第22回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

令和元年12月25日(水)14:00~16:00

場所

中央合同庁舎5号館 講堂(低層棟2階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

(1)ワクチンの研究開発について
(2)ワクチンの安定供給について
(3)その他
 

議事

 

 

○元村予防接種室長補佐 定刻になりましたので、第22回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会を開催いたします。本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、傍聴の際の留意事項の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
 続きまして、本日の委員の出席状況について御報告いたします。奥田委員から御欠席の連絡を受けております。本日は委員10名のうち、9名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により、定足数を満たしておりますので、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 本日は議題に関する意見をお伺いするため、ワクチン製造関係者として、日本ワクチン産業協会の石川様、日本製薬工業協会の今川様、米国研究製薬工業協会の櫻井様、欧州製薬団体連合会の松本様を参考人として御出席をお願いしております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。それでは、ここからの進行は、伊藤部会長にお願いいたします。
○伊藤部会長 皆さんクリスマスの日にお出でいただきましてありがとうございます。外国資本の方にとっては、ホリデーシーズンのまっただ中ですし、年末のお忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
 早速議事に入らせていただきます。ワクチンの研究開発について、事務局のほうから御説明をお願いします。
○元村予防接種室長補佐 その前に、資料の確認と参加規程の御説明だけさせていただきます。お手元のタブレットの番号01の議事次第、委員名簿、番号10の利益相反関係書類のほうを確認しておりますので不足の資料等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 次に、審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御出席いただきました委員、参考人から予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取り状況、申請資料への関与について御申告をいただきました。各委員、参考人からの申告内容については、タブレット資料の10を御確認ください。本日の議事内容において、個別に調査審議される品目はありませんので、議事への不参加に該当する方はおりません。以上です。
○伊藤部会長 失礼いたしました。ワクチンの研究開発についての御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
○阪口予防接種室長補佐 それでは、事務局から御説明をさせていただきます。まず、開発優先度の高いワクチンの研究開発についてというところで、資料1の6ページをお願いいたします。委員の先生方、経緯はよく御存じかと思うのですが、本部会におきまして、開発優先度の高いワクチンというのが選定をされまして、それが予防接種に関する基本的な計画の中に現在入っています。資料7ページ、この開発優先度の高いワクチンについては、企業の方々に開発要請をさせていただいております。
 8ページ、本部会におきまして、2014年から2015年にかけて、その時点で開発優先度の高いワクチンを開発されていた企業様に、様々なヒアリングをさせていただいたところです。9ページの真ん中辺りです。研究開発生産・流通部会では、2017年3月から、業界団体さんからもヒアリングを計4回実施しております。
 11ページ、昨年度の基本方針部会の資料です。現時点の予防接種に関する基本的な計画に基づく実施状況といたしましては、真ん中の赤字の所、開発優先度の高いワクチンの開発について、企業の方々に協力を依頼し、各製造販売業者において、開発を進めているという状況になっています。
 次の12ページです。今、2019年12月現在、この開発優先度の高いワクチンを開発されている企業さんをまとめたものが、この12ページの表になっております。今、数年たったところでございまして、企業さんが変わったりとか、開発品目が変わっているというような状況があります。
 13ページです。本部会で2017年からヒアリングをさせていただいた業界団体さんからのヒアリングの結果、今回新たに優先度の高いワクチンの開発を行っていらっしゃる企業さん数社に対して、事務局のほうでヒアリングをさせていただきまして、その結果を資料にまとめております。まず13ページの表の真ん中の枠の所が、企業さんで一番多かった御意見になります。「開発優先度の高いワクチン」を開発する企業のメリットを明確にしてほしい。これはどういうことかといいますと、開発優先度の高いワクチンというのを選定はされているのですが、それと例えば定期接種になるのか、ならないのかとか、そういうところをリンクした議論というのがこれまでなされていない。ですので、開発優先度の高いワクチンを開発して、その後どうなるのかとか、そういうところが全く見えないというところで、そういうところをクリアにしていただきたいという御意見が多数ありました。
 14ページの一番上です。ワクチンの種類ごとに、定期接種化に向けた論点を整理してほしいという御意見です。これは次の15ページの改良されたインフルエンザワクチンの所を見ていただきたいのですが、例えば開発優先度の高いワクチンということで、改良されたインフルエンザワクチンと申しましても、結構いろいろな目的を持ったワクチンが企業さんで開発されているという中で、どういうものを国が求めていて、定期につながっていくのか。そういったところが不明確であると。ですので、14ページの最初のポツに戻りますが、ワクチンの種類によって、定期接種化の対象や求められるデータが異なると考えられるため、それぞれどのようなプロファイルのワクチンが求められているのか、前もって検討してほしいという要望になっています。
 14ページの2ポツと3ポツですが、まず2ポツのほうは、日本で疫学情報をどのように取得していくのか議論してほしいと。今、開発優先度の高いワクチンは、RSウイルスワクチン、ノロウイルスワクチンのような、高齢者への接種も考えられるワクチンが含まれているのですが、高齢者の疫学情報をどのように取得していくのか。例えば特定の安全性リスクが想定される場合には、ベースとなる疾病の自然発生率等のデータがあるのか、ないのか。ないのだったらどうやって見ていくのか等も議論してほしいということが、2ポツです。
 3ポツですが、本来、開発が期待されている個別のワクチンに対して、定期接種化に向けて、必要なデータなどが可能であれば、それを早い段階で知りたいというのが3ポツです。
 15ページと16ページは、開発優先度の高いワクチンのそれぞれの要望に対して、各論をまとめた資料になっています。繰り返しになるのですが、RSワクチンですとか、ノロウイルスワクチンについては、高齢者用であったりとか、乳幼児用であったりとか、いろいろなワクチンが開発されているということで、どういうものが定期になっていくのかということを、どういう要件を満たせば定期になるのか、そういったところを明らかにしてほしい。
 それらをまとめたものが18ページにあります。検討をまとめさせていただきますと、開発優先度の高いワクチンというのは、本部会のほうで整理されてきました。一方で、定期接種化の可否は、基本方針部会で議論されております。今、「開発優先度の高いワクチン」の定期接種化の是非や、求められる要素について検討する場がない。どこで議論するのか。次に2ポツですが、「1つの開発優先度の高いワクチン」の中にも、対象者や目的などの異なるワクチンが考えられ、それらが定期接種化されるかどうか明確かでない。
 3ポツ、定期接種化のために国内治験のデザインに組み込む必要のある事項であるとか、取得が必要な疫学情報を企業さんは事前に想定ができない。次のポツです。定期接種化の検討に必要かつ基礎的な疫学情報の把握への着手が遅い。
 最後です。開発優先度の高いワクチンを開発する企業にどのようなメリットがあるのか明らかでないというようにまとめさせていただきました。
 最後に右側ですが、本日の検討事項といたしましては、開発優先度の高いワクチンの実用化を一層推進するために、どのような取組が有効か。1つ目に、特に定期接種化の可能性についての予見性の向上や、承認後の定期接種化の検討の迅速化のために、どのような取組が考えられるのかということで、3点挙げさせていただいています。定期接種となるワクチンに求められる要素を明確にする方策について検討してはどうか。定期接種化の検討に必要な疫学情報について、開発中又は申請中から検討することや収集を図ることについてどう考えるか。それから、これらの検討を行う場合、検討に必要な専門性についてどう考えるか。最後になりますが、「優先度の高いワクチン」の開発のインセンティブが考えられるかといったところを記載させていただいております。
 引き続きまして、予防接種における接種回数に関する検討についてというところを御説明させていただきます。費用の効率化という観点から、11月8日の基本方針部会で検討した資料をこちらに提示しています。ワクチンの開発にも関わるものでございますので、本部会でも御議論いただきたいということで、挙げさせていただいています。
 21ページです。皆さん御存じのように、ワクチンは大変、数が多くなりまして、スケジュールがかなり複雑になっている現状がございます。次の22ページです。ワクチン接種回数に関するこれまでの議論ですが、これまで混合ワクチンの開発を中心に検討が行われてきた経緯があります。一方で、予防接種に関する基本的な計画につきましては、混合ワクチンの開発と共に接種回数の見直しの必要性の検討が入っています。
