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2018年9月21日 第10回 たばこの健康影響評価専門委員会(議事録)
日時
議題
(2)その他
議事
○祖父江委員長 定刻になりましたので、ただいまから第10回たばこの健康影響評価専門委員会を開催いたします。委員の皆様方には、御多忙なところ、雨の中お集まりいただきましてありがとうございます。本日の委員会の委員出席状況について、報告いたしますと、井上委員、澤田委員から御欠席の連絡を頂いており、8名中6名の出席を頂いています。前回、前々回と喫煙室における煙の流出防止基準について議論をしていただきましたけれども、この点については事務局での整理に若干時間を要するということですので、本日は屋外の喫煙場所について議論をしたいと思います。それでは、事務局より、本日の配布資料について御確認をお願いします。
○木下健康課長補佐 初めに、配布資料の確認をいたします。議事次第、委員名簿、座席図の下に、資料1として「特定屋外喫煙場所及び屋外分煙施設について」、資料2「屋外分煙施設の類型について」、資料3「屋外分煙施設の技術的留意事項について」(大和委員の提出資料)となっております。資料4として、「専門委員会のスケジュール(案)」、参考資料として、「第9回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会たばこの健康影響評価専門委員会の議事録」を配布しております。資料の確認は以上ですが、もしお手元に配られていないもの、あるいは落丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。カメラ等撮影がございましたら、ここまでとさせていただきます。
○祖父江委員長 では、早速議論に入ります。まず、参考資料として配られている、前回の議事録ですが、既に委員の方々から御確認を頂いているということですけれども、訂正や修正等あった場合には、事務局へ連絡していただくということで、ここでは一旦承認を頂いたということで、進めさせていただきます。
本日の議題は、「特定屋外喫煙場所及び屋外分煙施設について」です。まず、事務局から資料1、2に基づいて報告をお願いします。
○平野たばこ対策専門官 資料1、資料2を御覧ください。まず、資料1は、タイトルに、「学校、病院等における特定屋外喫煙場所について」と書いています。今回の改正健康増進法におきましては、学校、病院、児童福祉施設等、あるいは行政機関等については、原則敷地内禁煙とさせていただいております。ただし、受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所においては、喫煙場所を設置することができるという位置付けになっています。
健康増進法第二十八条の十三号を御覧ください。特定屋外喫煙場所として、「第一種施設の屋外の場所の一部の場所のうち、当該第一種施設の管理権原者によって区画され、厚生労働省令で定めるところにより、喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識の掲示その他の厚生労働省令で定める受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所をいう」となっておりまして、この第一種施設が先ほど御説明申し上げました、学校、病院、児童福祉施設等、行政機関を指しています。この特定屋外喫煙場所につきましては、区画され、標識の掲示、その他の受動喫煙の防止するための必要な措置ということを検討する必要がでてまいります。
そこで、今回御議論いただきたいたたき台としては、特定屋外喫煙場所で必要となる措置については、以下の3点から議論を始めていただければと思います。
1つ目として、喫煙場所と非喫煙場所が区画されていること。これは先ほどの第二十八条の十三号の中で、「区画され」と書かれていることから、区画されることとしております。2つ目は、喫煙場所であることを明記した標識を掲示することとしています。これも先ほどの十三号の「標識の掲示」の所に対応したものです。3つ目は、施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置することとしてはいかがかと思います。病院、学校、児童福祉施設、行政機関などは、いわゆる子どもさんや、患者さんのような感受性の高い方が利用されることを想定しておりますので、そのような方が通常立ち入らない場所、具体的には下に※で書いてありますような、建物の裏や屋上等、通常、利用者の立ち入らない場所に喫煙場所を設置していただく形にしてはいかがかと考えています。
