令和4年3月24日 第34回 社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(議事録)

日時

令和4年3月24日(木) 9:00~10:00

場所

Web開催
東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンス

出席者

委員 ※五十音順

議題

  1. 1.令和3年度介護従事者処遇状況等調査の結果について
  2. 2.その他

議事録

議事内容
○新田介護保険データ分析室長 それでは、定刻になりましたので、第34回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
本日は、これまでと同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
また、傍聴席等は設けず、動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形としております。
初めに、本日の委員の出席状況ですが、全ての委員に御出席いただいております。
続きまして、事務局に異動がありましたので御紹介させていただきます。
総括調整官の占部亮でございます。
議事に入る前に、お手元の資料の確認と、オンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認を行います。
本日は、事前に電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料を、当省のホームページにも掲載しております。
まず、議事次第と委員名簿がございます。
資料1「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント(案)」。
資料2「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)」。
資料3「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(案)」を掲載しております。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの対応をお願いいたします。
次に、オンライン会議における発言方法等について確認させていただきます。
御発言いただく場合には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」の操作をいただき、委員長から御指名を受けた方が御発言いただく方法とさせていただきます。
オンラインで御参加の委員の皆様、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は、基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきますが、御発言される際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックいただき、委員長の御指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。
御発言が終わりました後は、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を降ろす」をクリックいただき、併せて再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
それでは、以降の進行は、田中委員長にお願いいたします。
○田中委員長 皆さん、おはようございます。
ここから議事次第に沿って進めてまいります。
本日は「令和3年度介護従事者処遇状況等調査の結果について」の議論を行います。
事務局においては、資料説明を簡潔に行ってください。
委員の皆様も、御発言は論点に沿って簡潔に御発言ください。
まず、事務局より資料の説明をお願いします。
○説明者 令和3年度介護従事者処遇状況等調査の結果について御説明させていただきます。
資料は3種類用意させていただきましたが、調査結果のポイントをまとめた資料1、調査結果を要約した資料2を中心に御説明させていただきます。
なお、集計事項の中に、回答事業所数が少なかった項目もありますので、この点にも御留意して御覧いただければと思います。
まず、先に資料2の2ページ目を御覧いただければと思います。今回の調査の概要を記載してございます。
確認ではございますけれども、この調査ですが、介護従事者の処遇の状況及び介護職員処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定のための基礎資料を得るということを目的としておりまして、令和3年10月に実施しております。
本調査ですけれども、3年に1度の報酬改定の年に実施することを基本としておりまして、必要に応じて臨時の調査を実施しておりますけれども、今回は3年に1度の周期調査ということで実施しております。