 次に23ページ、これまで追加接種の必要性については、議論されてきたのですけれども、接種回数を削減する必要性については、十分な議論が行われてきていないということで、今回小児の肺炎球菌感染症を挙げさせていただいているのですけれども、WHOの推奨である3回接種に対して日本は4回という状況があります。
 24ページでは、小児の侵襲性肺炎球菌感染症は、ワクチンの導入後に発生が減少しており、ワクチンが有効に効いているというデータが出ています。
 25ページ、薬事承認上は4回接種というところで実施されて、4回接種というのが用法・用量で定められています。
 次に26ページ、WHOでは3回接種を推奨しており、世界的にも3回接種を採用する国が多いということ、また、イギリスでは2回接種をということで検討していくということです。
 最後のページになりますが、追加の検討事項として2点挙げさせていただいています。ワクチンの接種回数が増えている中、被接種者・保護者の負担軽減がうたわれるという中で、費用の効率化という観点から、混合ワクチンの開発を引き続き推進することについてどう考えるか。それから、他国の接種状況やワクチンの有効性等を踏まえ、個別のワクチンの接種回数を見直すことの可能性について、どのように考えるかというところを挙げさせていただいております。事務局からの説明は以上になります。
○伊藤部会長 ありがとうございました。開発優先度の高いワクチンとなるための基準とかメリット、研究の支援、定期接種に向けた論点とか充足性、疫学情報はどんなのが必要なのか、それが1つです。2点目は、定期接種化になるためにはどんな形にすればいいのか。どちらかというと企業主導の考え方がいろいろ提示されたと思っています。3点目が接種回数の問題です。まずは委員の方々から御質問とかいただいて、それから進めたいと思います。いかがでしょう。
○福島委員 御説明、ありがとうございました。大変明快におまとめいただきありがとうございます。私は以前、ワクチン評価に関する小委員会にも属していました。そこでは承認後のワクチンについて、定期接種に位置づけるべきかについて議論が行われるわけですけれども、上市済みで、定期かどうかというところを議論するだけなのに、問題点がいっぱいあるのです。いろいろなデータが足りない。でも、必要なデータというのは国際的にも明らかでありまして、そのワクチンがカバーする疾病の負担、有効性、安全性、そして費用対効果、の4点です。それらのデータが不十分なままワクチン評価に関する小委員会で審議に上がってきたことによって、気付いたら2年審議していたというワクチンも少なからずあったと思います。その頃から、もっと早い段階で検討すべきではないかという声が、もちろんありましたけれども、今回、このように大変明快におまとめいただいて、制度の方向性を示していただいたというのは本当に画期的なことだと思います。全面的に私は賛成いたします。
 その上で、今後の方向性としてお尋ねしたいのは、スライド14の開発優先度の高いワクチンについて、ワクチンの種類ごとに、定期接種化に向けた論点を整理してほしいという点です。これは当然のことであり、ワクチン評価に関する小委員会でもこのような論点整理を審議会の都度行っていましたけれども、1回の審議会で非常にたくさんのワクチンの議題が上がってくることがあって、最大、8つのワクチンを一度に審議したこともございます。開発段階となると更にたくさんの課題があると思いますので、ここら辺の手順をどう考えるべきかというのは少し詰めていくべきかなと思います。
 究極は、米国予防接種諮問委員会(ACIP)が行っているような、ワクチンごとにワーキングを作って、そこに専門家が入り、そして必要に応じてメーカーが情報提供して整理していくのが、本来は望ましいと思います。過去に私も御提案したことがあるのですが、日本ではそぐわないのではないかといった御意見も頂きました。日本に合うような体制で、海外の良い所を取り入れた論点整理と、議論の推進を考えていければなと思っています。以上です。
○伊藤部会長 坂元先生。
○坂元委員 川崎市の坂元です。このワクチンの開発について、メーカー側からすれば、できるだけ定期接種化したいというお気持ちは私もよく分かります。ただ、定期化された場合、その費用は国と自治体で負担しているという観点から言うと、そこにはそれなりの医学的な理由はもちろん、価格について経済的な然るべき根拠というのもほしい。今のところ価格に関しては薬価収載される薬と違って、ワクチンの場合は公定価格がないという形です。その価格の決定において実際に費用の一部を負担している市町村側からは、かなり見えにくい状況にある。また、国のほうも9割程度を地方交付税で負担していますよと言っても、恐らく市町村の財政規模によって負担が違うのだろうということです。そこにあまり公平性が見られない等々、このワクチンの開発をどうするかという点では、価格をどうするかということが絶対切り離せないので、ここを法律改正するなりして、国が普通の薬価と同じくそれを決められるという権限がないと、我々払う側としては、何でこの価格が決まったのかというところの不透明性さ、特に議会でそれを説明するときに理由がしっかり説明できないということもあります。これは基本方針部会の意見として出させていただいたのですが、是非、国でその価格決定をしっかり統轄してほしいと思います。法律を改正しても自治体としてはそう思う次第であります。以上です。
○伊藤部会長 どなたか、ほかにございますか。定期接種化の論点は2つあると思っていて、1つは現行使われているワクチンの定期接種と、もう一つは研究開発の促進という意味から言うとまだ開発されていない。でも将来出てくるかもしれない。例えばノロとかRSなど、もしその開発が成功したら、定期接種にしてくれるのですかというのと全く話が違う気がするのです。企業の方々は、何をもって定期接種ということについて研究開発部会で論じようと思っていらっしゃるのでしょうか。若しくは事務局よりお答えいただいても結構ですけれども。
○石川参考人 日ワク協の石川です。御存じのようにこれは生物製剤ですね。ワクチンを開発するに当たり、商業生産をするに当たってはとんでもない設備投資も必要になってきます。そうしたときに、定期接種になるか、ならないか。需要がどの程度あるか全然見通しが立たないような中では、生産規模そのものも定めにくいということもございますから、その辺は開発の冒頭からそういった議論をやっていただく場を作っていただいて、開発のストラテジーと言いますか、方針を明確にする中で開発できれば企業としては有り難いと思います。
○伊藤部会長 ほかの方、どうぞ。
○今川参考人 日本製薬工業協会の今川です。非常に重要な論点かなと思っています。企業側から定期接種がある、ないで、どう研究開発の考え方、戦略が変わってくるのかということですが、企業もワクチンを開発する前には想定される売上げ、市場シェア、そういったものを加味して投資対効果の算出をします。そのときに定期接種がある、ないという状況で、例えばない状況でやりますと、ほとんどのケースというのは言い過ぎですけれども、採算性がとれないケースがあります。そうした場合にどうなるかと言いますと、先ほど日ワク協の石川理事長から発言がありましたように、では、どれぐらいの生産規模で製造設備を作ったらいいのかといったところもございます。投資対効果の算出が妥当にならないものが出た場合に、果たして企業としてそれを開発するべきなのか、どうなのかという意思決定のほうに影響する場合もございます。
 また、定期接種にならない場合、あまり不確実なマーケットシェアということになってきますと、当然、それが最終的には研究開発費を回収するということで価格に影響することも考えられます。そういったようなところがありますので総合的に考えますと、このワクチンは国防あるいは国策に資するものでありますので、最初に定期接種にしますということがあれば、そのときに商用の生産規模の投資だったり、研究開発のやり方だったりといったところで、より効率的な開発投資は可能になるのではないかと考えています。
○伊藤部会長 山口先生。
○山口委員 先ほど福島先生がおっしゃったように、最終的に定期接種にするか、しないかという委員会ができるのでしょうけれども、多分、企業が求めているのは開発の初期からそういう相談をしたいというところが、一番大きなポイントかなという気がします。先ほど御提案がありましたように、例えば専門家を交えたような委員会にしてしまうと、そこに上げていかないといけないと思うので、場合によっては、例えば薬事戦略相談みたいな形で、やれれば良いかと。ただ、そういうような形にしようとすると、PMDAは有効性、安全性はやりますけれども、多分、費用対効果の評価はできないだろうと思います。費用対効果はまた別の問題ですから、そことは別に、企業の方のアンケートを取るとPMDAとの話が結構踊っていますけれども、そこは切り離したほうがいいと思います。戦略としてどういう開発をして、どういうデータが必要かというのはPMDAと相談できると思います。だから、そういうようなところを例えば厚労省の中とかで、逆に相談的なものを作れば1つの答えになるのかなという気がいたしました。
○伊藤部会長 多分、一番お答えができる方がいらっしゃると思いますが、いかがですか。
○阪口予防接種室長補佐 事務局から少しコメントさせていただきます。もちろん、開発のステージによっていろいろな段階があるかと思いますけれども、先生がおっしゃるように承認前に個別のワクチンが定期接種化されるのか、されないのかという議論は恐らくすごく難しいと思います。ですから、開発初期におきましては総論的な話でオープンな場で議論できるような話、例えば今回で言えばRSウイルスワクチンとかノロウイルスワクチンで、高齢者と乳児の疾病負荷はどっちが大きいか、どっちがより重要か。そういった総論の議論をしていただく。また、もちろん個別のワクチンについては先ほど山口委員から御指摘があったように、何か個別のものを考えないといけないのではないかと思っています。
○伊藤部会長 ありがとうございます。細矢先生、どうぞ。
○細矢委員 優先度の高いワクチンの開発を勧めるわけですけれども、それを企業が開発しようとする意欲を持つかどうかというのは、最終的にはある程度のインセンティブがないと、できないところはあると思います。例えばある程度ワクチンができた段階であれば、それをどういうふうに定期接種化に結び付けるかをPMDAに相談することは可能だと思いますが、任意接種として上市された段階で、ある程度それが使われるという見込みがほしいのだと思います。例えば、任意接種とされたワクチンについては、定期でないけれども保険で償還されるような、健康保険適用になって通常の一般薬のような形で使える形にならないか。ちょっと難しいとは思いますが、そのような何かインセンティブがないと、企業として難しいところがあるのではないかという気がします。