次に、その他の施設の屋外喫煙場所です。資料2を御覧ください。「屋外分煙施設の類型について」と書いております。既に様々な所で喫煙所を目にされているかと思いますが、屋外の喫煙所を大きく分けますと、開放系と言われる囲いのみで作られていたり、あるいは屋根があっても開いているような喫煙室が目につくと思います。この写真で、左側の2つの例をイメージしてください。もう1つ、閉鎖系と呼ばれるものもありまして、右側の例にあるような、プレハブ小屋のようなものを置いて、中を喫煙室にするケースもあります。この2つの類型に整理して、それぞれについて屋外分煙施設の技術的な留意事項を考えていきたいと思っています。
過去の報告書等については、資料2の2ページを御覧ください。平成27年の報告書では、屋外の喫煙所について次のような主な施設構造にすることを推奨しています。1つ目は、外から内部が見えることとなっております。これは火災防止、あるいは労務管理、時には犯罪の防止等のことを考えて、中が見えることとなっています。
2つ目は、天井(屋根)、壁の構造及び屋外排気装置となっておりまして、たばこの煙を屋根がある場合は、建物のある側の反対側に逃がすような構造となっています。次のページを見ていただければイメージが湧くかと思います。たばこの煙は通常は温度が高いので、上に上がっていくことになります。そうしますと、天井に煙がたまってまいります。これを排気する必要が出てきます。例えば、図1の左側の例では、勾配天井になっているため、高い部分に煙がたまります。そこからファンで外に排出することになります。右側のほうは、例えばフラットな天井ですと、どうしても角の方に煙がたまりやすいことがありますので、これを留意してください。図2、開放系に近い形のものでは、天井で勾配にして、開口面の片側で高くすると、そちらから排出されるという工夫を紹介しているものです。
お戻りいただいて、先ほどの主な施設構造の3つ目です。閉鎖系の建物の場合、喫煙室の考え方を準用することを推奨しています。屋内の喫煙室で考えられている壁の素材や、屋外排気、排気装置を含めた機器のメンテナンスについては、閉鎖系と同じような扱いをしてくださいという記述です。最後の4つ目は、喫煙室の利用人数や、面積について、床面積や容積に配慮が必要。また、それによって、利用人数が変わってまいりますので、利用人数に応じた必要な排気量について留意をしてくださいと書かれております。
資料1の2ページに戻っていただきたいと思います。「屋外分煙施設に関する技術的留意事項について」という所です。今回、改正健康増進法の施行に当たりまして、屋外における受動喫煙対策として、自治体が行う屋外の分煙施設の整備に関して、地方財政措置による支援等を行うことを想定しております。自治体等が整備していただく施設について、煙が周囲に漏れ出ないようにすることを考えていく必要があろうかと思いますので、その要件について、今検討委員会で御議論をいただきたいと思います。例えば、具体例として、1番、2番、それぞれのケースがあろうかと思いますが、これらにつきましては、厚生労働科学研究費補助金で研究班に今研究していただいておりますので、その最新の研究成果も含めて、大和先生から御報告いただきました後、先生方に御議論いただきたいと思います。以上です。
○祖父江委員長 それでは続いて大和委員より、資料3を御提出いただいておりますので、御説明をお願いします。
○大和委員 資料3ですけれども、過去に私たちが調査を行った事例を今から説明していきます。
現在、既にもうなくなっているのですけれども、開放型の喫煙所として、かつて渋谷駅のハチ公の前にあった喫煙所です。緑のたばこのマークが喫煙コーナーを表しているサインです。壁が平行に2方向にしかなかったために、壁と平行に風が吹いてきた場合には、その風下側に何の対策もやっていないのと同じように煙が流れていきます。5m~20mまで均等に測定点を4点置いて測定すると、赤いグラフで示す一番離れている20m先でも、たばこから発生するPM2.5、デジタル粉じん計の測定ですが、最高値が100μg/m3を超えるような高い濃度の受動喫煙が発生しております。
渋谷駅前の緑の電車がある所辺りまで、このように流れてきている様子が分かります。つまり、渋谷の駅前広場を通行する全員が高い濃度の受動喫煙を受ける状況でした。
