し、臓器障害などが引き起こされ、時に死亡に至ることもあります。唯一の治療法として血液浄化療法が行われますが、効能・効果は十分ではありません。
次をお願いいたします。
本剤は血中のMTXを直接加水分解し、速やかにMTX濃度を低下させることにより、副作用の発現を抑制すると考えております。
次をお願いします。
CPG2-PⅡ試験における本剤の血中MTX濃度低下率を示します。本剤投与開始後の初回採血時点である20分において、99%以上低下し、その効果は4日後まで維持しています。
次をお願いします。
しかし、PMDAより本剤の酵素活性の停止を確認していない指摘を受けたため、再度治験を実施しました。
右のグラフに示しましたように、本剤の酵素活性の停止を行ったOP-07-001試験と、CPG2-PⅡ試験との血中MTX濃度低下率に差がないことを確認し、CPG2-PⅡ試験の結果の頑健性を確認しています。
次をお願いします。
MTX中毒域とされる1μmol/L以下までに低下させる時間について、海外試験成績と血液浄化療法に関する14の公表文献との比較をお示しします。血液浄化療法では平均123.5時間かかるところ、本剤は0.783時間でした。
次のスライドをお願いします。
海外の後方視的データとなりますが、本剤投与群は本剤非投与群と比較したところ、入院期間は14.7日と21.9日、入院中の死亡率は3.3%と20.8%、90日後死亡率は16.7%と37.6%であり、有意に低下していました。
このことから、本剤により血中濃度低下させることが実臨床におけるアウトカムの改善につながることを示しています。
以上のことから、本剤は要件①-bである薬理作用発現のための薬剤の標的分子が既収載品目であるロイコボリンとは全く異なり、MTXを直接加水分解することにより、血中MTX濃度を低下させる臨床的意義のある薬剤であると考えています。
御検討賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から質問があればお願いいたします。
○○先生、どうぞ。
○委員
本品を使用することで、メトトレキサートのドーズインテンシティーが各疾患において保てるというようなデータはあるのでしょうか。
○申請者
本剤の使用の目安が、MTXの効果を阻害しない時間帯で排泄遅延が起こっている場合に使用するということなので、現疾患の治療に影響を及ぼすことはございません。
○委員
現疾患の治療が遅延を予防することで治療成績が上がるといったデータはあるのでしょうか。
○申請者
そのデータに関してはございません。
○委員
ありがとうございます。
あと、使用患者数の試算なのですけれども、実際に御提出されている資料からすると、白血病10例やリンパ腫33例、サルコーマで7例とかというのがあるのですけれども、これは実際のMTX使用患者の割合からすると大分少なく見積もられているような気がしまして、例えば骨のがんの骨肉腫で年間290例と試算されている場合、骨肉腫の患者さんですとほとんどの方がハイドーズメトトレキサートを含んだような治療になると思うので、仮に試算が1割だったとしましても、200例でも1割だったら20例ということで、サルコーマの数が倍以上になってくると思うのですけれども、ハイドーズメトトレキサートの排泄遅延の割合というのはどういうふうに見積もられていますか。
○申請者
排泄遅延の割合の算出方法につきましては、企業治験で実施しましたOP-07-001試験の治験実施中に行われたMTX・ロイコボリン救援療法の延べ数に対して、実際にエントリーされた患者さんの例数から割り出して1.8%という形で算出し、データを今回の市場性予測の際に適用させていただきました。
○委員
これは、例えば骨肉腫とかですと、文献上は少なくとも7%とか6%ぐらいの報告があったりするので、過小に見積もっているのではないでしょうか。
○申請者
今回、企業治験で入ってくださいました5施設では、全ての疾患に対応する施設で治験をお願いさせていただいておりました。診療科を問わず、院内の全MTX・ロイコボリン救援療法を実施されている先生方に、今回の治験についてアナウンスをお願いするような形で試験を実施しておりました。そのような中でも、骨肉腫の患者さんというのは実際に4例登録されていたのですが、今、手元にデータがないのではっきりとお答えできないのですが、1例いたかいなかったかというような状況ですので、骨肉腫において、今、先生がおっしゃいました6%から7%の方が該当するものではないかというところにつきましては、そこも含めて包括的に算出したというところで、今回この1.8%のままで適用させていただければと思います。
○委員
それは、今回の170例が全てを代表しているので、それを適用するべきという御指摘かと思うのですけれども、過去の文献上はそれぞれ各疾患ごとにどのぐらいの割合なのですか。
つまり、今回の症例が当然臨床試験に入るような状況のよい患者さんをセレクションしているわけなので、そういう方々で遅延が起こりませんよと言って、実臨床上そういう人数になるわけではないと思うのです。なので、通常は文献上どのぐらいありますけれども、今回の臨床試験とどのぐらい乖離がありましたという説明が必要かと思うのです。
○申請者
今、手元にその資料がございませんけれども、文献的にはいろいろな中毒の報告を見ますと1~5%というような形で報告されておりますので、今回我々が算出しました1.8というのは、実際の治験での実臨床下での成績になりますが、それほど過小に見積もっているという認識はございませんでした。
○委員
ほかのデータが明確に示されていないようですと、説明になっていないかなと思います。
○薬価算定組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
では、私から。これは米国でしか使われていないのだと思うのですけれども、米国の使用実態というのは大体どんな感じなのですか。
○申請者
資料中にも記載させていただいておりましたが、ピークとなっております2019年で約1,070本売上げがあります。
○申請者
体重によって投与量が変わってくるのですけれども、今申しましたように、直近で大体1,030本ということでございます。1人当たり3本とした場合、300例強という使用例になるかと思います。