 こちらから開発を要請しておきながら、結局、本当に定期接種になるかどうかは、できてみないと分からないということですので、定期接種にするということは言えないですけれども、例えば、ある程度市場が見込めますよということを示してあげないと、企業として難しいかと思います。
○伊藤部会長 事務局、コメントはありますか。
○林予防接種室長 幾つか御意見を頂いたのでまとめて申し上げます。まず、部会長から、研究開発と言ってもいろいろな種類のものがあるのではないかというお話を頂きました。私もそう思います。全く新しいワクチンを開発するようなことを念頭に、本部会では御検討いただいていることが多いと思いますけれども、混合ワクチンに関して、疾病については既に予防接種法に規定されていて、そのワクチンをどう混合して作るかという少しまた違った議論が必要ですし、また、1つずつの疾病を見ても接種回数、時期、年齢、あるいは何価のものを使うか。そういうことで新たな臨床研究が必要になり、また予防接種法をどう使うかを検討するような場合がございます。
 これは基本方針部会の資料の中で少し提起させていただきましたが、全く新しいワクチンについての検討をここでやっていますけれども、むしろ回数や年齢の変更についてを、臨床研究前から、あるいは承認前から検討する場所があまりないということもありまして、そういったことも1つの検討対象になるのではないかと思います。
 細矢先生がおっしゃっていた他のインセンティブということで、それは今回の資料でも提起させていただいていることですが、具体的にどんなものがあるかを私どものほうから御提案する段階に入っていくのは、なかなか難しい面もありますけれども、横に見ていただいて、こういうものは使えないのかという御提案や要望がありましたら、また検討させていただきたいと思います。
○伊藤部会長 ありがとうございます。基本的にノロとかRSは5年前に、このワクチンが開発できればいいよねという形で提示させていただいたと思っています。そういう意味では、あの段階で開発を期待しているワクチンを示していたのだと思います。同時期に、デングのワクチンについても開発したほうがいいのではないかと言われていましたが、一方では、海外で実際にデングのワクチンが使われた段階で、ワクチンを使った人のほうが重症化するといったとんでもない話が出てきて、とても広げられる状況ではない。だから、仮に定期接種化が前提で進んだとしても、安全性の問題でうまくいかないというのは、いくらでもあり得ると思います。RSだって、もっと早く開発ができそうだという話で5年前は話が進んだのが、現実的にはそのウイルスそのものの問題なのか、なかなかうまくいっていないという状況なので、全く開発というか、めども立っていない段階で定期接種化の議論をするのは、いくら何でも時期尚早ではないか。
 ただ、できるのは、私の個人的な意見ですけれども疾病負荷がどの程度あって、うまく開発が進めば、どの程度使うメリットが出るのかについては、多分、今の調査で、例えば福島先生の所とかいろいろな所で調査を進めることは可能だと思いますが、それはどういうものを進めていくのか。極端なことを言うと、研究班を組織してデータをまとめるのか。それとも感染研にお願いして、客観的なデータとして皆さんにデータを集めてもらうのか。多分、その二択のどっちかしかないと思いますけれども、それをここで皆さんの意見を聞いて、では厚生労働省にお願いして、そういうデータ集めのための研究班をまず組織しましょうということであれば、それでいくのだと思いますが、いきなり定期接種化に向けて、これがないと企業としては開発をしませんというのは、あまりにも無謀ではないかという気がいたします。福島先生、どうぞ。
○福島委員 私が最初、ワクチン評価に関する小委員会のお話をしてしまったので、ちょっと誤解を招いたのかもしれませんが、開発段階で「定期接種に位置付けます」と言うのは無理だというのは私も分かっています。ただ、承認後にワクチン評価に関する小委員会に上がって来るようなワクチンですら、基本的なデータが整理されておらず、「今から、1からデータを取っていくんですか?」というワクチンが複数あったのも事実です。国としてこのワクチンは必要ですと、開発優先度が高いんですと指定したワクチンではあるのですが、どの程度、市場でニーズがあるのかなど、より明確に優先度を示すというのは大事なことだと思いますし、そのためにこういうデータを出してくださいというのを提示することも、また有用かなと思います。
○伊藤部会長 坂元先生。
○坂元委員 先ほど細矢先生が言った案は、そんなに悪い案だと私は思いません。確かに今の流れでは、予防というのは健康保険に入れないという大原則があると思いますが、その予防に関しても明らかに医療費の削減と費用対効果が見込めれば、例えば国民健康保険をやっている主体の自治体としては、そういう議論をしてもいいのかなと思います。定期接種は定期接種で一括で法律の下に管理しなければいけないので、いきなり保険というのは難しい部分もあるのですが、そういう方法も1つあるかなと思うのと、そういうワクチンが出て仮に打った場合、よく聞かれるのは、いわゆる税金の控除です。医療費控除に予防が認められないので認められる形を取るとか、いろいろなインセンティブのやり方はあると思いますので、そこはそこで検討したほうがいいと思います。いきなり定期接種化しないとやらないとなってしまうと、いろいろ希少な疾患もある中で国民の利便性ということを考えると、そこも真剣に、それからメーカーの立場としても、みすみす赤字になるものをやるということは、多分、あり得ないと思うので、そういういろいろな方策を考えて定期接種化にならない場合でも、それなりのメリットが市民、国民にあり、メーカーも開発すれば、それなりの見返りもあるという仕組みを作っていかないと開発意欲が萎えてきてしまう。その辺もしっかり考えないといけないと思っています。以上です。
○石川参考人 先ほど、メーカーの立場から見たときに定期接種化が明確になれば望ましいということで、ああいう答弁をさせていただきました。本音はそうですけれども、基本的に開発の初期から定期化うんぬんというのは、先ほど先生方がおっしゃったようにそんなに明確ではありませんので、私は基本方針部会でも4団体でいろいろ提案させていただきましたが、開発が必要なワクチンについては研究会なり国の研究班、若しくは都道府県の衛研等も含めた、日本国内の疫学研究が先行する中で議論していただければと思います。そういった中にメーカーも参加していただく中で議論をする場ができてくれば、自ずと方針も、ある程度理解できるようになってくると思います。そういう意味で申し上げました。決して定期接種ありきの開発というのではございませんので、誤解のないようによろしくお願いします。
○伊藤部会長 与えられた時間が過ぎつつあるのですが、接種回数について何か御意見とかございますか。山口先生。
○山口委員 接種回数についてですが、これは多分、承認を受けるときには有効性、安全性の観点から投与回数は決められてしまうと思います。そうすると、複数の接種スケジュールを合わせていこうとすると承認要件を変えないといけないのですが、そこが簡単に変わるとは思えませんので、むしろ場合によっては学会主導なりで、回数をこういうふうにしたらいいという提言を頂いて実行指導を先行させ、場合によっては最終的にそれを持った公知申請みたいなものがあってもいいのかなという気がいたします。
○伊藤部会長 お答えになりますか。
○阪口予防接種室長補佐 おっしゃるとおりで、薬事承認のところで難しさというのがあるのは認識していますし、いろいろな手立てを使ってやっていかないといけないと思います。
○伊藤部会長 逆にPMDAにしてみても、自分の所で自らいいだすのはなかなか難しいということであれば、医療の実態に即してこれが一番正しそうだということを、私どものほうの意見と企業の意見を合わせて、薬事承認も変えられるような柔軟な仕組みを考えていただくということで、よろしいでしょうか。細矢先生、どうぞ。
○細矢委員 例えば、新しく6混を開発しようと思うと、DPT-IPV-Hib HBという6価になるわけですけれども、このときにDPT-IPVが4回、Hibも4回、HBが3回ですけれども、その接種回数も接種期間もばらばらです。これを治験の段階である程度学会といった所が指導して、こういうのが望ましいのではないかというふうに作っていく必要があります。今の接種スケジュールは本当にばらばらなのです。これを企業にお願いしてもなかなか難しいので、先ほどのように企業から相談を受ける場というのが、どうしても必要になってくるのではないかと思います。
○伊藤部会長 一昨日の基本方針部会で日本小児科学会からの提言が出てきて、不活化ワクチンの接種間隔が6日以上というのをやめようというのを、一応、皆さんが了解されています。ですから、それと同じような議論で、小児のものに関して小児科学会からの推奨の意見とか、感染研のほうから出ている接種間隔のずれが生じるというのも皆さんは承知していますから、今後、それをどういう形ですり合わせをするのか。土壌が随分できてきているというふうには認識していますので、それを更に進めていただくということかなと思っています。それでは、次のワクチンの安定供給についての説明をお願いいたします。
○賀登予防接種室長補佐 資料2-1「ワクチンの安定供給について」です。こちらの資料は、11月8日の基本方針部会で使った資料です。資料の内容については、先生方はもう既に御承知の範囲もたくさんあるかもしれませんが説明いたします。
 2、3ページは、各ワクチンの年間の生産量と接種のおおまかな人数の比較です。4ページは、ステークホルダーの御紹介です。安定供給に係るステークホルダーとして、ワクチンメーカーの間に卸がおり、その後に市区町村・医療機関、最終的には対象者・保護者に対して接種していくという流れです。
 5ページは、ワクチンの製造の簡単な流れです。生物学的製剤なので、複雑な製造工程の上に国家検定で合格したものを世の中に出していくという特徴があります。6ページは、ワクチンの需要と供給について近年の状況をまとめたものです。下に記載してありますが、2015年以降、多くのワクチンでワクチン不足により安定供給のバランスが崩れるという事態が起こりました。供給側と需要側について、どちらもリスクがあり実際に問題が生じているということです。7、8ページは、それの詳しいいきさつですが、省略させていただきます。
