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第46回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第57回厚生科学審議会感染症部会(合同開催)議事録
健康局 結核感染症課
日時
令和3年12月17日(金)10:00~12:00
場所
厚生労働省 専用第21会議室(17階)
議題
第1部(感染症部会単独開催)
- (1)新型コロナウイルス感染症に関する現状・取組
- (2)現行の感染症法等における課題・論点
第2部(合同開催)
- (3)風しんの追加的対策について
議事
- 議事内容
- ○杉原エイズ対策推進室長 それでは、ただいまから第46回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」及び第57回「厚生科学審議会感染症部会」の合同会議を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、ありがとうございます。
本日、私、議事進行を務めさせていただきます健康局結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開で、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の皆様におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
本日は、新型コロナウイルス感染症における今般の状況等を勘案しまして、ウェブ会議で開催することとしております。
まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言いただく方は、挙手機能を用いて挙手いただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、座長から指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承をお願い申し上げます。
会議の途中、長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしております番号までお電話いただきますようお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
初めに、感染症部会の委員から御報告いたします。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事を頂ければと思います。五十音順に申し上げます。
味澤委員。
今村委員。
岩本委員。
大曲委員。
釜萢委員。
越田委員。
白井委員。
調委員。
菅原委員。
田中委員。
谷口委員。
戸部委員。
中野委員。
中山委員。
森田委員。
山田委員。
脇田委員。
なお、賀来委員から御欠席の連絡を受けております。
次に、基本方針部会の委員の御報告をいたします。基本方針部会との合同開催は第2部の議題3からとなりますので、ここではお名前の読み上げのみとさせていただきます。五十音順に、池田委員、伊藤委員、釜萢委員、川俣委員、坂元委員、白井委員、多屋委員、中野委員、中山委員、宮入委員、脇田委員、なお、磯部委員からは御欠席の連絡を受けております。
また、オブザーバーといたしまして、全国知事会より伊藤様、全国保健所長会より内田様、川崎市健康安全研究所より岡部様、全国衛生部長会より中澤様、全国町村会より西山様の御参加を頂いております。
現在、委員25名のうち23名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
(報道関係者退室)
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
議事次第及び委員名簿、座席表、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2-1、資料2-2です。不備がございましたら事務局までお申し出ください。
なお、先ほど発言につきまして御説明させていただいたのですが、発言されたい方はZoomで挙手いただくか、あるいはチャットの機能で発言されたい旨をお申し出ください。チャットの中で質問いただくということは控えていただいて、直接御発言いただけるようお願い申し上げます。
それでは、これからの進行は脇田座長にお願いします。
○脇田座長 皆様、改めまして、おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。各委員には事前に資料の送付、それから御説明を事務局から頂いていると思いますけれども、事務局のほうから簡潔に必要なものについて議題の第1部から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○江浪結核感染症課長 結核感染症課長の江浪でございます。
お手元の資料1-1「新型コロナウイルス感染症に関する現状・取組」に基づきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。
お手元の資料、ページ数で申し上げますと、右下に5ページとついているページを御参照いただければと思っております。新型コロナウイルス感染症が発生してから直近までの患者数、重症者数、死亡者数、それと予防接種、ワクチンの接種率を一覧にした資料でございます。この夏の、いわゆる第5波と呼ばれている感染拡大は、変異株(デルタ株)による感染拡大により患者数が非常に多いという状況でございました。一方で、予防接種の進展によりまして、重症者数、死亡者数に関しては、患者数と比べればその割合は低いという状態、しかしながら患者数が多いという状況の中で非常に医療も逼迫したものになったということでございます。
そういった状況を受けまして、6ページ、7ページにつけておりますけれども、「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」ということで、この夏の感染拡大を受けて医療提供体制をどういうふうに強化していくのか、ワクチンの接種をどう促進していくのか、治療薬の確保をどうするのか、国民の仕事や生活の安定・安心を支える日常生活の回復をどうやって図っていくのかということについてまとめた全体像というものをお示しして、各都道府県におきまして、次の感染拡大に向けて、病床や宿泊療養施設の確保、地域医療提供体制の確保ということをやっていただきまして、診断から治療までのスムーズな流れをつくることにしているということでございます。
また、お届けしてあります資料には、新型コロナウイルス感染症対策が始まってからの主な法律の改正が2つございましたけれども、予防接種法の改正及び検疫法の一部を改正する法律、令和2年12月に成立した法律ですが、その概要と、今年の初頭に成立した法律がございますけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律の概要というものをつけております。
厚生科学審議会感染症部会におきましては、こういった新型コロナウイルス感染症対策を進める上での制度上の課題につきまして御検討いただくということでございますが、感染症対策の制度上の課題ということになりますと、10ページにございますけれども、「経済財政運営と改革の基本方針2021」、いわゆる骨太の関係でどういったことが述べられているかということ、また第207回国会におきます岸田内閣総理大臣の所信表明の中でどういったことが述べられているかということを「これまでの指摘等」という形で掲載しております。
参考資料に「直近の感染状況の評価等」ということで、昨日開催いたしました新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料をつけてございますけれども、変異株(オミクロン株)の発生によりまして、現在、国内への流入を防ぐための水際対策や、国内に流入した場合の対策を早期に取るためのサーベイランス体制の強化などに取り組んでいるところでございます。感染者数に関しましては、非常に低い状態、水準が続いているということでございますが、次の感染拡大に備えた取組をしていく中で、制度面の課題を中心にこの審議会でも御議論いただければと思っております。
私からの資料1-1に関する説明は以上でございます。
〇脇田座長 どうもありがとうございます。
ただいま第1部の(1)の「新型コロナウイルス感染症に関する現状・取組」についての御説明を頂きました。
それでは、続けて(2)になりますけれども、「現行の感染症法等における課題・論点」ということになります。まずは、感染症法に基づく基本指針及び予防計画等の体制に資する研究班から資料1-2、こちらは岡部先生から御説明を頂きます。その後、事務局から資料1-3について御説明を頂きますので、まず資料1-2を御用意いただきまして、岡部参考人、よろしくお願いいたします。
〇岡部参考人 おはようございます。川崎市の健康安全研究所の岡部です。
それでは、資料1-2を御覧ください。今、脇田先生からも御紹介がありましたように、感染症法に基づく基本指針及び予防計画等の体制に資する研究班、これは指定研究なのですけれども、これに関わるような臨床、あるいは自治体、保健所、地方衛生研究所、そういうところでどういった問題点があるか、そんなことをまとめなさいというところでできた研究班です。
2ページ目に委員の一覧表が出ています。今日の審議会の中の何人かの先生が研究班のほうのメンバーにもなっていただいております。
いろんな意見を頂いたことを御紹介しますけれども、3ページ目に「検討の視点」と書いてあります。新型インフルエンザのときでもこういう図のように波があって、どういう経過をたどるか、段階に分けることをやって、同様にやっているわけですが、発生段階、状態、対策の主眼と主な対応、その段階別に議論していこうということになったわけです。
特に第一段階の海外発生期、これは海外で発生した状態ですけれども、今までの新型インフルエンザ対策などでは、海外で発生して、それが国内に入ってくるというようなパターンをまず考えていたわけですが、今後のこととしては国内で発生したのが第1番ということもあり得るわけで、そんなことも含めての言葉遣いの違いがちょっと出ています。そして、国内で流行し、それが拡大して蔓延して、回復期に向かって第四段階(小康期)というふうになるわけです。この図で言うと、日本の場合は今までのコロナが1波、2波、3波、4波、5波と次第に大きくなっているわけですが、現在の状況としてはちょっと小康期にあるのかなというところに置いておいてもいいと思います。1回で消え去るわけではなくて、何回か波が繰り返されるということが前提になるわけです。