今回の有効回答率ですけれども、64.2%となっておりまして、前回の64.9%を若干下回っているという状況でございます。
資料1を御覧いただければと思います。具体的な調査結果について御説明をさせていただきます。
こちらの紙には調査結果のポイントということで掲載しております。
最初に、介護職員の平均給与額の状況でございます。介護職員の処遇改善の取組みとしまして、これまで創設してきました加算の効果ということで、特定処遇改善加算を取得している施設・事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額ですが、令和2年9月は31万5410円であったところ、令和3年9月は32万3190円となっておりまして、7,780円の増額となっており、順調な賃金改善が見られているという状況でございます。
さらに、令和3年度にこの加算を新たに取得している事業所について見てみますと、1万3410円の増額となっておりまして、この加算による賃金の引き上げ効果も引き続き見られているという状況かと思います。
次に、中ほどの給与等の引き上げの理由でございます。左記に関わらず引き上げというところが多くなっておりますけれども、複数回答ですので、単なる定期昇給といったものも含まれておりますので、この点は御留意いただければと思います。
このほかですけれども、特定処遇改善加算を踏まえて引き上げが23.1%、処遇改善加算を踏まえて引き上げが15.2%となっております。
さらに令和3年度介護報酬改定を踏まえて引き上げも9.5%という状況になっております。
続きまして、加算の取得状況ということで、下にグラフで表示しております。処遇改善加算を取得している事業所ですけれども、94.1%となっております。
括弧書きで前回調査時の取得率を記載しておりますけれども、前回の93.5%から上昇しているところでございます。
内訳を見てみますと、加算(Ⅱ)と加算(Ⅲ)が減少している一方で、加算(Ⅰ)が増加しております。上位区分への移行が進んでいるものと考えております。
また、特定処遇改善加算でございますけれども、取得要件である処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)を取得している事業所のうち、72.8%が取得しているという状況でございまして、前回調査の63.3%から9ポイント上昇しているところでございまして、加算の取得が進んでいるという状況でございます。
次に右側ですけれども、特定処遇改善加算の状況でございます。まずは「1 特定処遇改善加算を配分した職員の範囲」でございます。経験・技能のある介護職員だけではなくて、他の介護職員にも配分している事業所が85.0%、その他の職種に配分している事業所が53.3%となっております。
その他の職種につきましては、看護職員への配分が72.9%、生活相談員・支援相談員が65.8%、事務職員が61.1%、介護支援専門員が47.1%となっておりまして、他職種への配分も一定程度行われているという状況でございます。
「2 経験・技能のある介護職員の賃金改善の状況」でございますけれども、「改善後の賃金が年額440万円以上となっている賃金改善を実施」が40.8%、「既に賃金が年額440万円以上となっている者がいる」というのが38.5%となっておりまして、年額440万円に達している職員が一定程度いるのではないかと考えております。
一番下の「3 特定処遇改善加算の届出を行わない理由」というところなのですけれども、今回、上位4つを掲載しておりますが、「賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑」というのが42.2%ということで、一番多くなっておりまして、そのほか、「職種間の賃金バランスがとれなくなることが懸念」というのが40.2%、「賃金改善の仕組みの定め方がわからない」というのが33.9%、「介護職員間の賃金バランスがとれなくなることが懸念」というのが33.4%となっております。
以上、ポイントを申し上げましたけれども、続きまして、結果の概要という資料を御覧いただければと思います。こちらのポイントよりも少し詳細な資料を掲載しております。
まず、3ページ目を御覧いただければと思いますが、処遇改善加算の取得状況について、サービスごとに記載しております。
全体の状況は先ほど御説明させていただいたとおりですけれども、ある程度サービスごとに差が出ているような状況になっております。
続きまして、4ページを御覧いただければと思います。処遇改善加算(Ⅰ)の取得が困難な理由でございます。全体で一番多いのはマル4ですけれども、「介護職員の昇給の仕組みを設けることにより、職種間・事業所間の賃金のバランスがとれなくなることが懸念されるため」というのが49.5%となっております。
その次はマル2の、「昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑であるため」が40.2%と続いております。
