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2019年4月4日 平成31年度 第1回 厚生科学審議会 疾病対策部会 議事録
日時
平成31年4月4日(木) 17:00~19:00
場所
厚生労働省 共用第8会議室(11階)
議事
- ○田中難病対策課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから平成31年度第1回「厚生科学審議会疾病対策部会」を開会いたします。
委員の皆様には、大変お忙しい中お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。
初めに、前回開催時以降の新任の委員の御紹介をさせていただきますので、一言御挨拶をお願いいたします。
まず、井本寛子委員。
○井本委員 前任の中板理事にかわり、今回より参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 錦織千佳子委員。
○錦織委員 神戸大の錦織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 本日は欠席の御連絡をいただいておりますが、川上純一委員、また本日少しおくれて御参加ということで高橋郁美委員、本日御欠席と伺っておりますが、西村万里子委員にも今回からこの委員会の方に御参画をいただいております。
また、これまで部会長を務めていただいた福永部会長が任期満了により退任されております。部会長は厚生科学審議会令第8条により、本委員の互選により選任するとされており、あらかじめ5名の本委員の皆様に御意見を伺った結果、千葉委員が選任されましたので御報告をさせていただきます。
加えて、部会長代理については当該部会に属する委員、または臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理するとされております。事前に千葉部会長に御相談したところ、水澤委員に部会長代理の御指名があり、水澤委員にも部会長代理の御就任の御了承をいただいておりますので、あわせて御報告をいたします。
では、千葉委員から一言お願いいたします。
○千葉部会長 千葉でございます。部会長を務めさせていただきますので、皆様、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 それでは、委員会開催に際しまして、宇都宮健康局長より御挨拶を申し上げます。
○宇都宮健康局長 皆さんこんにちは。健康局長の宇都宮でございます。
1年数カ月ぶりの開催ということで、実は事務局で私だけがかわりまして新しくなりましたので、ぜひよろしくお願いいたします。
本日は年度当初の大変お忙しい中、御参集いただきましてまことにありがとうございます。また、日ごろより疾病対策の推進に御協力、御尽力をいただいておりますことを、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
さて、本日の議題はこのタブレットを見ないと出てきませんけれども、平成31年度に新たに追加する指定難病ということで、本日2疾患挙がってございますが、それらについて御審議いただき、もし御了承いただければ、我々としても速やかに告示の改正を行い、医療費助成が開始されるよう手続を進めてまいりたいと考えてございます。
また、前回から1年数カ月の間に幾つか出来事がございました。それらについての御報告が、その後4点ほどございます。指定難病患者データ、小児慢性特定疾患児童等データの利活用の話、それから前回の難病対策法が制定されたときに5年後の見直しということが附則で言われましたけれども、それにつきます検討の進め方、それから昨年の年末の臨時国会で成立いたしました造血幹細胞移植の話についての御報告でございます。
それから、リウマチ等対策委員会の報告というものもございます。
本日、ぜひ忌憚のない御意見を交わしていただきまして、今後の疾病対策をさらによい方向に推進されますようお願いいたしまして、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 次に、本日の委員の出欠状況でございますが、先ほどお伝えいたしましたとおり、川上委員、西村委員から欠席の御連絡をいただいております。
また、高橋委員におかれましてはおくれる旨の御連絡をいただいているところでございます。
本日は、参考人といたしまして森日本難病疾病団体協議会代表理事にお越しをいただいております。一言、よろしくお願いいたします。
○森参考人 患者団体を代表して参りました森でございます。どうかよろしくお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 開会に当たりまして、傍聴される皆様におかれましては傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
また、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
宇都宮健康局長におかれましては、公務のためここで退席とさせていただきます。
以降の議事進行につきましては、千葉部会長にお願いをいたします。
本日も、タブレットによる会議とさせていただいております。タブレットをまずごらんいただきまして、001として議事次第、002として委員名簿、003として参考人名簿、これは机上にも配付させていただいておりますが、004として座席表をまず御確認をいただければと思います。
続きまして、資料1「平成31年度に新たに追加する指定難病について」。
その下に参考資料がついてございますが、参考資料1、2、3の後に資料2といたしまして「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの当面の利活用について」。
その後、参考資料の4つ下に資料3「難病の患者に対する医療等に関する法律附則に基づく検討の進め方について」。
その下、資料4といたしまして「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行について」。
資料4の下、参考資料の2つ下に資料5といたしまして「厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ等対策委員会報告書について」の資料が格納されております。開けない等、ふぐあいがございましたら、その都度挙手をお願いいたします。
資料については、以上になります。
○千葉部会長 それでは、早速議事に入りたいと思います。
1つ目の議事は、「平成31年度に新たに追加する指定難病について」ということであります。指定難病検討委員会委員長の水澤委員から御報告をお願いいたします。
○水澤委員 平成31年度に新たに追加する指定難病の検討におきましては、昨年12月13日から計5回にわたり、指定難病検討委員会で検討いたしまして、3月20日にその検討結果がまとまりましたので、本日報告をさせていただきます。
具体的な内容につきましては、事務局の御説明をお願いいたします。
○川野難病対策課長 難病対策課長の川野でございます。よろしくお願いいたします。
資料のほうは、資料1をごらんいただければと思います。まず、検討の流れにつきまして御説明させていただきます。
