第25回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録

医政局研究開発振興課

日時

令和3年10月20日(水) 10:00~12:00

場所

磯村ビル

議事

議事内容

○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第25回「厚生科学審議会臨床研究部会」を開催いたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、ウェブで開催いたします。
 会議全体でのお願いとなりますが、ウェブで参加されております委員の皆様におかれましては、御発言される前にシステムの機能から「参加者リスト」を表示していただき、「手を挙げる」ボタンをクリックしてください。部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。また、御発言終了後は、再度マイクをミュートにするとともに、「手を挙げる」ボタンを再度クリックし、手を下げた状態にしてくださいますようお願いいたします。
 会議中の接続トラブル等がありましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。
 本日は、部会定数14名に対しまして、14名全員の先生に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、今回事務局として、医薬・生活衛生局医薬品審査管理課の吉田課長、医政局経済課の岡室長が出席してございます。
 続きまして、本日の会議資料についてですが、会場の先生におかれましては、お手元のタブレットを操作して御覧いただくようお願いいたします。ウェブで参加されている委員の皆様におかれましては、事前に送付しております資料あるいはウェブ上で資料を投映いたしますので、御覧ください。
 資料は資料1-1から1-2、資料2、参考資料1-1から1-2、参考資料2となってございます。
 資料の不足等がございましたら御連絡ください。
 円滑な議事進行のため、頭撮り撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 以降の進行につきましては、楠岡部会長にお願いいたします。
○楠岡部会長 おはようございます。お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 議題1は「臨床研究法に関する検討について」であります。
 事務局より資料1-1の説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 事務局でございます。
 それでは、資料1-1「臨床研究法の見直しに係る各論点について」の御説明をさせていただきます。
 おめくりいただきまして、今回5つの論点について御審議をいただきたいと考えております。なお、1番については医薬品審査管理課の吉田課長より、2番については経済課の岡室長より御説明をいただきます。3、4、5については私から御説明をさせていただいた上で御審議をお願いしたいと思います。
 それでは、1について、吉田課長、お願いします。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課の吉田でございます。
 それでは、私から最初のテーマですね。「特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利活用について」ということで、資料1-1、6ページになります。
 6ページの資料の説明に入ります前に、おさらいでございますけれども、背景に関しまして、皆さん御存じだと思いますが、それについて簡単に触れさせていただきます。臨床研究法制定時の附帯決議におきまして、医薬品、医療機器の開発を推進するためには治験、臨床研究の制度区分と活用方法を明確化、その上で臨床研究で得られた情報を医薬品、医療機器などの承認申請に係る資料として利活用できる仕組みについて速やかに検討することといった附帯決議をいただいているところでございます。
 皆さん御案内のとおり、治験と臨床研究、それぞれ試験において作成すべき書類の種類、内容、データの信頼性を担保するためのモニタリングの手法あるいはデータの保管期間など、若干規定が異なっているところもございますけれども、そういった違いに関して、実際に薬事申請に活用するに当たってどういったところを克服すればいいのかということについて検討しているところであります。その状況について御説明させていただきます。
 6ページに戻っていただきますが、現在の取組状況でございますけれども、最初のポツにございますとおり、特定臨床研究で得られましたデータを薬事申請に活用するためには、基本的には治験と同程度の信頼性が確保されていることを薬事申請を行う申請者が確認している、これが大前提だと。ここが特定臨床研究といわゆる薬機法における治験との大きな違いになるところかと考えております。
 それでは、どのように検討するかということでございますが、2つ目のポツでございますけれども、事案に即して検討したほうがいいだろうという考えに基づきまして、現在実際に薬事の一部変更承認申請を予定しておられる個別の品目、実際には先進医療Bで行われました特定臨床研究ですけれども、この個別品目の個別の研究内容をパイロット的に取り上げまして、該当する企業、私ども厚労省、それからPMDAにおきまして、実際の特定臨床研究で得られた既存データを活用して承認申請を行う場合の特に信頼性確保などについての協議を行っている状況でございます。
 具体的に申し上げますと、3ポツでございますけれども、実際の薬事申請への活用に向けまして、試験の位置づけに応じたデータの信頼性が確保されているかどうかを確認するために、主に2つの事項を基本的な事項として現在精査している状況でございます。
 1つ目ですけれども、まず、申請をしようとする申請者がこの特定臨床研究の試験データの品質管理・品質保証プロセスというものを実際の根拠資料に基づきまして確認あるいは監査、あるいは点検できるのかということの精査。
 2つ目ですけれども、その申請者が詳細な解析データに実際にアクセスして、大事なことは薬事に向けての申請資料ですね。具体的にはCTDになりますけれども、それを作成することができるのかどうか。そういったことについて、実際の特定臨床研究のデータに基づいて、試験に基づいて、そこを確認・精査している状況でございます。
 最後のポツですけれども、現在やっておりますこの精査・検討が終わった後に、私どもとしましては、得られた知見などを基に、特定臨床研究で得られたデータを薬事申請に活用する場合の具体的にどういう要件を満たせばいいのか、あるいはそれを考える際の留意点ですね。そういったものを取りまとめさせていただこうかと思っています。それをできるだけ早く公表することを考えておりますので、取りあえず最初の事例について、そういったものの要件あるいは留意点をまとめて公表する、これをまずは急ぎたいと考えているところでございます。
 6ページについては以上でございます。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。
 続きまして、経済課から2の研究資金等の関係について御説明をお願いします。
○医政局経済課医療用物資等確保対策推進室長 それでは、資料の下の真ん中辺りに通し番号が振られておりますけれども、その7ページ目でございます。
 まず、課題として挙げられている論点としては、法創設時の附帯決議にもございますように、製薬企業等が医薬品等の臨床研究に対して資金提供を行う際の情報公表の対象範囲について、現行法に基づく公表の対象外とされております情報提供関連費や接遇費等を公表の対象とすべきかということでございますけれども、本部会で製薬企業等における情報提供関連費及び接遇費の実態や、業界自主ガイドラインに基づく公表の状況等について施行後の状況を調査するべきという御議論があったことを受けまして、今般、企業活動における外部研究者等への資金提供に係る情報公表等に関する調査を実施いたしましたので、まずはその調査結果のポイントを御報告申し上げます。
 同じ7ページの下のほうでございますけれども、調査の前提でございますが、医薬品、医療機器、再生医療等製品の製造販売業者を調査対象としまして、本年8月16日から9月10日まで、日薬連、医機連経由でそれぞれの会員企業に調査票を送付して実施をいたしました。回答数は日薬連会員企業が115社、医機連会員企業は93社でございます。
 なお、回答率ということでございますと、留意点を含めて右の※のところに記載してございますけれども、研究開発指向型の製薬企業団体である製薬協の会員企業では10割となってございます。
 続きまして、通し番号の8ページ目でございますけれども、①の業界団体の透明性ガイドライン等に基づく情報公表状況につきましては、製薬協、医機連等の業界団体の透明性ガイドラインまたは当該内容を踏まえた自社ルールに基づき情報公開を行っている企業は、両団体とも9割前後でございました。
 続きまして、同じページの下の部分の②情報提供関連費及び接遇費の基準設定の状況につきまして、基本的に両団体ともに9割以上の企業が実際の支払額と費用の根拠を照合して確認を行っているということでございました。
 続きまして、通し番号の9ページ目を御覧ください。引き続き②の結果でございますけれども、両団体とも7割から9割程度が各社の基準や規定に照らして拠出について事前承認を行っていること、両団体とも9割近くの企業が資金提供に係るコンプライアンス推進のための社内規定を設けていること、説明会費や接遇等費用について、日薬連では約8割、医機連では7割前後の企業が標準的な支払金額等の社内基準を定めていること、また、その基準は公正競争基準を考慮して設定したものになっている場合が多いということでございます。
 一方で、講演会等会合費や文献提供費については、統一的な支払基準設定が難しいこと、実費としていること、支払いの発生頻度が少ないことなどの理由によりまして、標準的な支払金額を定めている企業が比較的少ないということでございました。
 続きまして、通し番号の10ページ目でございますけれども、③として処方誘導や研究不正等の防止に向けた取組状況でございますが、公正競争規約についての社員教育を行っている企業は両団体企業ともに9割近く、内部通報窓口を設置して通報を受けた場合の対応手順の整理を行っている企業は日薬連企業が約84%、医機連企業が約74%、利益相反の管理を行うための組織体制整備を行っている企業は両団体ともに約7割ということでございました。
 続きまして、通し番号の11ページ目でございます。ここではただいま御説明を申し上げました調査結果を踏まえて、情報公表の範囲の見直しに係る方向性(案)ということでお示しをしている資料でございます。
 上のほうの部分でございますけれども、公表範囲を検討するに当たっての考え方としまして、1つ目、法令で規制される事項は、臨床研究の不正を防止し、国民の臨床研究に対する信頼性を確保するとの法目的を達成するために真に必要な事項に限られるべきであること、2つ目として、法創設時に情報提供関連費及び接遇費につきまして、実費相当の範囲を超えて直接支払われる性質のものではなく、不正につながることは低いのではないかと考えられることから、法33条の公表の対象にしなかったということ、3つ目としまして、製薬企業等の自助努力や法規制以外の対応方法等とのバランスを考慮して検討を行う必要があることとさせていただいております。
