- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 厚生科学審議会(臨床研究部会) >
- 第15回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録
第15回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録
医政局研究開発振興課
日時
令和元年10月4日(金) 10:00~12:00
場所
厚生労働省共用第6会議室(中央合同庁舎5号館3階)
議事
- ○吉田室長 ただいまから、「第15回厚生科学審議会臨床研究部会」を開催いたします。本日は、部会の定数14名に対して14名全員の委員の先生方に御出席いただいております。定足数に達していることを御報告申し上げます。また、新谷委員については、11時20分頃に退出される予定です。
続いて、本日の会議資料についてですが、お手元にあるタブレットの操作をお願いいたします。よろしいですか。タブレットの画面、マイプライベートファイルを開けていただきますと、資料の一覧が出てきます。資料01が議事次第、02が座席表、03が委員名簿、04、資料1が本日のメインの資料の1つであります「臨床研究中核病院の要件の見直しについて」、05、資料2が2つ目のメインの資料であります「臨床研究法附則2条に基づく措置の検討」、また、06~11までは参考資料1~6です。よろしいですか。
それでは、円滑な議事進行のために、頭撮りについてはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。以後の進行については、楠岡部会長にお願いいたします。
○楠岡部会長 おはようございます。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。早速、議事に入らせていただきます。議題1は、「今後の臨床研究・治験活性化に係る方向性について」です。資料1、臨床研究中核病院の要件の見直し案の作成に当たり、御協力いただいた委員の皆様には、貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。それでは、まず事務局より資料1の説明をお願いします。
○吉田室長 説明いたします。それでは、マイプライベートファイルの上から4つ目、04資料1、臨床研究中核病院の要件の見直しについてというファイルを開けてください。これについては、前回、要件の見直しの方向性について御議論いただき、それを踏まえ、今回、要件の見直しの具体的な見直し案を提示させていただいております。
2ページを御覧ください。臨床研究中核病院の役割です。これについては、前回の御議論で、今、現行示している中核病院の役割に関して、今後期待することを含めた具体的な役割について、趣旨を適切に書き下すという方向性について、御了解いただきました。そこで、現行の内容に対して、見直し案としては、現行の丸1~丸5に関して、その具体的な役割を見直し案に書かれたような事項について示すことにしたいと考えております。
1番目として、臨床研究の立案及び実施に関する役割、その中には、実施施設における臨床研究の実施と多施設共同研究の実施。2つ目として、臨床研究の支援や相談に関する役割ということで、この中には、他施設の行う臨床研究の支援、多施設共同治験・臨床研究事務局等の研究のハブ機能、そして先進医療の相談窓口、患者申出療養の申請対応に関する体制です。
3ページは、研究実績についての要件です。これについては、前回の御議論において、現状の実績を踏まえつつ、臨床研究中核病院全体としての水準を引き上げていくという方向に関して説明をし、了解いただきました。
具体的には、今回の案としましては、医療法に定める特定臨床研究の実施能力として、現状の医師主導治験4件以上を実施というものをベースに置き、更に上乗せする形で医師主導治験若しくは臨床研究の実施を求めたいと考えております。また、特定領域を中心に臨床研究を行う臨床研究中核病院については、現在でも実績件数が通常の機関の半分に設定され緩和されておりますので、これについては変更は行わないという方向性についても、御了解いただいたところです。
現行の内容ですが、過去3か年の実績において、丸1又は丸2のいずれかを満たすことということで、主導的に実施した医師主導治験4件以上、又は主導的に実施した医師主導治験1件以上かつ主導的に実施した臨床研究実績80件以上と、これが現在の要件です。見直し案においては、丸1の主導的に実施した医師主導治験4件以上、これをベースにして更に水準を引き上げる形で、主導的に実施した医師主導治験8件以上といたします。あるいは、これに置き換わるものとして、主導的に実施した医師主導治験4件以上をベースにする場合には、これに加えて更に主導的に実施した臨床研究実績を40件以上という形で設定させていただきました。
これについては、現状の実績等を踏まえてこのような数値を設定しているところです。特定領域に係る臨床研究を中心に行う機関については、先ほど説明しましたとおり、要件の変更は行っておりません。
4ページは、多施設共同臨床試験の実績についての要件です。ここについては、ただいま説明した研究実績の要件の変更を踏まえ、数値的な変更を行っております。一方、特定領域の臨床研究を主として行う臨床研究中核病院に関しましては、そこがハブとなって全国の多施設共同研究を進めていくという役割を考えると、領域横断的に臨床研究を行う中核病院と区別をするというよりは、むしろ同等の実施数を求めることを考えたいと思います。
具体的には、現行の内容は、過去3か年の実績において丸1又は丸2ということで、多施設共同医師主導治験2件以上又は多施設共同臨床研究30件以上ということになっておりますが、見直し案においては、研究実績の要件の変更を踏まえ、多施設共同医師主導治験2件以上又は多施設共同臨床研究20件以上と変更したいと思います。一方、特定領域に係る臨床研究を主として行う申請機関についても、多施設共同医師主導治験2件以上又は多施設共同臨床研究20件以上ということで、他の臨床研究中核病院に合わせる形で、ここは結果としては要件を引き上げる形になっております。
5ページは、論文実績の要件です。前回の御議論において、論文の件数については、結果の反映に時間が掛かることと質の確保を行うことが重要であることから、論文数の変更は行わないが、論文の質の確保の観点や研究支援に関する病院組織に対する評価を加える観点から、その計上の仕方の取扱いを整理することで御了解いただきました。
現行の内容は、過去3年の実績において、医療法に定める特定臨床研究に伴う45報以上の学術論文という条件を設定しております。この数値については変更はしておりません。ただし、対象となる論文の基準について、変更しております。現在、主解析論文以外にも、プロトコール論文やサブ解析論文も対象にしていくことになっております。ただ、これについては、上限を定めておりません。やはり主解析論文を中心に考えるということで、現状の実態も調査した上で、プロトコール論文については、3年間で6報までという上限を定めたいと思います。また、現在、筆頭著者の所属先が申請機関である論文しかカウントはできないことになっております。これについても、実態を踏まえ、研究責任者の所属機関が当該申請機関であって、その申請機関の研究支援機能を活用して研究を実施した論文については、カウントできるようにしたいと思います。
また、特定領域の臨床研究を中心に行う申請機関については、そこがハブとなって多施設共同研究を行う上で、他施設に研究責任者がいるケースのほうが多いと考えられることから、研究責任者の所属機関が他施設であっても、申請機関の研究支援機能、具体的には、調整事務局としての機能と、それ以外のプロトコール作成等の機能を活用して実施した研究に基づく論文についてはカウントできるようにしたいと思います。
6ページは、他施設支援についての要件です。これについては、支援機能が臨床研究中核病院に求められる中心的な役割であることを踏まえ、特に領域横断型の中核病院と特定領域を中心に研究を行う病院とで区別は行っておりません。また、現行の内容について、計上可能な支援内容を具体的に列挙した上で、計上の考え方を整理したいと考えております。
現行は、1年間に15件以上実施という要件が定められております。これについては、現在のカウントの仕方として、例えば15施設を対象とした多施設共同試験があった場合に、モニタリング等の支援をその多施設共同試験の中で15施設全部に行った場合には、それで15件というカウントができる形になっております。これを改めて、見直し案では、1年間に15件という数値は変えませんが、特定臨床研究ごとの1支援業務につき1件を計上可能としたいと思います。ですから、具体的には、15施設の多施設共同臨床試験の場合に、もしモニタリングの支援を15施設に行った場合には、それは1件というカウントになります。ただし、その場合に加えて統計解析の支援も行いますといった場合には、支援業務が2つになりますので、2件を計上すると、こういうカウントの仕方に変わるということです。
また、自機関が関連する多施設共同研究の取扱いにおいて、研究代表者が他機関の所属であって自機関が参加する多施設共同研究の場合には、プロトコール作成支援、データマネジメント、モニタリング、統計解析支援等については、計上可能なことにしたいと思います。
7ページは、研修実施の実績についてです。研修の実績については、引き続き取り組んでいきますが、研修の質や内容に関する取組を求める観点から、変更を行うという方向性について了解を頂いております。見直し案については、研修の回数については変更はありません。ただ、2つ目の○に書いてありますように、あらかじめ研修計画の提出・公表を求めたいと思っております。また、3つ目の○ですが、現状、年1回報告いただいている業務報告書において、研修の回数や参加人数だけではなくて、職種別の参加者数等の情報も求めることにしたいと考えております。
8ページは、人員体制についての要件です。これについては、必ずしも医療職だけではなくて、非医療職種を含めた多様な人材の連携が必要であることから、全体としての組織規模の要件は拡大しつつも、例えば薬剤師や看護師については、職種としての特性を求める業務を想定した要件として、また、一方、評価すべき支援業務に従事する者を例示として追加したいと考えております。
現行の内容は、これに示しますように、医師、歯科医師5以上、薬剤師10以上、看護師15以上、また、専従の臨床研究の実施に係る支援を行う業務に関する相当の経験及び識見を有する者12以上という要件を設定しております。これについて、イの薬剤師については、その業務を考えたときに、5以上あれば機能するのではないかと。また、看護師においては、今15以上ですが、これは10以上としておけば機能するのではないかと考えて、こういう設定をしております。また、その減った分については、エの専従の臨床研究の実施に係る支援を行う業務に関する相当の経験、識見を有する者、ここは今12以上となっておりますが、24以上という形の数字を仮置きしております。職種例としましては、今、臨床研究コーディネーター(CRC)やモニター、プロジェクトマネージャーを例示しておりますが、例えばそれ以外にも、治験や臨床研究の事務局担当者、あるいはメディカルライター、こういった職種についても例示として追記できるのではないかと考えております。