4ページ目は論点整理ということでまとめてあるわけですが、感染症法の基本指針の中で定める事項が1番から12番に書いてあります。特にアンダーラインが引いてあると思いますが、そういった項目についての意見をまとめるというふうにしました。
それから、特措法ではどういうことが項目として上げられているかということですけれども、これまでに3回の班会議をやっております。右側が第1回の班会議のときの視点、下のほうは初動期の議論の視点として、これを第2回の班会議で話し合ったということです。第1回の班会議では、1から7にあるような項目、例えば感染症指定医療機関制度、病床確保、宿泊療養・自宅療養、外来医療体制等といったことに視点を置いて意見を述べ合うという形です。第2回の班会議は、最初の段階ですけれども、未発生期(事前準備)から、私はこのときが一番重要ではないかと思いますが、未発生期の事前準備は何をどこまで準備しておくべきか、それから、海外発生あるいは国内発生早期というところについて、ここにも書いてありますが、こういった項目ごとに議論をしました。
5ページ目、第3回の班会議ですけれども、特に感染症法の改正に関わることですから、感染症法に関する事項についての論点整理を行いました。1番目として危機管理体制、これは指揮命令・調整、2番目の公衆衛生体制、3番目の医療提供体制、4番目の研究開発体制について話を詰めて、1回、2回、3回目で当然ダブって話し合っているので、特に強調されるようなことについてはこれから述べるようなところでいろんな意見を言い合ったということになります。
6ページ目は、どういうことが議論されたかということです。全部御紹介するととても時間が足りないので、この中の幾つかをかいつまんでということになりますが、特に感染症法に関わるようなことで言うと、危機管理体制の指揮命令・調整・コミュニケーションのところで、最初は国と地方公共団体の関係、未発生期のときで、例えば「感染症対策の検証について」というのがありますが、今までも感染症法あるいは予防接種法は5年ごとの見直しがありましたけれども、今回も、例えば2009年に提言したものの、10年間ほぼそのままになっているということがあるので、こういった提言は5年ごとにチェックをしていくべきではないだろうかという議論がありました。
視点のところの「行動指針について」というのがありますが、感染症対策の実施主体は、都道府県、政令市、中核市まで下りてきている。ふだんはそれでいいのだけれども、緊急事態といったとき、国の指揮命令が全てスムーズに通るかというと必ずしもそうでもないので、こういったときの違った枠組みが必要ではないかという意見です。
その下で、情報の共有、公表について述べてあります。情報の共有はいろんな問題がありますが、結局、どうやって共有して、公表の条件をどういうふうにしたらいいかということについても未発生期の段階から議論しておく必要があるということです。
7ページ目、特に都道府県と保健所設置市あるいは特別区との関係、これも緊急事態のときに、例えば都道府県と政令指定都市、あるいはその中でも保健所設置市があったりで、場合によってはそっちだ、場合によってはこっちだということがいろいろあったわけです。情報の共有、公表というところでも「自治体では都道府県、政令市、中核市や特別区などがあり、これらの関係が必ずしもうまくいっていないことがある。役割を分担し、状況によっては権限を委譲することも必要で、逆に地域を知る人が対策を行うほうがよいという側面もあるので、これらはあらかじめ、方針が決まっていたほうがよい」という意見です。
感染拡大期の米印は、会議の中で複数同じような意見がそれぞれから出された、強調されていたところと言っていいと思いますが、「保健所設置市と県との関係はいびつなことがあるとあります」。「いびつ」という表現はいいかどうか分かりませんけれども、しっくりいかないときがあるというようにお考えいただければと思いますが、「県と指定都市のサーベイランスが別々に出てくるので、その点は改善が必要。国から発表してもらうのか、地方公共団体で発表するのか、保健所設置市としては悩まされている。政令指定都市との関係でも同様の点がある」ということがありました。
8ページ目、危機管理体制の指揮命令・調整・コミュニケーション、感染拡大期になってからですが、医療提供体制の今回の反省点は、コロナに対する病床を積み上げなければならない中で、自治体が求めている内容と医療機関の提供とに相違が見られ、行政と医療機関ですり合わせができていなかった。行政は重症の受入れを想定しているけれども、実際の医療機関は必ずしも重症例だけを診ているわけではない。3週間の期間で確実にコロナ病床を積み上げていけるということについてはふだんからすり合わせすることが大切だろうということがありました。
公立公的医療機関でも都道府県からの指揮命令権がない、あるいは極めて薄いので、緊急時の対応についてこういった仕組みも必要ではないだろうかという意見がありました。
それから、物資の確保は、いろいろ足りないという中で、例えばNGSのこともやりましょうというかけ声はいいのですが、実際やろうとしても、機械はそろっていても試薬が足りないとか、また後にも出てくるのですが、特に初動期に基本的な感染症対策のPPEの道具がなくなってしまうということで、医療機関はその時点で診ることができない、あるいは診ることに非常に消極的になってしまうというところもありました。
9ページ目、特に人材育成のところがここにもあるのですけれども、1番目からいうと、人材育成が大きな柱である。これもずっと言われており、進んでいないわけではないのですけれども、遅々としてなかなか進まずといったところがあります。人材育成の3番目については、医療、保健所、研究所、情報センター、これは地方の情報センターという意味になると思いますが、地域でどのように育てるかというのは大きな課題であり、経験を持った人材の人事をきちんと配置できるような仕組みが必要だということになります。
人材の派遣についても、感染症アウトブレーク時にすぐ動員できる人材について、きちんとしたインセンティブや、プールであるとか、そういったことが必要ではないかということがあります。
国の指針についてというところでは、様々な問題がありながら、災害の場合にはBCPがあるけれども、感染症に関するBCPがないという指摘がありました。これも一つ一つの病院がつくるというよりは地域でのBCPが必要であり、またBCP的なところがあっても定性的なものが多いので、できるだけ数値化していくことも必要だろうと、そのためには、同じことが出てきますけれども、人材育成であり、応援体制の準備もあらかじめ必要であるということがあります。
物資の確保については、先ほど申し上げましたように、特に当初に不足していたということは、多くの医療機関がそれにタッチするということにちょっと待ってくれということになったので、それがずっと尾を引いて、いろんなところが手を挙げにくい状況になったのではないかと思いました。
10ページ目は省略していただいて、情報の共有、公表について引き続きありますが、11ページ目の公衆衛生体制、これは必ずしも感染症法だけではないのですが、積極的疫学調査も十分に注意を払わなければいけないところで、例えば未発生期ということで、積極的疫学調査、サーベイランスなど、地衛研と保健所がタッグを組まないといけないというところでの法律的な整備も必要であろうと、それから、これもよく話に出てくるのですが、日本の場合は決められた病気に対するサーベイランスやピックアップはできるのですが、日本は基本的にILIサーベイランスや、原因不明のものであるとか、大きくくくったもの、不明のものに対してそこから怪しいものをピックアップしていくという制度が極めて弱いので、そういうことが必要であろうと、特に病原体も含めて、法律に決まっているから検査する、決まっていない病気だから検査しない、あるいはできないということはよくないことであるということが強調されています。原因不明疾患の検索は非常に重要ということが強調されたところです。
例えば、中国はNGSを最初から持ち出して、ざっとやって、これは新型コロナであり、シークエンスで配列はこうだというところまで公表しているわけですが、同じことが日本で起こった場合に果たしてあの時間内でできるかどうか、私も非常に疑問というか、自信がないというか、ここら辺はもっと整備していかないと、日本発で第1例が出たときは、いつまでたっても情報が出てこないぞと言われるのではないかと思います。
12ページ目、感染拡大したときに、実際に保健所が逼迫していったとき、どこを優先にしてやっていくかということがなかなか判断できない。例えば、積極的疫学調査はもうできないというところになっても、結局、決まりとしてずっとやらなければいけなくて、肝腎なところを、積極的疫学調査が肝腎ではないということではないのですが、プライオリティーをつけるものに対しても、それがべたっとやらなければいけないので非常に逼迫状態が続いたというところで、これについても枠組みであったり、あるいは県庁といったところでのリーダーシップが必要だろうということがあります。
検査体制もいろいろありますが、このところはスキップして、14ページ目の公衆衛生体制のところで地方衛生研究所体制についてもいろいろ書いてあります。ただ、これは地域保健法でも議論されるところと聞いていますので、議論としては感染症法よりも地域保健法であろうということなので、この中では意見として述べたということだけをお聞きいただければと思います。
先ほどと重なりますが、保健所体制の人材育成については非常に重要なところで、特に専門家が育っていないというところ、例えばマニュアルをつくるにしても、人事がどんどん動いていく中で継続性がなかったり、あるいはせっかくできたものがそのままどこかにしまってあったり、今回でも、例えばワクチンの集団接種といった体制は、各自治体で既にマニュアル、そういうものができているのだけれども、結局は最初から組み直さなければいけないという声もいっぱいありました。
保健所の行動指針、これも保健所だけにかかわらず、国の場合も、何かあって、例えばエボラが来ました、新型インフルエンザが来ました、さあ、どうやって動きましょうという訓練にとどまっていて、そこから先にアウトブレークが起きて患者数が非常に多くなったという訓練は全然できていなかったのです。その結果として、医療の配分、あるいはそれぞれの役割分担、そういう訓練はできていなかったので、言葉は悪いのですけれども、ばたばたっとそこでやらざるを得なかったということも反省すべき、あるいは次にきちんとつないでいくべきだろうということになりました。
15ページ目は、特に保健所だけではないのですが、そういうところでどういうふうに人のやりくりをするか、もちろん緊急ではないとなかなかできないこともありますけれども、感染拡大期にどういうことをやるかということもあらかじめ枠組みとして決めておく必要があるだろうということがここに書いてあります。