 9、10ページは、海外に目を向けたときに、安定供給について、ヨーロッパやアメリカでも課題が存在しているということを書いております。その背景は、11ページです。ワクチンの基本的な特徴として、そもそも有効期間が短いということ、また、製造に長時間を要してしまうということ、不足した場合、そのワクチンでしか代替できないという特徴があるということが考えられるかと思います。
 12ページは、供給のワクチン不足が発生するメカニズムをすごくシンプルにした絵です。左は基本的なイメージです。例えば、濃い赤の部分は1月当初の在庫量としており、その上に、1月に作り上げる製造量と青色で1月に使う使用量があります。使用量が製造量よりも多い場合には、2月の在庫量は1月の在庫量よりも少し減り、逆に、製造量が使用量よりも多い場合には、3月の在庫量は少し増えます。ワクチンが不足するときには、製造量よりも使用量が多いときが連続して起こってくると、いつかショートを起こすという構造です。
 13ページです。ワクチン不足のリスクを回避・軽減するための方法として、すごくシンプルに考えると、製造量より使用量が上回っているときには、製造量を増やせば良いという発想があります。また、ほかにも使用量が上回っていたとしても、たくさんの在庫量を持っておけば、そう簡単にショートは起こさないという構造もできます。ただ、それは理想論で、現実としては、ワクチンの製造には時間を要するので短期間での増産は難しい、ワクチンの有効期間は短く長期保存に不向きなので、たくさんのものを長期間保存しておくことはそもそも難しいという現実があります。この一点を強くすれば安定供給が満たされるというものではないと思いますので、総合的な対策を進めていきたいと思います。速やかな増産を実現することについて少しでもできるところはないかという意味で、14ページ以降で考えています。
 14ページです。ワクチンの製造工程は複雑なものですが、少し単純化したものを右に置いております。主な製造工程としては、まず、原液を製造する工程、それを小分け製造する製剤化工程、それが終わった後には国家試験や自家試験による品質確認をする工程、それが終わった後にはラベルを貼ったり包装したりということで、最終製品化の工程を経て出荷していくというものです。
 15ページです。原液を製造する工程について少し考えてみました。ウイルスの培養や活性化ということで、一般的に原液製造がこの製造工程の中で一番時間が掛かるポイントです。ただ、この時間を短くするのは現実的に難しく、考えられるとすれば、時間が掛かるものを作りだめして備蓄しておくという発想があろうかと思います。ただし、原液には有効期間も一定程度ありますので、原液を備蓄することによって、その原液を廃棄するリスクも増大するのはバーター関係にあるものかと思います。
 16ページです。仮に原液を備蓄できたとしても、製剤化工程やラベルなどの最終製品化の工程は、律速になってしまうと緊急増産が必要なときに増産できないということになってしまいますので、こちらについても少し整理させていただきました。最終製品化するまでに、例えば、バイアルやシリンジに対して充填、凍結乾燥、目視検査で異物が入っていないかということを確認していく工程があります。
 そこには、機械や人員の一定程度の確保は必要になってきますが、緊急増産を前提としながら余剰な期間や人員を確保するということは、結局は製品の製造原価の上昇につながるということがあり、また、人員を確保するといっても、社内基準を満たすような方がワクチンの製造に関与するということは一般的なので、その人の育成の期間や、そもそもこの労働人口が減っているという中で、急な人員の確保は現実的にはなかなか難しいところもあるという課題があります。
 17ページです。品質確認、国家検定、自家試験の工程です。ワクチンは国家検定を受けてダブルチェックを受けないといけないものです。標準的な事務処理期間を除き、国家検定の合格日はなかなか予想できないところがあります。それによって、どのような弊害があるかというと、国家検定に合格して薬事監視員が封印を解除するまで触ってはいけないというルールが、薬機法の中で決まっております。そういうことで、都道府県の職員に来てもらうという日程調整が必要であったり、製品に国家検定の合格年月日を印字しなければいけないということがあり、その年月日が分かるまで包装資材の発注を掛けられないという弊害もあります。このような要因で、一定程度の時間が掛かっているという現実もあります。
 18ページです。先ほどの対応策の備蓄をたくさん持っておけばという発想のスライドです。左下に記載している米国の例で、Vaccines For Childrenというプログラムにおいて、より貧困層の子供に対して無料で接種できるように、アメリカのCDCが6か月分のワクチンを備蓄しているという特徴があります。これは経済的に余裕がない子供たちに対してですので全国民分ではありませんが、そういう取組をしているとよく言われます。
 日本に目を向けてみると、今、いわゆる流通備蓄という形で、メーカーや卸で合計で大体2か月分をストックしている状況で、この2か月分を少し長くし、例えば、4か月、6か月にならないかという発想です。何もしないまま、2か月分を長くしてしまうと医療機関で使う有効期間が短くなり、その分だけ医療機関で廃棄リスクが増大するという関係性があります。また、メーカーで自主的に2か月分の流通備蓄を4か月にするのは、なかなかインセンティブが生じにくいことですので、例えば、国家備蓄をしてほしいという意見もありますし、ほかのインセンティブとして何らかの対処が必要かと思います。
 19ページです。ここからは余り考えたくはないのですが、ワクチン不足やトラブルが生じたときに、混乱がそれ以上拡大しないようにするための方策です。複数社が供給しているワクチンは、最近のものではB肝ワクチンがありました。2社で供給していたのですが、1社が供給できなくなるということがありました。そういうことが生じたときには、今のところ、企業から厚労省に御報告を頂き、厚労省である程度調整するということをしております。通常、メーカー間で協力するという方法も考えられるかと思いますが、そこの調整をするルールが今のところ存在しませんので、御一考いただく価値はあるかと思っております。
 20ページです。(1)は、効率的な使用や優先的な使用です。問題が複雑化しないときに、例えば、MRワクチンは、麻疹や風疹の流行に伴い任意接種の需要が増大して、定期接種分の小児のワクチンの供給が滞るという事態も発生しております。それは同じワクチンを使っているという特徴があり、例えば、タミフルは、行政備蓄用と市場流通用があり、青いタミフルと赤いタミフルということでパッケージから変えているという例があります。例えば、小児用のワクチンとそれ以外というように物理的に分けてしまえば、先ほど申し上げたような混乱が軽減できるという発想があるかと思います。
 (2)は、誤った情報が市場に出回り、混乱が混乱を呼ぶということを避けるための方策です。例えば、一部ロットが国家検定に不合格になったという間違った情報が出ないように、情報統制をするという発想もあるかと思います。(3)は、これまでワクチンの安定供給に支障が生じたときに、偏在ではないかというような意見もありましたが、その辺りがもう少し分かるように医療機関や卸の在庫量の見える化ができれば、そういう混乱は軽減できるかと考えております。
 21ページは、全体のまとめです。こういう状況を踏まえ、総合的な対策を進めながら安定供給の維持、確保に努めていきたいと思っております。具体的な方法として、今、申し上げたように(1)~(4)の方法について、どのように考えるかということを御審議いただきたいと思っております。以上です。
○伊藤部会長 議題2については、事務局から、個別の課題ごとに議論させていただきたいという提案です。まず、ワクチンの安定供給の中の基本的な考え方として、ワクチンの関係の4団体の参考人の方から御意見を頂きたいと思います。
○今川参考人 日本製薬工業協会ワクチン実務委員長の今川です。お手持ちの参考資料2を御覧ください。1枚目を開けていただくと、[基本認識]が出てくると思います。ここにワクチン4団体の基本的な認識を示しており、フッダーに4つの団体の名前が記載されております。皆で討議して、基本認識を持ったというところがあります。安定供給の課題は、我々、ワクチン業界にとっても可及的速やかに解決すべき大変重要な課題であると考えております。
 結論的なところから先に申し上げると、5番を御覧いただくと、本年の11月8日の第35回予防接種基本方針部会で厚生労働省から示された観点については、我々業界としても、この安定供給の課題の解決に資することが期待できると考えられますので、実現に向けた協議を推進することについて賛同させていただきたいと考えております。
 その上の1~4番は、その詳細を示したものです。例えば、1番は、安定供給の仕組みが必要と我々は考えており、2番は、安定供給の維持に様々な課題があります。そこにあるような技術的な問題や自然災害等、いずれも突発的な問題に端を発した需要増という様々な課題があります。そういうリスク軽減は、ワクチン製造販売業者、販社、行政を含む関係者が一堂に会して課題解決に取り組むということが重要ではないかと思っております。いずれか1つが頑張ったところで、こういう課題を解決するのは難しいのではないかと思っております。
 3番は、まず、産業界としては、定期接種における安定供給の確保を目標に対策を検討させていただきたいということです。背景にあるのは、任意接種分の需要予測は非常に難しく、そもそも突発的な需要増が起こっているものを、どのように予測するのかというところがありますので、まず、定期接種に念頭を置きたいと考えております。
 4番は3番に関連しますが、定期接種対象者における推定接種率が分かりますので、それに対する年間の使用量を供給することに我々の一義的なゴールを置きたいと考えております。詳細については一つ一つということなので、この5つを我々の基本認識としてお示しさせていただきました。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございました。業界団体の方々は、かなり協力的にしていただけるということのようです。
 続いては、増産の実現、原液の確保について、まず、業界の方から御意見を頂き、その後、皆さんの御意見を伺いたいと思います。
○今川参考人 資料をめくっていただくと、[留意事項]があります。速やかな増産を実現する方法として、(1)原液の確保、(2)製剤化・最終製品の生産性の向上で示された方策に関するもの、(3)品質の確保やその後に要する期間の短縮について留意すべきこと。