なお、これについては、薬剤師や看護師の人数を減らすことについて、あるいはエの専従の臨床研究の実施に係る支援を行う者の数を、どのぐらいの数に設定したらいいか、今24と置いておりますが、どのぐらいまで拡充すればいいかと。あるいは、職種例として、どういう職種を追加したらいいか。これについて、いろいろな先生方に御意見を伺ったところ、結構多様な意見を頂いておりますので、ペンディングの(P)ということで、仮置きにさせていただいております。本日御意論いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
9ページは、人員体制の続きです。これについては、オ、カ、キの中のカを御覧ください。生物統計に関する相当の経験、識見を有する者については、その専門人材のキャリアパスの拡充の必要性が指摘されたことから、機関として求める水準は維持しつつも、専従に係る要件を緩和する方向で考えております。
具体的には、現在、専従の生物統計に関する相当の経験、識見を有する者2以上、また、その中身としては、特定臨床研究の生物統計に関する実務経験を1年以上有し、それに相応する知見を有する者、これを計上可能としております。これを、専従ではなくて専任、ですからエフォート0.8~0.5という形で、専任の生物統計に関する相当の経験、識見を有する者2以上として、※に書いてありますように、特定臨床研究の生物統計に関する実務経験を3年以上有し、それに相応する知見を有する者を計上可能、さらに、計量生物学会の有資格者であることが望ましい、また、常勤換算でエフォート合計2以上を求めるとしております。
10ページは、管理者の業務に関する要件です。これについては、現行の内容と見直し案を比較いただき、見直し案の上から3番目、認定臨床研究審査委員会(CRB)の設置についてですが、特定領域の臨床研究を中心に行う申請機関については、当該領域に係る技術専門員の配置・育成等を含めたCRBの体制整備を求めたいと思います。また、下から2つ目、臨床研究の支援体制についても、特定領域の臨床研究を中心に行う施設については、当該領域に係る治験・臨床研究実施・調整事務局の設置を含めた支援体制整備を求めたいと思います。また、一番最後の○ですが、患者申出療養及び先進医療の相談・申請・実施等に係る体制整備も併せて求めたいと思います。
11ページ以降は、要件ではなくて報告事項の設定についてです。臨床研究中核病院のパフォーマンスを見ることが、日本全体の臨床研究・治験の施策を検討する際に重要と考えております。そのことから、パフォーマンスをきちんと見る上で必要な情報をまず報告として求めるということで、状況を適切に把握したいと考えております。したがって、年1回業務報告の記載事項ということで、次に説明するような事項を追加してはどうかという提案です。
(1)ですが、研究実施・論文関係ということで、現在、要件として計上可能な論文とは別に、以下の研究活動に関する論文について、報告いただけないかと。診療ガイドラインに結び付いた論文。手術手技等の侵襲・介入研究、観察・疫学系研究に関する論文。研究計画書に定める研究責任者が他機関の所属であっても、当該機関の研究支援機能を活用して実施した研究に基づく論文。また、企業治験を含む個別の研究実績や、論文実績に関する報告内容については、医薬品・医療機器・再生医療等製品の区分であるとか、疾病分類、小児・成人の区分、単施設・多施設の区分、研究の区分等についての情報も求めたいと思います。また、論文を出して終わりということではなくて、臨床研究・治験の実施によって、薬事申請や承認等の実用化に結び付いた研究又は論文についての情報も求めたいと考えております。
12ページをお願いします。また、人員・体制・研修関係です。臨床研究に係るデータ管理体制に係る体制・人員についての情報を求めたいと思います。また、リアルワールドデータの研究への利活用に関する取組についての報告を求められればと思っております。研修については、座学だけではなくてOJT型の研修に関してどういう取組を行っているか、情報を求めたいと思っております。
最後にその他です。今、臨床研究の承認要件の見直し案について御説明いたしましたが、承認された後の研究実施及び支援の継続的な取組について、適切に確認・評価をするための方策について、次のような方針に基づいて整理をして、次回の部会に提示できればと事務局で考えております。
臨床研究中核病院として承認された後の取組を適切に確認するため、毎年度報告される業務報告書をもとにして実績等を取りまとめて、本部会に報告する。そして、もしその報告書において、承認要件を満たさない疑いがあると思われる場合には、改善計画の提出と是正状況の確認を行うとともに、承認の取消しについての議論を行うということです。説明は以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。臨床研究中核病院の見直しに関する提案ということですが、内容がある程度まとまった形での項目になるかと思いますので、資料の先頭から1つずつ議論を進めたいと思っております。まず1番目、臨床研究中核病院の役割に関して、現行内容からの見直し案については、何か御意見はありますか。○花井委員 これでよろしいと思うのですが、見直し案に、いわゆる先進医療と患者申出療養の申請対応に関する体制と書いてありまして、これはいわば保険療養のスキームだと思うのです。
その患者申出療養の議論のときもそうなのですが、それはどういった機能が必要かということを、大して議論を深めず、何となく臨床研究中核病院が入ってきて、実際の業務の内容なども大して精査せずに、こうなったという経緯があったように思うのです。なので、所掌が違うとは思うのですが、ここは結局ブラックボックスになってしまって、保険療養のほうでここが変われば、その中身が変わってしまうという構造になるので、今後、所掌、担当局のほうで、これについて何らかの中身の見直しがある場合は、必ずこちらに事前に議論の中身を言っていただいて、現行の臨床研究中核病院で対応可能かどうか、そういうこともちゃんと調整をしていただいたほうがよいのではないかと思いました。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
○渡部委員 今の患者申出療養の御発言に続けてですが、先進医療のほうは、例えば安全性情報などですと、臨床研究法のほうに寄せた形で、今は運用されているかと思うのですが、患者申出療養のほうに関しては、因果関係がないものに関しても報告しなければいけないですとか、2ルートで、臨床研究法と患者申出療養それぞれで報告しなければいけないのと、まだ整理がつけきれていないところがあるので、是非連携して進めていただければと思います。
○吉田室長 御意見、ありがとうございます。所管は保険局になるのですが、保険局のほうともよく連携・調整できるように進めたいと思っております。
○楠岡部会長 今の点は非常に大事で、2つの流れが途切れてしまうというか、クロスしてしまうと混乱を起こしますので、是非よろしくお願いしたいと思います。ほかにありますか。よろしいでしょうか。
それでは、その次に移りまして、2番目の承認要件の丸1、研究実績に関してです。これに関してはいかがでしょうか。
○山口委員 非常に素朴な疑問なのですが、3ページだけでなくて4ページにもあるのですが、現行の内容の2つ目の○の所に、特定疾病領域として難病・希少疾患など、いろいろ書いてあって、見直し案の所は「特定領域に係る」というように書きぶりが変わっています。変わっていることに何か意味があるのかと疑問に思ったので、お聞きしたいと思いました。
○吉田室長 現状におきましては、もともと今の仕組みを作ったときに、ここに示した難病・希少疾病、小児疾患、新興・再興感染症、こういった特定疾病に関しては、一定の配慮をした形の要件設定を行っております。現在、見直し案におきましては、重複する部分もあるのですが、特定領域と言った場合には、例えば疾患で見る場合、あるいは対象者で見る場合、いろいろな考え方がありますので、特に疾患を限定するということではないのですが、そういった見方が疾患だけではないという点も踏まえて、特定領域という言い方にしております。
○山口委員 であれば、その辺りのところを臨床中核病院の方が分かるような、何か書きぶりがあったほうがいいのかなと思いました。
○吉田室長 この特定領域の部分の取組につきましては、名称等については、まだこれから検討の余地がありますので、事務局のほうでも説明の仕方は検討したいと思います。
○楠岡部会長 現行だと特定領域が例示されていて、そうするとこれ以外はどうなのかという議論が出てきますし、逆に今回の見直し案ではそこがないので、では、誰が特定領域と判断するのかという問題が出てくるかと思います。その辺、整理のほうはよろしくお願いしたいと思います。ほかにありますか。
○佐藤(典)委員 数値の具体的な話になってしまうかもしれないのですが、医師主導治験の数の件です。先ほど1ページ目の所にありましたが、今回の見直しの中で、臨床研究中核病院の役割というのが、自ら行うこと以外に、あるいはそれ以上に、他の医療機関を支援する能力というのが非常に大事だ、これが日本全体の臨床研究を上げることになるということで、後のほうで出てきますが、他の医療機関を支援する人数ですとか、人を増やす方向です。これは非常に正しい方向でいいのではないかなと思っているのですが、この数字を見ますと医師主導治験が4から8に一気に倍増してしまうということになっています。御存じのように医師主導治験はGCPにしっかり準じなければならないですから、立案からデータの信頼性確保、他施設の調整まで、非常に高度な専門職が必要とされることになっていまして、正直、中核病院でもこの辺の治験のマネジメントをするスタッフがぎりぎりの状態であることは間違いなくて、専門職であることも踏まえて、急に人を増やしたり育成したりというのは難しいという背景があります。
この部会の議論でも、中核病院がどうも自分の所の支援が精一杯、数値要件クリアが精一杯で、ほかの所の支援に手が回っていないのではないかという意見もあったのではないかと思います。そういうところを考えますと、先々8というのは実績を見ながらあってもいいのかもしれませんが、いきなり倍でありますと、なかなかリソースをそこに割けなくて、結局自分の所が精一杯になって、日本全体の底上げにつながらないという危惧が残ってしまうのではないかという印象を持っています。
ですから、例えばですが、まずは4を6にして、そこから実績と人材育成の様子を見ながら、また8に上げるなりということで見ていくというのも含めて。現場の人間の意見ということになるかもしれませんが、他の医療機関の治験を含めてしっかり支援するために、一気に倍というのは少し大変ではないかなと、私としては感じるところです。
○楠岡部会長 ありがとうございます。事務局にお尋ねしますが、この8の根拠は何ですか。