水際体制については、今まさにオミクロンで動いているのですが、検疫は検疫法でやるとはいいながらも、その基礎としては感染症法に関わってくるので、その中で幾つか意見が出ています。
検疫についてというところで、当初、春節もあって中国から多くが入国する状況が続いていたけれども、初動体制としてよかったかどうかということが問題であり、こういった初動体制をどうするかということを生かしていく必要があると思います。
これは強調すべきというか、皆が同じような意見を言っていたのですけれども、検疫は、厚労省が法務省、外務省と協力して確かに実施していますが、検疫で感染を食い止めるだけではなくて、その他の国の政策と連動していかなくちゃいけないので、この研究班ではそこまでは言えないかもしれませんけれども、国内外の流行状況を把握する部署と関係を密にして水際で止める、あるいは水際で時間を稼ぐ、そういう方策はやはり強化すべきではないかということが述べられました。
16ページ目は、特に宿泊療養の体制、自宅療養、外来療養についても意見がいろいろ出ました。特に宿泊療養は両方の意見があるのですけれども、いずれにせよ、宿泊療養ということが今回行われたわけですけれども、このキャパをどのぐらい確保できるか、その中に医療機関がどうやって入るのか、あるいは離れるのか、宿泊療養に後からだんだんついてきましたけれども、医療的なモニター、訪問であるとかいうことも含めて拡充していくことは医療体制を確保する意味でも重要であろうということがあります。
両論としては、医療ではないわけですから、宿泊療養を積極活用すべきかどうか疑問であるという意見があり、逆に自宅療養をできるだけ避けてホテル療養を考えるべきだという意見もあり、この辺はまだ両論が出ているというようなところで、さらなる議論は必要だろうと思います。
病床確保についても、無症状者は病床ということではないでしょうけれども、軽・中等症者、重症者に分けて、どこでどういう病床が要るかということも病床数だけで見るのではなくて、こういった役割分担も含めて必要であろうというところです。つまり、初動体制で感染症病棟だけをそろえればいいのか、一般病床をも拡大して、そこを見るのか。
感染症法指定医療機関に関わってくるのですが、第2種指定医療機関というのは、ジフテリア、ポリオなどが対象になったりしますが、それはいいけれども、新型インフルエンザ等のような感染症で、しかも多数の患者発生があったとき、一般医療機関を動員できる体制づくりが重要ではないかということです。
一番下はかなり重要なところだと思いますが、第2種指定医療機関は感染症を診るというところもあるわけですが、重症者を診るということになると、特に呼吸器感染症の場合はレスピレーターがずっと並んだり、ECMOなども入ってくると、感染症だけでやるわけではなくて、いろいろな分野・専門職が必要なので、収容病院もそれによって違ってくるのではないかというところの意見が出ています。
17ページ目にも書いてありますが、ここで大きく分けると、一般医療とコロナ医療とのバランスはやはり大切であって、どこでスイッチを入れ替えるか、あるいは先ほど申し上げましたように、感染症専門医が診るだけではなくて、いろんな医療が合同してやらなければいけないというところなので、そこの医療圏をどういうレベルでやるかという議論は今までは十分ではなかったのではないかと思います。
特に医療機関の役割分担、これはかなり強調していたところですが、医療提供体制については、新興感染症はインフルエンザのようなパンデミックを来す呼吸器感染症が出てくることがあるわけです。このため、救命には人工呼吸器を使うことになるけれども、一種も二種もそのような対応までは想定していなくて、隔離でそのときの治療を行うというようなところなので、繰り返しになりますけれども、そこを両方できるような形での指定医療機関という体制も必要であろうと、諸外国の例を見れば、コロナに対しては人工呼吸器を使用して救命することが標準的な対応という話もありますので、感染症指定医療機関のみの対応ではなくて、ある程度初期の段階から集中治療のできる医療機関の活用や、あるいは一般医療機関も動員することが必要であるということが議論になりました。
18ページ目、ここは感染症と直接の関係はないかもしれないのですが、日本からの英文での論文発表は極めて少ない。これはやっていないのではなくて、まとめる暇がない。そういうものを中国は相当戦略的に出していると思いますが、日本の状況が発表できるということは、そこにそういう人材がいて、まとめ役がいてということも加えての医療へのサポートが必要だろうということがありました。
19ページ目、その他というところがありますが、7番目のところ、今回のパンデミックをずっと経験していると、持っている武器が全て、それをいかにやりくりするかという工夫だったので、もし次であるとか、あるいは今回の続きかもしれませんが、予防計画には次のパンデミックのときに何を中心に動いてどういう準備が要るのかという具体的なことを書き込んでいくべきではないか、いろいろな意見がありました。
今、これだけの意見があったので、これをまたさらにまとめて、研究班としては1年間なのですけれども、さらなる議論を重ねていったほうがいいだろうと考えますし、何らかのお手伝いができればと思っています。
以上です。時間が過ぎまして、すみませんでした。
○脇田座長 ありがとうございました。
かなりの議論をまとめていただきまして、この研究班には部会の先生方も委員に入っておられるということで、後ほど御意見を頂ければと思います。
続きまして、事務局から資料1-3の御説明をお願いいたします。
○江浪結核感染症課長 結核感染症課長の江浪でございます。
先ほど岡部参考人から、感染症法に基づく基本指針及び予防計画等の体制に資する研究班の議論の概要を御説明いただきました。岡部先生にお願いしている研究班は、感染症法に基づく基本指針を見直すに当たってどういう論点があるか、幅広く議論いただくということでお願いしているということでございますけれども、そういった議論の中で、基本指針、予防計画にとどまらない制度全般に関する課題などの指摘もございましたので、そういった意味で岡部先生のほうから先にお話をしていただいたということでございます。
そういった議論を踏まえまして「現行の感染症法等における課題・論点」ということで主な論点を整理したものが資料1-3でございます。資料1-3に関しましては、全体を大きく4つの項目に分けております。
「病床・医療人材等の確保」が1点目、「自宅療養者・宿泊療養者への対応」が2点目、「国・地方の連携・役割分担について」が3点目、最後に「水際対策の強化」という論点に分けているということでございます。それぞれの論点に関して、主な課題と論点(案)をお示ししておりますが、一つ一つについて簡単に御説明申し上げます。
「病床・医療人材等の確保」に関しましては、課題1、2、3と書いておりますが、例えば事前の具体的な計画を策定する必要があるのではないか、平時の備えから有事までの国や自治体の権限の強化が必要ではないか、人材の確保が円滑に行われる仕組みの整備が必要ではないかということで、主に3つ課題と論点(案)ということにしております。
「自宅療養者・宿泊療養者への対応」に関しましては、自宅療養者・宿泊療養者に対して健康観察や医療が適切に確保・提供される体制の整備という観点で主な課題と論点としております。
「国・地方の連携・役割分担について」に関しましては、国の権限、関与の在り方、自治体や医療機関をつなぐ国の情報基盤の強化、また都道府県と保健所設置市・特別区の連携確保や、都道府県の権限・関与の強化、また有事における基礎自治体としての市町村の役割の拡大や明確化という3つの視点で主な課題と論点を整理しております。
「水際対策の強化」に関しましては、論点といたしまして、居宅等における待機の実効性確保を含めて水際対策の強化が必要ではないかとしておりますけれども、主な課題として3点ほど挙げております。
資料に関しましては、事前に御説明申し上げているということで、一つ一つについて読み上げることをいたしませんけれども、岡部先生にお願いいたしました研究班における議論を踏まえまして、現行の感染症法等における課題・論点として大きく4つに分けた論点というものをお示ししておりますので、これに基づきまして、御意見を頂ければと考えております。
私からは以上です。
○脇田座長 どうもありがとうございました。
それでは、こういった様々な課題、論点があるということですけれども、今日の目的は、委員の皆様からさらに御意見を頂いて、事務局には検討を進めていただくということになりますので、今日は意見を出していただくということを考えております。この研究班に参加していただいた先生方もいらっしゃると思いますけれども、御意見を頂きたいと思いますので、お願いいたします。挙手していただければ、こちらから指名します。岩本先生、お願いします。
○岩本委員 岩本です。
岡部先生の報告が膨大ですので、あまり付け加えることはないのですけれども、水際と初動のところで少し申し上げたいのは15ページの水際体制のところです。
去年の2月、3月に中国から多く入国する状況が続いていた。確かに主席の来日予定があったりして、武漢や湖北省は止まったけれども、ほかのオールチャイナについてはなかなか止めにくかったという点がある一方で、2月の後半から3月に一番流入があって、感染研のデータ2によればその後の日本の流行の基になったのはヨーロッパやアメリカの西海岸に行っていた旅行者等の感染でした。水際というのは、武漢が発生地だけれども、全方位に向いている必要があると思います。
もう一点、今回の初動については、日本はコロナのこういうのは初めてですから、ウイルス分離ということにかなり意識が向いてしまっていたと思います。1月10日には中国がゲノム配列を発表していて、その後国内第1例が発生した順序です。先ほども岡部先生の説明もありましたけれども、もっと海外の流行状況、特にインフルエンザやコロナに関してはゲノム情報を含めて、もっとドライなコンピューターを使った感染症情報の強化というのが非常に必要なのではないかと思います。
今まで日本の中には非常に優秀なウイルス学者は多いですけれども、コンピューターが発達したこの世の中で、ゲノムの面から微生物を見ていくという人はまだまだ育っていないので、そういう人材が感染症危機の初動対応に極めて重要な役割を果たすべき時代になっていると思います。
以上です。岡部班の追加として申し上げました。
○脇田座長 ありがとうございました。
続いて、たくさんの方の手が挙がっていますので、簡潔にお願いします。中山先生、谷口先生、釜萢先生の順番でお願いします。
○中山委員 中山です。御説明ありがとうございました。