2番目、新宿駅東口ですが、4方向から壁で囲われています。たばこのマークでわかるように、喫煙コーナーです。ただし、入口は何も対策が行われてないような状況ですので、奥から手前の方向に風が吹いてくるようなときには、入口付近でたばこを吸っている人の煙が流れ出てきます。さらに壁も低く、2m30cmしかありませんので、壁を越えて煙が周辺に拡散していきます。その測定結果が次ページです。これも5m~20mまで均等に、4点のPM2.5の測定器を配置して測定しました。すると、1番離れている20mが赤いグラフですが、PMの測定器が上昇するという状況で、煙の拡散が認められておりました。実際に20m離れた場所でもたばこの匂いがしていました。
3番目、池袋駅の東口にある喫煙コーナーです。左側の写真で分かるように、出入口が2箇所あり、漏れ防止の対策はされておりません。風が奥から手前に吹いてくるような状況ですと、煙はそのまま周辺の歩道に流れていきます。ここで測定したかったのは、右側の写真にあるように壁の下、床上50cmの空間があります。ここから煙が漏れてくるのかどうかということを、調査するのが目的でした。
中央下のグラフにあるように、壁の下、床上50cmの空間から漏れてくる煙によって、壁の外の粉じん濃度、赤いグラフが上昇しています。ですから、このように壁を作ったとしても床上に50cmも空間を開けてしまったのでは、それが漏れの原因になるということの証明となっています。なお、このような喫煙コーナーは屋外ですから、煙は天井のほうに抜けていきます。確かに喫煙コーナーの内側にある粉じん計、青いグラフは瞬間的に高いピークを示すのですが、あっと言う間に下がっていきます。ですから、煙が抜けていく、籠もらないことが開放型のいい所です。
池袋駅東口にもう一つ、喫煙コーナーがあります。左上の写真もこれは入口から撮ったものですが、このように対策が何もありませんので奥から手前のほうに、歩道側に風が吹いてきた場合には、当然、煙が漏れます。ここでは壁の腰高の部分に、幅20cmのスリット付きの空間がありました。このような空間は、下から空気を吸い込んで上のほうに逃がすために、それなりに効果はあるのですが、ここから漏れがあるのかどうかということを見ましたが、20cmほどの空間で、しかも半分はスリットですから、有効面積はその半分前後になります。この事例では、ほとんど外には漏れていませんでした。ですから20cmほどであれば、空気の取入口としても機能し、外への漏れの原因にもならないだろうと思います。
この喫煙コーナーは路面からコンクリートの緑の壁が直接立ち上がっていますけれども、このような構造にすると中にゴミがたまります。喫煙する人は、吸いがらは灰皿に入れてくれますが、先端部分の白い灰は歩道の上に直接落とす人もいますので、このような20cmほどの隙間を床上と壁の間に残しておくことがゴミをためないためのコツです。
4番目、今度は壁の高さの検討をするために測定を行いました。池袋の東口にある喫煙コーナーは高さが285cmあります。写真のように入口が2つあります。入口には、対策が何もありませんので、ここも入口のすぐそばだと、煙の漏れがあります。ここで知りたかったのは、壁の入口から遠い所ではすぐ横に立ってても、煙はこないのではないかということで、測定しました。
次ページ、御覧ください。左上の写真ですが、入口から一番遠い所でたばこのマークのすぐ下に、トランクの上に粉じん計が置いております。14時5分の測定開始から14時25分までがこの場所で測定したものです。壁のすぐ横でであっても、受動喫煙はないことが分かります。ここも腰高の所に約20cmの隙間がありますが、外への漏れの原因にはなっていません。
その後、上の中央の写真のように、出入口のすぐ横に粉じん計を移動したのが、14時25分以降です。出入口のすぐそばですから、風が奥から手前に吹いてくると、煙は外に漏れてきています。いずれにしろ、出入口のすぐそばに対策が何もなければ、近くの受動喫煙の原因になるということが示されました。
次ページですが、すごく狭い所にコンパクトに造ってある事例です。この事例の良かった所は歩道よりも約1mほど高い所に設置されていることです。煙は上のほうに流れていきますので、それを更に壁で囲ってしまえば、喫煙コーナーのすぐ横の舗道で測定しても、赤いグラフで示すように受動喫煙はほとんどありませんでした。ですから、なるべく高い所に造るというのは、ポイントの一つです。
次ページ、そういう意味で、神戸市役所の横の公園なのですが、公園の中でも一番高い、小高い所に喫煙コーナーが置いてあるのは、場所選びとしては大変優れていると思います。
