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第16回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録
医政局研究開発振興課
日時
令和元年11月13日(水) 10:00~12:00
場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
議事
- ○伯野研究開発振興課長 それでは定刻になりましたので、ただいまから第16回厚生科学審議会臨床研究部会を開催いたします。本日は部会の定数14名に対しまして、現在のところ13名の委員の方々に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、本日の会議資料です。お手元のタブレットを操作して御覧いただきますようお願いいたします。資料1、2、参考資料1~3となっているかと存じます。よろしいでしょうか。ありがとうございます。円滑な議事進行のため、撮影がございましたら、ここまでとさせていただきますので御協力をお願い申し上げます。
以後の進行につきましては、楠岡部会長よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 おはようございます。お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。時間も限られておりますので、早速議事に入らせていただきます。議題1は、「臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性とりまとめ(案)について」です。これまで御議論いただいたことを、本日とりまとめということで、まとめていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。それでは事務局より、資料1の説明をお願いいたします。
○吉田治験推進室長 それでは説明いたします。お手元のタブレットのマイプライベートファイルを開けていただき、04資料1臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性についてとりまとめ(案)、PDFのファイルを開けてください。よろしいでしょうか。資料1です。この3月に中間とりまとめを行っておりますが、4月以降、臨床研究中核病院を含む臨床研究の拠点のあり方の議論を行ってまいりました。今回そのまとめを追記する形で、2019年版のとりまとめということで示しております。1ページから進んでいきますと、初めの2ページから14ページまでは中間報告と同じ内容です。15ページまで進んでください。15ページに(3)臨床研究中核病院に係る議論とあり、ここから18ページにかけての部分が4月以降の議論について追記した部分です。これについては別添で詳細を記載しておりますが、その詳細からエッセンスの部分のみを抜き出して、ここに書き出しております。ですので、まず別添から説明しますので、先に進んでいただき、この報告書本体の21ページの次に別添1があります。これにつきましては、前回の部会におきましてパワーポイントで御提示している資料と内容は同じです。ただ、部会の場におきまして幾つか指摘を受けた事項等がありますので、これを含めてポイントを絞って説明できればと思っております。
まず第1の「はじめに」につきましては、これまでの経緯を簡単に記載しております。第2「承認要件の見直しにかかる考え方」につきましても、前回資料と内容は同じです。ポイントとしては、最初のポツに書いてある臨床研究及び医師主導治験の実施、論文について、2ページ、2ポツ目として、研究の支援業務について、3ポツ目、患者申出療養や先進医療についての役割について、4ポツ目、必要な人員要件などについてです。
その次の「また」から始まる段落につきましては、特定領域の臨床研究を主として実施する臨床研究中核病院に関しての事項です。1ポツ目が対象となる領域、2ポツ目が臨床研究及び医師主導治験の実施、論文の実績について、3ポツ目が研究の支援業務について。3ページにお進みください。4ポツ目が研究実施の調整等を担う事務局機能設置を求める点についてです。第4の「臨床研究中核病院に求める役割について」も、前回資料と内容は同じです。
4ページにお進みください。第5の「臨床研究中核病院の承認要件について」、これが今回の実質的な部分になります。まず、実績要件について、(1)医療法に定める特定臨床研究に関する計画を立案し、及び実施する能力ということで、過去3か年の実績に関して丸1主導的に実施した医師主導治験8件以上とあります。これにつきましては、前回部会の御議論におきまして、経過措置的に段階的にその要件を引き上げるという御意見を頂いておりますので、なお書きとして、「平成30年度末時点で承認されている臨床研究中核病院においては、令和3年3月31日までの間は、6件とする」というふうに追記しております。それ以降につきましては、前回資料と同じです。
5ページにお進みください。(2)多施設共同特定臨床研究の主導的な役割を果たす能力ということで、過去3か年の実績丸1、丸2とあります。これにつきましても、前回の資料と内容は同じです。特定領域との区別をなくしている点がポイントです。(3)は論文実績です。アについては、前回の資料と内容は同じです。ポイントは、上から6行目の所、いわゆるプロトコール論文については、6報以下とするという点です。イにつきましても、前回の資料と内容は同じです。6ページにお進みください。ウです。これについても、前回の資料と内容は同じです。ポイントは2つ目の段落、いわゆる筆頭著者の取扱いに関しまして、研究責任者が支援申請機関に所属して、その機関の支援を受けて研究を実施して論文を書いている場合については計上できるという取扱いです。その次の「なお」から始まる段落、特定領域に係る臨床研究を主として行う申請機関については、PIが外部の機関であっても、当該申請機関の支援機能を使って行った研究、これに基づく論文については計上できるという点です。
(4)の他施設の行う臨床研究の支援実績です。これについても、前回の資料と内容は同じです。ポイントは、上から5行目の所、医療法に定める特定臨床研究の研究計画書に基づく1つの支援業務につき1件を計上可能ということで、計上の仕方を変えている点です。7ページにお進みください。7ページの内容につきましても、前回の資料内容と同じです。ポイントは丸2で、PIが外部機関に所属している場合において、申請機関が参加している場合には、その支援については計上して差し支えないという点です。
続いて(5)研修実績です。これにつきましても、前回の資料と内容は同じです。ポイントはイの部分、7、8ページにかけてです。研修の質や内容に関する取組を求める観点から、以下の事項について報告するということで、丸1として研修計画の提出及び公表、丸2として後段の職種別参加者数や臨床研修医・専攻医等の修了実績についても報告するという点です。