難病医療費助成制度の対象となる指定難病につきましては、難病法第5条の規定によりまして厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聞いて指定することとされています。そのため、資料の1ページにございます諮問書にありますように、厚生労働大臣から厚生科学審議会長宛てに諮問をしておりまして、平成31年度から適用する指定難病の指定について御意見を伺っているところでございます。
また、3ページにございますように、厚生科学審議会運営規程でございますが、第3条に基づきまして、厚生科学審議会長はこの諮問について厚生科学審議会疾病対策部会に対して付議がなされているということでございますので、厚生科学審議会疾病対策部会のもとに置かれております指定難病検討委員会で個々の疾病が指定難病の要件を満たすかどうかについて、医学的見地から検討を行うこととしているところでございます。
平成31年度から新たに追加する指定難病の検討につきましては、先ほど水澤委員長からのお話にもございましたように、指定難病検討委員会で平成30年12月13日に議論を開始しまして、平成31年3月20日に検討結果を取りまとめていただいています。
本日の部会では、その検討結果を御報告させていただき、その上で御審議いただきたいと思っております。
その結果、指定難病検討委員会の検討結果につきまして本部会で御了承いただきましたら、厚生科学審議会の運営規程の第4条に基づきまして、審議会会長の同意を得て本部会の議決を厚生科学審議会の議決とさせていただき、厚生科学審議会の御了承を得たものとして今後、告示改正等、指定難病の追加に係る主要な手続を進めさせていただきたいと考えおります。
それでは、指定難病検討委員会の検討結果につきまして、具体的な説明に移らせていただきます。資料の5ページ、「指定難病にかかる検討結果について」ということでございます。こちらをごらんいただければと思います。
2で「検討の対象・方法」とございますが、このたびの検討では昨年の10月末時点で指定難病の要件に関する情報収集がなされた疾病を対象としたところでございます。具体的には、1にございますように平成29、30年度の難治性疾患政策研究事業で指定難病の検討に資する情報が整理されたと研究班が判断し、情報提供のあった疾病、そして2で小児慢性特定疾病のうち日本小児科学会が判断し、要望のあったもの、これを合わせて38疾病ございます。これらを検討対象としたところでございます。
この38疾病につきまして、個々の疾病ごとに指定難病の各要件、その下に「※1」で記載しています5つの要件になりますが、これらを満たすかどうか検討を行うとともに、要件を満たすと考えられる疾病につきましては、その疾病の医療費助成の支給認定に係る基準、「※2」のところにありますように、指定難病と診断するための客観的な基準や難病法に規定されています症状の程度、いわゆる重症度の基準になりますけれども、こうした基準につきましてもあわせて検討を行ったところでございます。
その次のページにいっていただきまして、「3.検討の結果」でございますが、38疾病のうち2疾病につきまして指定難病の各要件を満たし、新規の指定難病として追加することが妥当と判断したということでございます。
その次の別添1をごらんいただきたいと思います。次のページでございます。これが、指定難病の要件を満たすと判断することが妥当とされた2つの疾病になります。1つが膠様滴状角膜ジストロフィー、そして2つ目としてハッチンソン・ギルフォード症候群、この2つになります。
その次のページから別添2とございますが、この2つの疾病についての支給認定の基準ということになります。
8ページ、まず膠様滴状角膜ジストロフィーでございます。
「概要」とございますが、2で「原因」、3で「症状」、そして4で「治療法」、5で「予後」ということで記載がございます。
その次のページをごらんいただきますと、「患者数」を初め要件の判定に必要な事項が記載されています。
そして、その次の10ページでございますが、<診断基準>とございまして、ここに記載されている症状の場合にこの疾病と診断されるということになります。
そして、次の11ページに<重症度分類>とございますが、診断基準を満たした上でこの重症度分類を満たした場合に医療費助成の対象となるということでございます。
その次の12ページ以降がハッチンソン・ギルフォード症候群のほうになりますけれども、同じような形で整理をしているところでございます。
そして、少し飛んでいただきまして最後になりますが、17ページに別添3とございますが、こちらのほうは残る36疾病につきまして指定難病の要件を満たしていないと判断することが妥当とされる疾病、36疾病につきましてこれらの一覧になっております。
5つの要件がございますので、その要件ごとにどの疾病がその要件を満たしていないと判断されたかを整理したものになっております。
1点補足させていただきますと、一番上に「発病の機構が明らかでない」という要件がございますが、これを満たしていないものとして疾病名を記載しているところでございますけれども、これにつきましては「※」印で書いてありますように、がんなど他の施策体系が樹立している疾病もここに含まれておりますので、念のため補足させていただきます。
そして、別の資料になっておりますが、戻っていただいて別のファイルの参考資料1-3を少しごらんいただきたいと思います。こちらのほうに、「今後のスケジュール」ということで整理させていただいていますが、本日の疾病対策部会で御了承いただきましたら、5月上旬に改正告示の交付、そして7月上旬に新たにこの疾病を医療費助成の対象としていくということを予定しているところでございます。
資料があちこちいって申しわけありませんが、先ほどの資料1の6ページに戻っていただければと思います。3の「検討の結果」につきましてはただいま御説明させていただいたとおりでございますが、4の「今後の検討について」ということでございます。今回の検討対象にならなかった疾病や、検討はされたけれども要件は満たしていないと判断された疾病につきましては、今後必要に応じて難治性疾患政策研究事業等で研究を支援することとし、指定難病の各要件を満たすかどうか検討を行うに足る情報が得られた段階で、改めて指定難病検討委員会において議論することが適当ということでございます。
そして、その際には既に指定されている疾病の支給認定に係る基準等についても医学の進歩にあわせ、必要に応じて見直しを行うことが適当ということでございます。
事務局からの説明は、以上でございます。
○千葉部会長 ありがとうございます。
では、続いて、本日は難病患者の立場を代表する者としまして日本難病疾病団体協議会代表理事の森さちこ様に参考人としてお越しいただいておりますので、御発言がございましたらいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森参考人 ありがとうございます。先生方におかれましては、指定難病検討委員会での議論を重ねていただき、大変難しい御検討をいただいたものと感謝いたしております。指定難病と認定されるか、されないか、患者にとっては大変大きく、精神的なことも含めて生活全般に影響するものです。指定難病の対象となったときには、速やかに患者さんに直接対象疾患の方に情報が届くように周知をお願いしたいと思います。