○吉田室長 はい、現状の臨床研修中核病院は12病院あるのですが、そこの実績を見たところ、12病院のうちの約半数の機関が達成できる条件、つまり合理的に達成可能な範囲というのを考えたときに、その半数が達成できる数字ということで、8というのを置かせていただいております。ですから、そういう意味では例えば6とか4とか、実際にはそこに満たない施設があるのも事実です。それにつきましては、今、先生がおっしゃったように、一定の目標を設けて段階的に行うという方法もありかと思いますが、まずは一定の水準を高めてもらうということを意図して、8という数字を置かせていただいております。ですから、これについては御議論いただければと考えております。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。承認要件が同時に継続要件なので、新たに加わる所は8を目標にというのは、当然あってもいいと思うのですが、今、佐藤委員からの指摘のように、現状走っている所で、いきなりハードルが4から8に上がると、1年間で4つ増やさないといけないという過度な条件となる可能性がある。そうすると承認のほうも継続のほうも併せて、経過措置として1年間6というのを入れるのかという議論と、それから承認要件は8だけれども、継続のほうに関しては、暫定的に1年間は8に足りなくても認めるというような、幾つかの折衷的なものはあるかと思います。この辺りはいかがでしょうか。
○渡部委員 佐藤先生と全く同じ意見なのですが、丸1だけでなく丸2に関しても、臨床研究に関して80件が40件で、半分にはなっているのですが、主導的に実施した医師主導治験に関しては4倍になっていますので、そこもなかなかハードルが高いのかなという印象を受けました。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。あと、過渡的な問題として、今までは丸1でクリアしてきた所が多かったのに対して、もし見直し案になると、丸1は無理だけれども、今度は臨床研究の実績のほうが半分に減っているので、丸2でクリアできると。この辺りは事務局のほうで何かチェックはされていますか。特にそこまでは見ておられませんか。
○吉田室長 現状で、この臨床研究の実績40件という数字であれば、今の12病院は全て満たしております。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。
○佐藤(典)委員 どちらでいくかというのは、何か戦略的にやっているみたいで余りよろしくなくて、治験も特定臨床研究もそれぞれの意味に応じてしっかりやるということなので、中核病院としては、戦略的にどちらがいいかだとか、うちは治験はそこそこにして臨床研究だけしましょうというよりは、日本全体で必要なもののためにやるというのが基本的な考え方なので、どっちがどっちということは余り意識していないです。
ただ、医師主導治験は結構、今、日本中で増えてきていまして、悪いことではないと思うのですが、薬事承認に対して十分なGCP的なバックグラウンドがあるものでできているのかというと、なかなかそうではないところがあるのではないかなと思っていまして、私も現場でやっていて、医師主導治験の薬事に対するちゃんとしたクオリティ。取りあえず今、中核病院もそうですが、AMEDを含めて研究費は治験だとかそういうところでないと、なかなか渡らないという、こういう話でいいのかどうか分からないですが、そういう背景もありまして、どことなく無理して治験にしているというのが多いのです。
その中で、先ほど私が申しましたとおり、治験を行うために必要なスタッフが、まだまだ日本中足りないというところがあって、数だけこのようにドンと増えていってしまいますと、これから中核病院を目指す所もそうかもしれませんが、クオリティが伴わないのに、あるいは人がちゃんとついていないのに、形だけ治験みたいなものが横行しかねないということもあります。ですので、クオリティを高めるためにも、将来の目標は8とか10というのもあるのかもしれませんが、そういった治験の質ですとか、そういうものもちゃんと見極めながら、同時に人もちゃんと育てながら、日本全体として一歩ずつ高めていくという考え方がいいのではないかと。根拠を出せと言われたら難しいですが、印象としては非常に日本の治験、数は多いですが、中身は大丈夫かなというところがありますので、そういったことも含めて、ここでしっかりした道筋を出したほうがいいかなと感じます。
○楠岡部会長 いかがでしょうか。
○花井委員 現場を知らない者が言っていいのか分かりませんが、治験である限りは、最終的には薬事によってクライテリアが定められているので、質が悪ければ承認されないということになるのではないかと思いますが、その辺はどうなのですか。
○佐藤(典)委員 承認されないです。ですから、これは治験をやった数ですよね。なので、治験届を出したら、PMDAさんにしっかりチェックしていただきますが、基本的には安全性を主体に見て、もちろん有効性が全然出そうにないものはちゃんと指摘されますが、最終的には「治験者さんにこれをやって大丈夫か」という視点で、許可とは言いません、相談ですから、本当に承認されるかどうかは研究者さんが考えてください、その結果を踏まえてやってくださいということなので、スタートラインとしてはできてしまうのです。なので結局、数合わせ的にと言ったら語弊はありますが、そういうことが起こり得るので、一足飛びにドンといくのはどうかしらというのが、私の現場も含めた感覚です。
○花井委員 分かりました。医師主導治験の承認率は、一般企業治験の承認率より低いという理解で、認識は正しいですか。
○佐藤(典)委員 そのデータは手持ちにないので、余計なことは申し上げないほうがいいとは思いますが、なかなか最後まで行き着かない、あるいはポジティブなデータは出ない。ただ、結果は結果なので、ネガティブはネガティブでしょうがないと思うのです。ただ、そのプロセスの中で、本当にこれがしっかり承認に行き着くぐらい、きちんと議論されているのか。あるいは治験全体のマネジメントが、症例数が達成できるように、きちんとできているなということに関しては、もう少し精査した上で、何が足りないのだろうということを何かの機会でちゃんとやったほうが、そういう機会があってもいいのではないかなとは思います。
○楠岡部会長 企業治験の場合は、当然ながら企業が最終的に市場へ出すことを目的としていますが、医師主導治験は必ずしもそうではない。すごい極端な例、仮想的な例でいくと、最終的な医師主導治験が終了して、完全にいつでも市場に出せるところまではきていても、それを引き取って申請をする企業が現れないと、そこで宙に浮くというケースもあり得るということになります。そういう意味では別の観点からの話も必要ということです。ただ、今は基本的に医師主導治験のほうを、積極的に進める方向になっていますので、数的にはかつてに比べると、どんどん増えているという状況にはなるかと思います。
○藤原委員 私は全くこれを変える必要はないと思っています。今は現場を離れていますが、現場にいる人間からしても、例えばこういう臨床研究中核病院とか臨床研究の進行に、治験中核病院という平成18年ぐらいに出来た仕組みのときから、日本は多額の国費を入れて、今の臨床研究中核病院に近い所に全部金を出して、20年近く投資しているわけですから、それまでにそれぞれの病院がスタッフをきちんと拡充できていないというのは、それぞれの病院の責任なのです。年に2個ぐらい医師主導治験をやって、過去3年で6件というのは、別に普通にできることで、それが2件ちょっと増えるというのは、確かに最初はハードルが低いので、佐藤先生がおっしゃったように、最初の1年ぐらい過渡期として6件というのはありかもしれませんが、これまで多額の投資をしてきた中で、8件が多いとは私は思いません。
○楠岡部会長 委員の皆様方の御意見も、最終的な8に関してはいいのだろうけれども、いきなり8にするか、間に6を入れるかというところかと思います。今の全体の御意見としては、過渡的に1年間だけは6にして、次のときから8にするというのが一番やりやすいというか、受け入れやすいのではないかというところかと思います。
あと、そうした場合に丸2のほうが、1が4になるわけですが、この4とか、あるいは80を40にすることに関する過渡的要件というのは、これは余り考えなくてよろしいですか。数値的に4を3にするとか、余り科学的な根拠がない話ですが。
○佐藤(典)委員 今は臨床研究法が出来て、特に昨年はものすごい数をやって、今年から少しずつ増えてきているかなという感じの状況で、多分、中核病院に過去3年の数字を出しなさいと言うと、臨床研究法の前のところも入ってきたりして、これももう少し臨床研究法の施行状況を見て、落ち着いてから見直す必要があるかないかという辺りで、40はどうでしょうかね。臨床研究法が始まったばかりの数字でいくと、多分いかないと思いますが、今年、来年という形で戻ってきますので。最後の所に報告書を書いて足りなかったらここで審議してお叱りを受けるみたいな雰囲気があるかもしれませんが、そこでもう少し頑張れということで、次の年で更にという感じでいくという方向性もあるかもしれませんので、正直に申しまして、この40という数字はなかなか読み切れないです。
○楠岡部会長 そうしましたら、この丸1に関しては、1年間の過渡的なもの、数字としては今は6という数字が上がっていますが、一応それで実施する方向ということで案を修正いただき、それで御提示いただいて検討する。あと、下の特定領域に関しては変更なしということですが、これに関してはよろしいですか。
○花井委員 丸1のまとめですが、既存の所はそれでいいと思うのですが、新規手挙げの所に経過措置を認めるというのは、ちょっといかがなものかという気がします。これまでの議論でずっと思っていたのですが、そもそも手挙げ方式で、しかも施設長が責任を持って手挙げしているのに、「いや、ちょっと」と言うのは、やはりそれなりに自信を持って手挙げをしていただくということで、新規の所はよいのではないでしょうか。
○楠岡部会長 そしたら新規は8で、毎年の調査の中で万が一、経過的なところで8に満たない所があっても、6あれば一応オーケーというような取扱いを行うということで。これはどちらかと言うと行政側の手続的なところになるかと思いますが、そういう申合せであったということでよろしいでしょうか。
では、一応見直し案どおりですが、過渡的なところに関しては、既存の臨床研究中核病院においてはそういう配慮を行うという形で、御了承ということでよろしいですか。ありがとうございます。
それでは、その次の3ですが、承認要件の丸2、多施設共同臨床試験の実績に関してです。これに関しては、先ほどの臨床研究のことを含めて、見直し案では多施設共同臨床研究を20にするというところ。それから、逆に特定領域に関しては少し上げているという状況ですが、これに関してはいかがでしょうか。
○新谷委員 先ほどのスライドにも関わってくるのですが、主導的に実施したという、主導的という言葉がどこまで包括するのかというのは、ちょっとお伺いしたいのです。論文の所は「臨床研究中核病院の支援機能を使っていること」という具体的な例示がされているのですが、こちらのほうは「主導的」と、主導的ということだと、読み方によっては代表責任者がその施設にいればカウントできるのかというようなことも入ってくると思います。特に医師主導治験などは、企業さんからお金を頂いて、支援はほぼ外出しをして行っているような研究も見受けられますので、その辺を具体的にお聞かせいただけますか。