次ページは近接写真です。透明の部材で4方向から囲われた喫煙コーナーです。身長よりも十分高い壁で、出入口にはクランク状の工夫がしてありました。クランク状の工夫がしてありますが、次のページのように、曲がりは1回しかありません。身長よりも十分高い壁はありますが、出入口に近い場所でたばこを吸われると、奥から手前のほうに風が吹く日には、煙が漏れるでしょう。私たちの提案としては、改善提案として黄色で書かれているように、もう一回クランクを曲がる工夫をすると、周囲への漏れや影響はなくなるだろうと考えています。
それに近いのが次の7番目、横浜市桜木町の駅前にある分煙施設です。4方向から壁で囲ってあります。出入口と出入口の中間、出入口からの漏れがほとんど影響のない所で測定しました。赤いグラフで示すように、壁の外の濃度は上がっていません。このように4方向からきちんと囲って、出入口ではない所で測れば、受動喫煙を防ぐことはかなり効果があると思われます。ただし、こちらも出入口にはクランクが1回しか曲がりがありませんので、次ページに改善提案として示すようにクランクを2回曲がるアイデアの模式図を入れています。現状は、出入口が2箇所ありますので、出入口を1つにしてその分の部材を、もう片方の出入口に移動すれば、部材の量は変わらずに2回曲がるクランクが作れます。このような2回曲がるクランクを推奨したいと思っています。
この桜木町の駅前は、十分なスペースに設置した事例でした。次は、狭い場所に造る場合の工夫ということで、渋谷駅の事例を御覧ください。ハチ公の前にあった喫煙コーナーが、交差点の反対側の舗道に移動したものです。歩道の道路側に、細長い長方形の壁を立てて、喫煙コーナーになっています。出入口にはクランクがありませんので、ここは少し対策として足りないところですが、狭い所に細長の長方形で作って、道路側は別に対策する必要はありませんので壁は不要です。これであれば材料費も節約できます。
そして、この壁の効果をみたものが次ページです。壁の高さは215cmです。壁の下、床面との間には空気の取入口があります。しかもガラリ状になっています。この壁の内側、外側、トランクの上で測定しいる状況です。測定開始から11時27分までのところは、ほとんど煙が漏れていません。11時28分から31分に掛けて、外側の赤いグラフが反応しているのは、壁の外で、緑のマルで囲っている人たちが違反喫煙をしているのです。つまり、壁の外側で吸っている、その煙が赤いグラフとして反応しています。つまり、測定時においては、ルールさえ守られれば、壁は有効であることが分かります。
壁の下の工夫ですが、空気の取入口が一番下にあり、なおかつたばこの灰が自然の風で吹き飛んでいくような構造がよいと、先ほど言いましたが、それがここの喫煙コーナーには実施されていました。ガラリ状になっていて、ガラリの一番下は右下の写真で分かるように、壁の外、表からの光が見えていることから分かりますが、床と壁との間には隙間があります。ですから、壁の内側に幾ら灰が落ちても、風で吹き飛んでいく構造になっています。中が汚くならないために、推奨される工夫です。
次ページ、過去の事例を基に、このような特定屋外喫煙場所の構造があり得るのではないだろうかということで、CADで作った図です。6メートル四方、そして車イスの方もいらっしゃいますので、通路の幅が145cm、2回クランクを曲がって喫煙コーナーの中に入ります。4方向から囲われていますので、風がどの方向から吹いてきても、外へは漏れない構造になります。強い台風がくることも考えられますので、上部には青い線で示していますが、補強材を十字形に入れて、吹き飛ばないように地面には、十字状の鉄筋コンクリートの上にコンクリートを敷き詰める、ベタ基礎とします。ベタ基礎に壁を固定すれば、台風にも耐えられるような構造になります。ここまでが、開放式の特定屋外喫煙場所の事例とアイディアです。
次が、閉鎖系の喫煙所のアイディアですけれども、大分県にあるハーモニーランドという子ども用の施設です。天井がこのように絞られて、傾斜天井になっています。写真は、一番上は、透明のドーム状のプラスチックで明かり取りになっています。ここに排気装置を付けて、強制排気を建物と反対側、この場合でいくと右側の駐車場側に排気すれば、閉鎖型の喫煙室の見本になると思います。
次が最後のページになりますが、これはある大学の喫煙コーナーです。このように天井に傾斜をつけて絞ると、煙は一番高い所に自然に集まっていきますので、そこに強制排気装置を取り付けて、建物や舗道と反対側の方向に向けて強制排気をすれば、受動喫煙防止対策になります。ですから、人が混み合うような場所や都会では、こういうものを道路の際に立てて、車道側に排気すれば良いでしょう。以上です。
○祖父江委員長 ありがとうございました。それでは、議論に移りたいと思いますが、敷地内禁煙場所における特定屋外喫煙場所と駅前等における屋外分煙施設という2点がありますので、順次議論したいと思います。