 その下の調査結果で、先ほど御報告申し上げたことのまとめでございますけれども、1つ目として、多くの企業において、実際の支払額と費用の根拠の照合により、必要実費の範囲を超えた拠出となっていないかの確認を行っていること、2つ目として、コンプライアンスに係る社内規定や統一的な基準を設定することができる費目については公正競争規約に基づく標準的な支払金額に関する基準を設け、これらの規定・基準等に照らして拠出について事前承認を行っている場合が多いこと、3つ目でございますが、コンプライアンスに係る社員教育の実施、内部通報窓口の設置・対応手順の整備及び利益相反管理を行うための組織体制の整備等、処方誘導や研究不正等を排除するための取組が行われているということです。
 最後のポツですけれども、現状、日薬連では約94%、医機連では約86%の企業が、業界の透明性ガイドライン等に基づいた情報公表を行っているということでございました。
 こうした考え方と調査結果を踏まえて、一番下の矢印の下のところですけれども、本論点の方向性(案)としましては、法創設当時の考え方を変更して、さらなる法規制を行う必要性は小さいのではないかと。したがって、臨床研究法に基づく情報公表範囲の拡大は不要ではないかという形にさせていただいております。
 以上でございます。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。
 続きまして「3.医療機器に関する臨床研究法の適用範囲について」、御説明をさせていただきます。12ページをご覧ください。
 現状でございますけれども、医療機器に関して薬機法上の未承認あるいは適応外、つまり使用方法、効果、性能について、承認とは異なる使い方をした場合の臨床研究については、一律に特定臨床研究の対象となっております。
  医療機器については非常に多種多様なものもございますので、特定臨床研究に該当するかどうか判断できるようにQ&Aや事例集などを示してきたところでございます。
 医療機器の取扱いに関するこれまでの主な御議論について御紹介させていただきます。
 1つ目でございますけれども、医薬品とは異なりまして、非侵襲・低侵襲なものも存在するということで、こういったものを一律に法の適用にするのは過剰ではないかという御意見がございました。
 また、臨床研究法の「医薬品等の使用」の解釈において「医行為に該当するもの」がこのものに当たるということでお示しをしておりますが、実際にはこの「医行為」の解釈が困難であるといったことや、医療機器の研究について「医行為」に該当するのかどうかといったところが判断しづらいという御意見もございました。
 一方で、薬機法あるいは医療機器の国際的な規制におきましては、その多様性からそれぞれのリスクに応じてクラス分類を行った上で、そのリスクに応じた規制を規定しているということがございましたので、臨床研究法においてもリスクに応じた規制に倣った取扱いを考えるべきではないかという御意見をいただきました。
 また、医療機器の特徴として、既存の製品を常に改善・改良を継続していくということで、かなり既承認のものに近い使い方をする場合があるということで、こういったときの対応についても考える必要があるという御意見がありました。
 また、ほかの観点になりますけれども、特に医療機器については工学の研究者の方が研究を主導されるような場合がありますが、臨床研究法に関するルールの周知が不案内ではないかという御指摘もありました。
 また、ARO、CRBについても必ずしも医療機器に詳しいわけではないので、どうしても判断が保守的になりがちではないかという御意見。
 それから、先ほども国際的な規制のお話がありましたけれども、海外では臨床研究の規制の範囲が異なっているとの議論もございますので、国際整合性に配慮した取扱いが必要ではないかという御意見をいただいてきたところです。
 13ページにつきましては、それぞれの法律の規定ぶりということなので、御覧いただければと思います。
 また、14ページにつきましては、以前も御紹介をしたものですけれども、先ほど申し上げました法の該当性の有無について、このような形で個別に該当・非該当の事例をお示ししている形になっております。医療機器については非常に多様なものがございますので、なかなか一律に該当・非該当というお話がしづらいために、個別の事例をお示しする状況になっております。
 続きまして、15ページを御覧ください。こちらは薬機法の分類と規制ということになりますが、先ほど申し上げましたとおり、非常に多種多様な医療機器について、それぞれのリスクに応じた分類、規制をしているということで、人体のリスクは極めて低いものについては届出、比較的低いものについては第三者の認証、それ以上のものになりますと個別にPMDAで審査がなされるというような取扱いとなっております。
 こういったこと、今までの議論を踏まえて、方向性の案ということでお示しをさせていただきます。16ページをご覧ください。
 まず、薬機法で実施をされているクラス分類と薬機法における医療機器の考え方ということになりますが、申し上げたように4つのクラス分類で規制も行われている形になっておりまして、国際整合性の観点からもそれぞれのクラスと薬機法における規制の分類がおおむね合致した形で対応されているということです。
 その次からになりますけれども、薬機法上、医療機器につきましては、あらかじめ使用方法、性能、効果を特定した上で承認をしておりまして、この使用方法に従いまして適正に使用されることを前提に承認を受け、その前提の下にクラス分類もなされているということになっております。
 次のポツも同じようなことを申し上げておりますけれども、いずれにしても適正な使用方法が前提となってそれぞれのクラス分類が決められているということになりますので、仮にこの範囲を逸脱して使用する場合に、これが同じリスク分類のままとどまるわけではない、薬機法ではあくまで使用目的、使用方法も含めてでリスク分類を考えているという形になっております。
 一方、臨床研究におきましては、特に適応外の場合について、既存の医療機器であっても使用方法あるいは効果などを変えた形で使用することになりますので、例外的にこのリスクを超えたような使い方も想定されるので、そういった意味では一律に元の承認のクラス分類をそのまま適用する、全てに適用するのは難しいのではないかという懸念もございます。
 こういった中で、事務局から検討の方向性ということでお示しをさせていただきました。特に適応外の医療機器の臨床研究におきまして、許認可を受けた際に分類をされたリスク分類と同程度のリスクとみなせる場合はどのような場合にあたるのか、医療機器の多様性も考慮しまして、実際に研究でどのようなことが行われていて、どういったところで悩ましい事例があるのかについて、この参考にございますとおり、今年度厚生労働科学特別研究で研究をしていただいております。日本生体医工学会の黒田先生に代表者をお願いいたしまして、この括弧にございますように、生体医工学会、医療機器の製造販売業者を対象としたアンケートを実施しまして、実際にこの該当性で困った事例を収集させていただきたいと思います。この事例を分析した上で、改めてどのような形での整理ができるのかという点について、また御審議をお願いしたいと考えております。
 続きまして、17ページ「4.重大な不適合の取扱いについて」、御説明をさせていただきます。
 研究の規定におきまして、不適合があった場合について、臨床研究法におきまして不適合の扱いが規定をされております。
 関係条文にございますとおり、規則の15条で研究のまず実施機関の管理者に報告をしなければならないということがございますし、特に重大なものが発生した場合にはCRBの意見を聴かなければならないとなっております。
 また、多施設で実施をしている場合には、研究代表者から他の研究責任医師に情報提供をするということになっております。
 また、CRBにつきましては、重大なものがあったときに地方厚生局に報告をするという規定がございます。
 一方で、先日の部会、生命科学・医学系研究指針において、重大な不適合が発生した場合には、厚生労働大臣への報告に加えて公表することが定められているということで、この公表の取扱いについて、臨床研究法と指針で不整合があるのではないかという御指摘がありました。
 検討の方向性になりますけれども、特定臨床研究におきましても、重大な不適合があった場合には、研究機関の長に公表を推奨することとしてはどうかということで御意見を賜りたいと思います。
 こちらにつきましては、指針が告示という形で行政指導の形を取っておりますので、それと類似をした形での取扱いとさせていただければと思います。
 なお、参考になりますけれども、公的研究費を使った研究につきまして、研究不正が認定された場合には、それぞれの研究費の支給のルールの中で、その後の申請資格、参加資格の制限であるとか、研究機関に対する資金の返還、翌年度以降の配分の停止など、それぞれの研究費のルールでも規定がされているということがございます。
 続きまして、5番のCRBの認定要件についてです。18ページをご覧ください。
 CRBについては、法に規定する要件として、委員構成、業務規程などの設置、そのほかの実施基準に適合することで認定を受けることができるということで、いわゆる外形的な要件での認定がなされています。
 その上で、認定の有効期間は3年となっておりまして、更新の際の要件につきましては、この認定要件に加えまして年11回以上の開催実績が要件となっております。この11回については、月1回程度開催をすることで質の担保なども確保できることを踏まえて決められています。
 現在のCRBの状況ですけれども、特定臨床研究については、特に自施設内のCRBで審査をされていることが多く、日本全体の臨床研究の実施件数に比べると、CRBの数が非常に多くなっているという中で、実際には年11回の開催が困難なCRBもございました。
 また、認定の要件がどうしても外形的なものが多くなっているので、それぞれのCRBにおいて能力、手数料などにばらつきがある中で、必ずしも適切な審査がなされていない事例があるのではないかといった御指摘もありました。
 これまでの取組につきましては、前回お示しをしたとおり模擬審査であるとか、あるいは審査の視点の掲載など、質の向上に向けた取組を進めてきたところです。
 これまでの御意見について、まず更新要件でございますけれども、今まで認定の要件とされてきた開催回数につきましては、要件として残しておいてもよいものの、見直しが必要であるという御意見をいただきました。
 また、特に審査の質を担保する観点から、要件として新たに新規のプロトコル、試験計画を審査した件数を入れるべきではないかという御意見をいただいたところです。
 そのほか更新に係る御意見としては、更新できなかった場合、同一機関が実質上もう一つのCRBをつくることで研究を引き継ぐようなことがございましたが、それは今後はやれないようにするべきである。
 また、更新できない場合に一定期間の猶予を置くなど、急激な変化を避ける必要があるのではないかという御意見。
 それから、質の向上に向けた御意見として、特に委員長に対する研修なども含めて研修の実施状況を確認する必要がある。
 また、議事録の公開について、現在概要のみのものもございますけれども、その内容を充実させて、それぞれの審議の状況を見える化する必要があるとの御指摘がありました。
 また、欧米では相当な国費を出して、中央機関が実際にCRBを担っていたり、あるいはサイトビジットを実施するという形がありますので、日本においても責任を持ってチェックをするための体制整備を行うべきという御指摘をいただいております。
 その他の御意見として、CRBの設置が臨床研究中核病院の承認要件となっているので、そういった中でCRBをつくることが増えてくるのではないか。
 また、治験環境、臨床研究の環境の整備の上からも、国の支援によって優良なCRBの審査手数料の減免が図られることが必要ではないかとの御意見をいただきました。