 では、(1)原液の確保の主旨については、産業界としても合意いたします。ただし、(ア)~(エ)にある点については御留意いただきたいということがあります。(ア)として、対象原液については、全ワクチンであるのか、あるいは原液の備蓄が必要なワクチンを特定されるのかという議論が必要ではないか、(イ)として、有効期間の延長をするということも安定供給の課題解決の手段の1つにありますが、そうした場合に、安定性試験のデータをいかに効率的にタイムリーに取るのかというところにおいては、規制運用について御検討いただくことが必要になるかもしれません、(ウ)として、製造方法の一部が変更された場合、既に原液を確保しておいたものは使えないというリスクもありますので、こういうところについても御検討いただきたい、(エ)として、輸入ワクチンについては、全世界に向けて供給しているところですが、そこにおける原液の規格、いわゆるグローバルとは異なる基準もありますので、そういうところをハーモナイゼーションすることで、原液の確保においても前向きな検討ができるのではないかと考えております。以上です。
○伊藤部会長 少し手順がずれているかもしれませんが、資料の意見書を御覧いただくと、御説明を聞かなくても内容が大体分かるかと思います。それを御覧いただき、事務局の説明について、委員の先生方から、御意見、御質問を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○山口委員 先ほど、事務局から対策を幾つか御提案いただきました。企業に少し努力していただければというところで、今、ちょうど議論になっていた備蓄して原液を増やすというのは、もともとワクチンは常温であったり、製剤も保存条件がそれほどいい条件ではないので有効期間が短いのですが、原液、あるいは原体は、-40℃や-60℃というかなり安定な条件で保存されるので、比較的、安定に保存できると思います。
 そういう意味ではいいかと思っていたのですが、質問いたします。これは有効期間を延ばそうと思うと一変しないといけないのですが、多分、必要なデータは3ロットで、実保存、実期間のデータが当然必要になります。そのデータ以外に規制緩和ということがよく分からなかったのです。あと、元の製造の原液についてはどうするかということも幾つかあるかと思います。必要なデータは、ほとんど決まっているのかと私は逆に思ったのです。
○石川参考人 日ワク協から回答させていただきます。原液の一変の際には、変更しようとする原液の安定性試験が一番重要です。そのためには、山口委員が今おっしゃったように3ロット、しかも長期間のデータが必要です。それを全うしていると、非常に長期間掛かるという反面、古い原液については承認された後に使えなくなるということもあります。
 ここでメーカーとして産業界として申し上げたいのは、原液の整法を変更するときの一変の安定性データの評価の仕方を緩和と言いますか、部分的に、例えば、少量の試験検体での安定性、あるいは、原液が3ロットとなるととんでもない量になってきますので、1ロットで、次のロットは順次成績を追加していくという考え方で、そのデータ評価を考えていただきたいということです。
○山口委員 大体分かりました。多分、場合によっては、実生産ではなくてパイロット生産でもデータがいければという話ですか。
○石川参考人 はい。
○今川参考人 山口委員のおっしゃるとおりです。今の基準で安定性データを取ろうとすると、商用スケールで3ロットを作らなければいけない場合、実際に市場に供給すべきワクチンの生産にも影響してくるという可能性も考えられます。我々として、弾力的に運用していただけるのであれば、例えば、既に製造した原液を3年なり4年なり置いて安定性を見たときにそれで大丈夫だということであるならば、商用3ロットまでしなくても、そういうデータを基に、安定性を延ばしていただくということも可能ではないかと思っております。
○伊藤部会長 事務局から、回答はありますか。
○賀登予防接種室長補佐 今の原液の有効期間を延ばすときのデータの収集や評価の方法ですが、そこは医薬局の薬事承認の話になりますので、こういう話があるということは医薬局に伝えさせていただきたいと思います。
○伊藤部会長 ほかに何かございますか。
○坂元委員 今まで説明していただいた中で、原液の保存期間を延ばすということも1つの考え方だと思うのですが、製造済みの原液から出荷までのプロセス図がスライド17にあります。これを突然見せられても分からないので、メーカーの方にお聞きしたいことがあります。原液を作るまでの期間は製品によって違うと思うのですが、俗に言う国家検定から出荷するまでは、前が半年で後が4か月とか、おおむねどれぐらいの期間の比率になるか教えてください。
○石川参考人 ワクチンによって様々あります。例えば、インフルエンザワクチンは原液製造に半年ぐらいでしょうか、製剤化した後は数箇月、インフルエンザのワクチンは後でまた議論になるかもしれませんが、インフルエンザワクチンの場合は国家検定が特殊で、並行検定等をやっていただいておりますので、合格すると速やかに包装して出荷できるという状況です。
 他のワクチンは、例えば、DPT-IPVは原液製造に1年半ということがありますし、なおかつ、ものによっては原液の中間段階での国家検定もありますので、原液が使えるようになるまでは1年から1年半ということがあり、あと、製剤化した後は国家検定を経ていきますので10か月以内には出ていくと思います。ただ、輸入ワクチンの場合は、その辺りの仕組みが違いますので追加して御説明いただければと。
○櫻井参考人 米国研究製薬工業協会の櫻井です。おおむね、大きく違いはないと思います。通常、ワクチンの製造の開始から市場にお届けできるまでの期間は、日本の場合は1年半ぐらい掛かるとお考えいただければと思います。
 特に、原液の製造から製剤化するまで大体1年ぐらい掛かると見て、日本に持ってきてから自家試験をするか国家検定を通すまでおおむね半年ぐらいとお考えいただけると、ワクチンによって違いますが、おおむね、そのようなタイミングで動いているとお考えいただければと思います。
○伊藤部会長 ほかに何かございますか。
○坂元委員 国家検定から製剤化までが、本当に医学的に意味のある過程であれば構わないのですが、今のお話を聞いていると、そこがかなり厳しい律速段階になっていると感じます。例えば、ある疾病が急に出たときに、仮に製造が追い付いてもそこから先がボトルネックになってしまうというところです。
 先ほどメーカーの方から御説明がありましたが、独特の検定システムがあると書いてあります。それが本当に医学的に必要なものであるということが、国際的に認められるものであればいいのですけれども、これは後の検定の所でやるのかもしれないのですが、都道府県の人に聞くと、「封印の立会いなんてほとんど儀式に近い」と言っているし、しかも、人が少ない中でなかなか検査の日程の予約が取れないとか、そういう無駄なところでかなり時間を食らっているのではないかと思います。これをよく見ると、感染研から都道府県は郵送ですが、都道府県からはファックスということで、メールのある時代に何をやっているのだとか、諸々の無駄な時間があるのではないかというところです。
 やはり、原液のストックということも真剣に考えなければいけないのですが、いわゆる規制ありきで、本当にそれに意味があるのか、どう考えても意味のないようなところがたくさんあると思うので、市町村の私が言う分には角が立たないと思いますけれども、どれにどれだけ掛かって、それが医学的にどういう意味があるのかということをしっかり検討しなければいけないと思います。片やせっかくGMPというものがあり、何かダブルスタンダードを設けているような気がしてならないのです。
 例えば、食品であれば、今はほとんどの食品がHACCP方式をちゃんと守っていれば、国際的にもきちんと市場流通ができるという制度が確立されて、そのために何が起こっているかというと、食品の迅速な流通、コストの削減につながっていると思うのです。やはり、こういう過程で滞ってコストが高くなり流通が遅くなるというのは、市民目線から見たときに大きな問題だと思うので、是非、その辺りについて、どれぐらいの時間が掛かっているかということを正確に全部表に出して、その医学的な意味も表に出して検討し直す必要があるのではないかと思っております。以上です。
○伊藤部会長 ほかに何かございますか。
○細矢委員 実際に検定されて合格年月日を印字して出荷するまでに、時間はどれぐらい掛かるのでしょうか。例えば、数日でできるなら余り意味はないかもしれませんが、数か月とか掛かると、その分が有効期間から減ってしまうわけです。そこが短くなればそれだけ流通備蓄量が増えますので、是非、短縮できるのであれば短縮すべきではないかと思います。この辺りについては、どなたにお聞きすればいいのでしょうか。
○賀登予防接種室長補佐 資料の18ページです。字が小さくて大変恐縮ですが、数字を少し置いております。こちらの数字は、ワクチン産業協会の資料から取ったものです。例えば、日本脳炎ワクチンは、原液の製剤を充填してから自家試験で大体10週間、その後に国家検定で11週間、その後に検品や包装をするということで6週間を経て流通しております。合計で概ね7か月ほどの時間が掛かっております。
○伊藤部会長 結構、時間が掛かっております。坂元委員にゴングを鳴らしていただきましたので、品質の確認や、その後に関する期間の短縮について、医薬生活衛生局から資料が提出されておりますので説明をお願いします。
○江野監視指導・麻薬対策課監視指導室長 それでは、国家検定に関連する事項について、資料2-2を御覧ください。こちらについては、厚生労働省及びワクチン業界との間でワクチンに関連する課題、特に本日は国家検定関係ということで御説明する予定ですが、その検定の経緯あるいはその結果についてということです。
 日程等について、11月8日に開催された基本方針部会でも簡単には御説明したところですが、2年程前になりますが、薬事に関するハイレベル官民政策対話という所において、ワクチンの関連課題について、関係者が集まって議論する場の設置を業界から要望されたところです。その後、年明けから、実務者での打合せということをさせていただきながら、11月あるいは今年の4月にかけて、3回ほど基準、検定に関する意見交換会を開催させていただいております。こちらの中ては、それぞれの課題の背景あるいは内容等の確認、検討方針の決定を踏まえて、対応の検討をさせていただいたところです。また、今後の予定ということで、一部記載していますが、来年1月早々に第4回の意見交換会で、これまで議論した内容に加えて、追加の課題についての議論といったことを進める予定としております。
