第149回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和3年4月16日(金) 13:00~14:00
 

場所

 オンラインによる開催
 厚生労働省 省議室
 

議事

議事内容
○伏木雇用保険課長補佐 皆様、御参加いただきありがとうございます。厚生労働省雇用保険課の伏木であります。
開催に先立ちまして、毎度のことでありますけれども、オンラインの御案内を差し上げます。
本日もですが、新型コロナウイルス感染症蔓延防止の観点から、部会長以外の委員の皆様には、Zoomを御利用して御出席いただいております。部会の進行中、委員の皆様のマイクはオフとさせていただいていますけれども、事前に送付しておりますZoomの参加方法も御覧いただいて、発言する際には挙手をしていただきまして、部会長の許可があった後にマイクをオンにして御発言いただくということでお願いいたします。
また、会議進行中に通信トラブルで接続が途切れてしまった、音声が聞こえないなどトラブルがありましたら、チャットでも構いませんし、お電話番号を御案内しているかと思いますので、そちらまで御連絡ください。
また、通信遮断が続くような場合には部会を一時休憩ということもありますので、御容赦くださいますようお願いいたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症蔓延防止の観点から、会場人数を抑えるということで、傍聴の方々も別会場でオンラインで御覧いただいております。傍聴の皆様におかれましても御理解いただきますようお願いいたします。
私からの説明は以上となりますので、進行は部会長にお願いいたします。
○阿部部会長 それでは、ただいまより第149回「雇用保険部会」を開催したいと思います。
初めに、委員の交代がございましたので、御紹介いたします。
使用者代表として、日本商工会議所産業政策第二部長の大下英和委員に御就任いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員の出欠状況ですが、労働者代表の小林委員、使用者代表の深澤委員が御欠席となっております。
事務局の方ですが、田中職業安定局長、長良雇用保険課長、宮原雇用開発企画課長が遅れて参加と聞いております。
また、所用により志村審議官が途中で退席すると伺っております。
それでは、早速ですが、議事に移りたいと思います。
本日は議題が1つ「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。
本件は、厚生労働大臣から労働政策審議会長宛てに4月16日付で諮問を受けております。
まずは事務局から資料について説明いただき、その後、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
では、事務局、お願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 では、私、伏木から資料に沿って御説明差し上げます。
会場の皆様はタブレットが議事次第になっているかと思いますけれども、戻って資料の一覧を御覧ください。
私からは、まず資料1-2の概要という紙を使って御説明しますので、資料1-2をお開きください。
表紙がございまして、1ページ目にワードで細かい御説明がありますが、2ページ目の表を使って御説明をいたします。
こちらは5月・6月の雇用調整助成金ないし休業支援金等で、3月25日に厚生労働省から今後の対応方針の予定ということでプレスリリースしたものがベースになっています。本日、正式にきちんと法令を改正するために、皆様に省令案の要綱をお諮りすることになっております。
この資料ですけれども、左が「雇用調整助成金等」、右側が「休業支援金等」になっております。
まず、左側の雇用調整助成金について簡単に触れますと、雇用調整助成金は4月まで、中小企業の方々は最大10分の10という手厚い措置をしていました。大企業は原則4分の3ないし3分の2ですが、地域的に厳しいところ、業況が厳しいところは10分の10としている。これについて、5月・6月は原則的な措置のところを一段階下げることで、中小企業については助成率は最大で10分の9、上限額1万3500円という形にする方針になっています。ただし、その上で地域的に感染が厳しいところ、業況が厳しい企業については引き続き10分の10の措置をすることになっています。
こういう措置を踏まえまして、雇調金の特例として作っております休業支援金につきましても同じような対応を考えています。休業支援金は、もともと支給率は8割、上限は1日1万1000円でやっていましたけれども、5月・6月は原則的な措置のところ、上限額を1割下げる形で9,900円としております。給付率は8割で、変更なしと考えています。
その上で、特例の部分ですが「地域特例」を入れていく。具体的には、左側の雇調金にまた戻って恐縮ですが、今、また追加の話も出ていますが、まん延防止等重点措置実施地域で知事による要請を受けて営業時間の短縮等に協力する事業主ということであります。
こちらは注書きに自治体の名前が並んでいますけれども、要は知事がこの地域でこの期間ということで指定して要請をしたところ、過料つきのまん延防止重点措置を要請したところであります。そこにつきましては、上限額を1万1000円という形にしますというのが右側の表です。