サービス別に特徴を見てみますと、マル4につきましては介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、特定施設入居者生活介護などが比較的高くなっているという状況でございます。
続いて、5ページ目を御覧いただければと思います。処遇改善加算(Ⅱ)の取得が困難な理由でございます。
全体ではマル1の「キャリアパス要件(I)を満たすことが困難」というのが56.1%で最も高くなっておりまして、ばらつきはありますけれども、サービス別に見てここが一番高いという状況になっております。
なお、キャリアパス要件の内容につきましては、下に解説をしておりますので御参照いただければと思います。
6ページを御覧いただければと思います。処遇改善加算を取得しない理由を、こちらもサービス別に示したものでございます。
こちらの集計数は少ないので留意が必要かとは思うのですけれども、全体といたしましては、「事務作業が煩雑」というところが49.5%と最も高くなっております。この中で特に訪問介護ですとか通所介護が比較的高くなっている状況でございます。
次いで「利用者負担の発生」ですとか、「対象の制約のため困難」というところが高くなっております。
続きまして、7ページ目でございます。特定処遇改善加算の取得状況をサービスごとに記載しております。全体の状況は先ほど御説明したとおりですけれども、サービス別に見ますと、こちらも介護老人福祉施設、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護が比較的高くなっているという状況でございます。
8ページでございます。先ほどの7ページは処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)を取得している事業所に対する取得率でございましたけれども、8ページは全事業所に対する取得率ということで、参考にお付けしているところでございます。全体で見ると68.3%となっております。
9ページ目から10ページ目については既に御説明させていただいているので、割愛させていただきます。
11ページ目を御覧いただければと思います。特定処遇改善加算を取得しない理由について、こちらもサービス別に記載しております。
マル2の「賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑であるため」というところでは、介護療養型医療施設、訪問介護、通所介護、特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護が比較的高くなっております。
マル3の「職種間の賃金のバランスがとれなくなることが懸念される」というところでは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院が比較的高くなっているという状況でございます。
続きまして、12ページ目を御覧いただければと思います。ここからは介護従事者等の平均給与額の状況をまとめたものになります。
まず、12ページですけれども、給与等の引き上げの実施方法でございます。こちらは複数回答になりますけれども、全体では「定期昇給を実施」というのが最も高くて、74.5%です。その次が、「各種手当の引き上げまたは新設」というのが21.4%と高くなっております。
13ページですけれども、給与等の引き上げの理由について、サービス別に記載しております。
マル1の「介護報酬改定を踏まえて引き上げ」というところでございますけれども、訪問介護が最も高くて、通所介護ですとか小規模多機能型居宅介護が次いで高くなっているという状況でございます。
14ページ目なのですけれども、特定処遇改善加算を取得している事業所につきまして、職種別に記載したものになっております。全体の状況は先ほど御説明したとおりですけれども、各職種で給与の引き上げがされている状況となっております。
15ページ目が令和3年度に新たに特定処遇改善加算を取得した事業所の状況で、こちらはサービスごとに記載しております。
16ページ目です。処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)を取得している事業所で、特定処遇改善加算を取得していない事業所の状況をお示ししております。
先ほどの14ページ目の特定処遇改善加算を取得している事業所と比較していただければと思いますけれども、特定処遇改善加算を取得している事業所と比較して、給与の額ですとか引き上げ幅に差が出ているところが見られるかと思います。
17ページなのですけれども、こちらは介護福祉士の平均給与額の状況を勤続年数別に記載したものになります。
勤続年数にかかわらずそれぞれ増額となっておりますけれども、10年以上の方の給与額については35万5010円という水準に達しているというところでございます。
18ページ目以降ですけれども、こちらは処遇改善加算を取得している事業所の状況になっております。