私からは1点だけ、資料1-3の(3)の国・地方の連携・役割分担のところに関わってくるのではないかと思うのですが、公表基準について、一応、国のほうは基本方針のところでエボラの基準を借用した公表基準を定めていたと思います。コロナの初期のときには、公表基準について地方自治体や国が非常に混乱するのが見られました。今回のオミクロンでも国籍や職業は公表しないということになっていますけれども、実際にはこれが守られなかったということもあります。それから、感染初期には特に個人が特定されるような情報が公表されたという問題もありました。したがいまして、どういう内容を公表するかというのは、これからのパンデミックに備えても、何を公表するのか、感染の蔓延防止に資するような内容を公表するということで、もっと根本的に言うと、その感染症の特性に応じた公表基準を早期に策定するということも課題として考えられるのではないかと思います。
以上、公表の点について意見を申しました。以上です。
○脇田座長 中山先生、どうもありがとうございます。
谷口先生、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
テクニカルなことに関しましては岡部班でお話し申し上げましたので、今回、資料1-3の課題・論点に沿って簡単にお話し申し上げたいと思います。
まず、課題・論点の(1)です。有事の対応のための平時からの準備が必要ではないかというのは当然のことなのですけれども、ただ、感染症法で平時の医療体制の整備ができるのかという素朴な疑問です。平時から我々は、病床稼働率を上げろ、看護師を減らせ、医師が多い、赤字だ黒字だとずっと言われているわけですね。今回も、患者数が減ったものですから、来年度、看護師数を減らせと言われています。そういう状況で、いざとなったときに、いかに行政の権限が強くなったとしても、看護師がいないのはどうしようもないわけです。これは、医療法とか地域医療構想とか感染症法、いろんなものが関わってくると思うのですが、権限を強化するとともに医療機関も強化していただきたい。有事の体制、サージキャパシティーというのは平時の余裕なのです。今、我々には平時の余裕というのは全くありません。これが課題の(1)です。
続きまして、(3)の国・地方の連携・役割分担についての論点(案)に関しまして、これも権限の強化が必要ではないか、情報基盤と書いてありますが、今回の国の会議でよく聞かれたのが、都道府県、地方自治体からデータを吸い上げるということでした。掃除機ではないというわけです。本来、データというのは地域での対策に必要なもの、これをいかに地域で共有できるかというのがサーベイランスなのです。国でそれを使うのは、その地域でもっともやりやすい方策をまず考えて、それをいかに国と共有できるかを考えるのがサーベイランスであって、国が地方自治体に対してデータを吸い上げるという考え方はそもそも間違っています。感染症法における感染症発生動向調査をサーベイランスという視点から考え直すこと、そもそも届出という言葉から考え直していただかないといけないだろうと思います。
3つ目、(4)の水際対策の強化の論点ですけれども、私は実際にこの最中にどうしても必要があってアフリカに行きました。帰ってきて、日本の検疫システムを身をもって体験しました。実際には到着時にいろんなことがあるのですけれども、ほぼ強制的にスマホに位置情報を、逐一、国がモニターできるソフトウエアをインストールされまして、その中の個人情報を全て検疫で抜かれました。私はこういう立場ですから、当然のことながら14日間ちゃんと家にいました。1日だけちょっと実験しようと思って、1人で車に乗って1~2キロ動きました。すぐに検疫所から電話がかかってきました。つまり、見ているわけですね。私が自宅から2キロ離れたということは国が見張っているわけです。そうやってすぐに電話がかかってきました。こういうことができるのですね。
ところが、いろいろ話を聞いてみると、これはどうも法律には従っていないみたいで、嫌だと言えば拒否できるそうです。しかも、罰則はないようです。そうすると、ごねた人はここから逃れている。おおむねそういう人が広げるのだと思うのですが、ここに大きな抜け穴があるのではないかと個人的には思います。やるならやるできちっとやっていただければいいですし、国がそこでやれと言われて「はい」と言う人だけがやっているのであれば意味がないと思いますので、この強化が必要ではないかということは賛成ですけれども、きちっとメカニズムとしてやっていただきたい。
以上、3点よろしくお願いします。
○脇田座長 ありがとうございました。
釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
私も資料1-3の具体的な論点のところで申し上げたいと思いますが、内容は今、谷口先生がおっしゃられたとおりであります。
私が一番申し上げたいのは、今のこのコロナの状況を海外の様子も含めて見ますと、私どもに与えられている準備の時間は極めて限られていると思うのです。ですから、今、急いでやらなければいけないことを、先々のことのために議論を重ねるのももちろん重要ですけれども、先ほど岡部先生がお示しになられたところに必要なことはみんな入っていましたし、今日のこの4つの論点に集約されているので、その中で今、急いでやって、例えば今、谷口先生も言われたような法改正などをすることによって、しっかり根拠を明確にすべきことをピックアップして、こういう方向で国は考えているのだけれども、どうだということをお示しいただいて、そのメリット・デメリットをしっかり議論して、その中で合意形成をしていくという、極めて時間の限られた、急いでやらなければならない部分が大きいと思います。将来のことのためにじっくり議論すべきものもありますけれども、急がなければならないところがあると思うのです。
具体的には、まず病床の確保等については、国の権限によって、それぞれの医療機関がどういうふうに国から指示を受け、それに従わなければならないかというようなところは急いで整理する必要があります。
それから、水際の部分で、今、谷口先生も言われましたけれども、個人の権利と感染の防止というところで国がどういうふうにさらに対策を強化することができるようにするか、この辺りのところは急いで議論して早く結論を出さないと、次の大きな感染の波にさらされてしまいますし、次に何が来るか分からないというところで、この辺りを急ぐ必要があると思います。
岡部先生の言われた中で私が一番強調したいのは、コロナに対して医療資源をたくさん振り向けると、コロナ以外の医療が非常に薄くなってしまいまして、それによって多くの国民がこれまで受けられてきた医療を受けられなくなったという場面が非常に多いので、そこをどういうふうに整理して、国民にとって最良の医療をどういうふうに提供するかについて国からさらに強い方針を出していただきたいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
今日はなるべく多くの先生方に意見を頂きたいので、もし事務局から後で何かコメントがあれば頂きますけれども、まずは意見を頂いていきます。田中委員、大曲委員、越田委員の順番でお願いします。
○田中委員 田中でございます。ありがとうございます。
私も資料1-3について意見を申し上げたいと思います。
まず、最初の(1)につきましては、事前の具体的な計画を策定する仕組みがなかったという課題があります。感染症法ではなくなってしまうのですけれども、特措法の行動計画は、まさに新型コロナのような有事を想定した計画だったと私は認識していたのですが、その特措法との関係、また通常医療との両立を含めた地域の医療機関間の役割分担については、以前のこの部会でも議論がありました医療計画に今度、新興感染症が6事業目に入ることになっておりますけれども、医療法との関係があると思いますので、特措法と医療法と感染症法と、どの部分を感染症法で議論していくのかという整理を厚生労働省のほうでお願いしたいと思います。
また、以前につくられた新型インフルエンザの特措法の行動計画、今回それがあまり活用されなかったという言い方が適切かどうか分からないのですが、それの検証といいますか、されているとは思うのですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
(2)の自宅療養者・宿泊療養者への対応については、都道府県等の役割や責任が法令上不明確ということで、岡部先生にお示しいただいた中にもあったかと思いますが、確かに宿泊療養等については、いい面、悪い面といいますか、いろいろあると思います。保健所がそもそも医療機関ではないというところで、保健所の役割だけではなくて、まさに医療なので、宿泊療養者・自宅療養者に対する医療機関の役割というところも併せて明確にするような整理をしていただければと思っております。
(3)の国・地方の連携・役割分担については、都道府県と保健所設置市・特別区間の連携については前回の法改正で一定程度改善されたとは思いますが、さらにどこに問題があるのかということを明確にした上で改善を図る必要があるかと思っております。
また、(4)の水際対策の強化につきましては、オミクロン株の海外から来た方の濃厚接触者、同じ飛行機に乗っていた方を全員宿泊ということで、それぞれの自治体でかなり大変な思いをしているところがあります。そもそも検疫で隔離といいますか、宿泊施設に入っていただく方用の宿泊施設が足りないということで、東京都からも御協力しているということもありますが、コロナの最初の武漢から帰ってきた人たちを収容する施設というところから国のほうでもかなり大変なことがあったと思います。そういう海外から入って来られる方を隔離というか、収容する施設を検疫のほうでしっかりと確保するといことは非常に重要だと思っておりますので、ホテルの確保をあらかじめ協定を結んでいるとか、どういうやり方がいいのか分かりませんが、専用の施設を設けるというのは難しいかもしれませんが、確実にそういう方が速やかに入っていただけるような施設を確保しておくという方策は大変重要かと思っております。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
大曲委員、お願いします。
○大曲委員 よろしくお願いします。
資料1-3の(1)の人材確保のところで一つ危惧しているのが専門人材の育成ということで、例えば感染症専門医は新専門医制度の中で育成していくわけなのですが、議論を聞いているとどうしても理解され難いといいますか、感染症専門医というのはいろんな領域にわたって仕事をしている者なのですけれども、そういう仕事の仕方がほかの専門医制度に関わる先生方からするとちょっと分かりにくいようで、理解されていないような気がします。脇によけられてしまって、若者が専門家を目指さないという状況が起きないようにと危惧しています。
そういう点では、こうした専門家を定着させるということがすごく大事だと思うのですが、数が少ないせいだと思うのですけれども、今回、コロナでも起こったのは、数少ない専門の医師に臨床業務から公衆衛生業務、院内感染対策業務全部行ってしまって、バーンアウトして辞めたなんていう事例が実は結構あります。ですので、そういうことが起こらないような配慮も要ると思いますし、あるいは例えば行政のほうにポジションをつくっていただくとか、そうしたことも大事かなと思いました。