○吉田室長 今のお答えですが、基本的にはいわゆるPIがやったかどうかという点で判断したいと思います。多分その中には、今、先生がおっしゃったように、もしかしたら企画等は企業が行って、あるいは資金提供等があってPIの方がやっているというケースもあるかもしれませんが、形としてはPIの方が責任を持つという形。例えば臨床研究法であれば、その場合でもPIの方が全責任を負って試験を行いますから、基本的にはPIが行っている研究というふうに判断したいと思います。
○楠岡部会長 確認ですが、先ほどの丸1と丸2との関係ですが、丸1の中の多施設での共同臨床試験が、この丸2の数という、包含関係になっているという解釈でよろしいわけですか。
○吉田室長 括弧で書いてありますが、丸2で示した実績要件のうち、多施設の場合はこれだけということです。
○楠岡部会長 ということですね。ですから、その点は割とはっきりするかと思います。
○新谷委員 極端なことを言うと、例えばPIの方が、施設の先生であるけれども中核の機能は使っていないと、全く使っていないということはないかと思うのですが、実質的に使っていないという研究があったとしても、それはカウントしますという理解でよろしいですか。それは少し問題があるのではないかと個人的には思うのですが、いかがでしょうか。
○吉田室長 支援につきましては、また別の項目のところでカウントすることになっておりますので、ここについてはあくまでPIかどうかというところで判断できればと思います。
○楠岡部会長 ほかにありますか。ここはよろしいでしょうか。それでは、その次の4番目、承認要件丸3の論文実績ですが、この点に関してはいかがでしょうか。数が45編ということは同じですが、今は内容のはっきりした基準というのが出ていないといいますか、通知というか、こういう審査を行いますという基準が出されているようなレベルでありますが、そこを今回、もう少しはっきりと記載した形になっておりますが、この内容に関してはいかがでしょうか。
○藤原委員 以前から問題になった、筆頭著者しかカウントしないというのを変えていただくことは、非常に大きな進歩かなとは思います。2つほど疑問の所があるのですが、1つは、現行の場合、学術雑誌のクオリティを、NLMに掲載されているような学術論文に限るという記載が残っているのですが、見直し案の所では、発表する学術雑誌の制限が余りはっきり書いていないので、そこをどうされるのかというところです。
2つ目ですが、今は論文のほうは、研究責任者が所属機関にいて、その所属機関の研究支援機能を使っているものを論文としてカウントするとしてあります。特定のほうは、研究責任者が所属機関か、ほかの施設でも、PIがいて中核病院の支援機能を使っても、その成果はカウントするとなっていて、佐藤先生が最初に言っていましたが、臨床研究中核病院の役割というのには、ほかの施設を助けるということも大きな役割としてあるので、将来的にはPIがほかの施設でも、支援機能ががっちりサポートしていれば、それをやった論文もカウントするような方向に行くのかなというところです。
あと、今読んでいて気付いたのですが、私はプロトコール論文というのは本来ゼロでいいと思っています。プロトコールなんて、論文にしたって何の成果にもつながらないので、6件でも多すぎるかなと思います。
○楠岡部会長 プロトコール論文に関しては、私自身は少し違う意見です。最終的な結果が出るのに試験がスタートしてから5、6年かかる場合がしばしばで、そうすると、どういう研究が進んでいるかということをある程度知らせるというか、あるいは出発点において、どういう患者がリクルートされているかということを示す意味で、全く価値がないとか、そういうわけではない。ただ、プロトコール論文を取り扱う雑誌そのものがそんなに多くはないので、逆にプロトコール論文にしようと思うと難しい点もありますが、でも、45分の6ぐらいはあってもいいのではないかというのが、個人的な見解です。それ以外のところで、藤原委員からの指摘に関して。
○吉田室長 まず査読のある学術雑誌の件ですが、これは見直し案の所にありますように、現行の内容に追加する項目ですので、左側の査読のある学術雑誌に関する要件に関しては、引き続き条件としては残ります。
もう1つ、PIの所属施設でどうするかという話で、もし他施設にPIがいる場合のカウントを全て一律にできるようにしてしまうと、今は論文が3年間で45報という数字は変えないという条件で中身の整理の議論をしているのですが、ここの数字を大幅に変えなければいけない議論になるのだろうなと。ただ、特定領域に関して言うと、これはそこがハブになって多施設研究を積極的に行ってもらうと。その場合には、PIが外にいてそれに対して支援を行うということが自然と生じますので、これについては例外的にカウントできるようにしたというのが、この案の味噌です。
○楠岡部会長 そういう意味で、もし将来、藤原委員のおっしゃるように拡張するとした場合は、基準となるデータが必要になってくるので、それは今回提案がある報告事項の追加の中でデータを集めていくという、そういう考え方でよろしいわけですか。
○吉田室長 はい、最後のほうで説明しましたとおり、報告事項の中でそういったものについても情報を集めていきたいと思っております。
○楠岡部会長 将来的にそこを決めるときに数値の問題が出てきますので、それはもう少しデータが集まれば、その方向も十分検討に値するということで、ほかはよろしいでしょうか。
○佐藤(暁)委員 特定領域以外の所に書いてある、統計解析の所の、「「大学病院において、実態上、大学の統計講座の支援により臨床研究活動行っている場合」は対象とする」、これは具体的にはどういう感じのことを想定されていますか。
○吉田室長 一応これは臨床研究中核病院ということで、病院を実習場所として議論をしているのですが、場所によっては医学部と病院というものがほとんど一体となっていて、学部のほうに統計家がいて、その方が実際に活動されているというケースがありますので、それについては対象にできるようにしたということです。
○佐藤(暁)委員 あと、「研究支援機能を活用して」というのは、どれか1つがやっていればいいのですか。それとも全部。
○吉田室長 2つ目のポツについてはいずれかでいいのですが、特定領域のほうにつきましては、これは丸1かつ丸2のどれかということになります。
○佐藤(暁)委員 あと、実務上気になるのは、これを結局証明するためにはプロトコールとか、そこら辺の契約書の類を提示して証明するような形になるという理解でよろしいですか。
○吉田室長 はい、プロトコールとか契約書、あるいはjRCTのレジストリであるとか、そういったきちんと分かるような形で証明いただくことが必要になると思います。
○楠岡部会長 ほかにありますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、これに関しては見直し案どおりということです。次に5番目、承認要件の丸4、他施設支援の所、これはカウントの仕方が変わるということと、支援内容を明示するという形になるかと思います。これに対して、いかがでしょうか。
○掛江委員 カウントの方法を1プロトコール1件にしていただくということについては、非常に合理的で私も賛同します。ただ、少しだけ気になったのが、例えば監査なのですが、超稀少疾患で1施設1患者しかいないような多施設共同研究などで実地監査をしようとすると、患者数の多い疾患で主たる施設に患者を集めて実施する臨床研究の実地監査に比べると、恐らく負担は大きくなると思うのです。だけれどもカウントとしては同じ1件となると、超稀少疾患を扱っている、特に特定領域などの施設にとっては、同じ評価だけど負担が大きいという状況になり、支援効率を考えるとなかなか協力したくてもできない状況が生まれてしまうのではないかというのが、これはあくまでも推測なのですが、少し危惧しております。
なので、現時点でこの要件自体を変えてほしいとか、見直してほしいというつもりは全くなくて、この提案自体には賛同しているのですが、この支援結果の評価の段階で、何らかの御配慮を頂くなり、今後の運用の中で少しそういったところも気にかけて見ていただけるといいかなと考えております。
○吉田室長 確かに監査につきましては、いわゆるボリュームによって、施設に訪問しないとできないという特徴があったりしますので、ほかの支援業務とは違う面はあるのかもしれないのですが、いかんせん実績がないものですから、まずはこういう形で改めさせていただいて、同時並行でまたいろいろな情報などを集めながら、しかるべき時期にまた見直しを行うという形で進めさせていただければなと考えております。
○楠岡部会長 これもまた極端な話ですが、監査として契約は1件として存在しているのですが、実際、研究終了まで監査は必要なくて、全然やらなかったという場合も1件としてカウントするのかとか、いろいろなケースが出てくると思います。そこは運用上どういう配慮をするかというところはあるかと思いますが。ほかに御意見はありますか。
○佐藤(暁)委員 これも実務上のカウントの仕方で申し訳ないのですが、今、御指摘いただいた監査、統計解析、調整事務局というのは、多施設共同試験をやった場合に、各施設に自らさんはいるので、この業務全体に対してやる業務と考えてはいるのですが。今まで施設ごとにカウントしていたときには、自施設に対してやったときにはカウントしないみたいな形になっていたので、そこはちゃんと他施設でやっていって、各施設の自らさんを助けているという意味で、監査であれば、例えばARO側に入る監査のときは自施設内でやりますし、統計解析で他施設にやるとかやらないという話ではなくて、試験全体という話ですし、調整事務局も同じような形なので、そこはちゃんと他施設の場合、カウントできるようにしていただければなと思います。
○吉田室長 これにつきましては、4つ目の○に書かせていただいたとおり、多施設共同研究の取扱いということで、ここに示したような方法でカウントができるようにしたいと考えております。
○楠岡部会長 ほかはよろしいでしょうか。
○新谷委員 この支援業務は1年間に15件ということで、極端なことを言うと1つの研究に6個の支援を全部やって、そうすると3個か4個のプロトコールで支援を入れるとクリアということになってしまいますので、やはり他施設への支援をするという動機付けにするためにも、もう少しハードルは高くてもいいのかなというのが、個人的な見解ではあります。
あとは1年間に15件と定められているということは、例えば3年走っている研究で毎年モニタリングを少しずつやると、それは1年ごとに1件ずつで、3年で3件というカウントになると、細かいことで申し訳ありませんが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○吉田室長 細かいカウント方法につきましては、いろいろ実際にデータを集めながら、こちらのほうでも検討していきたいなとは思うのですが、基本は研究元の1支援業務につき1件ということですから、例えば1契約の中で、1研究、1支援業務という形がもし分かる形であれば、それで1件というのが一番分かりやすい方法だと思います。
ただ、今、先生がおっしゃられたように、多分実際に運用した場合にはいろいろな疑義が生じると思います。しかし、いかんせんこれについてはまだデータがないので、実際にこういう形でデータを集めた上で、具体的により分かりやすい運用とか、あるいは見直しについても検討できればなと思っておりますので、まずはこれでやらせていただければなというところです。