続いて、人員要件です。これについても、前段部分は前回資料と内容は同じです。ポイントとしては、2.の薬剤師10以上から5以上、3.の看護師15以上から10以上、4.の支援者についても10以上から24以上に変更した点です。ここの4の支援者につきましては、内訳的なものを示したほうがいいという御意見を頂いており、今回ア、イ、ウという形で内訳を示しております。アとして、いわゆる実務経験3年以上を有する者が10人以上、そして特定領域に係る臨床研究を主として行う申請機関はこの要件を満たす、と記載しております。イとして、実務経験を1年以上有する者が10人以上と記載しております。またウとして、ア、イ、いずれも実務経験だけではなく、専門的な資格を有する又は専門的な研修等を修了していることが望ましいということを追記しております。
次のページにお進みください。具体的な例ですが、3ポツ目です。プロジェクトマネージャーの所には括弧書きで、スタディーマネージャーという注釈を追記しております。また、下のほうですが、3つ追記しております。1つが研究倫理相談員、2つ目が臨床検査技術・品質管理者、もう1つが研究監査担当者です。当部会等での御意見等を踏まえて、新しく3つの例をここに追記した次第です。
次のページにお進みください。6.は生物統計家についてです。これも前回と資料内容は同じです。専従を専任に変えた点、また実務経験を1年以上から3年以上に変えた点。一方、前回の資料では具体的な学会名を記載しておりますが、今回は生物統計関連学会と少し丸めた形に修正しております。また常勤換算でエフォート合計2以上を求める点も、前回の資料と同じです。
続いて、下の体制要件、管理者の業務です。これにつきましては、前回の部会での御議論を受けて1行目、診療部門と支援部門の連携を一層強化するという言葉を追記しております。また1.から8.にかけて、これも前回の資料と同じです。3.の所には、特定領域に係る臨床研究を主として行う機関に関して記載していること、また8.の臨床研究の支援体制につきましても、同様です。また9.に関しては、患者申出療養や先進医療の相談等に関する体制整備を記載しております。
続いて、業務報告書についてです。これにつきましても、前回の資料と内容は同じです。臨床研究中核病院の総合評価に加えて、今後の研究環境の変化等に対応するため、リアルワールドデータを活用した研究実績、医師主導治験の成果等を評価していく必要がある。また、我が国の臨床研究全体の評価や目指すべき方向性の検討、臨床研究中核病院の要件の追加や見直しの議論を見据え、以下の事項について報告を求めるということで1.と2.は前回と内容は同じです。12ページの(4)のウの所です。On-job-Trainingは、On-the-Job-Trainingの「the」が抜けておりますので、修正をお願いできればと思います。
その他についても、全体的に前回の資料と記載内容は同じです。追記したものがあります。次のページの2.の所については、承認要件として規定される事項のほかに、以下の事項についても真摯な取組を求めるということで、(2)を追記しております。医療情報の標準化、臨床研究や治験における電磁化手法の活用、企業治験の円滑な実施に係る手続、体制の整備に必要な措置についても積極的に行っていくこと。また(4)ですが1行目、First-in-Human試験が実施できる体制を確保する、これは過去の資料では整備するという言葉が使われていますが、体制を確保するという言い方に変えています。別添1のポイントについては以上です。
さらに、14ページまで進んでいただきますと、その次に別添2としてパワーポイントのA4横の資料が出てきます。よろしいでしょうか。これにつきましては、臨床研究中核病院に係る継続的な取組の評価ということで、前回、方針に関して御提示して了解を頂いたところです。今回は、それをもう少し詳しく書き下したものを提示しております。2つ目の○ですが、この臨床研究中核病院と承認された後の取組を適切に確認するために、毎年度報告される業務報告書を基に実績等をとりまとめて、翌半期の最初の開催のこの臨床研究部会に報告することにしたいと思います。その次の○ですが、同資料を基にして、施策上の必要な措置等、継続的に本部会から御意見を頂くことにしたいということです。ポイントは、その次の○です。個別の臨床研究中核病院に関して、業務報告書において提出された内容が承認要件を満たさないような場合は、以下の対応を行うということです。最初のポツですが、まず本部会で実施状況を確認し、適切な実施に係る見地から改善に係る意見をとりまとめます。その結果を社会保障審議会医療分科会に報告するということです。2ポツ目、社会保障審議会医療部会は、本部会からの報告を踏まえて、当病院の開設者に対して改善計画を求め、また期限を定めて是正結果の報告を求めます。それでもなお是正が図られない場合は、医療分科会において承認の取消しに係る議論を行うということです。3ポツ目、なお初めから要件を満たさない程度が相当であり、改善によっても要件を満たすことは難しいと予想される場合においては、初めから承認の取消しのを議論を行うということになります。最後の○ですが、法令等への違反など重大な不適切事案が認められた場合におきましては、法令等への是正措置と併せて、臨中に求められる適切な体制確保についての確認を当部会で行うということです。以上が別添1、別添2の説明です。
これらからエッセンスとして抜き出した部分を報告書本体に反映させることで、報告書のとりまとめを行いたいと考えております。一番初めの報告書本体にお戻りください。報告書本体の15ページをお開きください。よろしいでしょうか。(3)臨床研究中核病院に係る議論です。臨床研究中核病院を含む拠点のあり方については、中間とりまとめにおいても引き続き議論を行うこととされ、それを受け更なる議論を行い、臨床研究中核病院の役割の整理及び求める機能、それを踏まえた承認要件の見直し等についての議論を進め、以下のとおりとりまとめたということです。アが、臨床研究中核病院に求める役割です。内容としては1ポツ目が、自施設で行う臨床研究の推進・多施設共同研究の推進です。ここでは、3行目以降に、研究が進まない領域の臨床研究・治験に関しては、そのような領域の臨床研究を主として行う拠点についても、臨床研究中核病院として整備を進めると記載しております。2ポツ目が、他施設で行う臨床研究の支援の推進です。ここでは3行目以降ですが、学術性・専門性高く、集約的に実施することで我が国全体としての研究の質の確保に資する支援業務については、臨床研究中核病院の役割として重点的に評価すると書かせていただいております。
次のページです。3ポツ目、多施設共同治験・臨床研究事務局等の研究の連携支援です。ここでは治験・臨床研究に係るネットワーク形成等を通じて、当該領域に係る全国の研究者を支える仕組み作りを求めていくと書いております。4ポツ目、先進医療の相談窓口、患者申出療養の申請対応に関する体制など、これらの基盤についても適切に位置付けると書かせていただいております。