こちらはまず、18ページ目ですけれども、加算を取得している事業所の給与の状況を職種別に記載したものになっておりますが、特定処遇改善加算を取得している事業所と比較して給与の額ですとか引き上げ幅に若干差が出ておりますけれども、一定程度の引き上げが行われているという状況でございます。
19ページ目は給与の内訳になっておりますが、基本給、手当、一時金、それぞれで引き上げがされているという状況になっております。
20ページです。こちらは参考といたしまして、加算の取得の有無に関わらない全事業所の給与の平均額を職種別に比較したものでございます。
21ページですけれども、こちらは基本給の状況になっております。各職種についてそれぞれ引き上げがされているという状況でございます。
22ページ目です。介護職員の給与額を勤続年数別に記載したものになっております。勤続1年、要は2年目の職員の方の引き上げ幅が大きくなっております。こちらは注5に書いておりますが、1年目の職員というのは賞与の額が小さくて、2年目になると引き上げ幅が大きくなるということで、ここに差が出ておりますので、そういった事情について御留意いただければと思いますけれども、それぞれ引き上げがされているという状況になっております。
23ページ目です。保有資格別の介護職員の給与の状況でございます。保有資格の有無にかかわらず、それぞれ給与が引き上げられているという状況になっております。
24ページ目でございます。時給・非常勤の方の状況を職種別に記載しております。月給・常勤の方と比較して引き上げ幅が小さくなっておりますけれども、25ページを見ていただきますと、基本給自体は若干引き上がっておりますので、労働時間数の減少の影響などがあるのではないかと考えております。
26ページ目でございます。こちらは給与等の引き上げ以外の処遇改善の状況でございまして、職場環境等要件の区分別に実施率の高いものを記載しております。
これを見てみますと、「有給休暇が取得しやすい環境の整備」、「事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備」、「ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善」の実施率が高くなっているというところでございます。
27ページが特定処遇改善加算の取得状況別の各項目の実施率を記載したものになっております。これを見てみますと、法人の経営理念などの明確化、研修の受講支援、あとは業務手順書の作成といったところについて、取得事業所と未取得事業所で実施率の差が出ているという一方で、有給休暇の取得ですとかマニュアルの整備につきましては、加算の取得、未取得に関わらず取り組まれているといったところが見えてくるかと思います。
続きまして、28ページでございます。今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の影響について質問項目を設けております。コロナの影響についての選択肢について、1つ以上該当ありと回答した事業所につきまして見てみますと、介護老人保健施設ですとか通所リハビリテーションについて比較的割合が高くなっておりまして、一方で、小規模多機能型居宅介護ですとか、認知症対応型共同生活介護では該当がないというところが高くなっているという状況になっております。
これをさらに細かく見てみますと、29ページでございますが、こちらはコロナの影響について、給与等の状況とクロス集計で見ているものでございます。コロナの影響の選択肢について該当があった事業所と、該当がなかった事業所の給与等の引き上げの割合を見てみますと、ここではあまり大きな差が見られなかったところでございます。
最後ですけれども、30ページはコロナの影響の選択肢について、該当があった事業所と、該当がなかった事業所の給与を比較しております。これを見てみますと、該当があった事業所のほうが給与が高くなっているところでございます。
要因を見てみたのですけれども、該当があった事業所について、都市部の事業所ですとか、規模の大きい事業所が大きかったということが影響しているものと考えております。
駆け足ではございますが、事務局からの説明は以上になります。
○田中委員長 ありがとうございました。毎回注目を集める調査です。
委員の方々からの専門的な見地からの発言をお願いします。
ただいま説明を伺った事項について、御意見、御質問はもちろん、このページのこの統計に着目すべきだといった指摘だけでも結構です。とても意味のあることですので、御発言を期待いたします。
どなたからでもどうぞ。
野口委員、お願いします。
○野口委員 詳細な御説明をどうもありがとうございました。
1点御質問なのですけれども、有効回答率が六十何パーセントということで、去年よりも若干ですけれども下がってしまい、あまり変わらないということだったのですけれども、この調査に関して、有効回答率を上げるどのような努力をされているかを伺わせてください。