研究班や関係する学会などはもちろんなんですけれども、御専門の先生にかかっておられない患者さんも多くおられます。インターネット環境にない方もおられますし、医療機関から直接患者さんにお伝えいただける方法をぜひとっていただきたいと思います。
また、処方箋薬局での掲示ですとか、報道機関などの御協力により、広く身近なところから情報が入るようにお願いしたいと思います。
また、指定難病の要件を満たさないと言われましても、なかなか患者にとりましては毎日が治療を欠かせない大変な闘病生活なわけです。長年、療養生活をし続けておりますし、科学的に満たされないと言われても納得できるものではなかなかありません。
難病法では、広く指定難病だけではなく、難病を捉えて難病対策が実施されているはずですけれども、指定難病ではない疾病は保健所ですとか、難病相談支援センターの対象となっていない事業もあったりするところがあります。福祉サービスや就労支援などから外されているケースもあります。また、発症の機構が明らかでないとの要件を満たしていないとして、がんなどの対策がある場合という御説明もありましたけれども、がん支援のほうで難病も絡んでいるがんについての対策が十分に行えるかどうかというところもしっかりと考慮いただき、難病の対策としても合わせて御検討いただければと思っています。
また、指定難病ではない疾病というところでは、患者会などの意見ですとか要望なども、ぜひ当事者から聞いていただけるような機会を指定難病検討委員会のほうでもいただければと願っておりますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○千葉部会長 ありがとうございます。難病患者さんの立場から、いろいろ御意見とか御要望をいただきました。よろしいでしょうか。
それでは、ただいま御説明のありました指定難病検討委員会の報告につきまして、委員の方々から何か御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。
○上本委員 京都大学の上本と申します。本部会に出席は初めてなので、ちょっと聞いていいかどうかあれなんですけれども、本日のこの部会では今回検討に挙がっている疾患の医学的なことなどの質問はしてもよろしいのでしょうか。既に決まっているので、余り言ってはいけないのかなと思ったりしたのですが。
○千葉部会長 これは部会長としての意見ですけれども、基本的には検討委員会でかなり検討がなされていますので、個別のことにつきましては恐らくここで議論する場ではないというふうに考えております。ですから、大きな制度とか、大きな検討方針といったようなものについて、何か御意見等がありましたらいただいたほうがよろしいかと思います。
○上本委員 了解いたしました。
○千葉部会長 ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。かなり何度も慎重に検討がなされてきたわけであります。
ありがとうございました。それでは、資料1の指定難病検討委員会の検討結果の報告につきまして、本部会で了承するということでよろしいでしょうか。
(委員 異議なし)
○千葉部会長 ありがとうございます。それでは、本件につきましては本部会の了承とさせていただきます。
本日御了承いただいた内容をもとに、厚生労働大臣からの諮問に対する答申案を事務局に作成いただいておりますので、資料を配付の上、本件の今後の進め方も含めて事務局から御説明をお願いします。
○川野難病対策課長 そうしましたら、今、資料のほうをお配りしているところかと思いますけれども、まず今後の進め方といたしましては先ほど申し上げたとおり、ただいま本部会の御了承をいただきましたので、厚生科学審議会運営規定第4条に基づきまして、審議会会長の同意を得た上で本部会の議決を厚生科学審議会の議決とさせていただき、厚生科学審議会の御了承を得たものとして進めさせていただきたいと思います。
お手元に1枚お配りさせていただいておりますけれども、先ほど御説明させていただきましたとおり、平成31年度から適用する指定難病の指定につきまして、厚生労働大臣から厚生科学審議会長宛てに諮問がありましたところでございます。今お配りしましたとおり、答申書案を作成しておりますので、読み上げさせていただきたいと思います。
答 申 書
平成31年3月29日厚生労働省発健0329第1号をもって諮問のあった平成31年度から適用する指定難病の指定について、下記のとおり答申する。
記
平成31年度から適用する指定難病の指定については、「膠様滴状角膜ジストロフィー」及び「ハッチンソン・ギルフォード症候群」の2疾病とする。
以上でございます。
○千葉部会長 ありがとうございます。それでは、ただいま事務局から説明のありました答申書の案につきまして、本部会として了承することでよろしゅうございますでしょうか。
(委員 異議なし)
○千葉部会長 ありがとうございました。それでは、事務局におかれましては、指定難病の追加に係る所要の手続を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、2つ目の議事に移らせていただきます。2つ目は「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの当面の利活用の運用について」の報告でございます。事務局から、報告をお願いしたいと思います。
○川野難病対策課長 それでは、資料2をごらんいただければと思います。「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの当面の利活用について」ということでございます。
まず表紙の次のページ、1ページをごらんいただければと思いますが、こちらの資料は難病対策委員会と、データベースについては小慢も同様でございますので、社会保障審議会の下にあります小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会、この両委員会合同で昨年2月から4回ほど御議論いただきまして、6月に取りまとめていただいたものになります。
1で「はじめに」とございますが、1つ目の「○」にございますように、平成27年1月に施行された難病法に基づく基本的な方針におきまして、指定難病の患者の診断基準や重症度分類等に係る臨床情報等を適切に収集し、データベースを構築することとされているところでございます。こうしたデータベースにつきましては、先ほど申し上げましたように小慢も一緒でございますが、1ページの一番下の「○」にございますように、難病法施行以降、新しいシステムを構築しておりまして、難病患者の皆さんが医療費助成を申請される際に提出していただく臨床調査個人票のデータを収集し、現在そうしたデータについて順次データベースの入力を進めているところでございます。このデータベースの情報を今後研究に利活用するため、当面どう提供していくかということで御議論いただき、整理していただいているものでございます。
2のところで基本的な考え方としましては、1にございますように医療費助成の目的が調査及び研究の推進に資することでございますので、難病の各疾病に関する現状の把握、疾病概念の整理、診断基準の作成等々、さまざまな研究の推進に資する有効なデータを適切に提供すること。