その他の意見ということで、リアルワールドデータの収集体制の整備など、今後、重要となる取組に関して試行的な取組を行う機関として、臨床研究中核病院を活用していくべきという意見もありましたので、それを付記しております。
次のイです。臨床研究中核病院の承認要件の見直しについてです。アで示した具体的な役割及び「中間とりまとめ」のⅠ.からⅤ.の内容を踏まえて、以下の点に注目し、本部会として臨床研究中核病院の承認要件の見直し案を別添1のとおりまとめました。先ほど御説明した別添1です。最初のポツが、臨床研究及び医師主導治験の実施、論文についてです。2つ目のポツが、研究の支援業務についてです。ここにつきましては、4行目以降に書いてあるように、要件として求める支援業務の範囲、あるいは支援実績の計上方法について検討を行ったということです。3ポツ目、患者申出療養の申請機関としての役割、先進医療の相談機関、リアルワールドデータの収集体制の整備など、こういった取組に関しても適切な評価の設定が可能か整理を行ったということです。4ポツ目、必要な既存の人員要件などの確認すべき事項について、考え方を整理したということです。
その次の段落です。なお、具体的な指標が定まらない以下のような項目については、今後の見直しにおける要件化を見据え、各拠点における活動状況の適切な把握を行う、定期的な報告を求めると書かせていただいております。1ポツ目が、診療の最適化に係る研究の実施状況、論文状況、2ポツ目が、薬事承認等の研究成果の実用化に結び付いた事例、3ポツ目が、リアルワールドデータの研究利活用のための体制整備や利活用事例です。
次が、ウです。臨床研究中核病院に係る継続的な取組の評価についてです。臨床研究中核病院として承認された後の研究実施及び支援の継続的な取組について、適切に確認・評価するための方策について、先ほど説明した別添2のとおり整理したということです。
第5「おわりに」です。3行目、第13回から第16回までの4回にわたり、中間とりまとめを踏まえた臨床研究中核病院のあり方について議論を行い、承認要件の見直し案などをとりまとめました。次の段落です。今後は本議論により整理された方向性を踏まえ、実施した対応に関する適切な進捗の報告を臨床研究部会において確認・適宜議論することで、更なる推進に向け継続的な取組を進めていくと書かせていただいております。
19ページ以降には、各開催回ごとの本部会の議題、そして最後のページには本部会の委員名簿を示しているところです。説明は以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に関して御議論いただこうと思いますが、結構、幅広い内容を含んでおりますので、まず最初、別添1の臨床研究中核病院の承認要件の見直しについて、前回パワーポイントで出していただいたものを文章化していただいて、それに少し追加・修正を加えていただいているわけですが、まずここを先に御議論いただこうかと思います。特に、全般にわたって順番には進めませんので、この点というところを御指摘いただいて御意見があれば伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○掛江委員 そうしましたら、誤植とかと思いますので、ちょっと取り急ぎ御指摘申し上げます。9ページの、業務の例として挙げていただいた6番の研究倫理相談員の所の説明書きなのですが、1行目に「臨床倫理に関する相談」と書いていただいていて、恐らく「臨床研究の倫理に関する相談」ということで書いてくださったのだと思うのですが、その趣旨であれば「研究倫理に関する相談」になるかと思いますので、そちらを修正していただければと思います。あとちょっと気になったのが、この文章の末尾で、「その他の援助を行う者」とあり、「支援」と「援助」の違いがよく分からなかったのですが。ニュアンスとしては、他と同様で「支援」かと思いましたので、そこは言葉上、もし統一が可能であれば御検討いただければと思いました。以上です。
○楠岡部会長 事務局、この点はいかがでしょうか。
○吉田治験推進室長 指摘について、検討、修正したいと思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○平川委員 文言の修正の追加です。同じページの1番のCRCの2行目から3行目、「文書応作成支援」、これはこれでよろしいのでしょうか。
○吉田治験推進室長 大変、失礼しました。これは、「文書等」の誤りです。修正します。
○平川委員 そうですね。ではもう1つ文言の修正です。2ページ目、下から4行目の真ん中、「連携した研究を推進する方向性で観点から」とあるのですが、これも「方向性で」は取ってもよろしいかと思います。
○吉田治験推進室長 これは「推進する観点から」の誤りです。
○平川委員 推進する観点から、お願いします。
○吉田治験推進室長 修正します。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○花井委員 ちょっとこれまでの議論で抜けていたというか、気付かなかったのですが、13ページに、臨中の基準、要件以外にもこんなことと書いてあるのですが、考えてみますと、臨中には、例えば研究を推進したい施設に対して支援を行う、あるいは、患者申出療養であれば患者が申し出るという、ある種のサービスという視点の側面がある。そうすると、臨中がこれだけ要件を決めてこのようなことができますよというところについて、国民ないし研究を進めたいという施設に対して情報提供する、臨中の機能とかこういうサービスが提供できるという情報提供の部分が欠けていることに今、気が付きました。何らかの形、例えばオンコールデスクを置くとか、いわゆる何をやれということではないと思うのですが、やはり臨中の機能を利用する利用者がいるわけですので、それに対する広報というか、情報提供も適切に行うみたいな文章がどこかにあってよいかと思いました。全部見ると、それが意外にないのですね。これは基準を決めていて、その臨中ができて、それを外から見た臨中というのがどこにもなくなってしまっているので、どこかでちょっと言及しておいたほうがいいかと思います。
○山下企画調整専門官 お答えします。11ページの5.の所に、広報・啓発、臨床研究の対象者等からの相談体制と、ここで、何て言うか、例えば病院の相談窓口を置いてとか。
○花井委員 ありましたね。
○山下企画調整専門官 こういったことを求めているのですが、頂いた趣旨を踏まえて、少し具体にあることはどういうものかという確認はしてもいいのかと思います。
○花井委員 そうですね、ここにちょっと1行ありましたね。そういう側面が結構やはり大きいかと思いました。