○楠岡部会長 今の御指摘のあったカウントの仕方のところははっきりさせる必要がありそうです。研究の開始時に何らかの取り決めがなされるので、それが研究が終わるまでは、その間、毎年の件数として1件ずつとカウントするのか。極端な場合には新規のみをカウントして、それは当然のことながら持続しているというのか。累積していけば、年が進めば進むほど15というのは当たり前で、20とか30というように増えていく可能性もあると思います。ここはまたどうするかを検討いただければと思います。ほかにありますか。よろしいでしょうか。
では、その次の6番目の承認要件丸5、研修に関してです。これは回数はそのままですが、事前の計画提出と事後の記録をしっかり頂くということですが、これに関して何かありますか。
○山口委員 今回新たに計画段階での「提出・公表を求める」ということが書かれているわけですが、これは例えば項目として何か一定のものを求められるのでしょうか。終わってからの報告もあるけれども、計画段階で提出を求めるということは、そこで中のチェック機能が働いたりして、ここの段階でもう少し変更した方がいいというチェックが入るのでしょうか。というのは、やはり内容がとても大事ではないかなと思うからです。いろいろな研修を見ていてもすごくばらばらというか、本当に受けた人に届いているのかどうか分からないような研修も、中にはあったりすると思いますので、恐らく今回の改定のところで言うと、中身を問うているのではないかと思うのですが、今回変更することによって、どれぐらい中身を精査することができるようになるのかということが気になったので、その辺りを教えていただければと思います。
○吉田室長 これまでは、こういう提出を求めていませんでしたので、具体的にどのような内容の研修が実際に現場で行えるかというところまでは、こちらのほうで把握しきれていない面があります。どういうフォーマットで、どこまでの情報を求めるかというのは、これから事務局のほうで具体的な中身は提示いたしますが、ただ、こういう形であらかじめ提出を求めることによって、あらかじめこちらのほうから、質の観点からここはこのようにしたほうがいいのではないかと、いい意味での改善につながるような介入ができればいいなと思っておりますので、そういう意図を込めて、こういう形にしたいと思っております。
○山口委員 是非それによって見えてきたことを、また御報告いただいて、次につなげていただければと思います。
○楠岡部会長 確かに今は研修会は、内容はともかく、例えば時間に関しても何も制限がないので、半日かけてやる研修会と、院内で1時間でやっている研修会を同列に扱っていいのかとか、倫理審査委員会の委員向けの研修というのも、別途開催するよりも、委員会の前に30分程度レクチャーのようなことを行って、それを1回としてカウントしてというようなとか、いろいろ形がありまちまちです。ですので、今回はこの回数ということになっていますが、これは実際、今後の中でいろいろデータが出たときに、こういう研修会は1回としてカウントするけれども、これは1回には当たらないとか、あるいはそれが幾つか積み重なると足し合わせて1回分にするとか、何かそういうことも考えていただいたほうがいいかもしれないと思います。ほかにありますか。
○佐藤(典)委員 今、楠岡先生がおっしゃったことは正にそのとおりで、我々はいろいろなタイプのことをやっていますので、これでいいかどうかと思いながらやっているところがありますから、そこのところを、実績を重ねながらでいいと思うのですが、そうしていただければと思います。
あと、ちょっと別なのですが、この見直し案の一番最後の所の「臨床研修医・専攻医等の修了実績についても報告」、この修了というのは何を指すのでしょうか。研修医が来て臨床研究の勉強をしましたとか、そういう。この修了の実績の報告、これの意味が、多分上のほうの看護師さん、薬剤師さん、検査技師さんは、このように参加しましたでいいと思うのですが、臨床研修医に関して、この修了の実績の意味がちょっと分からなくて、我々は、臨床研修医だからといって特別なプログラムを組んで、今のところ何かをやっているわけではないのですが、その辺の意味がちょっと分かりかねたので。
○吉田室長 これは研修にきちんと参加して修了しました、きちんと受講しましたという証明のことを指します。
○佐藤(典)委員 それは研修医に限らず、普通のドクターでも修了書などを出したりしているので、ここだけ取り出している意味は、逆に余りないのかなと思ったのです。くどいようで申し訳ないのですが、何か特別に意図があるのかなと思って聞いただけです。
○吉田室長 もともとこれについては、人材育成という観点から、特に若手のこういった先生方に臨床研究のほうにもっと入ってきてほしいという意図がありますので、こういうことをしてもいいのではないかなと考えております。
○楠岡部会長 確かに、ここだけでは読み取りにくいところがあるので、それはまた追加をお願いしたいと思います。ほかにございますか。よろしいでしょうか。
それでは次の7番、承認要件丸6の人員体制の(1)ですが、薬剤師、看護師に関して人数を減らしているということと、エで例として増やすと同時に人数を12から24に増やしている、この点に関していかがですか。
○川上委員 現在の臨床研究中核病院の整備の現状を考えても、例えば薬剤師、看護師などの人員体制が承認要件ぎりぎりで何とかクリアできている病院も恐らくあるのかと思います。決してそういった病院が形骸化しているというか、単に人員を集めているとは申しませんけれども、かなり無理をされてこの要件を何とかクリアしているのであれば、示された数に下げていくことは現実的なように思います。ただし、例えば薬剤師などは、どんな業務に関与しているかが大変重要なので、今回も見直し案には括弧書きで書いていただいていますが、その薬学的専門性をどういった形で生かしているのか、むしろ業務の内容とか最低限の関わり方、あるいはエフォート率を設定するのがいいのかなど、まだ議論はあるかと思いますが、そういった内容を見ていくことは大事かと思います。
また、これから臨床研究中核病院になろうとする病院においても同様かと思うのですが、一定の人員数を承認要件に入れることで、例えば薬剤師なら薬剤部、看護師なら看護部などとの部門間の連携も図られているかと思います。業務の面あるいは人事管理の面で、連携のあり方は病院によって様々かと思いますが、病院内での臨床研究を推進していく上で必要な部門間連携がこういった人員体制の要件を引き下げることで損なわれないように、併せて御検討いただければと思います。以上です。
○楠岡部会長 よろしいですか、ほかに。
○掛江委員 こちらのエの「専従の臨床研究の実施に係る支援を行う業務に関する相当な経験を及び識見を有する者」という箇所の職種例ですが、研究支援の中で被験者保護とか研究倫理の観点から研究支援をするというところで、プロトコール作成、それからインフォームドコンセントの説明文書の作成とか、そういったもの検討の初期段階から、こういった研究倫理、被験者保護の観点の支援が入ることが望ましいようなプロトコールが臨床研究では多くあるかと思います。こういったものに対して、既に現状でも幾つかの施設では研究倫理を専門とする者がスタッフとして研究支援にあたっているという状況もございますので、そういった現状も踏まえて研究倫理担当者がスタッフとしているならば、エとしてカウントできるようにしていただくことも重要かと考えています。
あと、この研究倫理の担当者という表現が適当なのかどうかというところも少し悩んでいたのですが、以下、国立がん研究センターの松井先生ならびに一家先生から頂いた情報をお示しします。内閣官房に設置されております健康・医療戦略推進本部が平成26年7月に決定し、平成29年2月に一部変更して公表しておられる「医療分野研究開発推進計画」の「人員育成」のパートにおいて、「研究倫理コンサルタント(相談員)」という名称を使っておられ、こういった研究に必要な人材育成をしていくこと、それから育成された人材を、橋渡し研究支援拠点や臨床研究中核病院、早期探索的臨床試験拠点に複数配置するよう配慮する必要があるということを明記しておられます。これらを踏まえて、整合性を取りながら御検討いただけると、非常に有り難いと考えております。
○楠岡部会長 検討いただくということですね。
○吉田室長 御提案につきましては、言い方とか中身の業務の書きぶりを含めて、御相談いただければと思います。
○山口委員 この見直し案のエの所に、「専従の臨床研究の実施に係る支援を行う業務に関する相当の経験及び識見を有する者」とあります。この「相当」というのが具体的に何か要件があるのでしょうか。相当に該当する要件があるとしたら、教えていただきたい。そういう一定の経験と、識見を有する人だけではなくて、やはり新しい人を養成していくということからしたときに、ある程度の人数は経験を有する人というのが必要だと思うのですが、ちょっと幅を持たせていただきたい。やはりどうしてもこの分野ってまだまだ人数が少ないだけに、育成、養成していくことが不可欠だと思いますので、その人たちも含めたような書きぶりになるといいのかなと思いました。
○吉田室長 御意見ありがとうございます。一応その相当な経験といった場合に、一般的ですが大体3年ぐらいが1つの目安になるのかなと。ただ、皆さんが3年24人という形ですと、これは大変な条件だと思いますので、例えば、その3年以上の経験を有する方たちが幾名かいた場合には、1年未満であるとか、あるいは1年から2年の方、そういった3年に満たない方もいた形で、経験年数が違う方をむしろミックスで、そこで従事させていただいて、人材育成に役立てていただく。多分そういうような体制のほうが現実的ではないかと思っておりますので、そういうようなことができないかということで考えたいと思います。
○山口委員 そうすると、今、仮置きで24名になっていて、24名以上の方は3年以上の経験を持っていると読めてしまうのですけれども、そうではない人も含めて24名以上ということですか。
○吉田室長 はい。
○山口委員 そうすると、「相当の経験及び識見を有する者を含む24名」ということですよね、正確に言うと。
○楠岡部会長 ここは検討で、例えば24名のうちの半数以上は3年以上の経験があるとか、何かそういう内訳的なものを考えたほうがいいのかもしれないので、検討していただくということで。
○吉田室長 この24の内訳、24がいいかどうかはまた別としまして、内訳は検討したいと思います。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
○佐藤(典)委員 細かい話になるかもしれません、用語のことです。「プロジェクトマネージャー」という言葉がどこまでの範囲を意味するかというのは難しいところで、開発をずっと橋渡し系でやっていたときは、開発品の製造や品質、非臨床といった業務が多くて、ただ、そこで医師主導治験までいくと、治験のマネジメントまで含めてプロジェクトマネージャーみたいな言い方をしていて、正解はないのですが、中核病院としては恐らく臨床試験のほうの治験の運用のほうに力が入っているのかなと思います。そうすると、社会的には今、結構「スタディマネージャー」という言葉も頻ぱんに使われるようになってきていまして、誤解されてはいけませんので、多分そこら辺いろいろな概念を含めてだと思いますし、プロジェクトマネージャーという言葉を今まで使っていますからよろしいのですが、ほかの所、下に若干の注釈があったりしますので、そういったスタディマネージャー的なものを多分今回含めているのだというふうに理解はしているのですが、そういう注釈的なものを書いていただく。そうすると、カウントするほうといいますか、今いるほうもそうですし、これから目指すところもそうでしょう、分かりやすいかなと思いましたので、この辺を御配慮頂ければと思います。