 今の時点で確定ではありませんが、どういったことを検討する予定かということで、①②③で示しています。例えば動物試験について、こういったものを縮小化できないかといったこと。こういったことを進めると、確かに国家検定の期間そのものを縮小することが可能になるのかと思っています。それから、SLPというもので、これはそれぞれのウエットの試験に加えて、いわゆる製造工程の確認等をすることによりまして、製造管理がしっかりされているかどうかということを確認する手法ですが、こちらについても諸外国はいろいろ導入されてきている状況があります。日本においても、5年ほど前からSLPの導入をさせていただいておりますが、こちらにウエットからSLPに移していくということ、それによって試験頻度を減らせないかといったような見直しです。それから、先ほど少し御意見がありましたが、都道府県職員等の関与も、なるべく無駄なものは排除していくといった形での見直しを予定しています。
 2枚目を御覧ください。これまでの第3回までの意見交換会での検討状況について、簡単に御説明いたします。課題としては8つほど記載しています。最初の4つが、検討結果としては終了しているものです。後ろの4つが、終了あるいは一部終了ということですが、引き続き継続して議論を進めているものです。例えば終了したもの、1件目ですが、承認前の検査において、どのような試薬を使うのか、あるいは検体の提供について、その方法などについて明確化してほしいということについて、御要望を頂きましたので、そちらについて、意見交換会で検討させていただいた結果、例えば今年の8月29日にこういったことを明確化する通知を発出させていただいたところです。それから、事業者が行った試験といったものの取扱い、一部変更承認申請後に行う感染研の試験方法の検討、こういったものの明確化であるとか、SLP変更等が行われた場合の審査情報の共有といったことは、検討が終了しているところです。
 5点目、6点目ですが、こちらも事業者側からの要請ということになるのですが、技術的な事項について、これは正に感染研の先生方と直接、定期で情報交換をする場を作ってほしいといったようなこと、あるいは先ほど申し上げたとおり、SLPの試験導入効果について、どういった進捗なのかといったような意見交換の場を設置してほしいということがありましたので、こちらについては、今月、12月9日に、この意見交換会を開催させていただき、例えば日本における異常毒性否定試験の取扱い等についての意見交換を行ったところです。
 7点目はワクチン輸出時の検査とか、これはワクチン輸出する際の証明書の発給等の相談についての手続で、これは先ほど申し上げた意見交換の場等を活用した意見交換を更に引き続き行いまして、さらに追加の恒常的な課題などがありましたら、その検定に関する意見交換会のほうに例えばフィードバックをして、議論を進めるといったようなことであるとか、さらにはこれは感染研の実態の事務になりますが、国家検定について受付調整をさせていただくような手続です。こちらは受付時期であるとか数であるとか、これは感染研のそれぞれの部でやっている試験等について、受入れのキャパシティ等もありますので、そういったことについて、感染研に相談する手続を整理させていただくといったことです。こちらについては、引き続き継続をして検討していくことになっています。
 3枚目を御覧ください。こちらについては生物学的製剤基準、生物基と申し上げていますが、こちらについては薬機法の42条基準と申していますが、ワクチン、血液製剤等においては、保健衛生上特別の注意を要する医薬品又は再生医療等製品というような位置付けになりますが、そういったものの製法、性状、品質、貯法等に関して、特別の基準を設けています。例えばインフルエンザHIワクチンにおいては、無菌、発熱、チメロサール含有、異常毒性否定試験といったものに適合する必要があります。企業においては、この製造販売時に、この生物基への適合が求められているところです。さらに定められた基準のうち、重要な試験項目については、この感染研においてダブルチェック(国家検定)が行われているといったところになります。生物基の改正については、こちらの生物基に関しては定期的に見直しを行ってきているところで、最近では2004年、2009年、2013年といったような形で、改正を行ってきているところです。
 今般の改正を御説明をしたいのですが、下に「内容」と少し小さめの字で書かれていますが、インフルエンザHIワクチン、肺炎球菌ワクチン等について、モルモットを用いた異常毒性試験といったものを行う場合について、品質の一貫性が確認された場合、これは端的に申し上げますと50回の検査が正しかったといった結果が確認された場合に、省略できるといったような規定を設けるといった内容になります。こちらについて、11月25日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で御審議いただいたところです。今後の予定としては、パブリックコメントを募集させていただきまして、その後、問題がなければ改正告示を公布させていただくといった予定となっています。以上です。
○伊藤部会長 引き続いて、今の説明に対して製薬団体から何かコメントはございますでしょうか。
○石川参考人 4団体としても、薬事規制に関してはいろいろと要望を出させていただいて、今御説明があったように、検討会で意見交換させていただいているところです。
 付け加えて申し上げれば、資料にも書いていますが、検定の在り方の中で、できれば併行検定のことを積極的に考えていただいて、できれば、今は緊急時はいろいろと要望させていただいて、併行検定等もおやりいただいているのですが、これを通常のルールにして併行検定を認めていただきますと、御存じのようにワクチンの有効期間は非常に短くありまして、製品によっては、古いワクチンですと国家検定が起算日になっていますし、新しいワクチンですと製造日が起算日になっているといった中で、仮に定常的に併行検定等を認めていただくようになりますと、市場での製品の流通の期間が長くなるということもありますので、安定供給にもつながるのではないかということもありますので、その辺も含めて御検討いただければ有り難いと思います。
○伊藤部会長 引き続いて、委員から何かございますか。
○坂元委員 先ほどの安定供給のところのスライド26を見ると、国家検定で落ちるというのは2018年はゼロということで、ほとんど0.幾つであると。これはどういう理由で落ちたかという内容はこの場では分からないと思うのですが、これぐらいの確率のために、3、4か月延びるというのは、余りにも無駄ではないかと思います。むしろ市町村としては、その分コストを落としてほしいというのが本音だと思います。
 そこでお伺いしたいのですが、ヨーロッパとアメリカの場合、このような国家検定みたいな制度というのは、実際にやられているのでしょうか。もしお分かりになればお教えください。
○石井委員 国家検定制度については、アメリカでも欧州でも実施されています。ただ、例えばヨーロッパの場合ですと、先ほどお話がありましたように、併行検定というのはほぼ常態化している状態で、自家試験と国家検定というのは、ほぼパラレルに行われているようなものです。
 ワクチンというものは健常時に接種するものですから、どうしても安全性というのは非常に厳密に見なければならないということで、確かに非常に最近は製品の品質というのは向上していまして、落ちるものはほとんどないのですが、だからやめてしまえというのも、それもまた議論としては違うのではないかと私は思います。ですから、重要な項目については、試験は、ダブルチェックは行っておくべきというのは、日本としては堅持すべきではないかと考えております。
○櫻井参考人 今、石井先生から御説明がありましたとおり、海外でも国家検定そのものは行われていて、ただし、同じく御説明がありましたとおり、柔軟に並行検定を、自家試験は必ずやりますので、柔軟に並行検定を受け入れていただくことで、早くワクチン製品を市場に出すことは可能になるというように思っておりますので、可能な範囲において御検討いただければと思います。
 もう一点、坂元先生の御質問とも関連するのですが、私どもはグローバルなワクチンの製造をしている観点から申し上げますと、日本にワクチンを導入するに当たって独自の品質基準であるとか、規定を満たさなければいけないというものがあって、先ほど、大体1年半ぐらい、ワクチンの製造から日本に届けるまで時間がかかると申し上げたのですが、国際的なハーモナイゼーションが行われていて、ある程度規制が日本独自の製剤を作らなければいけないとか、日本独自の試験をやらなければいけないという状況でなくなれば、海外で製造された原液を日本向けに充填し、持ってくるということで、リードタイムを短くすることが可能だというように考えています。ですので、今回の薬事等の、若しくはこの検定等のプロセスを見直していただくに当たって、国際調和化というのも是非御検討いただければと考えているところです。
○松本参考人 1つだけ、世界で今現実にやっている1つのアイディアとして、海外ワクチンを輸入する際に、輸入の前にそのメーカーが輸出するロットのサンプルを、日本なら日本の感染研に提供して、輸入する前から国家検定をやるという仕組みがあります。当然、これはまだいろいろと議論は要るのですが、実際にカナダ辺りでは今、そういう形を取っています。すなわち、そのワクチンの使用国にそのワクチンが入る前から併行検定を始めているような形の工夫もされておりますので、それも今後御議論いただければいいかなと思っています。
○坂元委員 確かにワクチンは健常人にやって、それ以外の医薬品は健常人でないからということですが、健常人だから、患者だからというのは、私はおかしいと思います。どちらも安全性を求めるべきものであると思います。ワクチンは液体だから、余計に注射をやるから危険で、錠剤は飲むからあまり危険ではないという発想も変だなと私は思っています。
 実際に県の薬務担当の人たちにいろいろ聞くと、例えばある一定の段階まで承認が下りるまでパッケージの印刷等もできないとか、それはおかしいだろうと思います。仮にロットが不合格になってしまえば、それを印刷してしまったメーカーが損してしまうというだけの話です。やはりそういう印刷なども同時にやっていかないと、それだけ遅れる、供給を受ける自治体としても、ここがボトルネックになってしまっていると、幾ら原液製造の話をしても、今見たように、ここにかなりの時間を費やしているというところが明らかになっているのです。そこを国際的な基準、もちろん海外にもそういう検定があると思うのですが、国際的な基準に合わした検定で、できるだけコストを押さえて、価格の安いワクチンを市民に提供していただきたいと思います。やはり緊急時に速やかにできるシステムというのを、日本独自のシステムというのは何のためにGMPを作ったのかとの疑問もあります。もっとGMPの査察をしっかりさせて、メーカーに製造上の責任をしっかりと負わせるというほうが、むしろ現実的ではないかと思いますので、是非その辺はしっかりと検討していただきたいと思います。