一方、2にございますように、希少な疾病であることで個人が特定されやすいという難病特有の性質がございますので、個人情報の保護等に万全を期し、厳正な運用を確保することとされているところでございます。
3の具体的な方向性でございますが、まず1)のところで「データの利用に関する同意」とございますが、こちらにつきましては患者の皆さんから医療費助成の申請時に研究利用につきまして同意をいただいていますので、利活用の範囲につきましては患者の皆さんから同意を得た範囲が原則ということになります。
そして、2)の「情報の提供先」につきましては、後ほど御説明させていただければと思います。
3)の「提供する情報の範囲」につきましては、個々の調査事項や研究内容から判断して必要最小限にすること、また個人情報保護の観点から必要な匿名加工を行った上で研究に有益な情報を提供することが望ましいこととされているところでございます。
続けて「4)利活用の目的」でございますが、こちらも後ほど御説明させていただければと思います。
5)の「研究成果等の公表の方法」につきましては、研究の成果を患者を含め広く国民に周知すること、そして一方で個人が特定されないよう特段の配慮をすることとされております。
そして、「6)審査会の設置」でございますが、有識者で構成される審査会を設置して個々の利活用の申請ごとに今、申し上げたようなことを総合的に審査して情報提供の可否を判断することが適当ということでございます。
その次のページで「4 今後の進め方」ということでございますけれども、審査会の審査基準、運営方法、同意の撤回方法、経年データの提供方法等、データベースの利活用の運用に係る詳細については有識者による検討会で検討することとされています。
そこで、昨年9月からことしの1月にかけまして、指定難病患者データによる小児慢性特定疾病等データの提供に関する有識者会議というものを設けまして、そちらを5回開催させていただき、審査会の審査基準等の案を取りまとめていただきました。それについては、また後ほど御説明させていただきます。
なお、そこに5で「その他」ということで、中長期的に検討が必要な課題というふうにございますが、合同委員会のほうで当面の利活用のあり方につきまして御議論いただく中で、そこに記載されていますような御指摘をいただいております。難病と小慢のデータベースの統一化の検討、または医療等IDなどを用いて難病に関連する各種データベースを連結する方策などの検討、登録方法を見直してオンラインシステムや医療費助成の支給認定の一次判定機能の導入の検討など、こうした点につきましても御指摘をいただいているところでございます。
次のページにいっていただきまして、こちらは先ほどお話ししました利活用の運用に係る詳細についてでございますが、有識者会議のほうで検討し、案を取りまとめていただき、最終的には2月、難病対策委員会と小慢の専門委員会の合同会議で御了承いただいたものでございます。
7ページからの資料で、まずは審査会で個々の審査を行う際のガイドラインについてですけれども、本体は参考資料2-2でつけておりますが、かなりのページ数になりますので、こちらの概要のほうでポイントを御説明させていただきたいと思います。
こうしたガイドラインにつきましては、既にNDBのほうで審査のガイドラインがございますので、それをもとにしながら難病の希少性や特殊性を考えて個別に規定していくという形で整理されたものでございます。
7ページで、「主なポイント」ということで大きく3点について整理していますが、それぞれ後ろに資料がついておりますので、そちらのほうをごらんいただければと思います。
その次の8ページでございますが、1つ目の「提供先の範囲の見直しについて」でございます。こちらは、現行の同意書では表の左の欄に記載していますように、難病につきましては厚生労働省の研究事業等の基礎資料ということで、提供範囲がそういった形で記載がございます。
それで、実際に議論の中では上のほうの箱の中にも記載しておりますけれども、厚生労働省だけではなくて文科省が補助を行う研究事業を実施するものもその対象に含めてはどうかといった点。または、研究だけではなくて政策の立案を行うという目的のため、厚生労働省はもちろんですけれども、都道府県や指定都市、中核市ですね。小慢は中核市も実施主体になっておりますので、中核市は小慢だけということになりますけれども、こうした自治体も認めるということ。そしてまた、それ以外にも有識者による審査会で提供が適切であると判断されたものについても認めるということ。
こうした御意見がございまして、こうした御意見に基づき、ガイドラインでは提供範囲をその下の表の真ん中の赤で囲った欄になりますけれども、そちらのほうに記載しているような形で整理されているところでございます。
また、表の右のほうに「今後の更なる拡大」とございますが、今後につきましては当面の利活用の状況や患者の御意見等を踏まえつつ、拡大を検討することとしているところでございます。
そして、その次のページは「利用目的・利用方法・研究結果公表時の同意取得に係る整理」とございますが、まず「利用目的・利用方法」としましてはそこの表にございますように大きく2つございます。1つは表の左のほう、提供データによる研究を行う場合ということでございますが、これは同意書に基づいて匿名化したデータにより研究を行う場合ということで、主に各疾病の疫学調査等の研究を行う場合や、政策立案のために使う場合はこちらかと思います。
もう一つ、表の右のほうでございますけれども、「臨床研究等の実施に関して患者に協力を求める場合」ということでございます。こちらは、指定医が診断を行った医療機関、どの医療機関にその難病の患者さんがかかっていらっしゃるかという情報等を提供して、実際に主治医を介して患者さんから同意を改めて取得して臨床研究等を実施するというものになります。こういった大きく2つのパターンがございます。
そして、この表でいきますと上から3つ目に「研究結果公表時の同意取得」とございますが、左の提供データによる研究のほうにつきましてはNDBと同様、原則不要ということにしています。
ただ、10未満になる集計単位につきましてはNDBでは公表しないということにされていますけれども、そもそも難病の場合は希少の疾患で患者数も少ないということも考慮し、住民らの数値を公表する場合は患者への再同意を取得することとしております。
一方で、右の臨床研究のほうにつきましては、情報提供の再同意を取得する際に研究の結果の公表についてもあわせて同意を取得することとしているところでございます。
ページを2ページ戻っていただきまして先ほど主なポイントを3つ整理されているものの7ページでございますが、3のところで「中間生成物の保存」というものがございます。こちらにつきましては、厚生労働省のほうで将来的に研究成果について再検証等が必要になることを想定し、申請者の申し出に基づき最長10年間、提供したデータについて適切に記録を保存し、申請者から提供依頼の申し出があった際には提供することとしているところでございます。
審査する際のガイドラインについては、以上になります。
続きまして、同意の見直しについてでございますが、資料の10ページをごらんいただきたいと思います。「現行の難病DB・小慢DBの同意書の比較とその対応の方向性」という資料になります。こちらは上の箱のところをごらんいただきますと、難病と小慢の同意書につきましては現在さまざまな点で平仄がとれていない状況にあります。それを、患者の皆さんの理解のもとに難病の研究の推進等に十分資するものとなるよう、同意書を見直して平仄をとっていきたいということでございます。