○吉田室長 左側の現行の内容を見ていただきますと、このプロジェクトマネージャーというのは、既に今でも書かれている実は職種でありますので、注釈を付けてないだけです。ただ、今先生もおっしゃったように、基本的にはこういった名前、名称と具体的にどういう業務に携わるのか、そこがきちんと分かるような形で対応したいと思っております。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
○佐藤(暁)委員 同じ並びで、治験・臨床研究事務局担当者というところがあって、読んだときに、いわゆるIRBまわりの契約をする人なのか、いわゆるAROのほうで治験の全体の調整と契約とかをやる人なのかが若干分かりにくいので、そこは書きぶりをもう少し明確にしていただいたほうがいいかと思います。
○吉田室長 はい。後でまた御相談させていただければと思います。
○渡部委員 同じく職種で、エについての部分をお聞きしたいと思うのですが、臨床試験、臨床研究の業務内容というのは非常に多様化していますので、こうした形で職種例を増やしていただくのは大変有り難いことだと思っています、人数も今回増えましたし。質問なのですが、職種例ということは、これ以外に実際にその専従で臨床研究の実施に係る支援を行っている者がいた場合は、その24名の中に含めても差し支えないということなのですか。用語もいろいろな用語が使われていますし。
○吉田室長 はい。これはあくまで例示として書いているものですので、もし実際に現場で、体制の中で一定のその役割を果たされているということで定義づけられるのであれば、それは書いて構わないということになります。
○渡部委員 分かりました。ありがとうございます。先ほど倫理の専門家の話もありましたように、例えば当院の場合ですと、やはり臨床研究を行う上では臨床検査の部分がかなり大事なのです。中核の要件ですとISO15189ですか、それは設けられているのですが、そういった臨床検査の品質を管理する者ですとか、「専従の」となっていますので0.8以上ですか、関与をしている者はなかなかいないとは思うのですが、実際に当院の場合はいますので、そういった人たちも入っていけるといいのかなと思いましたので、もう少しこの職種例については練る必要があるのかと感じました。
今気が付いてしまったのですが、前のスライドの研修の所では職種別という所に、「看護師、薬剤師、臨床検査技師等」と書いてあるのですが、この意味での職種と、このスライド8での職種例というのは定義的には異なるのでしょうか。
○吉田室長 業務形態というのを考慮した上での設定になりますので、定義という意味では異なるのですが、臨床試験等に従事しているかどうかという点では共通点はあるかと思います。そこは分かりにくい点があるので、こちらのほうで整理をさせていただければと思います。
先ほど、掛江先生からも御提案になった研究倫理の担当者とか、今先生からお話のあった臨床検査技師等についても、具体的な職種例としてどういう形で追記できるのか、そこは事務局のほうでも検討していただければと思います。
○楠岡部会長 よろしいですか。
○藤原委員 渡部委員がおっしゃったことで、私はこのア、イ、ウの医師、薬剤師、看護師の次に、エとして臨床検査技師を入れるべきかなと思ったので。というのは、先ほど申し上げた治験の基準値とか、採血とか遠心とか、私の前いた病院でも多数の臨床検査技師が常勤で、そこにタッチしていましたし、最近は臨床検査技師中心のCRCさんもたくさんいますので。病院の中で一番多いのは看護師ですけれども、その次に多いのは薬剤師と臨床検査技師なので、臨床検査技師は1以上とか。診療放射線技師まで入れると大変になるので、臨床検査技師の職能をきちんと認知してあげるという意味からすると、「その他」に入れるよりも、ア、イ、ウ、エ、オの間に、臨床検査技師と入れるのもいいかなとは考えました。
○楠岡部会長 さらに検討していただくというところで。ただ、そうなるといろいろな職能団体からリストアップしろという話も出てきて、きりがなくなる可能性もあるので、その辺は検討いただく。
○吉田室長 ちょっとこれ、誤解があるかもしれません。イとウはあくまで薬剤師、看護師という資格でやっていますが、エはあくまで業務の形態で整理していますので、もし何か一定の資格のあるような職種を個別に設けると、際限がつかなくなってしまう可能性もありますので、これは事務局のほうでも調整させていただければと思います。
○楠岡部会長 あと、ここで人数に関して今ペンディングで置いてありますが、この人数に関しましてはいかがですか。今幾つか御意見出ましたので、そこは検討する必要あるかと思いますが。取りあえずのたたき台として、薬剤師5、看護師10、そしてその他専従の方が24という数字でよろしいですか。今後、最終的な段階でもし何か不都合などがあるとお気付きであれば、その時点でまた検討させていただく。では、取りあえずこの仮置きの数字でスタートということでよろしいですか。ありがとうございます。
そうしましたら、次が承認要件丸6の人員体制の(2)です。ここはいかがですか。データ管理、生物統計、それから薬事ですが。
○新谷委員 私個人的には、現行の1年というのは少し足らないという印象があったので、3年に引き上げていただいて非常によかったと思っています。1点目は、「日本計量生物学会の実務試験統計家相当以上の認定資格があることが望ましい」という記載なのですが、特定の学会に限られてしまうと、後で問題等発生することがあるかもしれませんので、そこを少し御留意いただければと思います。もう1つは、「望ましい」という書き方がされているのですが、望ましいということであると、ここを無視していいのではないかと思われることも実際起こってくるかもしれませんので、将来的な方向としては、何年後かには必須にしていきたいというようなお考えもあるのかどうか、少しお聞かせいただけますか。
○楠岡部会長 その前に、生物統計に関する学会としては、この学会以外に今幾つかあるのですか、認定制度を持っているようなところというのは。
○新谷委員 いえ、特に試験統計家としての認定制度を持っている学会は、もうここだけにはなるのです。ですので、実質こちらの学会にはなるのですが、書きぶりというところで少し留意していただけたら。
○楠岡部会長 あと、これに相当するような国際的な学会とかはあるのですか。
○新谷委員 国際的な学会、すみません、私もまだそこは把握していないのですが。
○楠岡部会長 例えば、アメリカの何かそういう生物統計学会みたいなところの認定試験を取っていれば、これ相当と。別にそれで人数をチェックするという話ではないのですが、もし、そういうのを御存じだったら、また提供をお願いしたいと思います。
○新谷委員 はい、分かりました。ありがとうございます。
○楠岡部会長 では事務局。
○吉田室長 特定の学会名を明記することに関して、もしリスクがあるのであればそこは明記しない、特定はしないけれども、例えば学会の資格みたいな、きちんと確立された資格がある者という意味での書きぶりにしたいと考えております。
「望ましい」ですけれども、現時点で「望ましい」という提案をしておりますが、現時点若しくは将来的に、これについてはもっと厳しく「いること」ともし断言できるのであれば、そういう形に変えたいと思います。ただ、現時点ではこういう形でまずは始めたほうがソフトランディングできるのかと考えています。
○楠岡部会長 新谷委員、この実務試験統計家というのは、今全国で何人ぐらいいらっしゃるのですか。
○新谷委員 30名ぐらいだと思います。その上に、責任試験統計家というのがありまして、それが20名ほど。なので、全部で50名から60名くらいだと思います。ただ、これは施行されてまだ3年ぐらいなので、これからどんどん増えていくとは思います。
○楠岡部会長 ある程度の数がないと、また取り合いになって大変なことになる、少し数を見ながらというところにはなる。ほかにございますか。よろしいですか。
前のところと同じなのですが、エフォートでの換算でトータルにするのか、専従あるいは専任の人が最低これだけいるというような形での決まりにするのか、その辺りはまだ特に決まっていないのですか。例えば、先ほどの「専従の臨床研究の実施に係る支援」ということですが、職種例に医師が入ってなくて。専従の医師がいないでいいのかという。診療との関係、研究との関係があって、なかなか専従医師というのは難しいかもしれないのですが、実際見ると、エフォートでは確かに足し合わせて基準にはなっていても、実際上は誰が本当にメインでやっているかが見えないようなところもないわけではないので、この辺りのところ、エフォートで換算するかという辺り、何か基準とかお考えがありましたらお願いします。
○吉田室長 基本は常勤換算でのエフォートということになるかと思うのですが、これについて具体的にどうするかは、また調整させていただければと思っております。
○楠岡部会長 分かりました。よろしいですか。
次の管理者の業務です。これは見直し案のほうで、現在のものから少し追加するような形になっておりますが、これに関してはいかがですか。
○藤原委員 ここの管理者は病院の管理者だから、通常は院長という考え方ですか。
○吉田室長 病院の管理者ということになります。
○藤原委員 先ほど川上委員が部門間連携を図るのが筋でしょうという話をされてましたけれども、多くの臨床研究中核病院は臨床研究支援部門と看護部、薬剤部あるいは臨床検査部との人事的なつながりとかは切れている所が多いと理解しています。それは、こういう臨床研究中核病院の要件の中に、管理者つまり院長が看護部とか臨床検査部、薬剤部と人事交流をするというようなことを積極的に進めるという要件が入っていないので、どうしても臨床研究支援部門だけが独立した動きになっているというふうに思います。せっかくこの要件、管理者の業務を入れるのであれば、「部門間連携を責任として院長がちゃんと図る」とか、そういう記載を入れたほうがいいのではないかと思います。
○楠岡部会長 ほかにございますか。よろしいですか。
特定領域のところでCRBの体制整備というところ、CRBの設置が法人なので、必ずしも病院長の権限には属さず、理事長の権限とかという場合もあると思いますが、この辺は書きぶりをお願いしたいと思います。ほかにございますか。よろしいですか。
○吉田室長 今の藤原委員の御意見ですが、具体的にどういうふうな書き方でいいのか、検討したいと思います。
○楠岡部会長 それでは次、報告事項の設定です。これに関していかがですか。現在の臨床研究中核病院にはまた手間をお取らせする形にはなるかと思いますが、この辺りは多分いろいろな報告書の中でリストアップはされていると思います。何かこれは大変なので、経過措置を考えてほしいとかいうようなものはございますか。いかがですか。