なお、雇調金は業況に応じた特例を設けておりますけれども、休業支援金は個人から申請をいただくということなので、なかなか会社の経営状況の資料をつけてもらうのも難しいところがあるだろうということで、地域特例のみの実施で考えております。
また、次のページは支給実績ということで、お求めもありましたので、お示しをしております。これまでの累計で、支給申請はおおよそ160万件。支給決定は118万件。支給決定で言いますと、929億円という金額になっております。これも休業支援金と給付金というところで言うと、どちらかと言うと給付金のほうが使われています。
では、資料を1つお戻りいただきまして、資料1-1で省令案の内容について簡単に御説明いたします。
2ページ目は、田村大臣からの諮問文であります。
3ページ目から、省令案要綱になっております。
第一の一の2の部分です。こちらは休業支援金の日額の上限につきまして(2)で令和3年5月1日から6月30日までの間は9,900円にするというものであります。
その続き、二が特例の部分になりまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法で、ページが変わっていきますが、31条4第1項第2号云々に掲げる区域がまん延防止等重点措置であります。これは政府が示した区域のうち安定局長が定める区域ということで、ここは都道府県知事が具体的に指定して要請した区域で考えております。
3行目にありますが、基本的対処方針に沿って行うインフル特措法施行令の11条1項に規定する施設の営業時間の短縮等々の要請を受けて休業させた事業主ということであります。要すれば、知事がここについては特にということで指定して要請をしたところで、基本的対処方針に載っております各種の要請を受けた休業に対して支給をしますということであります。その場合には、一番最後にありますが、上限額を1万1000円にしますという省令にしております。
省令は公布の日から施行で、本日御審議いただきまして御了承いただければ公布ということで考えております。
私からの説明は以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がございましたら、お願いしたいと思います。
それでは、仁平委員、お願いいたします。
○仁平委員 仁平です。どうもありがとうございます。
雇用保険財源の枯渇が進んでおりますので、国庫負担の本則への回帰と一般財源のさらなる繰入れについて、政府内でぜひ御調整いただいくことを強く要望したいと思います。
また、本日御説明いただいた雇調金と休業支援金について、5月・6月に一段引き下げるという説明がございました。現下の変異株の広がりなど、コロナ禍が7月になったら収まっているとは言えないと思っております。今回、示された措置が5月から適用されるとなった場合には、この水準での支給を当面は維持していただき、さらなる引下げは見合わせるべきであることを意見として申し上げておきたいと思います。
以上です。
○阿部部会長 仁平委員、御意見いただきましてありがとうございました。
それでは、続いて、平田委員からお願いいたします。
○平田委員
雇用情勢を慎重に見極めながら、休業支援金・給付金を段階的に削減していく今回の改正については異論ありません。
ただし、これは個人に対する給付で、特例的に創設されたと理解しております。先日、雇調金の不正受給に関する報道等もありましたが、個人に対する給付である休業支援金・給付金につきましても、引き続き、不正受給の場合の厳格な対応とかを徹底していただきたいと思います。
最後に質問です。先ほど資料1-2の最後のページの表で御説明いただきました、原則的措置を1割ずつ減らしていくという点について、こちらの雇調金の原則的な措置が本則に戻ったときに休業支援金はゼロになると考えていいのかどうか、ご質問させていただきます。
以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございました。
御意見と御質問をいただきました。
では、まず、質問をお願いいたします。
○長良雇用保険課長 休業支援金の取扱いとして、雇調金のいわゆる特例水準が元に戻った場合でございます。
法令上どういう形になっているかといいますと、雇用調整助成金の特例の中で上限額の超える部分、つまり、今は1万5000円になっているわけでございますけれども、その1万5000円に達するまでの部分について一般財源を入れる仕組みになってございます。この一般財源を入れる仕組みが、休業支援金の制度がある限り続く形で令和2年度、令和3年度の特例として位置づけられているということでございます。
したがいまして、実はこの部分については制度上、ある意味で歩調が合っているような形にはなってございますが、どういう形で今後、いわゆる段階的な水準に戻していくという形を取るかによって、いつまでというのが変わってくるかと思います。
以上です。
○阿部部会長 平田委員、いかがでしょうか。
○平田委員 承知しました。ありがとうございます。
○阿部部会長 ありがとうございました。
それでは、大下委員、お願いいたします。
○大下委員 ありがとうございます。