下に表がございますが、上のほうから「利用範囲・提供先」につきましては書きぶりが違いますので、それを右の欄のように研究の推進及び政策の立案のための基礎資料ということで難病と小慢で統一をしていくということでございます。
「任意性の担保」につきましては、同意は任意で、同意されなくても医療費助成の可否に影響を及ぼさないということですけれども、それにつきましては小慢のほうだけ記載があるという状況です。
それで、先ほどお話をしました「臨床研究時の再同意取得」、3番目の3列目ですけれども、こちらについては難病のほうだけです。
そして、その次の「経年データ」、過去のデータとひもづけをして患者さんの経過、経年のデータを把握することにつきましては、こちらは小慢のほうだけです。
そして、「研究成果の公表」はするけれども、個人が特定されることはないということですけれども、こちらのほうは小慢のほうだけと、現在いずれの項目も難病、小慢、片方だけにしか記載がないという状況になりますが、これらについては両方の同意書に同じように記載することとしています。
そして、一番下の「同意の撤回」ということでございますけれども、こちらのほうは今いずれの同意書にも記載がありませんが、今後は同意の撤回についても新たに記載するということをしているところでございます。
このような点を見直して、新しい同意について新たに難病と小慢で統一化をすることとしております。それを反映させた見直しの同意書は参考資料の2-3で添付されていますので、またごらんいただければと思いますが、同意書の見直しにつきましては自治体の実務的な対応などが必要になってきますので、実際の運用に当たりましては自治体のほうともよく相談しながら進めていくこととしておりまして、新しい同意書への移行につきましては自治体の状況に応じて随時移行していくということで、今年度、2019年度1年間は移行期間ということで考えておりまして、2020年3月末までには全ての自治体で移行していただくこととしているところでございます。
説明のほうは、以上でございます。
○千葉部会長 ありがとうございます。「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの当面の利活用の運用について」ということで、難病対策委員会と小児慢性特定疾患児への在り方に関する専門委員会合同部会と、それから有識者会議でいろいろ御議論いただいた結果を御報告いただいたということであります。
今の御報告につきまして何か御質問、あるいは御意見等ございますでしょうか。ありましたらどうぞ。
○錦織委員 小慢と難病とのデータベースをくっつけて、ひもづけてというのは非常にいいことで、貴重なデータが得られればと思うんですけれども、現行で先ほど小慢とか、いろいろ申請が少ないというふうな話が出ていたかと思うのですが、私が感じておりますのは、小慢に関しては特に地方自治体で小学生に上がるまでとか、小学生までとか、場所によっては中学生まで医療費が全くかからないというところがたくさんあります。そういう方のケースでは、小慢の申請をするのに必要な費用があって、その手間をかけて、費用をかけてするよりは、そのままでも別に医療費はかからないので、そういうところでやはり申請の件数がぐっと減るという部分があるかと思うんです。
ですから、非常にプラクティカルなところで、現状を把握するにしても、それぞれの自治体がどういうふうな施策を行っているかということも考えた上で、その申請の増数というのをどのように誘導していくかという視点も考えていただければと思います。以上です。
○千葉部会長 この点につきまして、いかがでしょうか。
○田中難病対策課長補佐 貴重な御意見ありがとうございました。患者会を含めて、小慢のデータの登録がなかなか進まないという御意見を多くいただいているところでございます。
御指摘いただいた文書量の問題、それから各自治体が行っている子供医療費の問題など、さまざまな問題がありますが、今後、小慢の指定難病もそうですが、データの登録が進むように、患者様に対して何か情報提供できないか等、今後、患者様に何か返せることということを前向きに検討させていただきたいと思います。
○千葉部会長 ただいまの件につきましては、私もこの検討のほうに少し関与させていただいているわけですけれども、今、御意見が出ましたように、小児慢性につきましては各自治体が無料でという制度を結構たくさん施行しておられるので、なかなか患者さんのデータとして集まりにくいという現実があることと、それから指定難病につきましても森さんなどもずっと言っておられますけれども、軽症者が助成から外れるということで軽症の方は最初から出されないという傾向があるというところで、指定難病につきましてもデータが完全なものとして集まってこないという問題点があります。
この点につきましては、検討の過程でも結構いろいろ意見が出ておりまして、これは今後検討していただくという話になっていたと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ほかは、何かございますでしょうか。
水澤先生、どうぞ。
○水澤委員 今、座長がおっしゃってくださったんですけれども、軽症者の方々の登録の問題で、この難病ができて数もふえましたし、今、非常にいい方向にきていると思うんですけれども、この軽症の方々が外れたことによって、明らかに疫学的データとしては利用価値が格段に下がってしまったということがございまして、私は自分が担当している脊髄小脳失調症のデータをずっと経年で見てみますと、2014年までが従来のやり方ですね。それで、15年、16年と、患者数が確実に減っているんです。ですから、これは人為的なものだというふうに思われますので、何とかそこのところを使えるようにしていただきたい、するべきだと思っております。
それで、質問は、先ほどの御説明で言いますと、5ページの「中長期的に検討が必要な課題」のところでちょっと出てきたように思うんですね。それで、そこを読みますと「軽症者に登録するインセンティブを付与するための方策」というふうに書いてあるんですが、これがそれなんでしょうか。今のことに該当するんでしょうか。
○田中難病対策課長補佐 イメージとしては、そういうことを考えております。登録することで研究が進むというのは、なかなかすぐに患者様として実感しにくいところはあろうかと思いますので、もちろん研究に利活用されるということを啓発することも大事でございますが、それ以外に、例えば何か患者様に登録することによるメリットを考えていく必要があるだろう。
具体的に今すぐには申し上げられないんですが、例えば研究班などで今、指定難病を研究していただいておりますので、そういった最新の情報を提供するなど、患者様に対するインセンティブをかなり強力なものを考えてまいりたいと思っております。
これは、合同委員会のほうでも御意見いただいておりまして、その中にこの1文でまとめさせていただいているところでございます。
○水澤委員 その強力なものに期待したいと思いますけれども、私はもう少し簡単に考えていまして、やはりこれは規則で軽症者の方も含めて全て登録はしてください。そういう制度ですというふうな認識で行うことができれば、相当の方は登録される。