○佐藤(典)委員 一番言いたかったのは、楠岡先生がおっしゃったとおり、我々にはいろいろな所でいろいろな調査が来ますから、意味のあるといいますか、いろいろ役に立つ調査であれば当然義務だと思いますが、いろいろな所から来るので、いろいろな省庁の連携とかも含めて、中核病院でこれだけ報告をするのであれば、そこを参照してくれとか、そういう形で工夫していただかないと、何か調査で同じような項目が微妙に聞き方が違うとか、そういうのが実際に多いものですから、うまく互いに活用し合う形にしていただかないと、なかなか報告だけで人を取られるみたいな感じになるので、そこをうまく省庁だったりとか。そういう所になると、いろいろな研究費で何かAROの在り方を調査するみたいなのがあったり、すごいのがあったりもしますので、そういうのを含めて省庁間で工夫していただければと。我々としては必要な報告は当然しますけれども、そういうふうに重複を避けていただきたいのは、多分難しいとは思いつつ、是非ということでお願いしたいと思います。
それでもう一点、具体的な項目ですが、論文のところ、観察研究や疫学研究系の論文ですが、観察研究の定義がどの辺りかということと、例えば本当に患者さんの検体を頂いて、いろいろなマーカー探索をしたりとか、介入研究以外を観察研究にしてしまうと、そういうのも全部入ってきて、すごいおびただしい数のものになってきます。例えば、臨床的なものとか、そうするとまた定義がややこしいことになるのですが、どこまで求めるのか。すごい研究的なものも、介入か非介入かで観察研究ともってくると、かなりの数になってしまいますので、何の目的でどこまで求めるのかをはっきりしていただかないと、どこまで調査したらいいかがすごい大変なので。ここが少し気になったと言えば気になったところです。
○吉田室長 2点ございます。まずは重複を避けるという点ですが、いろいろな調査事業がほかにもあったりしますし、またAMED等からいろいろな調査もかかって、多分かなり負担がかかっているのはこちらも理解しておりますので、既存の重複するものについては、できるだけ互いに活用できるような工夫はしたいと思います。例えば、提出するときのフォーマットであるとか、あるいは提出する方法、自動化とまでは言いませんが、それに近いようなやり方、そういった可能性も含めまして、できるだけ負担が減るような提出の仕方、情報提供の仕方ができるように、事務局のほうでも工夫した形でこういう情報を求めるようにしたい、これが1点です。
あと観察研究の範囲については、今具体的な範囲までは書いてないのですが、具体的にどれくらいの量が実際あるのかということに関してのデータを把握してないものですから、実際に先生方と御相談しながら、まずはどの範囲から求めるかということを含めて、調整できればと思っております。
○楠岡部会長 その施設に所属している方が、何らかの形で関わった研究に関しては、研究の実施の許可を病院長に求めているはずですので、その記録があるわけですけれども、それが完了して論文になったかどうかまでは報告を求めてないことが多いので、それをどれだけフォローできるか。あるいは今申し上げたような範囲に限るというか。というのは、分担研究者か何かに入っていて、その施設では実施してない場合には把握しきれないという問題もあります。その範囲としてどの辺までを、できる限りという範囲で求めるかということの範囲の明示を少し考えていただければと。そうでないと、毎年毎年、職員に自己申請を全部書かせて、それを集計しなきゃならないとか、ちょっと大変なことになるかと思いますので、よろしくお願いしたいと。ほかにございますか。
○国忠委員 ここに、我が国における治験・臨床研究の主導的な役割を果たすという観点から、幾つか書かれているのですが、業界としても要望がございます。治験の効率化という意味で、前々回も幾つかヒアリングのときに申し上げたことなのですが、効率化をする上でやはり中核に先頭を切って動いていただけることが結構必要なのではないか。ここにもリアルワールドデータを用いた診療情報の標準化ということが書かれておりますが、実際にそういう入力の整備なども具体的な項目として入れられたらいいのではないかということが、1点あります。
それから以前、ヒアリングのときにもちょっとお話したのですが、効率化ということでは、IRBのセントラル化とか、あるいはその治験関連資料の電磁化とか、それから治験費用の支払いに関する標準化とか、そういうことがやはり臨床中核病院で行われる、いろいろな施設を指導する立場から実際行われるということも重要なことなのではないかと思いますので、そういうことも今後の方向性を踏まえた報告事項として幾つか入れておいていただければ、大変我々としても有り難いと考えております。以上です。
○吉田室長 御意見ありがとうございます。リアルワールドデータの入力整備であるとか、あるいは施設内倫理審査委員会の中央化であるとか、あるいは治験等の資料の電磁化であるとか、あとはいわゆる治験費用の支払方法、こういった御意見を頂きました。これについてもどういう形で情報を集めるか、こちらのほうで検討させていただければと思っております。
○藤原委員 今のに関連してです。実務者の立場からすると、これ以上書く項目が増えるのは非常に大変なので、それをやる前に、企業の治験は実施施設の選択というところで非常に今はきちっとされているので、企業治験をどれだけ受託しているかという件数だけ見てもらえれば。多分、中核病院の多くはそんなに企業治験は来ていないのです。そこで多分評価されているのだと思いますけれども、その件数を見ていただいて。多分多くの中核病院の企業治験の受託の件数というか、金額の売上げは、年間数億にも満たない所が多いと思います。ということは、企業から見て魅力がないわけなので。もし効率化とか、その企業がもっと中核病院を活用したいのであれば、今でも企業治験の数は、確か報告事項の中に入っていますから、その推移とかをほかの海外の施設と比べて、企業が委託している臨床試験の数と比べて少ないかどうかを見れば、そこだけでまだまだ日本はあれかなとかというふうには見えると思うので。それを見ていただいた上で、では更にいろいろな工夫をどうしているかという調査に移っていただければと。これは希望的なのですけれど、今以上書くの大変だろうと思ったので。
○楠岡部会長 項目に関しては精査していただくということ。
○吉田室長 こちらのほうで、どういうふうなものについて集めるか精査した上で、また御相談できればと思います。
○楠岡部会長 ほかにございますか。最後のその他も含めて、もし御意見ございましたら。よろしいですか。今回の見直し全体に関しまして、何か特別御意見等ございましたら。よろしいですか。
そうしましたら、今頂きました御意見を反映させまして、事務局のほうでもう一度検討いただき、その取りまとめ案をまた次回以降においてお示ししていただきたいと思っております。その内容に関しましては、最終的には3月に出しました「中間取りまとめ」の中にも盛り込む形にしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。それから、もし何か後でお気付きの点があれば、また事務局のほうへ御連絡をお願いしたいと思います。どうぞ。
○平川委員 見直しの案については今お話になったとおりで異論ございませんが、今後の流れについて事務局に確認させていただきます。この要件の見直しについて、今後はこの上の会といいますか、社会保障審議会の医療部会、臨床研究中核病院が医療法で規定されていますので、医療部会で検討されることになるかと思います。そこで、改めてまた報告と承認があるという理解でよろしいですか。
○吉田室長 本件の検討については、以前に今の臨中の要件を検討したときに、一応こちらの部会の検討結果を医療部会のほうにも共有して議論いただくということで既に了解を得ております。ですので、今後の流れとしては、まずはこちらのほうで議論を行って、次回以降、取りまとめ案をこちらで示します。それに御了解いただけるのであれば、そこに見直し案というものが入っていますので、その見直し案を含めて、こちらではその通知等の準備をいたします。その際に、社会保障審議会の医療部会のほうにもその情報を共有して、そこでもその内容について御議論いただく。その上で、最終的に施行、実施のほうにもっていくという形で進めさせていただければと思っております。
○平川委員 ありがとうございます。この部会は、臨床研究の現場の先生方が現場の感覚に基づいて、いろいろと細かい見直し案を作るようになっているわけです。一方、医療部会は、もうちょっと大局的な日本の医療の在り方という点から検討する、そういう立場だと思いますので、場合によってはまたいろいろな議論があったり、あるいは変更や差戻しなど、万が一そういうこともあろうかと思います。そういったこともあり得るという理解でよろしいですか。
○吉田室長 余り差戻しは想定はしていないのですが、情報はきちんと共有し、報告をした上で御議論いただいて、それをきちんと考慮するということにしたいと思っています。
○平川委員 楠岡部会長をはじめ、花井委員、山口委員と医療部会にも委員が出ておられると思いますので、内容については共有されることと思いますが、事務局としてもその点、よろしくお願いいたします。
それから、もう1つよろしいですか。可能でしたら教えていただきたいのですが、今回の見直し案に基づく今後の審査についてです。実際に審査をするのは社会保障審議会の医療分科会になると理解しておりますが、新規の申請があった場合に、この今回の見直し要件、本決まりになりました場合に、反映されるのは大体いつ頃といいますか、どういうふうなスケジュール感で。
○吉田室長 もし順調に手続が進むとした場合には、来年の4月以降の実施を想定しております。
○平川委員 ありがとうございます。この内容を反映する場合に、仮にその間に新規申請があったとしても、もし見直しの要件がある程度固まった場合に、その精神にのっとれば、その新規の申請の審査については、それまでは少しペンディングするなり、そういった考えというのはあるのでしょうか。
○吉田室長 ここで議論できる話ではないかもしれませんが、そういうことについても必要な場合には考慮したいと思います。ただ、これはここで議論する事項ではありませんので、それ以上の答えは差し控えさせていただきます。
○平川委員 私からは以上です。ありがとうございました。
○楠岡部会長 新規申請に関しても、4月1日以降であれば新たな基準ということになるかと思いますが、次の年からは継続の要件は新しい基準になりますので、継続要件も十分考慮して申請いただかないと、承認されて即要件が満たせないということにもなってしまい、ちょっとみっともないことになります。その辺りは検討しながらと、申請する所にもいろいろ御配慮いただきながらということになるかと思います。このような形の流れになればということで、御了解いただければと思います。ほかにございますか。よろしいですか。
そうしましたら、次の議題2の「臨床研究法附則第2条への対応について」に移りたいと思います。これについて、まず事務局から資料2の説明をお願いいたします。
○吉田室長 それでは説明いたします。マイプライベートファイルの上から5つ目、05資料2、臨床研究法附則2条に基づく措置の検討というファイルを開けてください。よろしいでしょうか。
1ページ目、前回の部会において、特別研究の概要の報告と、倫理及び法律の分野の2人の専門家の先生からのヒアリングを行い、御議論いただきました。その結果を要約したものが、この1ページ目です。まず、手術・手技の臨床研究に対する措置の要否に関する検討ということですが、臨床研究法の規制対象である医薬品等の研究との相違点について検討した結果、次の点が異なっている点として整理されたと考えています。