第1番目の特定屋外喫煙場所について、御意見、御質問をお願いしたいのですが、これに関して実例というのは、現在、敷地内禁煙になっていて、こういうものを設置している所はあるのですか。
○大和委員 これがあったら、敷地内禁煙にはならないですよね。
○祖父江委員長 ならないですよね。
○大和委員 はい。
○祖父江委員長 だから、現状、これは実例というのはないのでよすね。
○大和委員 いや、官公庁では、山形市役所で見たことがあります。
○祖父江委員長 今、出ている、敷地内禁煙はなくなりますね。
○小峰健康課長補佐 事務局から説明させていただきます。
○祖父江委員長 はい。
○小峰健康課長補佐 現時点においては、学校、病院、また行政機関等について、敷地内禁煙でなければならないというルールはありませんので、現実に屋内に喫煙場所を設置している例はありますし、屋外に喫煙場所を設けている所はあろうかと思います。ただ、学校とか病院については、一定程度、敷地内禁煙は進んでいるので、それほどたくさんの施設であるというものではないかと思います。今回の法律では、原則は「敷地内禁煙」になるのですが、屋外に喫煙場所を置くこともできますので屋外に置くとすれば、こういう所ではないかということを、今日、御議論いただければと思います。
○祖父江委員長 ただ、現状を言うのだったら、敷地内禁煙というのは、そういうことを許さないということで敷地内禁煙と言っているのではないですか。屋内だけでなく、屋外も禁煙にしますというのが、敷地内禁煙。
○小峰健康課長補佐 敷地内を完全に禁煙にしていれば、敷地内禁煙と言うと思いますが、今回、法律においては原則は敷地内禁煙ですが、ここの条文でお示しさせていただいたとおり、屋外で必要な措置がとられた場所であれば喫煙場所を設置できるということにしております。
○祖父江委員長 この法律の下ではこういうことが許されると。
○小峰健康課長補佐 そういうことになります。
○大和委員 都道府県庁、県庁所在市には、屋内喫煙室が残っている所がまだ、半分ほどあります。そういう所では、一足飛びに敷地内禁煙になるか、若しくは屋外に本日示した喫煙コーナー作るか、ということになると思います。
○小峰健康課長補佐 そういうことも考えられると思います。趣旨を説明させていただくと、学校とか病院とか行政機関で、既に敷地内禁煙の所は現時点でありますが、そういった所に屋外喫煙場所を設けないといけないとか、設けてほしいとか、そういう趣旨ではなく、また、現状の取組を後退させるという趣旨ではありません。屋外喫煙場所を置くとすれば、こういう措置をとった所でないと駄目ということになります。
○祖父江委員長 なるほどね。だから、現状において敷地内禁煙になっている所はそのままで、屋内禁煙のみになっている所の対応として、敷地内だけど、屋外にこういうものを置くと。
○小峰健康課長補佐 あとは、もともと特定屋外喫煙場所を設けた趣旨としては、敷地内を完全に禁煙にした場合に、施設の利用者が敷地の外に出て路上で吸うとか、あるいは隣の施設に行って吸うなどで、近隣と施設とトラブルになる事例もあると伺っておりますので、こういう限定的に屋外でしっかりと措置をとった所であれば、喫煙場所を設けることができるということとしております。
具体的には、例えば学校とかであれば、よく運動会とか、あと町内のイベントとかで、いろいろな方が使う場合に、どこかに喫煙場所を設けるとか、そういうことを想定しております。
○祖父江委員長 御意見、御質問をどうぞ。
○欅田委員 今のに関連して、定義の話ですが、これを置いた場合には、原則の敷地内禁煙の状況ではないという理解でよろしいのですよね。禁煙外来などは敷地内禁煙になっているわけですが、それにこれを置いた状態を作った場合には、適用外という理解でよろしいのですよね。
○小峰健康課長補佐 現在の診療報酬の禁煙外来の要件としては、敷地内は完全に禁煙という意味だと理解しております。
○大和委員 学校については、先ほど運動会の話題がでましたが、うちの子どもたちが通っていた小学校では、教育の場ですから、アルコールとたばこの持込みはしないでくださいというただし書きがプログラムに書かれていました。持ち込み禁止の方向で押していくほうがいいのではないかと思います。
○小峰健康課長補佐 もちろんそういう対応もあろうかと思いますが、法律上、屋外の一部に喫煙場所を設置できるということになっているところであり、置くのであればこういう所にしないといけないという基準を御議論いただければと思います。それとは別に、そもそも敷地内完全禁煙のほうがいいとか、既に敷地内禁煙の所は引き続きお願いしたいとか、そういった点は別途周知啓発等をしていきたいと思います。