インセンティブがかなりなくてもされるのではないかなというふうに期待はしているんですけれども、そういうことも含めてぜひ検討していただければと思います。
○田中難病対策課長補佐 御意見ありがとうございました。
○千葉部会長 ありがとうございます。非常に重要なところでありますので、御検討をよろしくお願いしたいと思いますが、ほかに何かございますでしょうか。
どうぞ。
○小澤委員 今言われたインセンティブ云々の下のほうに、「登録されるデータの質及び信頼性を担保するための方策を検討してはどうか」というふうに書かれていますけれども、従来のものは病名も必ずしも正確でなかったりとか、調査研究に使えないようなものであって、新しい臨床調査個人票ではそこはきちんとするというような話だったと思いますけれども、こういう方策を検討してはどうかということはまだまだ不十分という意味合いなんでしょうか。
○田中難病対策課長補佐 合同委員会の中では、委員の先生のほうから今お話がございましたが、やはり医療費助成と結びついたデータであるがゆえに、少しその患者様をやや重症に書いてしまう医師がいるという話もあるというようなお話が実際に委員の先生方から出てきたということと、もう一つは非常に今、臨床調査個人票は多くの項目を御記入いただくようなものになっておりまして、先生方の中には過去のものをそのままコピーをしているというような御意見があったのも実際でございます。
そういった御意見を踏まえ、臨床調査個人票を非常にお忙しい先生方に御記入いただくので、そういったものをもう少し簡素化することはできないかなど、今後検討を進めてまいりたいということでお答えをさせていただいておりまして、出た御意見を踏まえてこのような一文にまとめさせていただいております。
○千葉部会長 どうぞ。
○山本委員 この検討会に結構最初から参加させていただいたので、この点はもうずっと議論しているんです。
だけど、いろいろな現在の経済状態も含めて無理だというのが現在までの結論だと思っています。しかし、全く医療費と別にやるべきだという議論を金澤先生が議長のころからずっとやってきたわけですね。そうじゃないと、データにならないということだけれども、現実的には無理だということになっています。それは今から議論しても仕方ないんですけれども、この現状をすこしでも良い方向にもっていくには、結構知恵を出さないといけないと思います。
ですから、可能であれば、ぜひ検討する委員会ぐらいは、きちんとつくって、年単位でもいいですから方向性をきちんとつくるようにしたほうがいいと思います。これだけのエネルギーを使ってやっているものですから、それを少しでも有意義に、研究だけじゃなくて患者さんのためにもしていただきたいと思います。
○田中難病対策課長補佐 御意見ありがとうございました。
○千葉部会長 おっしゃられるように、これは非常に長い間の懸案事項ですので、ぜひよろしくお願いします。
ほかはよろしいでしょうか。今お話がありましたように、こういうふうなことを決めていきましても、やはりもとのデータがちゃんとあるかどうか、しっかりしているかどうかというのが一番問題なものですから、それの周りだけ固めてもだめだというところで、本丸をぜひよろしくお願いしたいと思います。よろしいですね。
それでは、ありがとうございました。続きまして3つ目の議事、「難病の患者に対する医療等に関する法律附則に基づく検討の進め方について」の報告を事務局からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○川野難病対策課長 そうしましたら、資料3をごらんいただければと思います。難病法の附則に基づく検討の進め方についてということでございます。
ページめくっていただきまして1ページ目は難病対策委員会の概要になりますので省略させていただきまして、その次の2ページ目をごらんいただければと思います。
まず簡単に「開催経過」の御報告でございますが、昨年4月以降、先ほど御説明させていただきましたような指定難病患者データベースの利活用のあり方の運用について、「※」印でも書かせていただいていますけれども、小慢のほうの専門委員会と合同で御議論いただいております。
なお、第58回のところで昨年10月データベースの議論、こちらにつきましては先ほどもちょっと触れましたけれども、将来的な課題としてNDBとの連結をどうしていくかということでございますので、そうした点についての具体的なニーズや課題、今後の対応方針について御議論いただいたものになります。
また、57回と59回のところで「患者からの申出を起点とした指定難病検討について」とございますけれども、こちらは先ほど議事1のところで御審議いただいたように、指定難病の疾病追加につきましては研究班からの情報提供に基づいて検討しているところでございますが、研究班がない疾病もある可能性もあるということで、患者さん御自身が指定難病の追加の検討を申し出る仕組みについて御議論いただいたというものでございます。
そして、5のところで「今後の予定」とございます。そこにありますように、難病法の附則に施行後5年以内を目途として、その施行の状況等を勘案しつつ、特定医療費の支給に係る事務の実施主体のあり方、その他の事項について検討を加えるという検討規定が設けられています。難病法の施行は2015年の1月、平成27年の1月でございますので、1年後には施行5年を迎えるということで、この規定に基づく検討を進めていくということでございます。
そのため、今後この難病対策委員会のほうで具体的な検討を行うこととしております。その際には、小慢の規定がございます。改正児童福祉法につきましても、附則に同様の検討規定が設けられていますので、検討に当たりましては必要に応じて他の類似の施策に関する事項を調査審議する審議会、具体的には先ほど来申し上げておりますような社会保障審議会の児童部会や、その下の小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会になりますが、そちらと連携を図りながら行うことになるものと考えております。
そして、難病対策委員会のほうで検討結果がまとまりましたら、この疾病対策部会に御報告させていただき、御審議いただくこととしているところでございます。以上でございます。
○千葉部会長 ありがとうございました。お話のように、この難病法につきましては2015年1月に開始されたわけでありますが、そこに施行後5年以内を目途としてこの法律の規定についてその施行の状況等を勘案しつつ云々で、見直しといいますか、そういったことをするということが記載されてございます。
それで、2020年1月がちょうど5年ということですので、ただいま御説明のありましたように、今後の流れにつきましてはそれを1つのターニングポイントとして検討していくというお話でございました。
恐らく、先ほどのような問題点等についても検討をしていくということになろうかと思いますが、ただいまの御説明につきまして何か御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
(委員 異議なし)