1つ目は、医療技術の個別性、具体的には同一の手術・手技であっても、手術者の技量や手術環境等の影響を受けるために、当該医療技術のリスクの範囲が広く想定され、一律の評価が難しいということ。2つ目は、医療技術の多様性、すなわち手術・手技については多様な医療技術が幅広く存在するので、規制すべきものとそうでないものの区分けが困難ではないかということ。3つ目として、医療技術の普及性、手術・手技に関しては製品化が難しく、また当該医療技術の有効性が報告されても、医療機関の提供体制に依存する部分が大きいため、医療技術の普及性については、医薬品に比べると相対的に低いと考えられるということ。4つ目として、企業等の資金提供等を受けやすいか否か、すなわち手術・手技の研究の場合には、研究成果から製品開発等の商業的な成果に直結する可能性は低く、当該医療技術が直接企業に帰属することも考えにくいため、企業等の手術・手技の研究への関与は想定しにくいのではないかということです。
これらの4点から、手術・手技に関する研究については、臨床研究法の規制対象の研究とは性格が異なるため、法律に基づく規制の対象とすることには適しておらず、したがって医薬品等と同様の規制を行うことは妥当ではないと考えています。このように事務局ではまとめました。
2ページ目、これを受けて、手術・手技以外の先端的技術等医療行為への措置の要否に関する検討です。手術・手技の研究への措置の要否を検討する際に整理された4点、これを基にして、先端的技術等医療行為に対する措置の要否に関して、考え方の整理を行いました。次の点について、一般的に留意すべきと考えられます。まず、医療技術に係る品質確保、安全性の考え方が、明確な基準に基づいて一律に評価できるものであるかどうか。2点目として、医療技術として法の対象とする技術の範囲の基準を明確に決められるものであるかどうか。3点目として、技術の普及性が高く、成果が広く国民や医療現場に影響を与えるものかどうか。4点目として、企業等の資金提供を受けやすいなど、利益相反の観点から適切な措置が必要であると考えられるかどうか。
これらを踏まえ、先端的技術等医療行為の措置の要否に当たっては、医療技術によってその性質が多様であることから、医薬品等と同様の規制は困難であり、医療技術の性質に応じた個別の検討が必要であると考えられます。一方、3つ目の○ですが、遺伝子編集などの医療技術や、生命科学領域として倫理的配慮が必要なものについては、既存の法令の規制範囲でないものがあれば、当該医療技術に対する規制について検討が必要ではないか、とまとめています。この点については、前回ヒアリングを行ったお二人の先生からも、同様な意見が出されていたと理解しています。
まとめですが、先端的技術等医療行為への対応方針(案)ということで、先端的技術等医療行為に当たる医療技術は様々であり、個別の検討が必要となる場合もあるのではないか。2点目として、検討する際には、一般的に留意すべきと考えられる4点、医療技術の個別性の高さ、多様性の高さ、普及性の高さ、企業からの影響の有無を基に検討を行い、臨床研究法の規制対象である医薬品等の臨床研究との違いを考慮して、規制の対象とすべきかどうかを判断する必要があると考えられる。このようにまとめています。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの提案といいますか、最終の取りまとめに関して、何か御意見がございましたらお願いしたいと思います。
○花井委員 手術同様、これでいいのではないかと。この医療行為と書いた時点で掛け違いがあって、もともと医療行為の先端的な部分で何らかの規制が必要なものがあるかという問いに対して、細胞系はそうだろうということで再生医療等法が構想されている。その整理から言うと、通常の医療行為はもちろん病院の倫理委員会で行ってる個別の医療行為であって、臨床研究法というのはあくまで研究に着目しているので、もしこれが研究としてプロトコールに関われるのであれば、これは研究なのだから、医療行為自体の規制の可否、是非というのは、そもそもこの法のスキームと整合しない話だし、もし必要であれば、再生医療等法のほかに、ほかの法律を作る。もし作るのであれば作るという整理をしないと、いろいろな規制が研究と医療行為で混じって。今、再生医療等法と臨床研究法が整合性を大分取ってきて、やっと何となく落ち着いた心持ちになってきたところで、更に変な混乱するような、そもそも筋の悪い規制というのは避けるべきではないかと思います。以上です。
○楠岡部会長 ほかに御意見ございますか。前回も、参考に御意見を頂いた先生方に確認したわけですが、あくまで臨床研究法の手術・手技等に関する研究を実施するにおいて、それは臨床研究法の対象にはしない。ただ、当然のことながら人を対象とする医学系研究にかかる倫理指針等があって、それにのっとってきっちりやっていただかないといけない。研究面での倫理的な規制はきっちり押さえた上で、臨床研究法の対象にはしないという、そのような解釈でよろしいわけですね。よろしゅうございますか。
それでは、この案で一応部会としては了承いただいたということで、これを次回には意見書の案という形で御提示いただければと思います。また、後ほどもし何かお気付きの点があれば、事務局へ御連絡いただくようにお願いしたいと思います。
それでは、議題3の「その他」ですが、事務局で何かございますか。
○吉田室長 幾つか情報提供します。まず、マイプライベートファイルの下から2つ目、10参考資料5、令和2年度概算要求の概要というファイルを開けてください。御議論いただくものではありませんが、この部会で議論いただいた内容に関連する令和2年度概算要求の状況について、おおまかに情報共有させていただきます。これは、令和2年度の概算要求からの概要の抜粋です。ここに示したページの1番の臨床研究総合促進事業、2番のリアルワールドデータ研究利活用基盤整備事業、3番の治験・臨床研究参画コーディネートモデル事業、次のページの医療技術実用化総合促進事業、この辺が今回御議論いただいた内容と関連する部分です。
更にページを進めていただくと、パワーポイントの資料があります。最初のパワーポイントの資料は、臨床研究総合促進事業です。これは、右下に赤い点線で囲まれていますが、いわゆる臨床研究・治験従事者の研修プログラムを行う事業です。通常の臨床研究従事者の養成研修において、2つ目のポツにありますが、座学だけではなく、臨床現場への実習を受ける、つまりOJT型の研修を取り入れるということで、今回、増額要求をしています。
次のページは、リアルワールドデータ研究利活用基盤整備事業です。現在、臨床研究中核病院においては、AMEDの事業として、リアルワールドデータの研究への利活用基盤を整備するために、データの品質管理や標準化の体制整備の事業を進めているところです。この事業においては、各臨中で整備されたデータベースについて、今度は統合解析を行うためのプラットフォームを作る目的で、そういうシステムを実装するための仕様について検討するということで、要求しているところです。
次のページ、治験・臨床研究参画コーディネートモデル事業です。現在、jRCTを含むポータルサイトを公開して、ここでいろいろな臨床研究情報の提供・検索ができるようになっています。これをもう一歩踏み込んで、アメリカで行われているように、患者さんが自らの情報を登録して、それによって自分が参加可能な治験や臨床研究への参加調整を行う、それをコーディネートする事業を実施したいと思って、このような要求をしています。
次のページ、医療技術実用化総合促進事業です。これは、AMEDを通じて、AMEDから臨床研究中核病院向けの補助金という形で行われている事業です。幾つかの複数のプログラムが同時進行で動いていますが、右下の赤の点線で囲んだ所の特に一番右側、特定領域型拠点研究開発支援プログラム、これは今回、1つの議論の要点になっていますが、特定領域の臨床研究を中心に行う臨床研究中核病院という考え方を打ち出しているので、それを支援するための事業ということで、このような要求をしています。簡単ですが、概要は以上です。
○楠岡部会長 これに関して、何か御質問等はございますか。今、リアルワールドデータの利活用のところは基盤整備事業で行っているわけですが、何年掛かるかは別として、一定化した場合には今度、臨床研究中核病院の要件の中に、リアルワールドデータの構築ができる体制を持つことを加えるのか、あるいはいきなりそれは無理なので、臨床研究中核になった後、1年なり2年、一定期間内にその体制を構築することを加えるのか。その辺りのことは今後の問題かと思います。これに関して事務局で考えておられるようなところはございますか。
○吉田室長 中長期的な課題になるので、基本的にはここに示したように、最終的には臨中で統合解析ができて、1つの大きなデータ基盤になって、1つの大きなプラットフォームになるということをゴールとして考えています。ただ、そこまでにいくに当たっては、いろいろな細かい調整等も必要なので、まず今回御説明したように、取組として、このようなリアルデータを活用する取組、どのような体制、どのような人員、またどのような取組をしているか、そのような付随情報も含めて、まずは報告を頂きそれを整理しながら、本事業も進めながら、最終的に整った段階で要件に落とし込めるかどうかという検討になるのかなと考えています。
○楠岡部会長 これ、結構大変な事業なので、臨床研究中核病院も非常に御苦労されていると聞いているので、今後どうしていくかということは、臨中の要件等の関わりとしては非常に大きな課題になるかと思います。引き続き、御検討をお願いしたいと思います。ほかにございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに事務局からありましたら、引き続きお願いいたします。
○吉田室長 もう一点あります。マイプライベートファイルに戻っていただき、一番下です。11参考資料6、臨床研究法の施行状況についてというファイルを開けてください。いつも提示している状況の資料です。現在jRCTに登録されている臨床研究は、全部で1,423件となっています。また、認定臨床研究審査委員会の数は95件という状況です。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。以上で、本日の議題は終了ですが、何かこれらに関して御意見等はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、事務局から連絡事項をお願いします。
○伯野課長 長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。後半で平川先生から御指摘があった各部会との関係については、今一度整理を確認したいと思います。また、新しい要件との関係性、継続性をどのようにするかも宿題としたいと思っています。いずれにしても、また次回、引き続きよろしくお願いいたします。次回の日程については、また調整の上、御連絡させていただきます。ありがとうございました。
○楠岡部会長 ありがとうございました。それでは、これで閉会とさせていただきます。どうも、本日はありがとうございました。