○楠岡部会長 ありがとうございます。確かに御指摘のとおり、5番の所には臨床研究中核病院という言葉が全然入っていないので、臨床研究中核病院の役割を含めてとか何か少し言葉を足していただくということと、あと、臨床研究中核病院は広報に努めるということを、こちらの別添に、もし何か加えられる所があれば加えていただければと思います。よろしいですか。
○渡邊研究開発振興課長補佐 ありがとうございます。事務局です。御指摘のとおり、少し修正に取り掛かりたいと思うのですが、現在、臨床研究中核病院の情報発信というところは、調査事業においてもしっかりと報告していただいておりますので、その点が分かるように、活動が分かるように少し工夫させていただきたいと思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○藤原部会長代理 別添1の13ページの(1)の所です。これは以前、私がちょっと申し上げたかもしれないのですが、臨床研究中核病院を見てみると、既存の看護部とか薬剤部とか臨床検査部とかと臨床研究センターとの関係性、例えば人事のローテーションとか、昇進の位置付けとかが今いちはっきりしなくて、ここには、「病院管理者の診療部門等からの独立性を確保する等により、一層のガバナンス体制の強化を図ること」と書いてあるのですが、臨床研究センターを独立王国にしてしまうと、結局、臨床研究中核病院の臨床研究支援部門がほかの診療部門と隔絶されてしまって、キャリアトラックの整備等がうまくいかないとか、人材交流が進まなくて、病院全体として臨床研究を推進することにつながらないような懸念もちょっと、今、読んでて気付いたのですが。これは単に「ガバナンス体制を強化すること」というようには修正できないのですか。
○山下企画調整専門官 事務局です。先生御懸念の点について、1つ記載を追加したところとしては、10ページの体制要件として(管理者の業務)の柱書きの下のほうです。「診療部門と支援部門の連携を一層強化するとともに」ということを一言足してはいたところです。ただ、では具体的にどうするかというところが少し入ってくるかと思いますので、末尾のほうで、要件とはほかに「は真摯な取組を求める」という所で書くのか、何らかの追記ができるのかは、ちょっと検討させていただきたいと思います。
○藤原部会長代理 監査が独立しているのは分かるのですが、ほかの所が独立するというのはちょっと不自然な気がするので、いい修文をお願いします。
○楠岡部会長 独立性というか、対等性というか、同じレベルの相互の立場であって、どちらが上下にあるという関係ではないということで、その点は事務局で検討をお願いしたいと思います。ほかにございますか。新谷委員から、6ページの支援実績の件に関して、15件以上というところで、現在の文章ですと何も条件が付いてないので、極端なことを言うと、3年契約だと、初年度15件以上あれば、あと追加がなくても15件が3年間続くことになる。これに関して御意見を頂いたと思うのですが、いかがでしょうか。
○新谷委員 印象としてはすごく少ないという印象でしたので、「年間に」というところを入れていただきたいということで、「1年間又は前年度に」ということなのですが、これは2年間にわたってという理解ではなくて、基本、前年度にという理解でよろしいですか。
○吉田治験推進室長 単年度ということで書いております。単年、1年という。
○新谷委員 1年で15件以上実施していることということですね。
○吉田治験推進室長 はい。
○新谷委員 その場合に、3年間同じ15件をずっと続けていてもカウントはできますので、新規、追加で何件ということも入れていただいてもいいのではないかと思いました。ただ、具体的な件数となると実状を踏まえたことになるかと思いますので、それは今後議論していただければ。この場で決まるかどうかは不明ですので、考えていただければと思います。
○吉田治験推進室長 ここについては、実は前回も御議論いただいて、この15件というのを、例えば今、先生がおっしゃったように、新規で15件なのか、あるいは継続的に行える研究の場合もありますから、それと区別する必要があるのではないかという御意見を前回頂いております。一応、ここについては、計上の仕方として、今まで施設単位だったところを試験単位の支援業務ごとにカウントするという計上の仕方に変えたことが、まず1つ大きな特徴ではあるのですが、あと3つほど意見を頂いております。
1つは今言った、新規で行う場合と継続の場合に、カウントの仕方をどう区別するのかという御意見。もう1つは、この上のほうのカウントする支援等の業務、この「等」の中には何が入るのかということに関してです。実際に、契約等をきちんと交わした業務を行う以外にも、いわゆるコンサルテーションのようなものも、実は業務として相当あるのが現状であり、それは、いわゆる短い時間のコンサルではなくて、多くのエフォートを割いているコンサルテーションが業務としてきちんとあって、そういったものの取り扱いに関しても、例えば契約書がないからカウントできないとかではなく、きちんと業務としてカウントできるようにするべきではないかという御意見を頂いたところです。あともう1つは、年ごとにやはり変動しますから、1年に15件と設定するのではなく、例えば3年間で何件とか、そういう設定のほうがいいのではないかという御意見も頂いているところです。ですので、事務局としては、いろいろいじってしまうと現状としてデータもないので分からなくなってしまうので、まずは今の提案内容でやらせていただいて、情報を集めながら、更に次の見直しのときに必要な改善をしたいということで、ここでは、いわゆる施設単位の計上から試験単位の計上に変えたというところで、まずはやりたいと考えております。ただ、御指摘はもっともですので、もし先生方からほかの御意見等がありましたら、この場で頂ければと思います。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。
○藤原部会長代理 本来、業務の把握というのは非常に難しく、件数とかでは曖昧で、例えば、ランダム化比較試験の500例とか1,000例とかをインテンシブにやっている試験の1件と、希少疾患で症例登録が2、3例しかないものの1件では、それに関する様々な支援業務をカウントしようとすると、同じ1件でも全然仕事の大変さが変わってきたりします。新たにとかというと、例えば1,000人のランダム化比較試験でアクティブに症例登録が進んでいる状況がある中で、1件が3年続いたからほかのが入らないからおかしいと言われても、多分、リソースを割けないから大変だという事ですので、今、事務局がおっしゃったように、まずはこれで走らせてみて、実態を把握した上で次、もっと丁寧にするのでしたら、症例登録数がどのぐらいアクティブに走っているのかをちゃんと把握するのが業務の把握につながると思うので、新たにというのを入れるのは次の機会でもいいのではないかと思います。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。今、藤原委員から説明がありましたように、報告を求めるときに、新規なのか継続なのかとか、あるいは、1課題にどのぐらいの症例が入っているのかとかという情報も併せて報告いただいて、経過を見ながらこの辺りのところは決めていくという方向でよろしゅうございますか。両佐藤委員、実際に担当されているところでいかがですか。