今回の休業支援金・給付金の改正の部分ですけれども、基本的な制度である雇調金の補助的な役割という位置づけであると思っております。そういう意味では雇調金の改正に合わせる形で、感染拡大がまだ懸念される一方で、地域によって感染の状況も大分差が出てきていますので、上限額の縮小をしながら、また、地域の特例を設定して継続をしていくのは妥当な措置ではないかと理解をしております。
今の平田様のお話にもありましたけれども、これから先のことを考えた場合にどういう形で続けていくのか、あるいは縮小していくのかを検討する上でも、やはり支給の実績を踏まえて、政策目的に見合った効果がどれだけ出ているのかというところを適宜検証して次の判断に備えていただく必要があるかと思っております。
また、計算方法や利用の方法が、やや難しい部分、理解がしづらい部分が依然としてあろうかと思っております。せっかくの制度ですので、利用がしっかり進むように、今回改正になった部分も含めて、企業、労働者双方に分かりやすく丁寧な周知をぜひお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。
ほかに御質問、御意見いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、御意見いただきましたが、当部会としては「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、おおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○阿部部会長 ありがとうございます。
それでは「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」の報告文案を画面に表示しますので、御確認をお願いいたします。
(報告文案表示)
○阿部部会長 ただいま画面上に報告文案が表示されていると思いますが、御確認いただけましたでしょうか。
それでは、ただいま画面に表示されている報告文案によって職業安定分科会へ報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○阿部部会長 ありがとうございます。
それでは、この報告文案で後ほど開催されます職業安定分科会に報告したいと思います。ありがとうございました。
本日の議題は、以上となります。
この機会に御発言のある委員はいらっしゃいますか。よろしいですか。
それでは、本日の雇用保険部会が現在のメンバーで行う最後の部会となりましたので、田中職業安定局長から御挨拶をいただきたいと思います。
○田中職業安定局長 職業安定局長の田中でございます。本日はお忙しい中、御議論をいただきましてありがとうございました。
阿部部会長からもございましたように、本日がこの体制での最後の雇用保険部会となります。この2年間を振り返りますと、雇用保険法につきましては臨時特例法を含めまして2度の改正に係る御議論をいただきました。
昨年、3月の改正では育児休業給付を失業等給付から独立させ、経理も区分して管理することとしたなど、これまでの財政運営の転換となり得るような内容について御議論いただいたところでございます。
また、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用に関しては、以前から雇用保険部会報告書において中長期的な観点から検討していくべきとされておりましたけれども、検討会からの報告も踏まえて部会でも様々な御議論をいただき、65歳以上に限定する形で実施することとなりました。これもひとえに委員の皆様の御尽力、御協力のたまものでございます。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響等への対応につきましては、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の創設や雇用調整助成金等への一般会計繰入れ規定の整備を行わせていただきました。
昨年度は、新型コロナウイルス感染症休業支援金・給付金の累次の制度改正など、例年にない頻度での部会の開催となりました。委員の皆様におかれましては、大変御負担をおかけいたしまして、御協力いただきましてありがとうございました。
また、本日もそうですけれども、部会の開催方法についても、コロナの影響を受けてオンラインでの開催が中心となりました。事務局としてもなかなか至らない点も多くあったかと存じますが、そのような状況の下で委員の皆様に大変御協力を賜りまして、この点についても心より感謝申し上げます。
今回、御退任をされる委員の皆様におかれましては、今後とも職業安定行政に対する御指導、御鞭撻をお願いするとともに、これまでの御尽力に重ねて心より御礼を申し上げます。
また、引き続き委員をお引き受けいただく皆様におかれましては、今後も新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響について慎重な対応が必要と考えておりますので、引き続き御指導を賜りたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。本当にありがとうございました。
○阿部部会長 それでは、予定されている議題は以上で終了いたしましたので、本日の部会はこれで終了いたしたいと思います。
本日もお忙しい中、御参集いただきまして、どうもありがとうございました。