 19ページにつきましては、法令上の規定となっておりますので、省略をさせていただきます。
 また、20ページ、CRBの開催に関するアンケート結果、これは前回もお示しをさせていただいたもので、それぞれが毎年何回開けたかを示したものになります。
 21ページの新規の審査件数の分布につきましても前回お示ししたところとなっておりまして、それぞれ1年間に新規の審査をどれぐらいしたかということで中央値、最大、最小の値が各年ごとに出ている。この中では特に2019年、2020年辺りが1年間を通して審議をしたものが多いということで、御参考にしていただけるデータと考えております。
 その上で22ページ、CRBの更新要件に係る論点と検討の方向性ということでお示しをさせていただきます。
 まず、論点でございますけれども、CRBの更新要件について、引き続き年間開催件数を要件とすることがいいのかどうか。この場合、これまでの11回以上、非常に厳密な規定となっておりましたが、ここをどうするかということ。
 2つ目になりますが、審査能力の向上に向けて、制度による対応のほか、どのような取組が考えられるか。
 それから、審査の質の維持・向上のために、適切な審査件数の範囲が考えられるかどうか。
 現状、質にばらつきがあることを踏まえて、集約化をどのように取り組んでいくのか。
 更新が困難なCRBが出てくるかと思いますけれども、円滑な業務の終了のためにどういった形の取扱いができるのか。他のCRBに臨床研究を移行する必要がございますので、一定の期間を設けるなどの対応を考えるべきではないかといったところについて御意見をいただければと思います。
 この点につきまして、検討の方向性ということですが、まず、個々のCRBが十分な審査経験を積むことで、CRBの質の担保を図っていく必要があるのではないかと考えております。
 これまでの御意見を踏まえまして、更新要件については、開催回数の要件を見直すとともに、新たに条件として新規の審議件数を加えてはどうかと考えております。
 先ほど御確認をいただいた2つのアンケートなどによる結果を踏まえまして、当面の間ということになりますが、新規の審議件数については毎年1件以上、かつ開催回数については毎年4回以上ということを要件としてはどうかと考えております。逆を申しますと、ある年に新規の審議件数が全くなかった、あるいは開催回数が3回以下だった年があった、こういったCRBについては更新ができないという形にさせていただいてはどうかと思います。
 なお、疾病等報告など、迅速に取り扱う必要がある議題もございますので、開催回数が毎年4回といっても必要なものについては迅速に開催を求めることにしたいと思います。
 今申し上げた条件に合致しない場合には更新ができないということになりますので、この場合には継続案件をほかのCRBに引き継ぐなど、円滑な廃止に向けた取組を進めていただくということにしたいと思います。
 これまでの要件に比べると大きな変更になるかと思いますけれども、まず非常に数が多くて分散をしている状況の中で、質の向上も図りながら、あるいは差別化も図りながら、徐々に更新の要件も見直していきたいということで、今回申し上げた基準が今後も要件として継続することではなく、あくまで当面の間このような形で運用させていただいて、CRBに対する働きかけ、取組を進めていく中で、今後定期的に活動状況を確認した上でこの更新要件についても必要な見直しを図っていくこととさせていただいてはどうかと考えております。
 なお、更新の要件の見直しに当たっては、実施中の臨床試験に支障が生じないようにということで、先ほどもございましたように、移行などに関して必要な対応を取る必要があるのではないかと考えております。
 なお、追加で当日の提示資料として、先進医療の資料について画面に表示させていただきましたので、御覧いただければと思います。
 CRBの機能ということで、渡辺先生よりお話がありましたので、今日お示しをさせていただくものになります。CRBの機能の一つの御紹介になりますが、先進医療会議において、CRBが審議をした研究について、一定のCRBが審議をしたものについては、この先進医療における審議を軽量化することが可能であるという取扱いがなされているものになります。
 こちらの最後のページを御覧いただければと思いますけれども、臨床研究中核病院に加えて、過去に先進医療の審議の経験があるCRBについて、今申し上げたような先進医療での審査の軽量化の対象になるということで、こういった取組もございますので、御紹介をさせていただきました。
 事務局からは以上でございます。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの御説明に関して御議論いただきたいと思いますが、本日、5つのテーマが出ておりますので、それぞれ順番に御意見をいただき、最後に改めて全体的な意見をいただきたいと思います。
 最初が「特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利活用について」、この点に関しまして御意見がありましたらお願いしたいと思います。
 渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺です。
 意見ではなくて御質問なのですけれども、6ページの一番下のところ、今、検討なさっておられるということだったのですが、得られた知見を基に、要件、留意点などを取りまとめて公表することを予定しているとおっしゃったと思うのですが、これはもう事務局が現在のパイロットスタディーを行った結果に基づいて留意点をまとめてしまうということなのでしょうか。それとも結果に基づいてどこかの場で、例えばこの場かどうか分かりませんけれども、検討なさって、その結果として公表されるということなのでしょうか。この公表するという意味が理解しにくかったのですけれども、どのような形になるのか経緯を教えていただければと思います。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 御質問どうもありがとうございます。
 ここでの今後の公表する形については、まだ確固としたものが固まっているわけではございませんので、今後また柔軟に変わる部分もあろうかと思いますが、現時点の考えは、まだこの作業をやっている最中でございますので、具体の事例に基づいての利活用に向けて使えるのかどうかという洗い出しをまさにやっております。その結果出てきたどういうことが問題だったのか、それにどのように対処したのか、だから、それを薬事申請に使えたのだという、まずはそういう事例に基づいてのポイントといいましょうか、そういったものをお示しするのかと思っております。
 その後、最終的には事例を少し重ねていって、共通のものについては一定の要件下、あるいは包括的な留意点という形でまとめるみたいな、そういう少し段階を踏んだような公表形式といいましょうか、そういう形になるのではないかと。今やっているのは一つの事例でございますので、それで全ての問題があぶり出せるかどうかは分かりませんので、今の考えではそんなイメージで考えております。
 冒頭申しましたとおり、今後の作業、まだ作業途中でございますので、もし御要望といいましょうか、こうしたらいいのではないかという御提案がございましたら、それはまた検討させていただきたいと思います。
 以上です。
○渡辺委員 ありがとうございます。
○楠岡部会長 それでは、花井委員、続きまして、近藤委員からお願いいたします。
 花井委員、どうぞ。
○花井委員 私、この件について十分理解ができていない部分があるので教えていただきたいのですけれども、直感的にはこの臨床研究の結果を薬事に使う場合2つのイメージがあって、一つは医師主導治験と近いほうだけれども医師主導ではなくて特定臨床研究でやることを最初から考える場合、もう一つはいわゆる公知申請のように既存の研究データで何とか申請できないかと考える場合の2つイメージがあるのですけれども、例えば前者の場合だと、製販業者ないし研究者がレギュラトリーサイエンス総合相談や戦略相談に赴いて、結局GCPでクオリティーと同程度の信頼性があるかどうかをあらかじめ相談しないとうまくいかないのではないでしょうか。今、基準は公表されるとおっしゃっているのですけれども、そのとおりできているかどうか、これでいけますかという話はあらかじめRS相談なり、治験ではないのでGCPではないと思うのだけれども、確認したいというイメージがあると思うのです。そういう場合を想定されているのですか。そのときに、どうせだったら医師主導治験でやればという話にするほうが素直になる場合もあるかと思うのですけれども、審査当局としてはどちらのイメージでこれを考えていらっしゃるのでしょうか。もしくは、こういう臨床研究をやろうと思っているのですけれども特定臨床研究でやってこの基準に合っていますかというレギュラトリーサイエンス相談を受けるのでしょうか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 御質問どうもありがとうございます。
 今回の附帯決議でいただいている内容は、特定臨床研究でやったデータを治験ではないけれども薬事で受け付けられるようにしましょうというのがいただいている命題だと思っております。したがいまして、治験ではないと。だけれども、特定臨床研究を行っていくわけですが、実際に特定臨床研究をこれからやりますということを考えた場合に、花井先生がおっしゃるように、やった後でこの結果が受け入れられますかという相談をされてもなかなか難しいと思いますので、イメージとしましては、今回要件、留意点みたいなものをあらかじめお示しすることによって、今後特定臨床研究を行う場合にはそういったことにあらかじめ留意しながら特定臨床研究に取り組むみたいなことができるように、特定臨床研究をやる方がそういうことができるようなものに資するような要件や留意点みたいなものをまずはお示しすることができるようになるという取組でございます。
○花井委員 分かりますけれども、申請する側からすれば、そういう思惑で特定臨床研究を始めたのに、示された基準でやったもののここが足りないと後から言われてアウトですね。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 できるだけそういう出戻りがないようにしたいと思いますし、そういった意味では一定の要件なり留意点を示した上で、さらに申し上げれば、おそらく先生がおっしゃるように、PMDAに事前に相談といいましょうか、確認というか、そういったものを行えばさらにその確度は上がるのかと思っております。
○花井委員 これはレギュラトリーサイエンス相談のスキームですか。そうではなくて、また別途考えるということか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 そこは具体的にまた考えたいと思います。
○花井委員 分かりました。ありがとうございます。
○楠岡部会長 それでは、近藤委員、お願いいたします。その後に藤原委員、お願いいたします。
 近藤委員、どうぞ。
○近藤委員 ありがとうございます。近藤でございます。
 私も質問なのですけれども、教えていただきたいのですが、信頼性を担保する対応として個別の案件をパイロット的に検討を進められているということなのですけれども、先ほどおっしゃったように、個別案件だけだと漏れも当然出てくるかと思いますので、広い視野を持って検討することも必要になってくるかと思うのですが、全体像を考慮した検討をどのように進められるかとか、そういう今後の進め方について考えていらっしゃることがあれば教えていただけないでしょうか。
 以上です。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 御質問ありがとうございます。