○田中委員長 お答えください。
○説明者 有効回答率はこの調査の信頼性という観点から重要と考えておりまして、今回の調査ですと、電子調査票につきまして、記入者の方にとって記入しやすいつくりにさせていただいたというのがあります。
また、様々な形で、お手紙を出すとか、いろいろな方法でお願いをしたりというところで働きかけをしてきたところでございます。
○野口委員 どうもありがとうございました。
やはり国の調査ですので、しかも、介護報酬の本当にベースラインになる調査ですので、できたら7割を超えるような値になってくるといいと思いますので、鋭意努力をしていただければと思います。例えば、オンライン調査にするとか、そういった努力をしていただければと思います。
ありがとうございました。
○田中委員長 ありがとうございます。
松本委員、お願いします。
○松本委員 御説明いただきましてありがとうございました。また、コロナ禍であったにもかかわらず、事業者の皆様には提出に御協力いただいたこと感謝申し上げたいと思います。
今、野口委員の方からも、御質問がありましたけれども、有効回答率については、平成30年度の調査と比べると大幅に低下しています。また、以前から議論になっているみたいですけれども、医療法人を主体とする事業でございますとか、営利法人を主体とする事業の有効回答率は低くなっていますので、何らかの対応が必要なのではないかと考えます。
調査結果全体についての感想となってしまいますが、コロナの影響を受けた事業所が多い中であっても処遇改善が図られたことは、コロナにおける様々な施策でございますとか、これまでの処遇改善に係る取組みの効果があったものだと思っています。私どもの福祉医療機構の御利用先のデータとの比較にはなりますが、介護老人福祉施設の取得率、処遇改善加算Ⅰでありますとか、特定処遇改善加算ですけれども、どちらも92%程度の数値が出ていますので、この調査と同様の傾向なのかと理解しています。
一方で、特定処遇改善加算については、サービス種類別、経営主体別に中身を見てみますと、医療法人様、営利法人様の事業に係る届出状況は低くなっていますので、経営主体別ばかり言って恐縮ですけれども、何らかの対応が必要なのかと思っています。
また、給与の引き上げについてですが、これは処遇改善にかかわらず全事業所が引き上げていらっしゃいますので、介護従事者の確保のためにやむを得ずという側面もあると思います。 最後に御説明がありましたけれども、コロナの影響を受けていない方が賃上げ幅が低くなっているということもありますので、客体に濃淡はあるということではございますけれども、今後の施策の在り方とか、経営状況に与える影響などというのも注意をしていく必要があるのかと感じているところでございます。
以上でございます。
○田中委員長 包括的な解説をありがとうございました。
今、松本委員に言っていただいたような感想は大変意味があります。それでも結構です。
どうぞ。
泉委員、お願いします。
○泉委員 泉です。非常に詳細な御説明をありがとうございました。
また、質問を設定したときに参加していないということもあって、いろいろ重複する質問になるかもしれないですけれども、よろしくお願いいたします。
私のほうも基本的には感想という立てつけになってしまうのですが、先ほど松本委員からもございましたように、各施設の開設主体別に人件費をどのように配分する意思決定をするのかというところは非常に興味深いところですので、設置主体、開設主体ごとの結果がとれると非常によろしいと私も思ったところです。
ただ、先ほど松本委員のほうからお話があったように、営利法人からの回答等は少ないということですので、その辺は野口委員、松本委員がおっしゃるように、回答率を上げていただく努力をしていただければと思っています。
あと、特定処遇改善加算についてはエグゼクティブサマリーの資料がございますけれども、職種間の賃金バランスがとれなくなることが懸念であるとか、介護職員間の賃金バランスがとれなくなることが懸念という回答が相変わらず高いのかというところですが、今回の特定処遇改善加算を設計する際には、ある程度柔軟性を取り入れた形になったと理解しておったのですけれども、その成果というのは、特定処遇改善加算の届出を行わない理由の、40.2%、33.4%の方たちが理由を挙げている。これについては、今回の制度設計において柔軟性を取り入れたのだけれども、効果はあったと見ればいいのか、効果はなかったと見ればいいのかというところが、私の中では決めきれていないという状況でございます。その辺についてもコメントを頂戴できればというところでございます。
以上になります。
○田中委員長 ありがとうございました。
コメントを求められましたが、いかがですか。
○説明者 令和3年度の配分ルールの見直しの効果でございますが、なかなか今回のデータで、いろいろな結果が出ておりますので、どれがどういう評価かというのは一概に申し上げられないところではございます。ただ、その他の職種の方ですとか、他の介護職員の方への配分もかなり進んでおりますし、給与の引き上げもされておりますので、一定程度の効果はあったのではないかと考えております。