同じ資料1-3の国・地方の連携・役割分担のところの論点で医療機関のことも書いていただいています。これはすごく賛成なのです。御検討いただきたいのが、医療機関の中に既にあるデータの活用といったこともお考えいただければと思います。例えばDPCのデータです。コロナでもそうでしたけれども、新たな情報の集約のためのシステムが立ち上がって、大変申し訳ありませんが、それは全部我々にとっては負荷、業務が増していったのです。現場に非常に説明しにくいのです。一方でDPCのデータ等はあります。ですので、そうしたものをうまく吸い上げていただいて、あるいはつなげて使えば、効率化ももっとできると思いますし、地方の自治体が医療の情報を得るのに大変苦労されているのを見ましたので、こうした病院の情報をうまく使うことも大事なのではないかと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
越田委員、お願いします。
○越田委員 よろしくお願いいたします。
大きく分けて3点述べさせていただきたいと思います。
まず、1点目は、有事における基礎自治体の市町村の役割の拡大や明確化が必要と思っております。地域医療提供体制の確立のためには都道府県庁の強力なリーダーシップが必要です。その下に、第4波、第5波のように自宅療養・宿泊療養が多くなってきた場合には、市町村保健センター、郡市医師会が積極的に関与する、参画する、そんな仕組みづくりが必要と思っております。加えて、それぞれの自治体の首長の強力な発信力、そういったもので住民は安心する。住民が感染状況を正しく把握するためには、最も住民に近い首長にいろんな情報を提供して発信していただくことも必要ではないかと思いました。加えまして、都道府県庁に基礎自治体あるいは保健所の職員、ある程度感染症についての話の分かる職員がリエゾン的に常駐しまして、いろんな情報をリアルタイムに吸収する、それを持ち帰るというふうなことが大事かなと思っております。
2点目は、昨年も保健所の逼迫した状況の中でつくづく思ったのですけれども、必ずしも業務量が逼迫しているのは保健師だけではない、言い換えると専門職だけではない。事務等が錯綜して混乱を極めているときの、危機管理マインドに関しては、事務職の方もすばらしい実力と能力を持っていることは間違いないです。加えて、医療機関や感染された方に対しての多くの通知やそれに伴う事務処理を保健所が担うことになります。そういったものにきちんと対応するためにも、事務職の方の感染症に対する危機管理マインドの醸成と、人員配置を各自治体あるいは保健所では検討する必要があるのではないかと思っております。
3点目は、私どもが大学で医学教育を受けた頃のことを振り返ってみますと、感染症に係る授業は時間も短くて、どちらかというと糖尿病、がん、心臓疾患等の授業が多かった。すなわち、学問としてのまた実践を伴う感染症学はあまりこれまで大学の医学教育では必ずしも重要視はされちなかったような気がします。看護教育も然りですし、また今回、薬剤師の役割も非常に大きいと感じておりますので、いずれも医科系の大学教育の中で感染症に対する対応をきちんと位置づけることも必要ではないかと思っております。同様に、国立感染症研究所の実地疫学専門家養成コース(FETP)、今年度から定数枠が増えたとお聞きしておりますが、FETPに地方自治体の職員を派遣しやすいような仕組み作りも必要ではないかと思っております。
以上、3点です。
○脇田座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、伊藤参考人、内田参考人、今村委員の順番でお願いします。
○伊藤参考人 ありがとうございます。伊藤です。どうぞよろしくお願いいたします。
これまで新型コロナ対応においては地方自治体の現場では相当困難を経験してきました。そこで、今回の改正に向けた議論におきましては、地方の立場から3点申し上げたいと思います。
まず、1点目です。地域の実態を踏まえた議論をお願いします。自宅療養者や宿泊療養者への対応に見られるように、方針や基準の明確化が求められる点や広域連携が必要な局面においては国のリーダーシップの発揮が求められる一方、運用においては地域の裁量が失われないように御配慮いただきますようお願いいたします。
次に、2点目です。対策の担い手は非常に多くの方が関わります。それぞれの立場で担うべき役割を明確にしていただき、なし崩し的に地方に役割が与えられるようなことのないよう御配慮をお願いいたします。特に水際対策の強化におきましては、国の責任において適切な対策が講じられるよう、法整備と並行して検疫所の体制や調整機能の強化を図るなど、実効性を高めていただきたいと考えております。
最後に、3点目です。役割を明確化すれば、役割を全うするための武器というものが必要になります。国の明確な基準・根拠の整備や、地域の実態に応じて工夫できる裁量、権限、必要な財源など、これらの裏づけがしっかりなされるようお願いいたします。
以上により、対策の現場では多様な主体が連携し、事に当たることが不可欠であると考えており、こうした点にぜひ御配慮をお願いいたします。
私からは以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
内田参考人、お願いいたします。
○内田参考人 全国保健所長会の内田でございます。
資料1-3に基づきまして、まず(1)の病床・医療人材等の確保につきまして、病床確保ですけれども、今までも準備としては感染症病床と新型インフルエンザに対応する病床というのは一応確保はしていたと思うのですが、今回、それがそのとおりにいっていないと思うのです。その辺についてちゃんと検証して、準備が必要だろうと思っております。そのためには、やはり医療機関がちゃんと準備できるような手助けも必要だろうと思っていまして、今の感染症病床というのは非常に数が少なくて、とてもじゃないですけれども、実効性が伴っていないと思っています。結核ですとモデル病床というのがございます。これに倣ってといいますか、一般病床の中で行政から補助金などを出して、病棟丸ごと陰圧にするようなものを計画的に医療法とか医療計画に位置づけて、そういったものが必要ではないかと思っております。
それから、人材の確保につきましては、感染研と地方衛研と保健所、ここがもう少し顔が見えるような連携が必要だろうと思っております。これまで保健所はどちらかというと結核研究所とは結構やり取りがあったのですけれども、感染研とあまりやり取りはなかったので、今回、クラスター対策班等で大変お世話になって、顔が見える関係づくりができつつありますので、今後はぜひよろしくお願いしたいと思っております。
(2)の自宅療養者・宿泊療養者への対応につきましては、先生方がおっしゃっているとおり、やはり地域医療でもう少し支援できるような体制、既に第4波、第5波で自宅療養者が非常に増えた地域では、全ての医療機関が対応していただいているような、医師会挙げて、そういった体制ができているのですが、それを経験していない地域では、やはり経験しないとそういう体制にならない、これが大きな問題だろうと思っております。なるべくそういった体制が早く取れるようにということをお願いしたいと思っております。
最後、水際対策については、先ほど御指摘がありましたホテルの確保とかを事前に行っておくべきではないか、病院についてもそうだと思っております。検疫に対応するような病床についても確実に確保できるような体制が必要かと思っております。
以上、3点でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田座長 ありがとうございます。
今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
私からは、資料1-2の医療提供体制について1つコメントさせていただきます。
コメントしたいところは、パンデミックの初期における医療提供体制の脆弱性についてです。思い返してみれば、新型コロナのときに、皆さんは覚えていると思いますが、大型客船が入ってきたときに、その1隻だけで広域搬送を要したというような現状がありました。初期の頃には、特に未知の感染症なので、宿泊療養に関してはホテルの準備が間に合わない。自宅療養に関しては、やはり感染症として不明な点が多くて、社会的なコンセンサスがすぐには得られないということで、医療機関でまず支えることが中心になるかと思います。
今回のパンデミックを経験したことによって、大学病院、救命救急とか、ある程度診療の人数の規模が大きなところは把握できてきていると思うのです。そういうところから、今の指定医療機関だけでなく、流行の規模に合わせて拡大できるような準指定医療機関というようなものを設定して、法的な部分や財政的な部分も含めて検討してはいかがでしょうか。そういうところをつくることによって、人材についての訓練もそこで継続してやっておく。また、訓練することによってPPEなどの備蓄なども回していきながら、より多くの医療機関に確保しておくことも可能かと思っています。たとえば、そのような準備をこれからしておくことは大切なのかなと思っています。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
たくさんの先生方、手が挙がっていますので、時間も少し押していますから、なるべく簡潔に、論点が重なる部分はなるべく省略してお願いしたいと思います。次は、白井先生、中野先生、菅原先生、その順番でお願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
人材育成のところで、保健所の職員というのは、今、医師の数が32万人超いるはずなのに、700人ぐらいしか保健所にいないということがありますので、それについても保健所長が兼務していたりしますし、保健所の権限も一応あるのですけれども、その辺がなかなか行き渡っていなかったりするところで、先ほど大曲先生からも行政のほうにもそういうポジションがあればというようなお話がありましたので、そういう人材育成というか、人事交流なんかも必要かと思っています。
それと、情報の連携とか権限のところなのですが、むしろ内部の話になりますけれども、自治体と保健所の関係につきまして、厚労省からいろんな事務連絡を頂いて、対策についてはそのまま保健所が対応するような形にはなりますけれども、実際は「都道府県はこうやる」とアレンジすることで、保健所の意思決定と本庁の意思決定がそろっていないということがすごく忸怩たる思いで、なかなかうまくいかなかったというところもあります。県と保健所設置市または指定都市ということに限らず、県の中でも、保健所が出先機関というだけではなくて、きちっと権限を持った組織であるはずなのに、先ほどもありましたけれども、県庁がリーダーシップを執っていただけなかったというところもありました。