 先ほど来申し上げますとおり、パイロット的にやったものについて、まず各論として個別事例に基づいた事例を一つ積み上げたいと思っております。それを広げる際にはいろいろなやり方があろうかと思いますが、それはまだ具体的なイメージは出来上がっておりませんけれども、何らかの検討する場ですね。例えば研究班を持つというのもあるかもしれませんし、業界や関係者を集めた検討の場だけでできるのかもしれませんけれども、そこはどのように膨らませていくのか。その際には一つの事例だけではなくてもう少し事例を積みつつ議論の場を重ねていくのかと。その辺りはこの先ですけれども、何らかの膨らませる場が必要だろうという認識はございますので、引き続きの検討とさせていただければと思います。イメージとしては、考えられるのは研究会の場あるいは何らかの検討会の場を設けるというのが通常のやり方ではないかと思っております。その際には当然いろいろな関係者の御意見を聞きながら進めていく形になると思います。
 以上です。
○近藤委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 それでは、藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 藤原です。
 これは質問ではなくて、先ほどの吉田課長の花井委員への回答のフォローを幾つか述べさせていただきます。
 まず、私は先進医療技術審査部会と先進医療会議のメンバーでもありますので、その長年の経験も踏まえてのお話と御理解ください。
 まず、花井先生が医師主導治験や先進医療でやっている臨床研究の話をされていましたけれども、やられている研究は、これまでの事例から見ると第Ⅰ相とかせいぜい第Ⅱ相試験までで、申請資料のピボタルになるようなレベルの試験をやってきていなかったという歴史はあります。その背景には、AMEDの研究費がどんなに多くても年間数千万、5000万とか6000万ぐらいまでで、第Ⅲ相試験を組もうとすると何十億、何百億というお金がかかりますから、そういう研究費が日本には存在しなかったので、申請に堪え得るような医師主導治験や先進Bなどはほとんどなかったという経過、背景があると思います。
 公知申請が使えないのは、公知申請は非常にいい仕組みではあるのですけれども、既に制度疲労が来ていて、これは再審査期間が終了している、再審査の結果が了承されているような、結果通知がちゃんと出ているような品目に限って使われる通知ですので、公知ではない再審査期間中のもので適応拡大などのものがはざまに落ちて現場では困っているという実態があることも知っておいていただきたいと思います。
 最後、先進Bとか特定臨床研究を今やっていて将来承認申請に使いたい方々、これはたくさんいますし、私も現場にいたときにはたくさんそういうものをやっていましたので、そういう申請をやりたいという思いはたくさんありましたので、これは吉田課長がおっしゃったように今後PMDAが、今はどうしても申請者、すなわち企業さんに対しての治験相談を重視することになっていますけれども、こういう仕組みがはっきりしてくれば、先進Bであったり特定臨床研究をアカデミアの方々が事前に妥当性について相談する枠を充実させる必要があるのではないかとは思います。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 私から1点お伺いしたいのは、この利活用に関しては、薬機法とか臨床研究法の法レベルの改正が必要なのか、あるいは省令レベルの改正で対応できるのか。もし法改正となるとそういつでもできるわけではないので、相当いろいろな準備をしてチャンスのあるときに一気にやらないとなかなか達成できないのに対して、省令レベルであればある程度その頻度は広がると思うのですが、この利活用に関してはどのレベルの問題になるのでしょうか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 もちろんこのパイロットなどを受けてまた引き続き検討しなければいけませんので、現時点で確固たることをお答えするのは難しゅうございますが、ただ、法律レベルまでの改正は必要ないのではないかと思っています。いずれにしても省令レベル以下で対応できるのではないかというイメージは持っております。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 そうしますと、パイロットスタディー等を積み上げる中で、徐々に範囲を広げていくということも可能であると。分かりました。
 この件に関しましては、ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、2番目の研究資金等の提供に関する情報公開につきまして、御意見があればお願いいたします。
 日本医師会の渡辺委員、どうぞ。引き続きまして、藤原委員、お願いいたします。
 渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺でございます。
 調査をしていただいたこと、大変だったと思うのですけれども、大変参考になると思うのですが、当初からこれは論点となっているところ、つまり情報提供関連費や接遇費を公表すべきということに関して、不正につながる蓋然性は低いという御結論のようでございますけれども、昨今の社会的状況を考えた場合に、接遇費を公表しないという根拠となるデータが不十分と思います。正確に言うとこの調査は100%の回収率はございませんし、ましてや適合して照合して金額を決めている企業も6割から7割弱、多くても8割という状況で、不正につながらないことを断定するのに対しては何となく釈然としないところがございます。結論も、多くの企業において大丈夫だとか現状ではガイドラインに基づいているという言葉を使っておられるけれども、あくまで回答された企業はというのが正しい表現だと思うのです。そうすると、これはこのままで対応できるということではなくて、私の意見としては情報提供関連費や接遇費も公表するべきではないかと考えます。
 以上です。
○楠岡部会長 御意見、よろしいですか。
○医政局経済課医療用物資等確保対策推進室長 渡辺委員からおっしゃっていただいた点、確かに調査結果ということで申し上げますと、そういうことかと思います。また御意見を受け止めさせていただいて検討するということかと考えております。
○楠岡部会長 それでは、藤原委員、次に山口委員、花井委員の順でお願いいたします。
 藤原委員、どうぞ。
○藤原委員 私も日医の渡辺委員と同意見でして、特に医機連の回収率1割、あるいは日薬連の多分製薬協を除く団体、一般薬とかジェネリックのメーカー等も含まれるのではないかと思いますけれども、そういうところの回収率が低い中で今回の情報公開範囲拡大は不要という結論はおかしいと思います。もし追加で調査されるのであれば、例えばこの接遇費や講演会等会合費、この定義は9ページに書いてありますけれども、接待の費用などはいまだにすごくたくさん出ているはずなので、ほかの金額、例えば奨学寄附金などに比べて接遇費が幾らあって、そのパーセンテージが例えば0.何%ならばいいですけれども、企業が拠出している金の10%や30%などが接遇費になるような状況であれば、そんなものを公開せずに、このCOIの中で検討せずにやるなどというのはあり得ないと考えます。
 以上です。
○楠岡部会長 それでは、山口委員、お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。
 私はこの調査結果が出るまでは拡大する必要はないのではないかと思っていたのですが、実際にこの数字を拝見しますと、答えていないところ、公表していないところがあることについては懸念を感じるところであります。
 そこで、調査された結果で教えていただきたいのが、11ページの最後のポツのところで、業界の透明性ガイドライン等に基づいた情報公開を行っているのが、日薬連では94%、医機連では約86%となっているのですが、これは現在の回答だと思うのですが、経年的に見ての変化として確実に増えてきているのか、ほとんど変わらないのか、もしその辺りが分かるようであれば教えていただきたいと思います。
○楠岡部会長 事務局、お願いいたします。
○医政局経済課医療用物資等確保対策推進室長 今の山口委員からのお尋ねですけれども、経年でのデータは取れておりませんので、現時点の数字ということになってございます。
○楠岡部会長 よろしいですか。
○山口委員 以前には例えば内部での調査もなかったのですか。委員の中で業界の方がいらっしゃって、方向性として増えてきているのか、あまり変わらない現状があるのか、もし御存じの方がいらっしゃれば御意見をお聞きしたいと思うのです。
○楠岡部会長 近藤委員、増田委員、もしお答えできればお願いいたしますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○近藤委員 近藤です。ありがとうございます。
 製薬協という形で考えましたら、100%対応させていただいている形になっております。他の団体に関しましてもガイドラインを周知して進めるということを伺っておりますので、経年的に見ても徐々に上がってきていると考えます。
 また、7枚目のスライドだと思うのですけれども、こちらの右下のほうに書いてありますように、今回質問されて回答した企業の中では、例えば製薬協の中でも23%が特定臨床研究に関与していない企業さんがいらっしゃる状況があって、また、日薬連全体で見てみると63.4%という形になっておりますので、そこら辺をきちんと整理していけば、特定臨床研究に関与しているような企業についての状況がはっきりしてくるのではないかと考えます。
 以上です。
○楠岡部会長 山口委員、いかがでしょうか。
○山口委員 ありがとうございました。
 そうであれば、その辺りを整理した資料を出していただけるのであれば、それを見て判断できたほうがいいのかと思いますので、もし事務局が可能でしたらお願いできればと思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 花井委員、お願いいたします。
○花井委員 ありがとうございます。
 皆さんから意見が出ていたので、かなりきっぱりおっしゃっていたので、僕もそこまで言い切るかどうか迷っていたのですけれども、一つはこの法ができた経緯として、基本的には皆さんちゃんとやっているものの、法の網の目がかかっていないせいで突出した事例が幾つか起こってしまったことを考えると、今の調査結果のデータが100%でない限り、そもそも法としてある種性悪説的な部分の規制的な側面があったことを考えれば、大体みんなできているからではそれから外す理由にならないというのは、藤原委員や渡辺委員の意見に賛同します。
 患者側の素朴な疑惑は何であったかというと、例えば奨学寄附金は良い枠組みではあります。しかしながら、講座に入ってそこの講座で教授がいろいろな活動をするのに、個人で使うのではないようにいろいろな用途がある。例えば僕らが考えるのは、その教授はお歳暮とかお中元をもらっているのかとか、講座ぐるみで食事会とかがあったときにメーカーが出資して、そのお金はメーカー負担なのかとか、講座とメーカーが結構懇意という状況の中で臨床研究がその講座で行われているなどがあるのではないかみたいな、そういう市民感覚があります。昔は利益相反という言葉がないので癒着という言葉をよく使ったのですけれども、そういった現象があるのではないかというところで、割と素朴な市民感覚の疑惑が払拭できないところがあります。
 それについて、情報公開することによってそうではないと明らかにし、それから、ある種の研究活動をする人たちが非常にそういうところは中立的にやっているのだなということを市民が分かることが重要だと思うのです。これら観点から、まだブラックボックス的なところが存在しているような調査結果なので、今回どうするかはともかくとして、これを問題なしとするのは問題であるというのが私の意見です。