○泉委員 ありがとうございました。
○田中委員長 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 詳細な御説明をありがとうございます。
コメントになるかと思いますが、2点です。
1つ目は、資料2です。前半の方なのですけれども、加算の取得が困難とか、していないといった、4~6ページ、さらに11ページ辺りにもあったかと思うのですが、まずはここら辺の、できるだけ取得していただければと思うけれども、まだなかなかできないというところで、ここに掲載してくださっているのは事業種別なわけですけれども、事業種別との関連が深いのか、それとも、今までもお話があったような経営主体なのか、規模なのかとか、設立のものなのか、地区なのかみたいなことを見るには、統計表を拝見すると、大分サンプルが事業種別では2桁とかになっているという感じなので、なかなか見ることが難しいと思うのですが、できる限り配分されるようにということで加算を工夫してきているけれども、それでも取得が困難とか、しないというところがどういう要因なのかという分析は、できる余地があれば進める努力をしていいのではないかと思っています。
コメントと申し上げたのですけれども、もしこの調査以外で加算の取得をしないとか、困難とかと言っているところについて、もう少し詳細に検討したことがあれば、知見を教えていただけるとありがたいですというのが1点目です。
2つ目は、従事者の方の平均給与額の変化の状況のところです。例年調査の御報告をいただいて、例えば14ページとか、介護職員だと7,780円増とかとなっているのは、まさにどう評価したらいいのかというのがなかなか難しいと思わされています。
もちろん、毎年お答えくださるところも違い、様々な施策をやってきているからということもあるわけですが、何がここに影響を及ぼしているのかです。
先ほどの回収率のこともありましたけれども、これも全体として地域区分だったりとか規模とか勤続年数とか年齢とか、本人、所属している法人、事業所の性格とかでいろいろなことが影響を及ぼし得るのだと思うのです。大分この調査を重ねてきていて、毎年この御報告をいただきながらも、毎年もやっと、この評価をどうしたらいいかということを考えさせられています。
なので、この見方というのは少し検討してもいい時期ではないかと思っています。
以上です。1つ目の方は、もし情報があれば教えていただければと思います。
○田中委員長 別の調査があったのかという御質問でした。
○説明者 別の調査というのは認識していないのですけれども、御指摘を踏まえて、どういったことができるかということは考えていきたいと思います。
ありがとうございます。
○田中委員長 野口委員、お願いします。
○野口委員 ありがとうございます。今、堀田委員からもまさしく御指摘があった点ですけれども、私は別件でというか「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」の委員をやっておりまして、皆さんから御指摘があるのは、非常に加算を得るための事務作業が煩雑である。これもパーセンテージが高くなっておりますけれども、構成員の皆様がおっしゃっているのが、本当に介護報酬の改定も含めて、何とか、いわゆる介護職員の処遇改善加算の立てつけというのですか。要するに、申請に関するICT化も含めて、ぜひ抜本的に改善していただきたいという要望が非常に強く出ております。
田中先生は介護報酬改定のところのチェアマンもなされているので、あえてここで発言させていただきたいのですが、何とか介護報酬改定の在り方も含めて、どうやったらもうちょっとスムーズに加算のところの、いわゆる届出のところを、本当に全般的な、いわゆるオンラインでの申請とかそういうことも含めて、ぜひ検討していただきたいという議論がその分科会で出されておりますので、田中先生はチェアマンでいらっしゃいますので、ここで発言させていただきます。
よろしくお願いいたします。
○田中委員長 大変大切な点の御指摘をありがとうございました。
文書の簡素化、特に加算に関する文書の簡素化については、何か検討されているのでしょうか。
○野口委員 主にICT化です。できるだけフォーマットを、これは事前レクのときにお話ししたら、難しいということだったのですけれども、全国でなるべく統一して、普段の勤怠管理みたいなところを何とか統一化して、それをもって、それをもうエクセルシートに印刷して提出すればいいような形にできないかみたいなところを現在、検討しているところですが、なかなかその加算というのは、どうしても診療報酬改定のところの議論と関係してきますので、文書負担の検討委員会からも、そういうICT化あるいはオンライン化、あるいは勤怠管理で全国統一のフォーマットとか、そういったところを議論していく。なかなか現実には難しいといったところです。
○田中委員長 ありがとうございます。