大分前ですけれども、1月の時点で感染症法改正の提案があったときに、人権に配慮してというようなところとか、入院の実効性を担保するために拒否した人は罰則をするというようなところで、保健所長会ではできるだけそれは避けてほしいという言い方をしながら、設置自治体の長の意見としては、知事会ではそれはすべきだというような形で、なかなかコミュニケーションが取れていないということもありましたので、そういった意味での課題を改めて申し上げておきたいと思います。
それから、情報の保護と情報連携の両立というのは必要になってくるのですけれども、その場合に、いろいろな情報の出し方というか、公開の仕方で人権を守れないというような場合があったとしたら、被害者の救済の制度も必要となると思いましたので、申し上げたいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
中野先生、お願いします。
○中野委員 中野です。
本日の感染症部会の趣旨から、資料1-3の論点に基づいて感じたことを簡単に述べさせていただきます。
論点(2)の自宅療養者・宿泊療養者への対応というのを読ませていただいて感じたことなのですけれども、論点(案)に書いていただいた「適切に確保・提供される体制を整備することが必要」、これはもちろん賛成でございます。そこで、日常の自分の診療を振り返ってみて思ったことは、例えば、私、小児科医ですから、子供は自宅療養するにしても宿泊療養するにしても一人ではできません。また、小児以外でも様々な方が御病気になられて、いろいろな御家庭環境、いろいろな個人的背景を持つ方が御病気になられて、病院という現場にいますと、そのたびにいろいろ困ったことに遭遇しているということが事実だと思います。
(4)の水際対策に関しましても、様々な事情で帰国する方々がいらっしゃって、国籍、その他御家族の背景も様々だと思います。一定の規制はもちろん必要だと考えていますし、その一方で、個人の人権等に配慮しながら、どのような法整備がという具体的なところまで今日申し上げられないのが申し訳ないところなのですが、そう感じています。
もう一点、越田委員がおっしゃった教育に関してです。医学生の感染症とかワクチンの教育、もちろん必須であると思っていますし、大曲先生も触れられたと思いますが、感染症ということに関して、やはり専門領域での教育が不足していると思っています。ただ、もう一つ遡って、感染症対策は、手洗いにしても感染対策にしてもワクチンにしても日常のことです。自分の幼稚園とか小児期を思い起こして、手を洗えぐらいは教えられましたけれども、そのほかの感染症対策とか、ワクチンは幼い頃から打たれてきたのに何も知らないまま高校生になって医学部に入って、そこで急に講義を聞いても、なかなか自分ごととして分からない、他人にどうしていいか分からないという点もあるので、海外ではもう少し幼少期からその辺りの教育がなされているように思います。その点を今後考慮していってはどうかと感じています。
以上でございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
菅原委員、お願いします。
○菅原委員 ありがとうございます。
今後の先のことを考えるということで、平時からの準備ということが盛んに言われて、今回も御説明を伺いました。平時からの準備という観点では、感染症のトレーニングを受けた、例えば看護師などの配置が大都市に偏っていたり、あるいは人数的にもまだ3000人ぐらいという程度で、そういった看護師など、感染症医とか、インフェクションコントロールドクターなどが配置されているところは日頃から感染対策のモチベーションもそれなりに高いですし、診療報酬の加算1とか2が付与されていますから、基礎的な感染対策が日常的に行われているということが原則的にあろうと思います。
ところが、人数が偏っているせいで、今回もそうなのですけれども、私たちは感染症の患者さんを受けることができないというような、あるいは感染症の対応をする必要がなくても、リハビリを終えたようなコロナの患者さんを後方病院で受け入れにくい、そういった現象が起きる。日頃からの感染対策、先ほどおっしゃいましたが、手を洗うとか、防護衣をこうやって着るとか、そういったことに慣れていくということも平時の準備の一つではないかと思われます。そういう意味で、診療報酬の加算の枠組み自体の見直しももしかしたら必要かもしれませんし、人材の育成もセットで行われなければいけないと思います。やはり感染対策の基本的な底上げを全体で考えていく必要があるのだろうと思います。そこには人材育成とか、お金の問題とか、全体的に考えていただきたいと思います。
もう一つは、私、検疫の水際のところで、たまたまホテルの立ち上げのお手伝いをさせていただいていました。今回、法的な問題をもう少し強化するということで大変よかったと思っているのですが、現場の際で働いている検疫の皆さん方の、必ずしも皆さんがルールを守っていただくわけではなく、非常に心を病むような、心が折れるような、そういったぎりぎりの対応をしているという話を聞きますので、できるだけここは早急にしっかりと検疫の今回の課題に対して決めていただきたいと思います。
以上です。
○脇田座長 ありがとうございます。
中澤参考人、お願いします。
○中澤参考人 ありがとうございます。全国衛生部長会の中澤です。
私たち本庁機能としては、様々な対策を行っていく上で感染症の場合は迅速性が非常に求められます。このときは多くの関係者の御協力がなくては進みません。その際、やはり法的な裏づけがないと非常に時間をロスしてしまうということ、これは医療機関の皆さんや都道府県と保健所設置市の間だけではなくて、市民の皆さんが理解して協力していただく際には、お願いベースではなかなか調整が難しい局面が多々ございました。このため、先ほど谷口先生が御指摘されていたかと思いますけれども、権限の整理も含めまして、法的な整理などについて議論を行っていただきたいと考えております。
以上です。
○脇田座長 どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、調委員、西山参考人、味澤委員の順番でお願いします。
○調委員 調でございます。
先ほど岡部先生の研究班の御報告がありましたけれども、それに基づいて感染症法における課題ということで資料1-3が作られていますが、検査のことは入っていないということなのです。釜萢委員が言われたように、喫緊の課題としてすぐに対応しなければいけないというわけではないですけれども、検査といいますか、都道府県の感染症発生動向調査事業などについて少し意見を述べさせていただきたいと思います。
平成26年に感染症法の改正によって、行政が行う感染症の法に基づく検査は都道府県知事が実施するという非常に大きな改定がありまして、都道府県には精度管理の義務づけが行われたわけですけれども、これは非常に大きな進歩だったと思っています。
ただ、その後に2018年、WHOが日本の感染症対策を評価するJoint External Evaluationがありましたけれども、その中で多くの項目が、30項目ぐらいあったと思いますが、5点がついた中で、リスクコミュニケーションとナショナルラボラトリーというところが残念ながら3点という評価を受けてしまいました。
その大きな理由というのは、例えば都道府県は精度管理をしないといけないことに法律上なっているはずなのだけれども、それが義務化にはなっていないわけです。私は法律の専門家ではないので、その理由というのはよく分かりませんが、基本的に2類以下の感染症対策は自治体が行うことになっていて、それは自治事務になっているということが一つあるのではないかと思っています。
したがって、全てのウイルス検査などを行っている地方衛生研究所は基本的には感染研で行っていただいている精度管理を受けているのですけれども、実際には受けていないところもある。それは特殊な事情があって、例えば建物を移転したのでできなかったとかあるのですけれども、やはり義務化されていないというところが国際的にはなかなか受け入れられないというのを感じました。そういう意味で、発生動向調査事業は国と地方の半々の財源を使ってやられているのですけれども、もう少し強制力を持たせて都道府県の義務ということにしないと、最後の穴がなかなか埋まっていかないというところがあるのではないかと考えています。
もう一つ、内田保健所長会長が保健所と感染研の関わりというのはあまりなかったとおっしゃいました。実は地方衛生研究所と保健所の連携というのも今回かなり深まりましたが、平時においてなかなかそういうのはなくて、地方衛生研究所が行っているゲノム解析に基づいた分子疫学といったところを自治体によっては保健所に情報提供しているところもあるのですけれども、それができていないところが実は多い。そういう意味で、その連携をもう少し明確化していただくようなことが必要なのではないかと思うのですけれども、これは地域保健法の中で検討していくということでしたが、法律の中に地方衛生研究所はそもそもないので、国がそこを規定するということは難しいところがあって、感染症対策の中でもその必要性というのを考えていただきたいと考えています。
以上です。ありがとうございました。
○脇田座長 ありがとうございました。
西山参考人、お願いします。
○西山参考人 ありがとうございます。豊郷町の西山と申します。
資料1-3の自宅療養者・宿泊療養者への対応について、生活支援を市町村にお願いしたいという話の流れになることがあります。全国町村会は小規模な自治体が多いので、現在であれば、新型コロナウイルスのワクチン接種をやりながら、新型コロナウイルスの対策本部で情報収集をして、在宅療養者の方の生活支援までするとなると、一人で複数の兼務をします。かなり財政的に厳しい現状がありますので、いろいろな仕事をやらざるを得ない部分が当然あります。財政的にかなり厳しいというのと、特に小規模な自治体であると、顔が見える関係性が普段からありますので、プライバシーに配慮した支援がかなり難しい場合があります。
例えば、私でも誰かの家に行くと「あの人、役場の職員なのに、何しに行かはったんやろ。この家、コロナにかかったんや」というように、プライバシーに配慮した支援というと夜間にしなければいけないなど、割と細かいところに気を遣いながらやる必要があります。さらに、現在ではワクチンの接種が可能になっていますので、ワクチンを打ちながらそこら辺もやっていくとなると、職員にかなり負担をかけている現状があります。
入院患者で全て終われば問題ないのですけれども、第6波でもし在宅療養が増えたときに支援をするとなると、ワクチンを打ちながら支援するのはかなり厳しい状況があるということだけは知っていただきたい。
○脇田座長 ありがとうございます。