○松本参考人 企業側もGMP等に対して、やはりしっかりと責任を持てるように、議論をし、提案もしていかなければいけないと思いますので、おっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。
○伊藤部会長 医薬局から何かコメントはありますか。
○江野監視指導・麻薬対策課監視指導室長 いろいろ御意見を頂きまして、ありがとうございます。私見となりますが、例えば併行検定に関して、先生方がおっしゃるように、メーカーの責任において、例えばそれが100分の1の確率、200分の1の確率で落ちたとして、それは企業が責任を考えればよいと。例えばそういう意味で、併行検定は、企業のリスクにおいて、例えば申請する制度を作ったらどうかというような御意見もあろうかとは思っています。
 これは本当の私見になりますが、併行検定という制度が、現状、感染研の中で、様々な部の中でそれぞれの検査をやっていただいている、そういった調整の中で行われている。それが、例えるならば、一般車両と緊急車両というような位置付けになるのかもしれないと思っています。
 ですので、企業の皆様方は全部併行にしてほしいといったような御意見、御要望があろうかと思っていますが、そこはルールをしっかり作った上で、急ぐべきものについては、急ぐようなものを、また業界の皆様方とも議論させていただければと思っています。
 いずれにしましても、安定供給に資するような、品質、有効性、安全性の確保はもちろんですが、安定供給に資するような議論を進めていきたいと思っています。
○釜萢委員 国家検定の問題ですが、これまでのいろいろな歴史的な経緯の中で日本の今のやり方があるわけですが、あくまでも医学的に、しっかり現代の状況に合わせた形で評価をして、安全なやり方を考えていくということが必要だろうと思います。
 一方で、今日は国立感染症研究所からもいらしていますが、国家検定は現実の場面での検定をする側の御苦労も計り知れないものがありまして、マンパワーは常に不足している中で、非常に短い期間でやらなければいけないということもありますので、整備すべき体制については、国のほうでまたよく御検討いただきたいと感じているところです。
 今回、国家検定について、改善すべき点をよく整理していただいて、それらが見える形になってきたので、繰り返しになりますが、医学的に安全性をしっかり担保しながら、見直すべきところは是非見直していくという方針が妥当だろうと思います。
 それから、最初に事務局から御説明いただいた資料の中には、安定供給のための可能な施策が列記されていますが、これはどれもみんなやらなければ駄目だと思います。どれをやれば改善するというものではないので、できるところをみんなやるという方針がよろしいと思います。
 その中で、医療機関側が、これまでの商習慣にとらわれて、無理難題を卸さんに申し上げているようなところがなきにしも非らずなので、そこのところについては、しっかりと私どもも注意を喚起して、適切な対応を取るようにと強く思います。
 もう一点付け加えますと、先ほどの資料の20ページの(3)卸の販売業者や医療機関が保有する在庫状況の見える化ということは、これまでも課題として挙げられていますので、これは是非更に進捗するようにと思っています。ワクチンが足りないという声はいろいろな場面に出てくるのですが、根拠がどうなのか、実際にどうなのかというところを客観的に評価できるようなことをしないと、困ったというところの声が多いだけではいけないだろうと思っています。
 日本医師会は繰り返し申し上げているように、ワクチンが足りなくなったという医療機関からの情報を収集するシステムが出来上がりましたので、それはどなたも御覧いただけるところですので、御覧いただいて、また何かお気付きの点があれば御指摘いただきたいと思っています。
 それから、今、風疹の対応で5期の追加的な措置を行っていまして、MRワクチンの増産を強くメーカーにお願いしているところです。この増産をした結果、先々にワクチンがどのように使用されるのか、あるいは期限がきて廃棄せざるを得なくなるのかどうかというところについては、常に国としてもしっかり把握していただいて、適切に対応が取れるように是非お願いいたします。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。併行検定のことに関しては、感染研の脇田先生の研究班の報告書が資料の中に入っていますので、御覧いただけたらと思います。併行検定をすることによって、お互いに皆さん楽になるのではないかなと思っています。本当は医薬局の人が来ている前で、生物基などなくしてしまえと言おうかと思ったのですが、余りいつも言っていることを平場で言うと怒られそうなので、ちょっと黙っていましたが、国家検定に関しては、例えばMRワクチンのように原液と小分けの製品で両方やっているなど、2度も3度もやっている、自分の会社でもやっている、余りにも無駄が多いと思いますし、先ほどから出ているように封印の解除など、昭和の時代か明治の時代かというのが、いつまで続けているのかという話に関しては、是非とも改善していただいて、これは次のワクチンの備蓄量の増大に効いてくるのです。製造から実際に使えるまでの間が、2か月伸びれば、その分が自動的に備蓄ができる状況になると思っていますので、是非ともそれは改善をしていただいて、ワクチンは基本的には社会保障だけでなく、感染防御という国民を守るためのことですので、それに資すような形に是非ともしていただきたいと思っているところです。
 備蓄量の増大についても、随分、話が出ていますが、個別にこれについて少し皆さんの御意見を頂ければと思いますが、ワクチン業界の御意見も含めて、備蓄に関して御意見を頂けると有り難いのですが、いかがでしょう。1年半ぐらい前に出した、研究班の流通に関する報告書を入れていただいていますので、御覧いただいて、ここの先生方の所にはお届けをしているので、以前から説明させていただいているところだと思っています。やはり、1点問題になって、また今後、調整をしていかなければいけないのが、企業間の調整や独禁法の問題など、先ほど原液の所でもありましたが、原液で1社が不足するときに、もう1社が増産をする、これは独禁法的な問題などは発生しているのでしょうか。
○石川参考人 正に安定供給のために、先ほど釜萢先生から在庫状況の見える化などのお話がありましたが、基本的に量ですね。その辺をどう見るかということで、業界としては更なる予防接種施策のための体制の強化と言いますか、ワクチンの種類ごとに任意接種も含めた正確な需要予測を聞く場を設けていただきたいと思うわけです。私どもは現状の需要量、出ていく数字を基にそれに見合う供給計画を策定しているのですが、複数メーカーで供給しているワクチン、特にその辺が不確定な数字です。ですから、備蓄にするにしろ何にしろ、本当に正確な定期接種でどれぐらいの接種、任意接種でどれぐらいの接種がされているのかということを検討するような産官学と言いますか、そういったところでの正確な需要数を把握するとともに、中期的、長期的な需要量はどれくらいあるといいかを議論するような場をつくっていただきたいと思っています。それが基になって、やはり備蓄が幾らあるべきかという議論になろうかと思うのですが。
○伊藤部会長 事務局から。
○賀登予防接種室長補佐 事務局です。今の備蓄の話は、伊藤部会長からも御紹介いただきましたが、少し量的なものを18ページのスライドを先ほど日本脳炎ワクチンで充填から出荷までに大体7か月ほど掛かっていると申し上げましたが、例えば今、出ました併行検定というものを自家試験と国家検定を併行してやる。さらに、最終製品化の工程で検品や包装の封印をなくせば、仮にそれを併行してできるということを3つ並べてやると、7か月掛かっているものが3か月ほどですむ、4か月ほどの短縮につながります。そうすると例えば、先ほど言った2か月分の在庫を4か月分にしても、まだお釣りがくるということです。いろいろな関係者の中で、無理に誰かに負担を強いて備蓄をするというものではなく、皆さんにとってプラスになるような形で、それは接種される国民の方々も含めてプラスになるような絵が描けるようになるのかなと考えています。
○山口委員 そのとおりだと思います。もう1つは、先ほど部会長からもコメントがありましたが、民民同士で協議をするといわば独禁法になってしまうのですが、旧化血研のときも、血液製剤がその問題になりました。結局、官主導でこういう場合はやらざるを得ないのだろうと思います。必須の製剤であれば、増産をお願いしたり、そういうことをしないといけない。そこのところは、官主導で作るにしても、協議して作るにしても、官主導でやるべきではないかなと思います。
○今川参考人 今、山口先生がおっしゃったとおりです。我々、競争法に基づいてそういった情報を民間企業間で、交換する、情報をシェアするというのは認められていませんので、もしそういうことが緊急事態で必要になる場合は、一定のそういったルールや法の解釈でやってもいいというものがあるのであれば、我々もできるのですが、現状、そういった解釈がなされていない状況では、独禁法に抵触する可能性もありますので、注意が必要かなとは思います。
○坂元委員 その辺はやはり緊急事態などの場合は、市民の健康というものが課題になっている場合は、それは例えば厚生労働省にこういう協議をしたいなど申し入れれば、それでできるという仕組みをつくらなければ、市民の健康は守れないと私は思います。やはり、それを是非やっていきたいということと、この在庫量の管理というのは予防接種法を見ると、広域的な管理は誰がやるかということが非常に不明確、やはりそれは国の権限でそれができる権限を法律に入れないと、災害の多い時代に誰がその管理をやるのだと明記する必要があります。国がメーカーにそういうことを言っても、強制と言ったら変ですが、在庫を見ることはできないと思います。やはり予防接種法の中に、広域調整ということの権限を国側に付記して、それをしっかりとやっていただくということがないと、今後、災害の多い時代に対応できないと思っています。以上です。