○佐藤(典)委員 藤原委員がおっしゃったことが我々も一番心配しているところで、1件の重みが全然違うということと、藤原委員は今、症例数のことをおっしゃいましたが、例えばモニタリングするにしても、1施設だけ見る場合と、15施設もある場合とは業務が全然違いますし、我々も限られたリソースでやっていますので、正直言いまして、本当に大きな臨床試験を1本、2本持つと、なかなか次というようにはいかないことになります。本当にいろいろなファクターがありますから、我々も当然、調査に協力しますので、見ていただいた後でということで、また御議論いただければ大変有り難いと思っているところです。
○楠岡部会長 よろしいですか。ほかに、この別添1に関して何か御意見ありますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、今、御指摘いただいた点に関して、事務局で検討いただくということで、まずは別添1に関してはこの形で。次、別添2のところですが、これは現在、パワーポイントの形になっていますが、これはまた文章にされるのでしょうか。それとも、もうこれはこのままで、あと通知等で文章化するということですか。
○山下企画調整専門官 今回、文字だけのパワーポイントはあれですが、ドキュメントの形にはさせていただこうかと思います。基本的に、最終的には文字の形で別添2のまま付けたものとしてファイナルにさせていただきたいと思っています。
○楠岡部会長 では、別添2の取扱いは今、説明のとおりです。そうしましたら今度、本文に戻りまして、新たに付け加わったメインの所が、先ほどありました15ページ、臨床研究中核病院のあり方の(3)臨床研究中核病院に係る議論ということで、先ほどありましたように、ア、イ、ウと3つの形でまとめていただいています。その具体的内容は今、御議論いただいた別添1、2の内容となると思いますが、この点について、何か追加等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、それ以外全般に関して、もし何かお気付きの点があれば。
○山口委員 今日は15ページ以降ということで、7月にまとめた前半の所は全く変える余地がないのでしょうか。
○楠岡部会長 取りあえず新たに加わったところの議論は先に済ませたわけで、今は、全部に関してどのような御意見でも結構ですので。
○山口委員 ありがとうございます。改めてもう一度しっかり読み込んだところ、ちょっと気になるところが幾つか出てきたのですが、もし御対応が可能であればという範囲で結構です。まず4ページ、枠の中にⅤ.国民・患者の理解や参画促進という項目があって、これの1行目は、国民・患者の臨床研究・治験への理解や参画が十分でないと、この「理解」はいいと思うのですが、2行下の、国民・患者の臨床研究・治験に関する理解や参画を促す取組が必要であるという所は、「理解」というよりは「啓発」や「周知」ではないかと思います。何か理解で終わって、理解する前に理解するための働き掛けをしないといけないのではないかと思いましたので、もしそこを見直すことができればということでお願いしたいと思います。
それから、5ページから数ページにわたって、語尾が「との意見があった」というのが5か所ぐらい出てくるのです。この意見があったからどうなのだろうと思いますし、何か言いっぱなしみたいで、私が見ただけで5か所ぐらいあったので、そこは文章として、とりまとめの文章にするのであれば、もう少し何かとりまとめらしい文章にする必要があるのではないかと思いました。
ここはちょっと無理かもしれないと思いつつ意見です。11ページ、「しかしながら」で始まる所です。国民の理解は必ずしも十分とは言えないとの指摘がある、ですので、その下に、患者会等のコミュニティが理解を深めることも重要であると書いてあるのですが、ここに例えば「さらに市民参画を求める取組を進めるとともに」とか、もっと本当に進めていくのだという文言をしっかり入れていただく。それから、その次のパラグラフの「さらに」で始まる所ですが、国民が臨床試験を容易に検索し参加しやすくする体制を整備すると、検索して参加しやすくする体制だけではなくて、やはりそこに理解を深める場が必要だと思いますので、その辺りも。今回、市民参画ということが入ったとりまとめになっていますので、本当に実効性のある内容にするような文言に、可能であれば少し加えていただければと思いました。すみません、7月の段階で言うべきだったかもしれません。
○楠岡部会長 ありがとうございます。事務局から。
○吉田治験推進室長 御意見ありがとうございます。15ページより前の部分については、7月以降、部会で、この場で御議論していませんので、特に修正は加えていないのですが、内容に余り大きな変更を伴うような修正はできないのですが、今、御意見を頂いた範囲の修正であれば工夫をしてできるのではないかと思います。多分、4点あったかと思います。まず最初の部分、「理解」というよりは「啓発」、「周知」ということを加えるべきだというお話。2つ目が。
○山口委員 語尾、文末が「意見があった」で。
○吉田治験推進室長 「意見があった」で終わっている。これは、一応、意図としては、意見があったことに留意して、念頭に置いて方策を考えるという意味で書いていますので、それが分かるような言葉を補いたいと思っております。あと、市民参画を求める取組というお話と、最後の、患者さんの参加を調整する仕組みの所で、理解を深めるという言葉を加える。この辺についても、記載の仕方については検討させていただければと思います。
○楠岡部会長 よろしゅうございますか。
○山口委員 ありがとうございます。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
○新谷委員 先ほど別添1のところで言い忘れたのですが、別添1の12ページの(4)人員・体制・研修関係のアの所を見ていただくと、EDC作成・プログラムチェック等とあるのですが、EDCというのはシステムですので、この場合は「CRFの作成」のほうが正しいかと思います。その次は、プログラムチェック等とあるのですが、何のプログラムチェックなのかというところがよく分かりません。恐らくこれは、意図されているところは、データチェックのプログラム等という意味ではないかと思うのです。ただ、そうすると、データチェックをプログラムを使わないでやれる方もいますので、少しこの辺、言葉の整理もしていただければと思います。
○吉田治験推進室長 御指摘ありがとうございます。適宜、修正、修文を検討させていただきます。
○楠岡部会長 よろしいですか。ほかにございますか。