老健局側は、この点はどうですか。文書の問題です。
老人保健課長、お願いします。
○古元老人保健課長 御指摘をありがとうございます。老人保健課長でございます。
まず、本日議論になっております処遇改善に係る加算につきましては、例えば、複数の加算がある中で様式を統一するでございますとか、計画と実績をお出しいただくにあたり、従業員の方の個々の給与までつぶさに報告をしていただくのではなく、事業所単位で報告していただく等、できる限りの簡素化をして工夫をしてきております。今日いただいたお話も踏まえ、引き続きまた御相談させていただきながら、文書負担の軽減を検討してまいりたいと思っております。
御指摘いただきましてありがとうございます。
○田中委員長 野口委員、今のお答えはよろしいですか。
○野口委員 結構です。よろしくお願いいたします。
○田中委員長 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 たびたび済みません。別の老健事業でも申し上げたのですけれども、この処遇改善の加算などは、目的としては事業所側の採用とか定着、職員の能力発揮、及び職員側の職員満足度を高めるとか、勤続意向を高めるとかいうことが目的だと理解しているのです。そうだとすると、給与及び給与以外の処遇改善がなされたことによって、本当に期待する結果にそれぞれ寄与しているのかというところについても、そろそろ検討していく必要があると思いますし、分科会の方でも以前議論していたような気がしますけれども、今の直前の話にも関わりますが、いろいろと乱立している中で、それぞれの目的は違うことで加算がつけられているとしても、寄与している先は意外と同じところに行っていたりする場合もあるのではないかと思ったりもしますので、少しこの先に都度改定、あるいは、こういった加算をというときに複雑化する、事務が増える、なかなか還元されにくいという声がある中で、それぞれの目的は達成されているのか、あるいは、入り口が違っても同じようなところに行くということが起きていないかということも検討する時期ではないかと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
処遇状況のアウトカムですね。結果として、アウトプットとしての賃金上昇だけではなくて、目的であるアウトカムまで行っているかどうかです。これはこの調査かどうか知りませんが、把握すべきであるとの御指摘でした。ありがとうございます。
どうぞ。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 先ほどの文書負担軽減について、少し補足させていただきます。
野口先生が委員長をしていただいている文書負担の専門委員会におきまして、まさしく加算の負担軽減についても御議論いただいておりまして、実はローカルルールが、指定申請とかそういったもので自治体ごとに違うということについて、大変事業所の負担になっているということで、指定申請あるいは変更の申請にとどまらず、加算の提出についても、オンラインで添付して提出できるような仕組みを今年度の事業で、厚労省のほうで行っております。
もう年度末でございますけれども、いわゆる介護情報の情報公表システムを改修いたしまして、中央でそういった仕組みをつくれば、ローカルルールが一定程度なくなるという効果も見据えながら、事業所の負担軽減に資するということで、構築がそろそろ完了いたします。前回の負担軽減専門委員会においても、そうは言っても、参加する自治体のルールとか様々ございますので、徐々に参加自治体が増えてくるという建てつけになるので、それに向けて私どもも努力していくということでございますけれども、そういった仕組み、システムを中央、厚生労働省のほうで構築し、その中には加算の届出についてもアップロードできるという機能も追加しているということでございますので、御紹介させていただきました。
○田中委員長 御紹介ありがとうございます。
野口委員、引き続きその委員会をしっかりと率いてください。
○野口委員 こちらこそ、よろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。厚生労働省さんも非常に頑張っていただいているので、よろしくお願いします。
○田中委員長 ほかにいかがでしょうか。
特にございませんか。
それでは、本日の議題1についてはただいま提示された内容で、当委員会として了承し、後日開催される介護給付費分科会に報告する扱いでよろしゅうございますか。
ありがとうございます。委員の皆さんの賛成を得ましたので、そのようにさせていただきます。
本日の審議はここまでとなります。ほかになければ、次回の日程について、事務局より説明をお願いします。
○新田介護保険データ分析室長 次回の日程につきましては、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会いたします。お忙しいところありがとうございました。
○田中委員長 ありがとうございました。