 参考までに、平場で言うのは恥ずかしい話なのですけれども、お中元、お歳暮などはいまだにやっているのですか。あと、接待はかなり一時期問題になって減っていって、それが逆に研究資金という、形を変えたという歴史的経緯があったのですけれども、その辺、業界の方々は言いにくいとは思うのですが、心証でいいのですが、どのように一般市民は考えたらいいのでしょうか。
○楠岡部会長 お答えは。
○花井委員 答えにくいですね。
○楠岡部会長 私のほうから、情報提供関連費あるいは接遇費を公表している企業は調査の中であるわけですけれども、そこで出ているのは年間幾ら使ったかという総額を出しているのであって、接遇等に関しては誰に幾ら使ったという細かいデータは出ていない状況です。今、COIの申告等においては、講演費用に関しては企業側も個人名を出して公表していて、本人もそれを認識してCOIの申告をしているのに対して、仮に接遇費に関しても同じようなことをしようと思いますと、企業側から個人ごとの接遇費の内容を出していただかないと個人のCOIの申請と一致しているかどうかが確認できないという話になります。
 そうなってきますと、企業側からすると誰が研究に携わっているかどうか分からないので、一定額以上の方を全部公開する、しないことには意味がないということになってきます。そうしますと、前の講演費等の公開の時以上に相当いろいろな議論、特にもらった側からはいろいろな議論が出てくる可能性があります。臨床研究だけのことをターゲットにしたときに本当に必要とするのかどうか。例えば倫理審査委員会が個別に照会するということもまたなかなか難しいとは思いますが、この辺りを少しどうするか。
 そうすると、最終的にはアメリカのサンシャインアクトのような形でやらないと全く意味がないということになってしまいかねないので、企業側の総額の開示だけでは済まない話であることは認識しておかないといけないのではないかと。ですから、ここのところはどのようにするか、もう少し細かい議論が必要になってくるのではないかというのが私個人の感じ方であります。
 近藤委員、その後に掛江委員、お願いいたします。
 近藤委員、どうぞ。
○近藤委員 ありがとうございます。近藤です。
 花井委員から御質問をいただきましたので、お中元、お歳暮については、今、製薬協では一切認めておりませんので、提供していることはないと言えるかと存じます。一応コメントまでです。
○楠岡部会長 近藤委員、ありがとうございました。
 それでは、掛江委員、お願いいたします。
○掛江委員 ありがとうございます。
 先ほども楠岡先生がお話しされたので追加みたいになってしまうのですけれども、個人的に教えていただきたいのが、サンシャイン法みたいなものがないから、COIの問題があるからということで臨床研究法の検討がされた経緯があると思うのですけれども、結局今回御提案いただいた対応で、構成が全く違うので比べられるかどうか分からないのですけれども、サンシャイン法をつくって米国で確保できた研究の透明性や信頼性と同等の透明性がこの臨床研究法、新しく提案された形の運用で確保できるのかどうかという辺りはどのように整理されているのか、もし分かれば教えていただければと思ったのです。
 私の理解が間違っているのかもしれないのですけれども、サンシャイン法だとかなり細かい金銭のことまできちんと管理されているような印象でしたので、そういった意味では、そもそも論なのですけれども、なぜ情報提供関連費と接遇費があえて外される必要があったのかはずっと引っかかっていたものですから、もちろんいろいろ背景の違いはあると思うのですけれども、せめてというか、同等の透明性、信頼性が確保できることが望ましいのかと考えましたので、教えていただければと思いました。お願いいたします。
○楠岡部会長 事務局、お答えできますか。
○医政局経済課医療用物資等確保対策推進室長 今、掛江委員からの御質問に正面からお答えできる材料がない状況でございますけれども、法創設時におきましては、先ほどの11ページ目にもまとめで書かせていただいていますが、製薬企業等の自助努力や法規制以外の対応方法等とのバランスを考慮して検討を行った結果、現在の仕組みになっているところでございます。サンシャイン法との関係については少し確認をしたいと思っております。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
 サンシャイン法ができた経緯は、臨床研究の透明性という以前に、アメリカの場合、メディケアという高齢者医療は全額税金で行われているわけであります。そうしますと、医師に対して企業等からの利益誘導的なものがあると、それがトータルとして医療費の増大につながる可能性があるという観点から、医師がそういう企業等から、これは10ドル以上のものに関しては全て年に1回データベースに記載しなければならないと。そのデータベースが公開される形になっていると聞いております。したがいまして、もともとの経緯が少し違うのと、規模も相当違うので、今回の臨床研究法の範囲内にどこまで含み込めるか。最低限企業として総額幾ら出しているかという今のガイドラインを徹底していただくところから始めることになるのではないかと思います。
 花井委員、どうぞ。
○花井委員 品のない聞き方をして申し訳なかったのですけれども、結局のところ、薬機の検討でも、ある種処方誘導というか、例えば僕らの感覚からいうと、かなり競合している場合に講座ごとに大体地図があるではないですか。そのときに、MR活動の営業活動とか、リエゾンがちゃんと科学的で妥当な情報提供をしていてそれぞれの講座が医学的に判断して患者の利益だからそれをたまたま選んでいると建前はなっているのですけれども、僕らみたいな素朴な人間からいうと、そこの講座はこの企業と仲がいい、この講座はこの企業と仲がいいという現象に見えている。それが不正かどうか分かりませんけれども、明らかにこの前も頑張って御社の薬を私は日本一処方したいと思いますみたいな話が出てきているわけで、それは薬機のテーマでもあると思うのです。薬機でどこまでやるか、MR活動をどう規制するか、資材をどうレギュレートするかみたいな議論とあって、だから、臨床研究の公正性を担保するためというこの法の枠だけで議論し切れないようなところがあるかと思っています。
 そこは事務局で整理いただいて、例えば薬機のほうの議論との整合性も考えて全体としてこうするとか、臨床研究の正しさだけのためにここだけぎりぎりやるという感じはあってもそれはそれでもいいと思うのですけれども、ある種、規制行政の在り方の問題でもあるので、事務局で整理していただいて、今回ここでもういいという結論は出さないほうがいいかと思いました。
 以上です。
○楠岡部会長 花井委員、ありがとうございます。
 近藤委員、お願いいたします。
○近藤委員 ありがとうございます。
 花井委員のおっしゃることもごもっともで、私ども業界側としましても今後も適正に管理していく必要性はあると認識しております。
 参考までに御紹介させていただきたいと思うのですけれども、接遇費として製薬協の加盟会社で提供させていただいている額が総額に対して1%弱という状況だと伺っておりますので、コメントさせていただきました。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。
 今、花井委員から御指摘いただいた点が結構大きなポイントになるかと思いますので、この点に関しましては引き続き事務局で検討していただいて、今後の方針に関してまた御提案をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、時間の関係もありますので、次に医療機器に移りたいと思います。医療機器に関しまして、御意見はいかがでしょうか。
 北海道大学の佐藤先生、お願いいたします。
○佐藤(典)委員 佐藤です。よろしくお願いいたします。
 私は今ちょうど出ている16ページを見ながら御質問させていただきたいと思っています。2点御質問させてください。
 この検討の方向性に書いてある調査ですね。非常に大規模に実施されるようで、この成果を期待したいと思っているところではあります。ですけれども、この研究内容の下のほうです。集積した事例を特定臨床研究に該当する、該当しないと分類してと書いてあるのですけれども、そもそもこの特定臨床研究に該当すると分類できる基準は何なのか、あるいは誰が分類するのかが疑問だと思っていまして、この検討の方向性の1行目から2行目にかけて、許認可を受けたリスク分類やそれと同程度のリスクとみなせる場合をいろいろ調査したいということですけれども、同程度のリスクとみなせるのであれば特定臨床研究に該当しないという分類、判断にするのか、その辺がもう決まっているのか、私はよく分からなかったので、この調査には期待しますけれども、結果の解釈をどのように誰がするのかを教えていただきたいです。
 もう一点ですけれども、医療機器の難しさの中で、このページではない前のほうの検討内容で国際整合性というところが結構議論されていて、海外と日本で随分医療機器の扱いが違っているかもしれないという話があったのですけれども、検討の方向性の中には国際整合性といいますか、国際的な在り方と日本の在り方を検討した上で日本の在り方を検討しようという視点がないように見えるのですけれども、この国際整合性ということに関してどのように考えているかを教えていただきたい。
 以上2点です。お願いいたします。
○楠岡部会長 事務局、お願いします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 御質問ありがとうございます。
 1点目でございます。誰がどうというところなのですけれども、まずは当然現行の規制では適応外ということになれば特定臨床研究ということになるので、ここはこのようには書いてありますけれども、様々な視点で分類をしたときに、先ほど申し上げましたように、かなり現行の承認に近いような形で使われているとか、あるいは人に対する当たり方、「医行為」としての対象はどうか、いろいろな観点から分類をする形になると思います。これについては工学系の先生方、それから企業の方にも参加していただいていますので、そういった中で話合いをしながらある程度考え方に沿った分類や悩ましいどういう視点で物を考えたらいいのか、ここで結論を出すというよりも幾つかの論点に整理をして事例をお示しすることができるのではないかと考えておりまして、私どもも研究班をフォローしながら一緒に進めてまいりたいと考えております。
 国際整合性の観点については、御指摘のとおり検討の方向性にはうまく入れられておりませんでしたが、大変重要な御指摘だと思いますので、海外がどうなっているか、少なくともそういったところも次回以降の検討の場にはお示しをさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○佐藤(典)委員 ありがとうございました。
 前者のほうですけれども、この資料のつくり方だと何かもう答えが出てしまいそうな分類が決まってしまいそうな書き方なので、皆さんといろいろな場で検討するということで安心はしましたけれども、資料のつくり方、気をつけていただければありがたいかと思いました。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、次の論点に移っていきたいと思います。重大な不適合の公表の件でありますが、これについてはいかがでしょうか。
 これはもともと掛江委員から御発言があったところかと思いますが、掛江委員、いかがでしょうか。
○掛江委員 ありがとうございます。