○薬価算定組織委員長
使用実態は日本も大体同じになるであろうという予測なのですよね。
○申請者
人口比、体重の差もございますけれども、それも加味しております。
○薬価算定組織委員長
最後のデータを見ますと、死亡率の報告のデータを出されたのですけれども、これはもちろん米国のデータだと思うのですが、日本では試験の中でこのような傾向というかデータはあるのでしょうか。このデータを持ってこられて、そうですかとしか言いようがないのですけれども。
○申請者
日本では明確にこの項目に絞って評価するといった形では、そこまでのデータとしてはそろっていない状況でございますが、1つ、腎障害にMTXが影響を与えるという観点から、血清クレアチニンの値を見て、クレアチニンの推移は確認させていただいておりました。やはり本剤を投与しても、すぐに腎臓の組織としてすぐに回復というのはもちろん難しいところではあるのですが、やはり本剤を投与して数日後から血清クレアチニン値の改善が認められるといったデータは実際には認められております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他、委員の先生からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
企業として考え方を聞きたいのですけれども、高額になるかなと思うのですが、高額であるがゆえに何か使われないみたいなことになりかねないかなと思っているのですけれども、今後、病院、医師に対しての周知とか使い方とか、その辺の戦略的にはどういうふうに考えているのですか。
○申請者
先生方とはこの薬の有効性、安全性に関しての意見しか集約しておりませんので、そこに価格が加味された場合、どういう対応になるのか我々は今、情報が十分ではございませんが、できる限り今までロイコボリンでコントロールできるような患者様は、恐らくこの薬は使わずに治療が継続されるのではないかと想像しております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の先生からよろしいでしょうか。
事務局からはいかがですか。よろしいですか。
○事務局
はい。特にございません。
○薬価算定組織委員長
それでは、企業の方に退出していただいてよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
○申請者
ありがとうございました。失礼します。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
○○先生、いかがでしょうか。
○委員
ありがとうございます。
やはりどうしても、使用する患者数の見込みというか、本剤投与患者数の見込みというのはもうちょっと上になるのではないかなと思うのですけれども、アメリカの実態が300人ぐらいということですと、確かに日本だと100人ぐらいに計算できてしまうので、企業ぐらいの人数になって、すごくずれているというわけでもなさそうなところもありまして、最終的にはこれ以上は難しいなという感じております。事務局案に賛同しております。
○事務局
ただ今の議論を踏まえ、若干企業の御発言も踏まえて事務局からも少し補足させていただければと思います。
患者数予測については事務局でも確認してこの数字になっております。我々のほうで確認した点といたしまして、文献報告でメトトレキサートの排泄遅延が起きている割合の報告というのはかなりばらついているので、この数字を一つ決めるのは難しかったのですけれども、臨床試験のデータで構わないと考えた理由は2つございます。
一つは、臨床試験のときにはメトトレキサートの血中濃度と時間が組入れ基準になっており、腎機能の状態の指標となるパラメーターが含まれていない組入れ基準になっています。実臨床で使用される際は、高額な薬剤ですので、使用を躊躇することがあって、もっと患者数が減るという可能性もあると考えております。
もう一つは、様々な文献報告がある中で数字はばらついているのですけれども、一番信頼できるといいますか、例数が多いのは、複数の臨床試験のデータをまとめたレビューの報告がございます。その報告では、2万5000症例の中で、24症例で使用された、つまりは1.1%ですので、その観点かも1.8%が大きくずれているわけではないと判断させていただいたところでございます。
事務局からは以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
企業が○○先生の質問にもあまり答えられなかったところであれなのですけれども、これはもともと医師主導治験が行われているという説明があったと思うのですが、医師主導から企業が多分乗り出したというところなのですか。
○事務局
経緯としましては、医師主導治験が先行して実施されていて、その医師主導治験の結果、おそらく当初は単独で申請するつもりだったのですけれども、血中のメトトレキサート濃度の測定方法に試験デザイン上問題があって、正しく測定できていない可能性があると審査上指摘されておりまして、それでもう一回医師主導治験とは別に企業治験をやり直さざるを得なかったというような経緯がございます。
こちらは欧州でも同じような経緯をたどっておりまして、一回申請を取り下げてもう一度再申請して最近審査中というような状況になってございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
どうぞ。
○委員
臨床上は、基本はリンパ性白血病であったり、骨肉腫がこの治療の対象になると思うのですけれども、多くの場合は完全に治ることを目指したような病状の方で、そして、小児に多く行われるので、逆に値段による使用控えというのは小児であれば余計にないでしょうし、なかなかないのかなと思っております。
○薬価算定組織委員長
○○先生の言うとおりで、高いがために使われないと非常にもったいないお薬でもあるかなとも思うので、でも、その辺は企業のやり方次第かなという気もします。
その他、意見はよろしいでしょうか。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。