○大和委員 例えば私たちの調査では、都道府県庁に行くと、敷地内禁煙なのは大阪府だけなのです。それ以外の県庁は建物内禁煙、一部の県庁には喫煙室がまだ屋内に残っている状況です。建物内禁煙だけれども敷地内禁煙ではない県庁では、喫煙コーナーがどこか屋外にあります。本日示したように、喫煙コーナーを壁で区画することを、今から税金を出して工事するか、若しくは灰皿を撤去して敷地内禁煙を選ぶか。そして、まだ屋内に喫煙室が残っている県庁、市役所であれば、一足飛び敷地内禁煙とすることになります。、現時点で屋内に喫煙室が残っている県庁は、たばこ対策に対する認識がまだ甘い施設と思います。一足飛びに敷地内禁煙にするのは強い反対があると予測されますので、過渡的な対策として屋外に特定屋外喫煙場所をつくることになろうかと思います。以上です。
○蒲生委員 教えてほしいのですが、資料1の1ページと2ページは別の議論ということでよろしいのですか。
○平野たばこ対策専門官 別の対象を想定しております。1ページは、病院、学校、行政機関などについての議論です。2ページはその他の類型でして、主に路上でしたり、駅前でしたり、そういう所に喫煙所を置く場合の要件等を考えています。
○蒲生委員 1ページの原則禁煙である場所に対してよりも、2ページの必ずしも原則禁煙ではない屋外分煙の場所のほうが、施設として要件が厳しいたたき台の案になっているように見えます。1ページは極端に言えば少し離れた所に場所を区切りさえすればいいというようにも読めるのですが、1ページのほうが当然より厳しい要件になるのではないかと思ったので、少し違和感がありました。もし何か勘違いをしていれば、御指摘いただければ。
○祖父江委員長 それは、そうしたら両方議論した上で、また戻るということをしたほうがいいですか。
○蒲生委員 それでも結構です。その上で1つ、1ページに対する別のコメントですが、学校、病院などの敷地にある建物の給気口の位置に配慮するというようなのも、1つ措置として入れてはどうかと思いました。
○大和委員 給気口ですね。ビルの給気口はガラリで覆われているため、それを知っている人ではないと分からないと思います。
○蒲生委員 そうですね。あと、建物は最近では強制換気で強制的に外気を取り込んでいたりするので、位置関係によっては効率的に室内にたばこの煙が入ってくることが起こり得るかと思いました。
○小峰健康課長補佐 事務局から1つよろしいですか。
○祖父江委員長 はい。
○小峰健康課長補佐 今の御指摘の所ですが、1ページの特定屋外喫煙場所については、学校、病院等で置く場合の基準で、これは法律上の基準として設定するものです。また、施設の利用者の通常立ち入らない場所ということで考えておりますので、そもそも周りに人がいない場所を想定しています。
2ページは、路上とか駅前等に作るものになりますので、そもそも周囲に人がいるという前提の場所です。あとは、そもそも屋外については禁煙という規制はありませんので、これを満たしていないと作れないというものではありません。作るのであれば、できるだけ受動喫煙が生じないようにこうすることが望ましいという意味での基準ということです。○祖父江委員長 なので、特定屋外喫煙場所においての区画ということのイメージですが、屋外分煙施設のような区画をイメージするのか、もう少し緩いというか、周りに人がいないことが想定されている所での区画というのは、どんなものなのかですね。
○小峰健康課長補佐 現時点で考えているものとしては、壁等でしっかりとしたものを作るということではなくて、ここが喫煙場所。
○祖父江委員長 線が引いてあるぐらいの感じですか。
○小峰健康課長補佐 ここが喫煙場所だというのがしっかり分かるようにしていただくということです。壁とか、生け垣とかを作ることを妨げるものではないですがなければいけないというものではないという意味でお示しさせていただいています。その趣旨としては、3番目のポツにありますとおり、そもそも利用者が立ち入らない場所に作りますので、壁等がなくても、その横を子供さん等が通過することはありませんので、そういった意味で単に区画ということとさせていただきました。
○大和委員 屋外で受動喫煙対策を、となると、壁を建てるか、若しくは距離を離すことになります。母屋からの距離が十分離れていれば、バーとコーンで区画した喫煙所を指定することになります。例えば沖縄県庁などがそうですが、母屋の入口のすぐそばにあった喫煙コーナーは、50mぐらい離れた駐車場の一番端っこに移動していました。そういう対策が、改正健康増進法の第一種施設に求められることになります。