 ガイドラインとの整合性は取っていただく方向で御検討いただいているということでしたので、これ以上は特にないのですけれども、個人的には素人としては文章に同じように「報告し、公表しなければならない」と、臨床研究法は臨床研究法なので、同じように文章に入っていると気持ちがいいなとは思いましたけれども、ただ、あちらは指針ですし、同じレベルの形できちんと公表を推奨してくださる、運用でできるということであれば、そういう運用はありなのかと理解をいたしました。
 以上でございます。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 日本医師会の渡辺委員、どうぞ。
○渡辺委員 渡辺でございます。
 今、掛江委員がおっしゃいましたけれども、17ページの検討の方向性のところが「推奨することとしてはどうか」という質問形式になっていたので、私の意見としては「推奨すること」にしていただきたいという意見を述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 それでは、5番目、CRBの要件に関するところへ移りたいと思います。御意見をお願いいたします。
 渡辺委員、お願いいたします。その後に山口委員、お願いいたします。
 渡辺委員からどうぞ。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺です。
 先ほど先進医療技術審査部会の資料を出していただいてありがとうございます。あの資料を出していただいた理由としては、厚生労働省はちゃんとある程度のCRBに対してのチェック機能があることを御提示していただいたほうがいいのではないかという意味でお願いした次第です。つまり、これはあくまでも臨床研究中核病院だけでございますけれども、その中の先進医療Bを一定期間、これは調査期間が短いのでこれだけをもって評価できるわけではないのですけれども、逆の言い方をすると、臨床中核病院の中でも先進医療Bを審議もしていないような病院がある。つまり、委員の中でおっしゃったと思うのですけれども、これをステータスとして持っていることに対して意味があると認識されているところもあるのではないかと思うので、せっかくの制度なのでこのような資料を経時的に提示していただく必要があるのではないかというのが一つであります。
 当然、CRBは臨床研究中核病院だけではございませんので、事務局が提案されたような見直しを本当は個人的にはもう少し厳しくやっていただきたいと思うのですが、おっしゃったように現状の制度が壊れてしまわないようにソフトランディングをしたいという御提案に関しては反対するものではございませんので、ぜひ少しずつ前に進めて改善していただきたいと思います。
 以上でございます。
○楠岡部会長 それでは、山口委員、続きまして、北大の佐藤委員、藤原委員、花井委員の順でお願いしたいと思います。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
 22ページの検討の方向性というところで、徐々に改善ということで、当面は新規1件以上、開催回数については毎年4回以上と御提案がございますけれども、現行11件ということを分かって手を挙げてCRBをつくっているわけですので、あまりにも最低限過ぎる要求ではないかと私は思います。
 ですから、その前のページ辺りの件数の調査の結果を見ていましたときに、例えば新規は中央値が4件ということからすると、新規は4件以上を求めると。それから、CRBの年間の回数ですけれども、4回以上ということになると3か月に1回ということになって、3か月に1回だと、CRBの審査の質の維持・向上をうたっているところで、CRBの審査能力が3か月に1度ぐらいでは上がらないのではないかと私は思います。ですから、できれば先ほど申し上げたように新規は4件以上で年間は7回以上ぐらいを最低求めていくことが必要ではないかと私は思います。
 その上で、もし要件を満たさない場合は検討の方向性に書いてあるように継続案件をほかのCRBに引き継ぐなど円滑な廃止に向けた準備を進めることに、ここは賛成したいと思います。
 厳しいと思われるかもしれませんけれども、臨床研究法に基づくCRBですので、一定の質を担保していただきたいという思いでございます。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 回答は後で事務局に一括して行っていただくことにして、次に北海道大学の佐藤委員、その後に藤原委員、花井委員、掛江委員でお願いいたします。
 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤(典)委員 佐藤です。
 今、山口委員に理路整然とお話しいただきましたので、繰り返しになるから申しませんけれども、私もこの方向性の新規1件、開催件数4件を見て、正直驚きました。段階的にという事務局のメッセージは非常によく分かりますけれども、ここまで下げてしまったのかというのが正直なところでございます。
 具体的な件数については議論はあっていいと思っているのですけれども、山口委員は先ほど中央値で4とおっしゃいましたが、多少中央ですと半分ではなくなるみたいなところになるので、私としては前にも申し上げましたけれども、3辺りがいいのかとは思っております。
 開催回数は、前にも申し上げましたけれども、やろうと思ったら幾らでもできてしまうのでこれ自体にそれほど重きはないのですが、4だと3か月に1回でいいですよというメッセージになりかねないので、これはさすがに低過ぎるかという気がいたします。
 新規件数についての考え方の一つの提案ですけれども、この認定審査委員会の任期が3年ということであれば、例えば3年間の合計で8件とか9件とか10件とか、そういう考え方があってもいいのかと思っています。年に2~3件しかやらないところは、年によって5件になったり2件になったりということがあり得ます。臨床研究中核病院の要件も、論文数や医師主導治験の数は3年間の合計なのです。これも医師主導治験ですから年でばらつきがあるからという配慮だと我々は解釈していますけれども、毎年例えば3件が厳しいということであれば、3掛ける3で合計3年間で9とか、そういう3年間単位の考え方があってもいいのかと考えました。
 私からは以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 次に藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 検討の方向性、22ページについて、皆さんの指摘されている新しいハードルについてのコメントと意見を申し述べたいと思います。
 意見のほうは、山口委員、佐藤委員がおっしゃっているところ、すぐ入れたいと個人的には思いますけれども、一方でロジを考えた場合に、来年からこれをすぐにやったら大混乱するので、今回は毎年1件以上、開催件数4回で、次の3年後の見直しのときには新規3~4件、実施回数7回以上にするとかという緩和措置のほうがやりやすいかなという気はいたしました。
 コメントとしては、この新規の審議件数のところですけれども、いろいろなところの話を聞いてみると、新規の件数を維持するために特定臨床研究としていまいちのような研究を審議にかけていたりするところもあるやに聞きますので、新規案件がまともな案件かどうかというのは、これは地方厚生局がチェックしているのか、あるいは臨床研究法のこの部会等でどんな新規案件をやっているのかを見ておくのか、何らかのセーフティーネットが要るのかと思いました。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 それでは、花井委員、お願いいたします。
○花井委員 ありがとうございます。
 この基準についてどんな形でソフトランディングするのかというのは、今、何人かの先生方がおっしゃって、それは現実に合わせてうまくやられるのでよいのではないかと思うのですけれども、筋の違う意見で恐縮なのですが、最初の案件にもありましたが、薬事との関係性というところで、今日は幸いにも吉田課長も藤原委員もおられるので、例えばIRBに関してはGCPに基づいてで見に行ったりしているわけですね。医政管轄でいえば再生医療等委員会というものもございますし、CPCに関してはPMDAクオリティーで見ているところ、GMPクオリティーで見ているところ、各ラボで持っているところ、トリプルスタンダードぐらいになっている。
 そういった形でちゃんとできる施設やちゃんと審査できるクオリティーは、何回見てもちゃんとできるとか、そういうところで、最終的には医政でやっている部分と薬事でやっている部分の整合性というか、できれば一括してアメリカのFDAのような形でPMDAがいろいろなことをやってくれるのが理想かと思っているのです。中長期的にそういうところを検討していただいて、極論をすれば、PMDAがCRBを認めたら3年ぐらいここは大丈夫だよとか、ここは毎年見に行くよとか、そういう見に行くほうのノウハウも一点に集約できるような形になるほうがクオリティーアップにはいいかと思ったりするので、いつもこの議論がいろいろなところで交錯しているのですけれども、中長期的で大きな政策としては、この臨床研究と薬事というところの整合性ですね。報告でもこの前ありましたね。30日以内なのか定期なのかと。そういうところで大きな視点で検討する場を設けていただいたらどうかという意見です。直接的な意見でなくてすみません。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 それでは、次に掛江委員、お願いいたします。
○掛江委員 よろしくお願いします。
 私自身も検討の方向性でまとめていただいたことに、現場の状況もあると思うので、特に大きく異論を唱えるつもりはないのですけれども、22ページの方向性の下から2つ目のポツの中で、今後のCRBの質の観点からも更新要件を検討すべきであるが、まずは定期的にCRBの活動状況を確認し、それらを分析した上で必要なと書いていただいていて、非常に気になっているのが、この活動をきちんと確認することについて、そういう体制ができているのかというところをぜひ教えていただきたい。例えばフルの議事録をきちんとつくって保管していなければ結局検証することもできないですし、そういうことを考えますと、必要に応じて例えば認定者というか、厚生労働省からその議事録を含め必要な資料の提出を求める、調査に必要なことを求めた場合にきちんとそれを出してきて検証できる仕組みづくりが現状でできているのかが非常に重要なのかと考えています。
 今、議事録公開になっているのか、議事要旨公開なのか、私は認識が曖昧で確認していないのですけれども、議事録の全てを公開するべきとは私自身は思っていないのですが、適切な議事要旨をまず公開することときちんとした議事録を事務局が保管していること、必要に応じてその議論の経緯とプロトコルの適切な修正であるとか、そういったことがいつでも確認できる仕組みをぜひつくっていただけないかと考えた次第です。
 以上でございます。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 御質問なのですけれども、この新規の審議件数は毎年1件と書いてあるのですが、委員会によっては努力義務の案件も見ている委員会がございます。ですから、こちらは特定臨床研究で新規のものを1件か、努力義務を含むのか等も明記していただければと思います。
 そこで、努力義務の研究について少し御意見を伺いたいのですけれども、努力義務の研究に関しては、CRBで見ている委員会と、そうでない指針のほうの委員会で見ている委員会と、施設によってまちまちだと個人的には聞いております。ですから、例えば思ったよりもかなり多くのCRBが設立された、しかし、特定臨床研究の数自体が少ないのでなかなか特定臨床研究としては新規の案件がないということでCRBが経験を踏むことができないということであれば、努力義務案件をCRBで審査するというように少し整理していただくと、CRBも新規の臨床研究を審査するところの経験も踏めます。