○千葉部会長 それでは、これにつきましては指定難病、それから小児慢性をあわせまして、20年1月に向かって作業を進めていただくということでお願いしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、続きまして4つ目の議事になります。「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行について」、事務局から御報告、説明をお願いいたします。
○井内移植医療対策推進室長 それでは、今、御指示がありましたように、法律の改正の御説明をさせていただきたいと思います。
資料4のほうを見ていただきまして、資料4-1のところで御説明をさせていただきます。
表紙がございまして、文章での御説明があるんですけれども、その次のページのポンチ絵のところで御説明をさせていただきます。
「臍帯血移植と造血幹細胞移植法について」ということで、まずここから御説明をさせていただきますと、造血幹細胞移植法の中に、いわゆる臍帯血を用いた造血幹細胞移植、臍帯血といいますのは御存じのとおり胎盤と赤ちゃんをつないでいる臍帯の中にある血液で、これが造血幹細胞ということで、いわゆる骨髄移植と同様の効果があって造血幹細胞移植に利用されるというものでございます。
この臍帯血に関しましては、HLAの方をいわゆる患者の方と合わせる必要があるということで、バンクの体制をとってバンキングをしているというものであります。この造血幹細胞移植法の制定ということで、臍帯血バンクの制度についてもこの法律の中で所管がされている。
それで、右側のほうにいっていただきますと、現在の提供体制ということですが、公的バンクということで全国に6バンク、現在の保管臍帯血数は3月時点で9,991、年間1,334件ということで、非血縁間の骨髄移植と同等よりやや上という数が年間実施されているというものでございます。
次のページにいっていただきますと、今回問題が起きたということで法律改正となったのですが、どういった問題かという前にまず現状を御説明させていただきますと、公的臍帯血バンクと臍帯血プライベートバンクという2種類が今、臍帯血をバンキングしているものとしてあるということでございます。
上のブルーのほうが、先ほど説明させていただきましたいわゆる公的バンクと言われるもので、全国に6バンクあって、造血幹細胞移植が必要な患者様のために今バンキングをしている。それで、これはここにありますように提供者、赤ちゃんを産むお母さん方に御協力をいただきまして臍帯血の寄附をいただきます。それで、公的バンクのほうで保管をしておいて、右の移植施設のほうにありますが、患者さんが出られてHLAのタイプがあった。それで、細胞数のほうも十分あるというような方に提供されるというような形で、これがもともと動いているいわゆる法律の範疇内のものでございます。
それで、下にプライベートバンクというものがございます。これも臍帯血を保管するという仕組み自体は公的バンクと同じなんですけれども、仕組みが少し違っておりまして、まずこれはいわゆる第三者、患者さんのために預けるというのではなくて、左の依頼者の方が自分の子供が将来、再生医療や造血幹細胞移植に必要となったときのために、もちろん自分のものですので、自分とぴったり合った臍帯血を預かっていただくというような仕組みになっております。
それで、上のほうは公共性が高いので当然国のほうからも補助金が入っておりますし、法律の中でもしっかりとこういった体制をとるということが決められておりますが、下のほうはあくまでも個人が個人のためにやるというものですので、これは法律の範疇には入っておらず、基本的には民民の契約の中で実施されているというものでございます。
次のページを見ていただきますと、この下の民民の契約で行われている、こちらのプライベートバンクのほうで問題が起きたということでございます。あるプライベートバンクが2009年に経営破綻をしたということで、そこで預かっていた保管臍帯血のほうが全く関係のない右のほう、臍帯血販売業者、仲介業者というところに渡ってしまった。それで、それがそのままクリニックのほうで使われて、いわゆる患者さんに無届けでの投与がされたということでございます。
これの使われ方といたしましては基本的に造血幹細胞移植、いわゆる白血病のための治療ということではなく、いわゆる再生医療の範疇に入ります、本当に効果があるかどうかというのはまだ実証できていないような治療に使われたということがございました。
それで、この中で今回はこのクリニックで再生医療法違反ということで、造血幹細胞移植法とは違って臍帯血を使った再生医療としていわゆる無届けで行ったということで、今回逮捕されたというようなことがございました。
これを受けまして、造血幹細胞移植法を変えていくという議論が議員立法でございまして、国会の中で出まして、国会のほうで法律が変えられたというものでございます。
次のページを見ていただきますと、「造血幹細胞移植法の改正イメージ」ということでございます。黄色のバツが、今回だめになったというものでございます。緑の下のほうから見ていただきますと、いわゆるプライベートバンクから医療機関のほうにいくという、この取引のところが販売業者であれ、仲介業者であれ、こういった取引をすること自体に罰則がつくようになったというものでございます。
それで、先ほどは再生医療法違反ということで、やる医療機関が無届けで行っていたということで再生医療法違反で、仲介した人はその共犯という形で逮捕ということになったんですけれども、実際にそれを造血幹細胞移植に当てはめてみると、実は取り締まるすべが今までなかった。ですから、再生医療法としてやられた場合は今回逮捕できましたけれども、造血幹細胞移植だと言い張ってやられた場合、それが医療上グレーであればいわゆる立憲できない可能性があったということで、今回そこのグレーゾーンを埋めるために、ここが明確にだめだということの法改正がなされたというものでございます。
それで、上のほうのブルーになりますが、今回これとあわせましていわゆる臍帯血供給事業の公的バンクというのが、お母さん方から臍帯血を採取して、調整をして、冷凍保存をして引き渡すというのを全てやっているということで、実際に今の公的バンクはこのパターンでしかないのですが、この法律を見直したときに悪意を持って見た場合、この一貫管理をするいわゆるバンクにしか厚生労働大臣の許可はおりないんですけれども、これをばらばらにやってしまった場合、厚生労働大臣の許可を得ずとも実際に運用ができてしまうというようなことが、今回法律を見直したときに判明をしました。
いわゆる悪いことを考える人がそれぞればらばらにやって、厚生労働大臣の許可を取らずこういった臍帯血を取り扱って、本当に有効かどうかわからないようなものに使っていくというようなことが可能ではないかということで、この点もあわせて法改正を行ったということで、今回の法改正につきましてはプライベートバンクからの臍帯血の流出というものを契機といたしまして、しっかりと臍帯血がきちんとした管理のもとで使われるようにという趣旨でなされたということで、これが3月14日から施行されていますということで、本日は御報告でございます。
○千葉部会長 ありがとうございました。これは、御説明のとおり既に3月14日から施行されているということですので、御報告ということでございます。このプライベートバンクの事件については多くの方が御存じだと思いますが、このプライベートバンクの問題点を解決する際に、いわゆる公的バンクのほうにも悪く見れば欠陥があるというところで、両方改正がなされたという御説明でございました。