味澤委員、お願いします。
○味澤委員 私、皆さんが指摘したことはもっともだと思います。
それから、人的な資源についてですが、感染症という病気をあまり診たことがないというか、今度の新型コロナのような特殊な感染症は診たことがない病院というのは、最初はほとんど全部そうなわけですけれども、そうすると最初から食わず嫌いというか、診たくないというような病院が多いと思うのです。
私は、東京都の関連の病院2か所ばかり、そういった感染症は診ないという病院にコンサルトで行きまして、最終的には、両方の病院で170床近く、中等症以上のコロナ患者を受けるようになりました。感染症のコンサルタントというようなのも、ふだんは感染症のニーズはそんなに多くないと思いますので、そういったことも次のアウトブレークのときには参考にしていただければと思います。
以上です。
○脇田座長 どうもありがとうございます。
たくさんの御意見、ありがとうございました。少し時間が押していますので、以上とさせていただきますけれども、私のほうからも、感染研という立場から言えば、サーベイランスや検査体制の強化、それはぜひ進めていくべきだと思いますし、人材育成とか、あるいは地衛研、保健所、感染研の連携を進めるべきだということはもっともだと思います。特に調委員が言われた地衛研の設置根拠、これはしっかりと法律で定めていただいて、地衛研の立ち位置をしっかりとしたものにしていただくということが我々の検査体制のネットワークにおいても非常に重要だと考えていますので、感染研、地衛研と今後もしっかり連携してやっていきたいと考えております。そういうことだけ述べさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から、今日、様々な幅広い御意見を頂きましたので、引き続き事務局では、今日の意見もまとめていただいて、検討を進めていただきたいと思っております。
時間が押していますので、感染症部会単独開催の議題は以上とさせていただきます。
事務局に一旦お返しいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 委員の皆様、活発な御意見、どうもありがとうございました。建設的な御意見をたくさん頂きまして、こういった御意見を踏まえまして進めさせていただければと思います。
引き続き、基本方針部会との合同開催を行います。順次、基本方針部会の委員の方々に御入室いただきますので、しばらくお待ちください。
(委員待機)
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、基本方針部会の委員の皆様の御入室が済んだようですので、基本方針部会について改めて出欠状況を御報告させていただきます。
御出席の委員の皆様につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言御返事を頂ければと思います。五十音順に参ります。
池田委員。
伊藤委員。
釜萢委員。
川俣委員。
坂元委員。
白井委員。
多屋委員。
中野委員。
中山委員。
宮入委員。
脇田委員。
磯部委員からは本日御欠席の連絡を頂いております。
それでは、議事を進めていきたいと思います。ここからの進行は脇田座長にお願いいたします。
○脇田座長 それでは、第2部の議事に入りたいと思います。議題(3)の「風しんの追加的対策について」、事務局から簡単に御説明をお願いいたします。
○長江結核感染症課長補佐 事務局でございます。結核感染症課の長江です。
資料について御説明させていただきます。まず、資料2-1を御覧ください。
1ページは、風しんの病気の概要ということで載せております。発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする病気です。特に先天性風しん症候群(CRS)にかかると、生まれてくる子供が重症になるというものです。
3ページからが風しんの報告数です。2018年に流行した後、最新の数値まで載せておりますが、現在、ほぼ流行は収まっているような状態となっております。
4ページは都道府県別に見たもの、5ページが性・年齢階級別に見たものとなっております。
6ページは、風しんに関する追加的対策の概要です。
7ページは、追加的対策の抗体検査の現在の実施数と実施率を掲載しております。
8ページは、予防接種の実施件数と実施率を掲載した資料です。
9ページは、2020年度時点での風しんの抗体保有状況を見たものとなっております。
10ページは、現在の抗体検査の数と目標を比較したものでございます。見ていただきますと、目標1の抗体保有率85%を達成するためには抗体検査480万人必要なところ、現時点でいきますと131万人必要、さらに今年度末が目標2のところになっておりますが、抗体保有率90%を達成するには920万人必要となっております。現在の実績を伸ばしていきますと、476万人ほど必要ということになってしまいます。現在の推移、それぞれ2本延ばしておりますが、確実に抗体保有率90%を達成するために920万人抗体検査を受けていただくためには3年ほど期間が必要ではないかという推計を出しております。
11ページと12ページは、令和3年9月22日に行いました合同開催での委員の皆様方の御意見をまとめたものです。
資料2-1の説明は以上です。
続きまして、資料2-2を御覧ください。今後の対応(案)です。
今後の対応の1つ目、基本的な方向性について御説明したいと思います。今回、風しんの追加的対策の目標につきまして、案ということで、このような目標値を改めて立てたいと思っております。対象世代は、引き続き、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性、目標1は2022年12月までに対象世代の男性の抗体保有率を85%に引き上げる、目標2につきましては、2024年度末までに対象世代の男性の抗体保有率を90%に引き上げるという目標を立ててはどうかというふうに論点として出しております。
この追加的対策の目標を確実に達成するために、追加の対策としまして次の3点を提案したいと思っております。
1点目が本人や周辺の方に向けた勧奨・啓発ということで、新型コロナワクチンの接種を行う医療機関や大規模接種会場においてポスターやリーフレットを用いて啓発を実施してはどうか。
2点目がクーポン券の配布と健診に合わせた抗体検査の促進ということで、当初は3か年に分けてクーポンを対象世代に配ったところ、最初の配布世代は2年前になりますので、また改めてクーポンを発行し、未受検者に対してもう一度配って、一般の定期健康診断に合わせた検査の促進や同調効果などを期待したいと思っております。
3点目が風しん定性検査キットの活用についてということで、定性検査キットは2021年10月14日に薬事承認されました。定期接種の対象の判定には、今まで不確実性を考慮して安全性を担保する観点から、抗体価を測定して判定しているところですが、風しんの定性検査キットは30分で結果が判明し、検査当日に予防接種の可否を判断することが可能となるので、このキットの導入を検討してはどうかとしております。
具体的に、今後配布しますポスターとリーフレットの案を4ページに載せております。
次のページは抗体検査のクーポンの事例です。グラフを載せていますが、神奈川県において横浜市がクーポンを再発行したところ、全国的には今、抗体検査数が落ち込んでいるところ、再発行したことに伴って今年度の最高値を記録したという資料です。
次のページは、次の3年間におきまして、未受検者にクーポンをもう一度配布したいという内容です。
次のページに掲載していますのが定性検査キットの製品の概要です。
次のページは、現在の風しんの抗体価を踏まえたキットの一覧表になっております。
次のページは、今回の定性検査キットと現在認めております手法の比較のIgGの相関関係と、予防接種推奨判定値を用いた場合の相関性になっておりますが、この製品と風しんの接種対象とする抗体価の一致率は、ほかの手法と比べても93%以上の結果が出たということを掲載しております。
次のページが定性検査キットの活用ということで、添付文書上の注意を載せております。IgM陽性になる場合がありますので、その場合は偽陽性や長期間陽性が続くため、ペア血清を用いた定量可能な測定法やほかの方法が必要であるということを掲載しております。
次のページは、定性検査キットのIgM試験結果を掲載しています。
次のページは、このキットを用いてほかの血清を調べたときのIgMの検査結果を載せております。
次のページは、定性検査キットの利用を導入した場合の課題です。こちらのキットを使った場合、その場で判断ができるというのがありますので、結果としては4通り考えられると思っております。IgG陰性・IgM陰性の場合は定期予防接種の対象、IgG陽性・IgM陰性の場合は、抗体価があるために定期予防接種の非対象、IgG陰性・IgM陽性及びIgG陽性・IgM陽性の対象者は風しんに罹患している可能性があると考えられるために、医療機関を受診して、臨床症状や流行状況、その他の検査結果から総合的に判断する必要があります。
そういうことを踏まえまして、今回の定性検査キットを導入するに当たっては、当日中に検査結果を踏まえて定期予防接種をしていただくことや、IgM陽性になった場合に風しんの診断も可能な医療機関から限定的に導入してはどうか、導入後の検証結果を踏まえて、どの医療機関でもできるかどうか検討してはどうかとさせていただいております。
最後は全体の概要ということで、風しんの追加的対策の今後の案を載せております。
説明としては以上です。
〇脇田座長 どうもありがとうございました。
風しんの対策の現状、それから追加対策の今後についてという御説明でございました。勧奨であったり啓発であったり、クーポンの配布、抗体検査の活用というところだと思います。風しんも抗体価はまだまだ対象年齢の男性は上がっていないということを踏まえると、ポストコロナ、そこでまた風しんの流行ということになると、エリミネーションも困難になるということですので、対策は進めていく必要があると思います。
ただいまの御説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。挙手していただければ指名させていただきます。多屋先生、まずお願いいたします。
〇多屋委員 ありがとうございます。
3年間延長していただけるということで大変喜ばしいことですが、今までと同じような形で3年間延長しても、あまり成果は上がらないと思いますので、何らかのブレークスルーが必要だと思います。この年齢の男性は多くの方がお仕事をされていらっしゃいますので、もう少し強く職場から、職場健診に来られたら生年月日が分かりますので、この生年月日の対象の方はその場で採血するぐらいの利便性を持って対応していただけるような工夫をお願いできればと思いました。