 努力義務のところを指針のほうの委員会で見てしまうと、本来特定臨床研究になるべきものが指針のほうで分類されてしまったりということも起こってきますので、厚労省としては努力義務の案件をどの委員会で見るべきかというところも併せて御議論いただければと思います。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 それでは、今までの議論に関しまして、まとめて御回答をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。
 まず、山口委員、佐藤委員から甘いのではないかという御意見を賜りました。私どももこの案がいいとは思っていないのですが、藤原委員、花井委員などから御発言もいただきましたように、現行の開催の状況、その中で誰が見ても駄目なところをまず更新の段階で御退場いただきたいという気持ちでございまして、今後状況を見ながら、CRBの質をよくしていく、よいところは支援をしていくという中で集約化をさせていただく、その過程の第一歩と考えておりまして、ぜひ御理解を賜れればというところです。
 佐藤委員から、3年間まとめて何件かというアイデアを頂戴いたしました。今回は本当に最低限で、さすがに新規の審査件数がない年があるということでは開催もおぼつかないと思いますので、ここは最低ラインとさせていただきたいと思います。今後、この件数が徐々に上がってきたときにさらにその上の件数のばらつきものを考えていく必要がありますので、そういった段階で今頂戴をした3年間のトータルをどう考えていくのか、また議論をお願いしたいと思います。
 藤原委員から、地方厚生局などを活用した上での新規の案件の中身の確認ということでございますけれども、現在3年目の更新に当たりましては、各所属をしている地方厚生局でどういった中身の審議があったのか、現在は開催件数が11回ということになっておりますけれども、各回どういう案件が審査をされたのかということについて、確認の上で更新をしているという体制がございまして、ここの部分につきましては地方厚生局の力も借りつつ、事務局できちんとしたものが審議をされていることについて確認をした上で、その部分について疑問がったばあいの扱いについてもきちんと整理をしていきたいと思います。
 それから、花井委員から非常に大きな観点での御指摘をいただきました。ありがとうございます。確かに今、法律自体は分かれておりますけれども、研究としてはヒトを対象として、医薬品、医療機器などの有効性、安全性の評価をしていくということがございます。例えば多施設共同の試験の取扱いなども含めてそれぞれちょっとずつ異なっているところもあると思いますので、今後よく審査管理課とも相談をしながら整合性を持った取組について検討していきたいと思います。
 掛江先生から活動の記録、フルの議事録についてのお話がありました。現時点で公開を求めているのは要旨という形になっておりまして、ただ、必要があればCRBのほうで議事録を、録音も含めて記録はきちんと取ってあるということですので、そこから確認が取れるとなっております。ただ、幾つかこれまでの御議論の中でも粒度の問題として、逐語あるいは御発言者が名前まで出る議事録まではいかないものの、現在の議事要旨ではあまりにも中身が分からないといった御指摘もいただいているところですので、ここについてはもう少し中身あるいは審議の経過が分かるようなものを出すように求めてまいりたいと思います。
 新谷先生から、努力義務の取扱いについてお話を頂戴しました。規定としては今回最低限ということにさせていただいておりますので、そこは特定臨床研究を見ていただくという必要があります。また、努力義務のものについて、法律上どちらにというものが決まっているわけではないのですけれども、当然CRBのほうが見ていただくような機会があれば質が上がっていくというのは御指摘のとおりですので、それはそのような機会もぜひ活用していただくような形でこちらからも周知をしていきたいと思います。
 以上でございますが、お答えし切れていない点がございましたら御指摘をいただければと思います。
○楠岡部会長 山口委員。
○山口委員 ありがとうございます。
 今の御回答をお聞きして、あまりにも最低限ということで正直がっかりしておりますが、もしこの基準でいくのだとすれば、今後段階的に見直す方向性であることや、高い目標を目指してほしいというメッセージをぜひともきちんとつけていただいて、最低限でいいとならないようにしていただきたいことと、きちんとしていないところに退場していただくという方向性を示していただきたいと思いました。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 それでは、掛江委員、お願いいたします。
○掛江委員 私の質問が言葉足らずだったかもしれないので補足で伺いたいのですけれども、議事録とそういったものを使って調査していく、活動を確認していくことが重要だと思うということで申し上げたのですが、認定をしている厚労省なりに調査権限みたいなものがきちんとあるのかどうかを併せて聞きたかったのですが、調査権限などがもしあるのであればそれをフルに使っていただいて質の向上のためにいろいろしていただければと思っているところなのですが、もしないということであれば、何かきちんとこの機会に御検討いただけないかと思った次第です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。
 掛江先生からの御質問ですけれども、法の違反を生じかねないような、あるいは生じている懸念があるようなものについては、立入りが規定としてございますけれども、それ以外は更新の際に何を確認させていただくのかということで、これは立入りとかではありませんけれども、その際に御提示いただく必要な資料を今後どのようにしていくのかという辺りにかかってくるかと思いますので、またその詳細についてはこちらでも整理をさせていただきたいと思います。
 山口先生、非常に甘い形になって大変申し訳ないのですけれども、先生に御指摘をいただきましたように、私どもとして、これは本当に最低限で今後はもうこれを上げていくのだ、そういう心づもりで今日御提示をさせていただいたものでございまして、その点についてはきちんと資料にも残させていただきたいと思います。
○楠岡部会長 新谷委員、がんセンターの佐藤委員、お願いしたいのですが、後の議題もございますので、手短にお願いいたします。
 新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 ありがとうございます。
 努力義務の件に関しては各委員会に周知いただけるということで、ありがとうございます。ただ、周知の形によってはどこまで各委員会に本気で取り組んでいただけるかは分からないところもございますので、できれば継続の要件に努力義務のほうも加えていただけましたらと思います。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(暁)委員 今後数を絞っていくということだと思うのですけれども、残った側のCRBの立場からいうと、潰れたところの審査は残った委員会が引き継いでいくことになって、前回も要件を満たさなかったということがあったようなときにどのように引き継ぐのかというのは結構問題になって、特に例えば審査料などは最初に一括で払っているものがあって、受け取った側はそれをもう一回研究者に請求したらいいのかとか、元のCRBに請求したらいいのかとか、すごく混乱した覚えがあります。ですから、今後絞っていく方向性はいいとは思うのですけれども、そこの辺りのどうやって引き継ぐのかという整理も一緒に検討いただければと思います。
 以上です。
○楠岡部会長 どうぞ。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。
 努力義務のものについては、法律上規定はないという中で、まずは推奨していく形でと思います。
 引継ぎについては御指摘のとおりで、いろいろ論点もあるところかと思います。既にCRBの様々な事業の中でそういったところが議論にもなったりしているところがございますけれども、今後明示的に推奨できる方法などお示しできるところの成果が上がってくれば、またお知らせできるように取り組んでまいりたいと思います。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 まだまだ御意見があるかと思いますが、先へ進ませていただきます。
 次に、資料1-2に関しまして、まず事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 資料1-2、23ページからを御覧ください。「臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の中間とりまとめの方向性について」ということで、本日資料を御用意させていただきました。
 おめくりいただきますと目次がございますけれども、ここの各検討項目について御覧をいただきますと、これまで幾つか論点ということで順次何回かに分けて御議論をいただいた項目を載せさせていただいているということになります。こちらにつきましては、今回中身の詳しい御説明はいたしませんけれども、一通り各論点について御意見を頂戴したところになりますので、これまでの検討状況について一度取りまとめをさせていただきたいと考えておりまして、今回は資料のイメージを御確認いただくというような中身になっております。
 「はじめに」「基本的な考え方」とありますけれども、各項目につきましてはこれまで御議論をいただいた資料、頂戴した御意見、種々資料にまとめてまいりましたが、それをおおむね引き写すような形で取りまとめを書かせていただいております。
 例えば29ページ目などを御覧いただくと、今日御議論をいただくものについてはまだ白紙という形にさせていただいておりますが、おおむねこれまでの御意見、本日頂戴したものも含めて今後この形で少し文言などの整理をしてまいりながら、次回11月にはこの中身について御議論をお願いしたいと考えております。
 こういった御議論の中で、届出・変更手続の合理化あるいは届出のオンライン化などにつきましては、特に大きな異論なく方向性は御確認いただいたところかと思いますので、今後そういった手続を進める上でも一度御意見の取りまとめ、多くのものが検討を引き続きする、どういった観点で検討するのか、そういったところを少しお示しするような形になろうかと思いますけれども、そういった形での取りまとめをお願いできればということで、本日は予告といいますか、右上に「未定稿」と書いてございますとおり、中身は資料を引き写したという体でつくっておりますが、次回に向けてまた整理をしたものを次回以降で御審議をいただきたいというものでございます。
 事務局からは以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から説明がございましたように、最終的に取りまとめるときの形の案の提示ということで、内容に関しましてはこれまで議論いただいたところをそのまま引き写している形になっているかと思います。資料がかなり分厚いことと、申し上げましたようにこれまでの議論の集大成的なところがございますので、これは御一読いただいて、今までの議論に入っていたはずがここで抜けているとかという点、あるいはその後の情勢の変化等で新たにもう一度議論を足したほうがいいような点等ございましたら、事務局へ御連絡をいただきたいと思っております。