○賀登予防接種室長補佐 事務局です。2つ、申し上げると、1つはメーカー間の調整です。先生方のおっしゃるとおり、厚労省などが入りながらしっかりやるということも、非常に重要なことだと思っていますが、余り考えたくもないですが、例えば複数ワクチンを持っているメーカーさんが、大きな地震などで工場が全滅したということがあったときに、複数のワクチンを同時にたくさん調整を掛けないといけないということになります。例えば厚労省を介した情報のやり取りになってしまうと、厚労省がボトルネックになってしまって、迅速対応ができないという可能性もあると思います。メーカー間で、独禁法に反するような自由競争の世界と違うこと常に行える環境整備を理想としているわけではありませんが、そういったやむを得ない場合に、メーカー間で調整するということもできるというような逃げ道は確保しておいたほうがよいのではないかということで、御提案しているのが、ルール作りに関してです。
 もう1つは、在庫状況の見える化ということですが、データの収集や解析については、収集の部分で多くの方の御協力を得ないとできないということがありますので、今の段階では例えばメーカーさんに、卸さんと連携した情報であったり、そういったものがあるということも承知していますが、そういった既存のデータをうまく活用した、なるべくコストの掛からない方法を全体の中で考えていければいいかなと考えています。
○伊藤部会長 ありがとうございます。日脳のときに、見える化については厚労省が随分、努力されたと認識しています。逆に先ほども、定期なのか任意なのかという話がありましたが、定期接種に関してはある程度、企業なり卸の人たちも義務を持ってもらうために、逆に言うと定期化することも、考え方としてはありかもしれません。ただ、ちょっと気になったのが、予防接種室がコントローラーになるのか、もともと製薬企業のコントロールは医薬局なので、医薬局がコントローラーになるのか、どこがコントローラーになるのか、その辺りはどうなのですか。
○賀登予防接種室長補佐 事務局です。ワクチンの安定供給については、健康局の予防接種室の担当です。それ以外の医薬品については、基本的には医政局の経済課というところにありますが、今回、定期接種なり予防接種法の関係のものは、予防接種室でやっていると、このように御理解いただければと思います。
○伊藤部会長 ほかに皆さん、何か御質問などはありますか、全体を通して。
○釜萢委員 今、事務局から御説明があった中で、平時からワクチンがどこにどのくらい供給されたかというデータを私は国が把握していて、それを公表するかどうかは、また国が状況を見て考えればいいと思うのですが、そういうシステムは作っておくべきだろうと思っています。その場合に、メーカーに御協力いただかないと駄目だろうと思いますし、それから提出していただくデータが、適切に使われるというのは、国を信頼するしかないと思うのですが、提出のフォーマットなどが統一されてうまく利用できるような工夫が、多分必要なのだろうと思いますので、その辺りは是非メーカーさんに更なる御協力を、私からもお願いをしたいと思います。
○福島委員 せっかく医薬局から来ていただいていますので、質問させていただきたいのですが、先ほど出していただいた資料2-2についてお教えいただければと思います。私は薬事は全くの素人ですので、素朴な質問で申し訳ありませんが、2枚目のスライドで意見交換会での検討状況等ということで、8課題挙げていただいています。今後、これ以上増えることはないのですか。
○江野監視指導・麻薬対策監視指導室長 医薬局です。先ほどちょっと、1ページ目の最後に少し御紹介をさせていただいたのですが、2ページ目の8課題については、これまで第1回から第3回までで議論をさせていただいた事案になります。さらに追加の議題ということで➀、➁、➂、それ以外もいろいろありそうですが、追加の各種課題について今後検討させていただくと思います。
○福島委員 追加です。そうすると、この2枚目の8課題はほとんど検討を終了されているということですが、この8課題をクリアした場合に実質どれだけスケジュールが短縮されるのでしょうか。
○江野監視指導・麻薬対策監視指導室長 スケジュールの短縮という観点では、これまで議論をしてきていませんので、例えばインフルエンザHAワクチンでは、標準的事務処理期間は80日間というものがあります。この(1)によって2日短くなる、(5)によって3日短くなったといったような、なかなか評価も難しいわけですが、これまではそういった観点での数字は我々としては検討しています。
○福島委員 2020年4月に予定されている動物実験の縮小化やSLPの活用などは、スケジュール短縮の観点からは結構大きいところかなと思います。メーカーさんからの要望で、併行検定をインフルエンザワクチン以外にも適用していただきたいというようなこともありましたが、ここも結構ドラスティックに期間短縮できることかなと思います。もちろん整理項目はたくさんあると思いますが、このようにしっかりとした資料がに上がってきたのは初めてかなと思いますので、この機会に是非、企業さんとも一緒に、できることできないことはあると思いますが、御検討いただければと思います。私がちょっと心配だと思うのは、健康局と医薬局で縦割りで進めてしまうことで、企業さんからの要望があっても「この要望はどちらの担当でもない」などと忘れ去られているということがないように、しっかり連携して進めていただければと思います。
○賀登予防接種室長補佐 今、福島先生から連携といただきましたので、例えばですが、この安定供給の所で過去に課題になったのは、重要なワクチンでインフルエンザワクチンがありました。今年は結果的に、それほど大きな混乱を引き起こさなかったという認識をしていますが、去年、一昨年は大変な混乱を起こしまして、いろいろな関係者に御迷惑をお掛けしたと考えています。インフルエンザワクチンについても、MRワクチンでも、1週間でも早く、1日でも早く入荷してほしいということを言われます。来シーズンも十分な量を供給できるかということについては、重要な課題だと認識していますが、例えば先ほど言ったような、封印という作業をインフルエンザの次のシーズンまでに解除することができれば、国家検定をしている間に梱包作業するというような併行したことができれば、これまでよりも1、2週間早くなるようなスケジュールで出すことも実現するかと思います。安定供給については、インフルエンザも含めて喫緊の課題だと思いますので、そういったところのスケジュール感も認識しながら、医薬局と連携して対応させていただきたいと考えています。
○坂元委員 動物実験ですが、地方自治体は動物愛護法でいろいろな団体と関わっている中で、やはりこういう段階での動物実験に対する危惧というのは、我々に対してもいろいろ言われています。例えば、この異常毒性否定試験ですね。これが本当に必要なのかというのは、やはり医学的な問題や安全性の観点から考えなくてはいけないと思います。もう1つは動物愛護という観点から不用意に動物実験を多くするというのはやはり考えなければいけない。国際的な流れではないかと思います。一貫性がある場合はそれをしなくてもいいということで、では、この一貫性というのは何だということです。そういう観点からも、やらなくてもいい動物実験はできるだけ抑えていくような、今の流れではないかと思っています。その観点からも、是非、見直しを検討していただきたいと思います。
○石井委員 動物実験に関しては、おっしゃるとおりです。感染研が中心になってAMEDの研究班がありまして、これが動物実験についてはなるべく減らしていく、いわゆる3Rというものに従って進めていくということを現在、検討しています。なるべく減らしていく方向で進めていきたいと思います。
○山口委員 先ほど、封印解除などその辺の話がありましたが、この辺に関しては、例えば何かの規則を変えないといけないということがあるのでしょうか。それとも、えいやで変えられるものなのでしょうか。要するに、その辺だけは規則を変えないといけない、あるいは省令を変えないといけないという話になると、結構、大変な話かと思うのですが、もし来年のインフルエンザでもやったほうがいいという提案もあるので、その辺については。
○江野監視指導・麻薬対策監視指導室長 医薬局です。都道府県職員の関与については、薬機法の政省令改正を5年ほど前にやらせていただいています。そういった観点で、なかなかすぐに通知を発出して変えるといったようなことがしにくい部分もありますが、一方で例えば国家検定が終わるタイミングがある程度分かりますと、その調整が非常に容易になるなど、事業者の皆様方に生産にスムーズに入っていただけるようなソフト面での対応であるなど、できることはなるべくしっかりやっていきたいと思います。インフルエンザワクチンの供給については、しっかりと両局連携をしてやっていきたいと考えています。
○石川参考人 封緘の事務手続について、コメントを頂くということは有り難いことなのですが、もう1つ、国家検定のための試験品の抜き取り、封緘、また包装時の解封は、そのとおりですが、都道府県によって包装後の確認等というものもあるやに聞いていますので、その辺のすり合わせも含めてよろしくお願いしたいと思います。
 試験品の抜き取りの方法も、全部の製品を一同に引っ張りだして封緘するというのも、今の保管状況、自動倉庫管理システムなどの中で、非常に広いスペースが必要になってきます。坂元先生がおっしゃったような事務手続の連絡の電子化など、その辺も含めまして検討を頂ければ有り難いと思います。
○信澤委員 最後に一言だけ、せっかくのインフルエンザを検討していただいたのに、またお願いですが、今まで出された意見を踏まえて、是非、来年度からまずインフルエンザワクチンの併行検定が可能になるような動きをしていただけると、あと封印解除のシステムの改善をして、そこからとっかかりとなってほかのワクチンにも広げていただければと思います。ここの重要な議論が、そのままで終わりになってしまっては余りにもったいないと思いますので、よろしくお願いします。
○伊藤部会長 ありがとうございました。時間になりましたので、少なくともワクチンの併行検定、定期接種の部分は全て、シールとか無駄な事務作業に関しては、できるだけ省略化していただきたいということを、この部会の総意として、医薬局にお届けをしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。今日は、どうもありがとうございました。事務局に返します。
○元村予防接種室長補佐 長時間にわたり、御審議いただきありがとうございました。次回の開催については、追って御連絡をさせていただきます。以上です。