○掛江委員 ちょっと些末な質問なのですが、「臨床試験」と「臨床研究・治験」の使い分けの基準がよくわからなくて。適切なのでしたらもちろん構わないのですが。ちょっと読んでいて、ここは「臨床試験」という言葉だけでいいのかと、分からなくなった所があったので、その辺りは最終的に統一されたり再検討されるのかもしれないのですが、分かりやすく整理していただけたら有り難いと思いました。
○吉田治験推進室長 臨床試験とか臨床研究という言葉の問題は、かなりいつも指摘される点ではあるのですが、幾つか意味があって、この場合は臨床研究中核病院ですが、医療法に定める「臨床研究」と言った場合には、いわゆる医師主導治験と臨床研究法で定める臨床研究を指します。一方で、通常「臨床試験」と言った場合には、介入の臨床試験を指すのですが、大きく広く見た場合には、当然、観察研究等も含まれた形で臨床研究というのはありますので、そういったいろいろな意味が入ってきます。臨中に求められる役割を考えたときに、法律上で求められる役割は当然あるのですが、アクティビティ全体を見たい場合は、それ以外の研究も入ってきますので、そういう意味で言葉を使い分けているのですが、先生がおっしゃったような御指摘の箇所が、ここはむしろこういう言葉にしたほうがいいのではないかという点がもしありましたら、逆に御指摘を頂ければ、こちらでも修文を検討したいと思いますので、よろしくお願いします。
○掛江委員 承知しました。ありがとうございます。
○楠岡部会長 言葉の問題は前から指摘されているところで、普通名詞として使われる臨床研究、臨床試験、治験と、それから法律で定められた臨床研究というものと、さらに、ちょうど中間的な、法律から言うほど厳密な意味ではないのだけれども、臨床試験も含めたようなもう少し幅広い意味の臨床研究。結構、言葉自身が被っていて非常に曖昧なところがありますので、やはりそこのところで誤解を与えないようにというか、ここで言っている「臨床研究は」と特に何か限定しなければいけない場合は、「法に定める臨床研究」とか、そういう硬い言い方をどこか加えないといけない所もあるかもしれません。それはまた事務局で検討していただいて、必要に応じて注釈なりを付けていただくということかと思います。ほか、ではまず川上委員、それから佐藤委員。
○川上委員 別添1の8ページの上の方の丸2で、研修について職種別参加者数の具体的な例が書かれていますが、ここには医師、歯科医師は入らないのでしょうか。もし入るのなら、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師」と、他の所と同じような並びで書いた方が宜しいのかと思うのですが、何かあえて外している理由があるのでしょうか。
○楠岡部会長 この点は何か。
○吉田治験推進室長 先生の御指摘のとおり、医師、歯科医師等も当然、研修の対象者に含みますので、そこは誤解のないようにしたいと思います。
○楠岡部会長 よろしいでしょうか。
○佐藤(暁)委員 先ほど新谷委員から御指摘のあった人員要件、12ページの(4)の所です。これは確かにEDCだと分からないと思うのですが、趣旨としては、多分今、データマネージャーは、いわゆるデータを目とかでチェックしているデータマネージャーと、プログラム系というか、構築とか、あと必要なプログラムを組んだりする人、結構、2系統に分かれるところがあって、後者のほうを拾っていただいているのかと思ったのです。ですから、普通のCRFとしてしまうと、普通のデータマネージャーと全く、昔からやっているのと変わらなくなってしまうので、例えばこれも「eCRF」とか。プログラムチェックも、プログラムチェックでなくて目視チェックをするのでしたら、もともとのデータマネージャーで拾えていると思いますので、これに関してはプログラムチェック、これは何ですか、ロジカルチェックプログラムとか、そこら辺は区分をして分かるような形にしていただければと思います。細かいところですが。
○吉田治験推進室長 御意見ありがとうございました。後ですみません、可能ならばもう少し具体的な示唆を頂けると助かります。よろしくお願いします。
○新谷委員 ここは2つのことが混在しているかと思うのです。データマネージャーの資質として、必ずしもロジカルチェックですとか、eCRFといった電子媒体でやる技術を持っているか、必要があるかどうかという議論があるかと思います。ですので、電子媒体で必ずしもやらなければいけないのか、そうではなくて、一般的な紙でもいいので、その考え方であるとか、業務の流れという意味で経験を持っている人であればいいのかというところで。電子媒体のほうは、人員というよりは体制のほうにどちらかと言うと入ってくるのではないかという気もしておりますので、そういう意味も含めて、ちょっと整理をしていただければと思っています。
○山下企画調整専門官 事務局です。一応、趣旨というところでは、どちらかと言うと、先生がおっしゃられた中では、実際に、システムというか電磁的なというか、要は、プログラムを含めてですが、そちら側の趣旨がやや強い意図で書いたものです。そこを適切に反映する文言としては何かというところについては、後でちょっと御意見を頂いて、趣旨が分かりやすくなるような修正をさせていただければと思います。
○佐藤(典)委員 私が言うことではないかもしれないのですが、ここの業務報告書についてというのは、上に挙げてきているようないろいろな要件について書かれていることがあって、それが最初の行にありますが、それの総合評価に加えてということで、上の数字がなかなか入ってこないことを書かれているのだと思うのです。ですから、人員・体制の所も、EDCだったりとかリアルワールドだったりとかOJTだったりとかということなのです。ですので、通常のデータマネージャーは、上のほうにデータマネージャーについては3名いなさいと書かれているから、そういう通常のデータマネージャーでない所に書かれていないところということで、電子的なところを見てくれる人も働き手になったらここに書きなさいという趣旨だと思うので、そこをちゃんと整理しないと。多分、事務局の方がやる発言だと思いましたが、そういうことでよろしいのではないでしょうか。
○山下企画調整専門官 おっしゃるとおりです。大変、申し訳ございません。