その日に分かるキットですが、その日に分かって、その場でワクチンを受けられるという利便性を持たないと、今までとまた同じことを繰り返して、そのうち行ってくれるでしょう、結局行ってくれないということになるので、もしこのキットを使うのであれば、その場で、陰性の場合、ワクチンが接種できるという体制を整えたところでの導入をぜひお願いしたいと思います。次の3年間は新たな方法をもう少し職域の方とタッグを組んで強力に進めていっていただきたいと思いました。
以上です。
〇脇田座長 ありがとうございます。
続きまして、谷口先生、岩本先生、戸部先生が手が挙がっています。順番にお願いいたします。
〇谷口委員 谷口です。
今の多屋先生のお話とかぶります。基本的に賛成です。実際になかなか進まないのは、何度も来なければいけない、そんな暇あるかという話ですので、やはりこれを行う以上は、一日で済む、あるいは職場で済む、そういった形にしていただきたいと思います。
2点目は、13ページに「IgM陽性の場合の風しんの診断も可能な医療機関から限定的に導入を開始してはどうか」とあります。基本的にこれは無症状の方ですから、我々は、もちろん風しんの患者さんはたくさんこれまで診ましたし、診断は難しいというのはよく分かっていますが、無症状の人の診断というのは、結局、検査する以外にないので、これは検査、診断も可能な医療機関という意味なのか、そこだけご確認いただければと思います。
以上です。
〇脇田座長 ありがとうございます。
岩本先生、お願いします。
〇岩本委員 岩本です。
多屋先生、谷口先生の御意見に全く何の反対もないのですが、事務局には申し上げましたけれども、どうしてもキットがこれしかないということで、IgGと同時にIgMを測るキットを使う予定だというところが唯一の私の懸念点です。IgGを測って、もし感度が悪くて陰性であっても、安全な風しんワクチンであれば打てばいいし、もともと求められる中和抗体価の値は比較的高いわけですから、抗体価が低い人にも打つわけです。従って感度が悪いことは、この場合、あまり気にしないのですが、IgMが測られるというのは、偽陽性が心配です。こういうクロマトのキット類は偽陽性率が平均すると1%はあるし、さっきのデータで言うと20検体前後で1件プラスに出ているようなものが2つあります。だから、数百万人の数でいくと、下手すると偽陽性が数万人規模で出るのではないでしょうか。
インフルエンザの診療経験でもそうですけれども、クリニックで実際、診断ができて処置ができるものは非常に役に立ちます。しかし、偽陽性が多いのは困ります。私は、ビザ承認の際にHIVの簡易診断キットを使っているクリニックから患者さんが送られてきて、立て続けに4例偽陽性だった経験があります。今回と同じく有名メーカーがつくったキットでした。その点だけ事務局に御配慮いただきたいと思っています。
以上です。
〇脇田座長 ありがとうございます。
戸部先生、お願いします。
〇戸部委員 戸部です。
ポスター、リーフレットとか、クーポンの件、私も賛成ですが、職場の健康診断のときに抗体検査を実施できる可能性があるということをまだ知らない方も結構多いのではないかと思います。なので、クーポンをもし再発行するのであれば、職場によっては職場の健康診断時にこのクーポンを使える場合があるので、職場に相談してみましょうというようなチラシを目立つ形で入れたり、今回提案されているポスターにその旨の記載を入れたりしてはどうかと思います。
以上です。
〇脇田座長 ありがとうございます。
次に、調先生、よろしくお願いします。
〇調委員 調です。
先ほど岩本先生がおっしゃったこととほとんど同じなのですけれども、やはりIgMはその性質として特異性が低いということがあるので、1%ぐらいの偽陽性が出るのだろうと、偽陽性が出た場合に恐らく経験のあるドクターがいれば、疫学的な背景とか症状とかで偽陽性だろうと判断することはできると思いますが、その対応をどうするかというのが一番懸念されるところではないかと思います。この検査キットを導入して、その場でワクチンを打つというのは非常に有効だと思いますが、IgM偽陽性に対する対応というのはしっかり考えておいていただきたいと思います。
以上です。
〇脇田座長 ありがとうございます。
伊藤先生、お願いします。
〇伊藤委員 ありがとうございます。
偽陽性は、無症状の人をたくさん測ると偽陽性がたくさん出ますので、今、事務局から提案があった偽陽性の話は、極端なことを言うと、IgGだけで判断するという話に簡略したほうがいいのではないかという気がいたします。
以上です。
〇脇田座長 ありがとうございました。
今、クロマトのIgMの偽陽性の問題が多く出ました。あと、リーフレットの話もありましたというようなところですけれども、事務局から何かコメントありますか。
〇長江結核感染症課長補佐 先ほど谷口先生から御質問がありましたので、その点について回答させていただきます。風しんの診断が可能というところについて、検査も含むのかという話ですが、添付文書にありますように、臨床症状や流行状況、ほかの検査も使って総合的に判断するということが書いてありますので、もちろん、そういった検査も必要に応じてできるような医療機関から導入を検討しております。
以上です。
〇脇田座長 それでは、委員の皆様からさらに追加の御意見があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。宮入先生、お願いします。
〇宮入委員 職場での検査と接種という話が出たと思いますが、これまでそれがあまり実施できなかった理由や分析の結果、それを踏まえて今回どのような改定になったのかということを改めてお教えいただければと思います。
〇脇田座長 ありがとうございます。
多屋先生からも、職場の健診でその場で採血、その場でワクチンみたいなお話もありましたが、宮入先生からも職場での健診の点、どのような改善点があるか、分析があるかというお話ですけれども、事務局のほう、いかがですか。
〇長江結核感染症課長補佐 御質問ありがとうございます。
まず、1点目、職場の健診に関してですが、当初、クーポンを3か年に対象世代に分けて送ったということがありまして、一つの会社にしてみたら、もちろん一斉に従業員さんをやりたいというところがありましたが、3か年に分けて配られているので、クーポンを持っている方と持っていない方があったというところで全員の方が一斉に受けることができなかった、そういうのがありますので、今回は未受検者にはもう一度クーポン発行を自治体にお願いしまして、健診に間に合うようにできれば配っていただいて、会社の方が、未受検者が全員持っていますので、そこで一斉に健診でやる同調効果を高めていただきたいと思っております。
定性検査キットも、できれば職場の健診で一斉にやっていただくことによって、今までですと一回受診して、もう一回医療機関に別に行かなければいけないのですが、その一回の健診で終わらせるというところで利便性を高めて、健診で受けられる機会を増やしていきたいと考えております。
以上です。
〇脇田座長 どうぞ、宮入先生。
〇宮入委員 関連して、そこでこれを一定の強制力を持ってやっていただくということは可能なのでしょうか。
〇脇田座長 強制力というとどういう。
〇宮入委員 現時点では職場で行うことを推奨していると思いますが、今後何らかの形で通知を出していただいて、企業で健診を行う場合に風疹抗体検査を積極的に含めてくださいといった内容の通知を出していただく事は可能でしょうか?あるいは既に出されているのでしょうか。
〇脇田座長 それは事務局のほうからいかがでしょうか。
〇賀登予防接種室長補佐 予防接種室の賀登でございます。
事務局のほうでは古くから風しん対策に携わっておりますので、過去の経緯を含めて簡単に御説明させていただきます。
当初、3か年計画をやるときから健診の機会を使って抗体検査を活用していきたい、機会の合理化というものを図りたいという気持ちはありまして、公表資料等にもよくそこは記載されております。
ただ、今、長江から説明させていただきましたように、クーポン券の送付時期がばらばらであったことと対象が様々であったこと、そういったところで、企業からすると、いろんなところに住んでいる方が一つの企業に入っておりますので、誰のところにクーポン券が届くはずで、誰のところには届かないのが自然な形なのだということが分からなくなってしまって、そういった前提条件が様々あるところの混乱があったので、初期の頃、思いどおりに健診が進まなかったというのがあると理解しております。
もう一つ、宮入先生がおっしゃっていた強制的な法定の検査事項にできないのかという話も当初からあったのですが、いろんな検査自体については法的根拠が様々あったり、法的な根拠のバックグラウンドの設定根拠みたいなところが利害が一致しないところもありまして、そこのところが強制的にはできていないというのが実態だと思っております。強制にするということになれば、通知事項ではなくて法改正事項などで様々な調整が必要になると思いますけれども、協力依頼という形では過去にも出させていただいております。
以上でございます。
〇脇田座長 どうもありがとうございました。
山田先生、お願いします。
〇山田委員 企業等に協力依頼するのはいいのですが、企業は恐らく健診を請け負う医療機関なりに委託していると思います。そうすると、委託された医療機関等から受診者への注意書きとか案内が出ると思いますが、そこに対象年齢の人がいるかどうか、そこを分けるかどうか別としても、風しんの検査を会社の健診時に行いますので、クーポンを持っている人は持って参加するようにというような注意書きみたいなものを入れていただくような要請をすることも一つの案ではないかと思いますので、御検討いただければと思います。
以上です。
〇脇田座長 山田先生、どうもありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。多屋先生もさらには御意見、大丈夫ですか。
〇多屋委員 ぜひ今までと違う方法を導入していただきたいと強く願っております。よろしくお願いいたします。
〇脇田座長 委員の先生方、よろしいですか。このようにこれまでの振り返り、それから今後の追加の対策ということですから、今、委員の皆様から御意見を頂きましたので、それを踏まえて、事務局のほうにはさらに進めていただくということをお願いしたいと思いますが、委員の先生方、さらに何かございますか。大丈夫ですか。
よろしければ事務局のほうにお返ししたいと思います。
〇杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
委員の皆様方の御意見を踏まえまして、進めさせていただければと思います。
この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただければと思います。
本日は、お忙しいところ御出席いただきまして、どうもありがとうございました。