この点につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。既に施行されているということでございますので、よろしいかと思いますが、よろしいですね。
(委員 異議なし)
○千葉部会長 ありがとうございました。それでは、次の議事になります。「厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ等対策委員会報告書について」ということで、事務局から御説明、御報告をお願いいたします。
○佐々木がん・疾病対策課長 がん疾病対策課長の佐々木でございます。資料5をごらんください。資料5、厚生科学審議会疾病対策部会、本部会の下に設置されましたリウマチ等対策委員会報告書についてでございます。
スライドはその次でございますが、ポイントを3点御説明したいと思います。
1つ目のポイントですが、この報告書をまとめるに至った経緯でございます。今回、報告書が3回目の取りまとめになります。第1回目は、平成で申し上げますと17年にまとめられました。
2回目が、平成23年にまとめられました。つまり、6年経過して2回目がまとまったということでございます。
そして、今回3回目の報告書取りまとめになりますが、昨年の3月にこの委員会の第1回会議を立ち上げました。山本委員におかれましては、最初の昨年3月から御参画いただき、また、羽鳥委員、井本委員におかれましては昨年の夏の取りまとめのステージからこの検討に加わっていただいております。最終的には、昨年11月にこの報告書がまとまっております。
ポイントの2つ目ですけれども、どういう課題があって、どういう方向に向かっていくかでございます。
まず、上のほうにあります「新たな課題」、どういう課題があるかというと、1つは生物学的製剤については、診療の際の減量ですとか、休薬ですとか、中止だとか、こういった検討が不十分ではないか。
また2つ目、生活の場でのリウマチの知識不足により、周囲からの理解や支援が得られない等の指摘がある。
3つ目が、各年代での生活やライフイベントに対する診療・支援に関する指針や人材育成が不十分であるということでございます。
つまり、医療そのものに加えて、社会的にどういうリウマチに対する取り組みをしていくのか。こういった課題について議論をいただいたところです。
その結果、その下にあります「対策の全体目標」として、リウマチ患者の疾患活動性を適切に治療によりコントロールし、長期的なQOLを最大限まで改善し、職場や学校での生活や妊娠・出産等のライフイベントに対応したきめ細やかな支援を行うということを、この後のここから先の対策の全体目標に設定したところでございます。
その次のスライドですが、ポイントの3つ目で、ではどのような対策を講じるかでございます。このスライドは、横軸に時間軸、無症状期間から発症、さらに初回症状発現期で、改善や悪化を繰り返しという時間軸を据え、縦軸に医療の提供、情報提供や相談の体制、研究開発等の推進というフェーズに分けてマトリックスをつくっております。
この中でもポイントになった議論が、一般医療機関と専門医療機関などにおいて、どういう形で患者さんの紹介、逆紹介をしていくかということが結構議論の時間を割かれました。
折しも2014年に赤字で書いてありますとおり、関節リウマチ診療ガイドラインの一般医向けの診療ガイドライン、さらには関節リウマチ診療ガイドラインのアルゴリズムが改定等されたところもありまして、これをいわば、病病連携、病診連携の中にはめ込んだということでございます。
さらには情報提供や相談体制、そして研究開発を進めていくというところにつきましては、現在、例えば相談で申し上げますと、アレルギーと一緒に相談事業を行っておりますけれども、こういったものをさらにどういう形で充実していくのかということが検討会の中で御指摘をいただいたところでございます。
これは、昨年の秋に報告書がまとめられたところですので、政府の取り組みとしては今年度からできるものもあれば、また予算を伴うものについては来年度以降の予算要求に反映をさせていくべきものでございますので、そういった形でこれを軸に今後は対策を進めていきたいと考えております。
参考までに、資料はつけておりませんが、アレルギーについても御紹介したいと思います。
昨年1月のこの部会で御承認いただきましたとおり、それまではリウマチアレルギーの委員会だったものが、アレルギーについては別の根拠法ができたことがあって、アレルギーの協議会ができたところでございます。
このアレルギーの協議会で先月お認めいただいたものに、ことしの1月に策定いたしました「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」というアレルギーについて初めての10カ年戦略というものをまとめましたので、あわせて御紹介したいと思います。
この議題につきましての説明は、以上でございます。
○千葉部会長 ありがとうございました。
ただいまのリウマチ等対策委員会報告につきまして、何か御意見、御質問ございますでしょうか。現状につきまして御報告いただきましたが、よろしいですか。
御参加いただいています山本先生、特に御追加ありませんか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、議題6というのがありましたが、議題6は「その他」でありまして、一応用意した議題はこれだけということでありますが、「その他」につきまして何か皆さんから御意見、御追加がございますでしょうか。
では、どうぞ。
○高橋委員 御質問ですけれども、今回のこの答申書が「○○」となっていて、最終的に今これは決裁をされて7月上旬から医療費の助成がされるということですけれども、予算上は国と都道府県の予算は補正で対応するという理解でいいんですか。
○千葉部会長 指定難病の話ですか。先ほどの答申の話ですか。
○高橋委員 先ほどの答申と、このお金の支払いの問題です。
○川野難病対策課長 当初予算のほうで含まれているということでございますので、そちらのほうで対応したいということでございます。
○高橋委員 国のほうでも、7月からの予算が組まれているということですか。
○川野難病対策課長 そういうことでございます。
○高橋委員 都道府県の場合は、先ほど小児のいろいろな話がありましたね。それに追加されることになるので、その分は補正で対応するという理解でよろしいんでしょうか。
○川野難病対策課長 恐らく、自治体の中で財政当局と御相談いただいて、それぞれ対応が異なるのかもしれませんけれども。
○高橋委員 後でまたお聞きしたいと思います。
○千葉部会長 よろしいでしょうか。ほかにございますでしょうか。
ありがとうございました。特にないようでございますので、今後の予定につきまして事務局から御説明をお願いします。
○田中難病対策課長補佐 委員の皆様方、本日はどうもありがとうございました。次回の疾病対策部会の日程につきましては、また改めて追って御連絡をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
事務局からは、以上となります。
○千葉部会長 ありがとうございます。
それでは、本日の疾病対策部会はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。