○楠岡部会長 ほかに御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、本日、いろいろ御意見を賜りましたが、基本的な骨格に関しては、今までの案どおりでご了承いただいたとさせていただきます。今、幾つか御指摘いただいた点に関して、修文上の問題とか若干文章を加えなければならない所があるかと思いますが、基本的には部分的な修正で対応させていただける範囲ではないかと考えております。したがいまして、部会長預かりという形にさせていただいて、事務局と協議の上、修文したものを御発言いただいた先生方にもう一度メールベースで御確認いただいて、最終的な形に決定させていただきたいと思っております。その際に、御発言の趣旨に関する確認ということで、事務局からお問合せがあるかもしれませんが、そのときには御対応をお願いしたいと思います。そして、最終的な修文をしたものを確認いただくというプロセスで確定するということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○楠岡部会長 ありがとうございます。そうしましたら、今日、御議論の中で指摘していただいた点を手直ししまして確認いただいた後、とりまとめとして発表するということで御了承いただいたものとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、次の議題2は、「臨床研究法施行2年後の見直しに係る意見書(案)について」です。事務局から御説明をお願いします。
○吉田治験推進室長 マイプライベートファイルに戻っていただき、05資料2、臨床研究法施行2年後の見直しに係る意見書(案)のファイルをお開きください。これについても、前回パワーポイントでお示した内容をワードの文書にしたもので、内容はほとんど同じです。ポイントを絞って説明したいと思います。まず第1「はじめに」として、簡単な経緯をここに書いております。第2は「手術・手技の臨床研究に係る考え方について」です。2.医薬品等の臨床研究との相違点を踏まえた検討として、(1)個別性、(2)多様性、(3)普及性、(4)企業等の資金提供等、これらの観点から検討を行ったということを書いております。
次のページ、3.現行の規制の状況を踏まえた検討ということで、最初の○では、人を対象とする医学系研究倫理指針で、一定の手続が定められていると書いています。2つ目の○では、4行目以降のように、診療の一環として行われる場合であっても、医療法において高難度新規医療技術としての手続が定められていると書いています。
4.は海外の規制の状況で、3行目以降ですが、現在アメリカ、イギリス、フランス、ドイツいずれの国においても特有の規制は存在しないことが確認されたということです。5.が結論です。下線部にありますように、手術・手技に関する研究について一律の規制を行うことは妥当でないということです。
次のページ、第3「その他の先端的技術等医療行為に係る対応について」です。これは、第2の場合と同様に検討を行って、その結果、個別の医療技術の性質に応じた検討が必要であるとしております。また2つ目の○ですが、その個別の医療技術について規制等の措置の要否検討する際には、ここに示した4つの点について留意すべきとしております。最後の○ですが、細胞加工物を用いない遺伝子治療、あるいはゲノム編集といった医療技術を用いた医療について、既存の法令の規制対象ではないものについては、本部会とは別の枠組みにおいて早急に検討することが望ましい、と書かせていただいております。簡単ですが以上です。
○楠岡部会長 前回の御議論を踏まえて、修正を加えていただいた案となります。何か御意見はありますでしょうか。前回、いろいろ御議論を頂いて、問題はほぼ解決はしているかと思いますが、よろしいですか。
○平川委員 内容はこれで同意いたしますけれども、手術の技術は主に外科医が行う手術として、ここにまとめられたと思うのですが、現在ロボット技術とか、又はAIの技術等が進んでおりまして、それが医療技術の中に組み込まれていくことで、特にこの技術の個別性についても今後、技術の進歩とともにそれが克服されていく可能性が非常に高いのではないかと思います。ですので、結論が現時点では「一律の規制を行うことは妥当ではない」としても、「今後の医療技術、手術技術の進歩によっては、また再検討する余地がある」等々の文言が一つあると大変有り難いと思いますが、御検討いただければと思います。
○吉田治験推進室長 御指摘ありがとうございます。今の結論の所の段落に、一応、現時点においてというのを書かせていただいているのですが、今御指摘の点がより明確になるように、どういう修文ができるかを検討させていただければと思います。
あと1点、ロボットとかAIを使って手術を行う場合に、結局医師の技術の寄与が高いのか、あるいはそういった医療機器の寄与が高いのかによって、実はその規制の枠組みが違ってきます。AIとかロボットの寄与が高い場合には、それは既存の臨床研究法の法律の中で扱われるか、あるいは人を対象とした医学系倫理指針、こういった既存の規制が対象になる可能性もありますので、そこは多分、個別に寄与度の判断があった上で、どういう対応を取るかということが議論されるのではないかと考えております。
○平川委員 では、そういった法的な仕組みも含めて、読む方が分かりやすいような表現にしていただけると有り難いと思います。よろしく御検討をお願いいたします。
○楠岡部会長 ロボット機器とかAIは、一応今の制度の中では承認を得なければならない、治験を実施しなければならないということになります。そうすると、新規のものであってもそちらになれば臨床研究法の対象からは離れることになりますし、それから既に承認されたロボット機器を使って何か新しい手術・手技となると、これは今回の議論の範疇で、臨床研究法の対象にはしないけれども、研究的側面があれば指針に従う、あるいは臨床現場での改善的なものであれば、新規高難度技術等の審査等で確認した上で実施するとか。その他、今の範疇の中で、御懸念の点はカバーされるのではないかと思います。ただ、今はいろいろ技術の進歩が激しいので、ここで想定しないようなものが出てくる可能性も当然あるかとは思いますけれども、それに関しては御指摘の点を踏まえて検討をして。例えばロボット手術で遠隔で行う場合は、これは承認要件、機器として承認されているものの中に入っているのか、それとも新たな技術として治験的なものをしないといけないのかとか、結構判断が難しいものが今後出てくるかと思います。既に過去の例においては、日本とタイの間で遠隔でロボット手術をした実験がありますので、そういうものがどんどん今後実際化する可能性はあるかと思います。その辺りのところに関してどのような確認をしていくのか、特にその安全性の確認のところをどのようにやっていくかは今後、新たに考えないといけない範囲になるかもしれません。御指摘ありがとうございます。ほかにありますか。
○山口委員 4ページの第3の3つ目の○の中に、現時点において先端的技術等医療行為として想定される、細胞加工物を用いない遺伝子治療やゲノム編集といった医療技術を用いた医療について、既存の法令の規制対象でないものについては、本部会とは別の枠組みにおいて早急に検討することが望ましいと考えられたと書いてあるのですが、この書き方だと、まだどこも始まってないみたいに見えてしまうのですけれども、現在、厚生科学課で、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会というのが既に始まっていて、年内にとりまとめというような形になっています。なので、そういう現状を踏まえたことを考えると、例えば下から2行目の「既存の法令の規制対象でないものについては」の後に、「既に一部検討が始まっている分野もあり、本部会とは別の枠組みで」というように入れると、現実に即した形になるのかなと思いましたので御検討ください。