 それを踏まえまして、今ここで何か御指摘すべきというところがございましたら御指摘いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、もう一度これまでの議論との比較をしていただきまして、問題点等ございましたら事務局にメールなりで御連絡をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、議題2の「臨床研究中核病院の取組について」に移りたいと思います。
 事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 資料2、44ページからを御覧ください。
 今回、臨床研究中核病院の概要とその取組状況ということで、各臨床研究中核病院から資料を作成、御提示をいただいたものでございます。
 45ページから御覧いただければと思いますけれども、順次北海道大学から、今、臨床研究中核病院になっているうち令和元年度に業務報告を御提出いただいた臨床研究中核病院に、その時点の情報を基に作成をいただいたものということになります。
 「病院概要」の辺りについては病院の概要ということになりますが、臨床研究中核病院の人的要件を満たしているという辺りは御確認いただけると思いますし、特に病院として特徴、ビジョン、どのような方向性で中核病院としての業務を進めておられるのか。
 46ページに行っていただきますと「支援内容の紹介」ということで、具体的な業務の中身、研究実績、AROの支援実績などの一部は臨床研究中核病院の更新要件の御確認にも見ていただけるものと考えております。
 47ページ、「先進医療への対応」、先ほどもございましたようにCRBでの審議をいただくことで先進側の手続が簡略化というところもありますし、国際共同治験あるいは治験の実施状況、また、ベンチャー企業への支援の実施状況、一部AMEDの事業もございますけれども、それぞれ特徴、得意分野を生かすような形での取組をされているということで、このたびこういう形の資料をおまとめいただいております。
 各病院の最後の部分は、実はこれは自由にアピールしていただきたいという気持ちで欄をつくりましたけれども、まさに臨床研究中核病院は医薬品、医療機器の治験であるとか臨床研究を日本をリードして進めていただくという観点もございますので、例えば薬事承認に結びついたとか、実用化に向けた具体的な事例みたいなものがあれば、あるいは病院で非常に大きな成果とお考えになるようなものがあれば、そういったものをお示しいただくということで各病院に作成をいただいたものです。
 こちらにつきましては、もともと今年の6月のこの部会の中で、各臨床研究中核病院からの定期報告の御報告をさせていただいたときに様式としては御覧いただいたものです。6月の議論では更新要件を満たしているかどうか非常に外形的な議論だけしかお願いできない状況になっておりまして、せっかく臨床研究病院、非常にいろいろ取組をなされている、そういったことについて個々の評価というよりは、単に条件を満たしているのみならずそれを上回る形での様々な取組があることをぜひ御覧いただきたいということで様式を作成したものでございます。今回まとまってきましたので御紹介をするということで、これも時間がございますので個別には御説明はしませんけれども、ぜひそれぞれの活躍を御覧いただければと思います。
 今後について、中核病院には御負担をおかけすることになりますが、定期報告に際して毎年この形での資料をおまとめいただいて、少なくとも更新要件を満たしているのみならず今申し上げたような中身についても御覧いただきながら、個別のというよりは今後の臨床研究中核病院の在り方なども含めて御議論の参考としていただけるようにということで考えております。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
 この資料に関しまして、体裁あるいは今後どういう点を加えたらいいかというところで、特にがんセンターの佐藤先生、北海道大学の佐藤先生、東京大学の渡部先生、各委員、臨床研究中核病院の立場からもし御意見等があればお願いしたいと思います。
 がんセンターの佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(暁)委員 ありがとうございます。
 まず、このフォーマットがすごく分かりにくくて、今年から変わった要件に従って書いているのですが、実績は前年までのもので、当院の実績も論文の書き方が他拠点と違ったということで今気づいたので、後で訂正をお願いできればと思っています。
 趣旨はよく分かって、サマリーで見ていただくのはとても大事だとは思うのですけれども、我々臨床研究中核病院は実績報告書の1000ページを超えるものを10月に出して、今AMEDのサイトビジットを行っていて、それにもかなり膨大な資料をつくっていて、その後地方厚生局の立入調査で、これはまた違うフォーマットで同じ実績のものを膨大な提出資料を求められていて、今年はないのですけれども立入調査もあってと、物すごく書類の仕事で同じ内容のものを繰り返し違うフォーマットで出すことを強いられています。また、この臨床研究中核病院の実績報告書もフォーマットが今年から物すごくつくるのが大変になったのです。論文実績など物すごく大変で、一件一件ICD-10で疾患の分類を入れたり、参加施設数を論文とか臨床研究の実績を全部入れるというかなり大変な作業が増えて、いろいろなところで御紹介いただくのはすごくこちらとしてもいいこともあるのですけれども、負担感が前からいろいろな拠点がお願いしているにもかかわらず全く減らず増えていく一方なので、ここら辺に関してはぜひ御配慮いただけたらと思います。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 私もAMEDの拠点のほうのPSをしていて、とにかく報告する内容が多過ぎて何らかの統一ができないかという意見はよく聞かされておりますので、その点も含めて今後の検討課題とさせていただきたいと思います。また事務局のほうもよろしくお願いいたします。
 それでは、北海道大学の佐藤先生、あるいは東京大学の渡部委員から何か御意見はございますでしょうか。
○佐藤(典)委員 北大の佐藤です。ありがとうございます。
 今、暁洋先生がおっしゃったことが全てなので、それ以上申し上げることはございません。数字に関しては、うちの事務の者も言っていたのですけれども、どういう数字を書いたらいいのか解釈が難しいところがあって、出来上がったものを見たらうちの書き方が違ったのかななどというのがありますので、技術的なところなので、順次うまく標準化していけばいろいろ比較しやすくなるのかと思います。
 あと、特徴がそれぞれあって出してということで、それはそれでありがたいことでいいのですけれども、臨床研究は特徴も大事ですが、標準化してきちんとしたことを正確にやるというのが実は一番大事なポイントでありまして、そこら辺をしっかり評価した上で特徴という形で考えていただければと思って、特徴を無理やり出すようなというのは僕の中ではどうかと思っていまして、臨床研究は本当に法や規制、レギュレーションに準じてきちんとしたことをやるのがまず一番だということを、この部会の委員の先生方にもそこら辺を十分理解していただければありがたいかと思っています。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 東京大学の渡部委員、いかがでしょうか。
○渡部委員 ありがとうございます。東大の渡部です。
 両佐藤委員がおっしゃったこととほぼ同じになってしまうのですけれども、北大さんが123名体制を抱えているのに対して当院は24という数字を出して、これは恐らく数字のカウントの仕方がそれぞれの施設によって判断が違ってきているので乖離があると思うのですけれども、せっかくつくるので各中核病院のきちんとした比較ができるように、そういうカウント方法についても少し整理がまだ必要なのかと感じました。
 それから、多少負担はありますので、ぜひこの資料を生かしていただけるような方向で持っていっていただければと思いますし、中核病院の要件等も人員体制のところと多少変更になっておりますので、それでどのように人が変更になったのかも見ていただいて、また新たな要件の変更等につなげていただけるとありがたいかと思っています。
 以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
 ほかの委員の方から何か御指摘等ございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 事務局から何かコメントがあればお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。
 臨床研究中核病院の先生方には御苦労をおかけして、すばらしい資料をおつくりいただいてありがとうございました。
 御指摘のように、私どももいろいろ調査をお願いすることが多いところもございますので、楠岡先生からもお話しいただいたように、AMEDともよく協力をしながら、資料の重複は避けさせていただきたいと思います。
 一方で、外から見たときに臨床研究中核病院はきちんとやっているねと。これは先ほど御指摘をいただきました業務報告は全て私どものホームページにも出させていただいておりますし、スタッフでかなりしっかり確認をさせていただきますが、法律に基づく確認も厳然とございまして、その辺りは御理解をいただきながら、ただ、重複のあるものについて合理化するというところについては実施をさせていただきたいと思います。
 標準化あるいは特徴という辺りなのですが、当然臨床研究中核病院であられますので、ルールに沿った研究の実施は当然の前提として、その上でむしろ研究の中身のバラエティー、こういったところに着目をしていただければという趣旨で申し上げましたが、説明が不足していたところがありまして、申し訳ございませんでした。
 要件の変更など、今後も絶え間ない見直しが必要になってまいりますが、非常に分かりやすい資料としておつくりいただいたものとして、工夫もしながらまた進めてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○楠岡部会長 これに関しまして、ほかに御意見はございませんでしょうか。
 各臨床研究中核病院に大変御負担をかけているのは重々承知の上でありますけれども、このような資料が言うならば臨床研究中核病院の重要性、臨床研究のみならずいろいろなところに関する重要性をアピールする資料になりますので、それを基に厚生労働省としても財務省から予算を獲得する一つの手だてということにもなりますので、御負担は大変だと思いますけれども、今後とも引き続き御協力をお願いしたいと思います。
 また、これが我々臨床研究部会としてもちゃんとやっているということの結果の示しにもなるかと思いますので、部会長としましても御協力をお願いする次第であります。よろしくお願いいたします。
 それでは、特に御意見がなければ議題3の「その他」に移りたいと思いますが、事務局から何かございますでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 今回は特にございません。
 次回の開催につきましては、改めて御連絡申し上げます。
 事務局からは以上となります。
○楠岡部会長 それでは、本日5つの議論に関しまして、特に最後のCRB、少し時間が足りなくて十分御意見を聞けなかった点があるかと思いますが、取りまとめと併せまして御意見がありましたらぜひ事務局へお寄せいただきたいと思います。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。
 お忙しい中をどうもありがとうございました。