○山下企画調整専門官 御指摘のとおりかと思います。また、細胞加工物を用いない遺伝子治療については、再生医療部会のほうで今議論が始まっていると認識しておりますので、その点も含めまして頂いたような内容で修正させていただきたいと思います。
○楠岡部会長 ほかに御意見はありますか。よろしいですか。それでは、今、御指摘頂きました点に関して修正を加えた上で、再度また御指摘の方々の御確認を受けた上、最終案をとりまとめということにしたいと思います。これに関しても先ほどのものと同様、部会長預かりで調整させていただき、最終案をまた御確認いただくというプロセスを取らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。そうしましたら、同じような形で進めさせていただきますので、よろしくお願いします。
次は、議題3の「その他」です。事務局から何かありますか。
○吉田治験推進室長 特に議題ではありませんが、臨床研究法に基づく臨床研究の実施状況について説明いたします。マイプライベートファイルに戻っていただき、一番下の08参考資料3、臨床研究法の施行状況についてというファイルをお開きください。いつも示している表です。最初はjRCTでの公表状況で、登録を公表されている試験は前回、ちょうど1か月前の部会のときには1,423件でしたが、今は1,472件となっています。また、その下の認定臨床研究審査委員会数は、前回同様95件となっています。以上です。
○楠岡部会長 特定臨床研究は毎月毎月増えてきている状況ですが、現場の先生方からして、この進捗状況は大体予想されていたぐらいのものなのか、思ったよりも少ないのか、あるいは多いのか、その辺りはいかがでしょうか。
○佐藤(典)委員 自施設のことしか言えないですけれども、北海道大学の審査委員会に関しては、1年目は経過措置でほぼ終わったのですが、今年に入りましてからは新規のものが少しずつ出てまいりました。審議はかなり1件1件について慎重に行っておりますので、承認は少し遅くなっているかもしれませんけれども、審議は増えていますので、全国的に適切な数かどうか、予想された数かどうかまではちょっと発言できないですけれども、自施設については去年から今年、少し違った様相になってきております。
○楠岡部会長 がんセンター東病院は。
○佐藤(暁)委員 当施設の状況だと、かなりまだ立ち上がってきてないので、どうやって増やしていくか、支援していこうか考えているところではあります。ただ、ちょっと研究者の先生に聞くと、負担が大きいのは確かかなとは思っていますので、もう少し経過を見ないとどういう状況になるかはまだ分からないかなと。
○楠岡部会長 ほかに。
○渡部委員 当院においても、やはり臨床研究法下の特定臨床研究に関しては、少し足踏みをして少なくなってしまったというのがあると思います。ちょっとお伺いしたいのですけれども、参考資料3のこの数字をどのように見ていけばいいのかをちょっと迷うところでして、合計数は分かるのですが、それぞれの、例えば臨床研究法下の特定臨床研究の新規がどのくらい増えているのかといったような情報は、示していただくことは可能なのでしょうか。そういったものもこういう部会で少し見守る必要があるのかなと思いましたので、質問させていただきます。
○吉田治験推進室長 システム上そういう解析が可能であれば、機会を見て、当部会のほうでもそういった報告をさせていただければと思っております。
○楠岡部会長 jRCTは承認されたものだけなので、CRBで却下された件数とかは把握できない点があると。
○渡邊研究開発振興課長補佐 御質問ありがとうございます。事務局です。御説明のとおり、審議状況に関しては別の枠組みで把握するよう努めている最中ですので、適宜、その情報がしっかりと確実なものになりましたら、また皆さんと共有させていただければと考えております。今現在、その審議結果で承認された内容は、私たち、システム上把握することは可能ですけれども、そのような状況はまた後日機会がありましたらということになると思います。
○渡部委員 そうですね、終了する案件も出てきていますので、そうすると総数が減ってきているように見えてしまうときもあるかと思いますので、是非そういった内訳が分かるようにしていただければと思います。
○楠岡部会長 jRCTではステージが分かるわけですけれども、これはステージ別になっていないので、終了してもカウントされることになってしまうのですね、アクティブな数では必ずしもありません。しかし、増えていくのは新規のものなので、その増えている分だけは状況の把握として使えるのですが、ステージごとにまでは、そこまで見てないので、その辺はもう少し細かい分析がいるかと思います。
それから、先ほどの各CRBでの審査の状況に関しては、AMEDの事業でCRBの協議会を作っていただいて、そこでいろいろ調査をされる予定になっていますので、その中である程度把握できるところはあるのではないかと思っています。ほかに何か御意見はありますか。
○新谷委員 このjRCTでの公表状況で、前回と比べて余り伸びていないような印象もありまして、今の数字だけでは前回からどうだったのかというのをふと思うので、もし可能であれば、毎月別に何件増えているということが分かるような、グラフみたいなものでもいいのですが、可能でしょうか。
○楠岡部会長 働き方改革もありますので、事務局に負担をかけず、部会の開催ごとで。
○渡邊研究開発振興課長補佐 現状の報告ですけれども、毎月大体40、50件の新規登録があるということですが、前年度は移行措置の関係でしっかりとしたトレンドを把握するまでには至っていないということと、4月から6か月ぐらいのトレンドになりますので、まだ皆さんに一定の傾向を示すには少し早いかなという懸念はありますけれども、現状お伝えできるレベルとしては、40、50件の新規登録があることを把握しております。
○楠岡部会長 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。その他に関して、事務局から何かありますか。
○伯野研究開発振興課長 長時間にわたりありがとうございます。今日、先生方から頂きました御意見を踏まえて修正させていただき、座長と御相談いたしまして、とりまとめをさせていただきます。その際、今日御意見を頂いた先生方に主に御照会させていただくこともあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
次回の開催につきましては、改めて御連絡させていただきます。事務局からは以上です。
○楠岡部会長 本日の臨床研究部会はこれで終了いたします。お忙しい中どうもありがとうございました。