○小峰健康課長補佐 具体的に何メートルというところまではお示しをしていませんが、通常そこに利用者さんが行かない場所に作っていただくことになります。
○大和委員 では、第一種施設には、そうやって十分距離を離している事例も写真で資料提供できればいいのでしょう。
○祖父江委員長 これは趣旨としては、ここで区画とかいうことだけだと屋外分煙施設のイメージと捉えかねない気がしますから、距離でコントロールしようということですね。だから、むしろ通常立ち入らない場所に設置するということのほうが重きがあるということですね。
○小峰健康課長補佐 御指摘のとおりです。
○大和委員 屋上の取扱いをどうするかということになるのですが、屋上には多分たばこを吸う人にしか行かない場所ということになりますが、その場合、これは建物内禁煙と言ってしまってよかったのですかね。
○小峰健康課長補佐 屋内というのは原則として屋根のある場所だと思っておりますので、外がオープンエアで煙が上に抜ける所は屋外になりますので、問題はないと思います。
○祖父江委員長 屋外で閉鎖付きとか言ったら、どちらなのでしょうね。
○大和委員 那覇市役所で見たのですが、屋上にペントハウスという空間があって、そこは外までは出るのですが、上に屋根がかぶっているのです。ですから、向かい風の日には、出入口を通じて階段スペースから下のフロアまで臭くなるのです。それはバツということになりますね。
○小峰健康課長補佐 屋内と屋外がどこが屋内かというのは別途お示しをさせていただきますので、屋根があって、壁があって、煙がこもるような場所であれば屋内だと思いますので、そういう場所であれば、そこは屋外ではない。
○大和委員 屋根や壁がそのまま屋内につながっている場所はダメですね。
○小峰健康課長補佐 壁が何方向とかも、そこもよく議論させていただいて、どこが屋内かというのは明示はさせていただこうと思います。
○祖父江委員長 ほかに御意見はありますか。
○欅田委員 当然含まれているとは思うのですが、念のために確認で、今の1ページの最後の「施設の利用者が」の主語になる「施設」ですが、これは当該施設の利用者だけではなくて、そちらから距離はとっていても、隣の施設が近いという所に作られてしまうと、迷惑な話ですので、周辺施設も含めてという理解が入るようになっているわけですよね。何と表現していいのか分からないですが。
○小峰健康課長補佐 法令上は、その施設、当該施設の利用者が立ち入らない場所ということになろうかと思います。御指摘は隣の。
○祖父江委員長 距離が近い所。
○小峰健康課長補佐 ということだと思いますので、そこは別途、当然そういう所は望ましくないというのは、それは省令で書くというよりは、おそらく通知とかだとは思いますが、そういうところでお示しはさせていただきたいと思います。
○祖父江委員長 では、幾つか御指摘の点はありましたが、この措置については、以下のとおりとしてはどうかの、この3つを若干修飾するというか修正するようなことで提示するということでしょうかね。例えば、給気口の位置などは重要なことだと思うのですが。
○大和委員 海外、例えばハワイ州の法律では、換気口だけでなく、窓や出入口も含めて20フィート、約6m以上離すように、と規定があります。
○祖父江委員長 だから、距離の所をもう少し何かきちんと記述したほうが、趣旨が伝わっていいような気がしますね。
○平野たばこ対策専門官 建物に煙が入らないようにするというニュアンスのことを、もう少し加筆するようにしたいと思います。
○中澤委員 資料1の上の○に、原則敷地内禁煙であるものの、「受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所」に設置していいということなので、今、皆さんがおっしゃった、例えば給気口のこととかというのは、そういう措置が取られて、そういう所には作っては駄目という意味がここに表れているのかと思いますので、ここの所の解説みたいな形で付けていただければ分かりやすくていいのかと思います。
○大和委員 この「受動喫煙を防止」ということは、隣の施設についても防止ということで含まれますよね。
○中澤委員 そういうことですね。
○小峰健康課長補佐 1点よろしいでしょうか。
○祖父江委員長 はい。
○小峰健康課長補佐 給気口というのは、閉鎖形を作った場合ということでよろしいのですか。
○蒲生委員 そうでなくて、例えば病院のビルの換気設備の給気口にたばこの煙が入っていかないというようなことで述べました。
○小峰健康課長補佐 失礼しました。場所を工夫して、そういうことにならないようにするということです。
○祖父江委員長 通常、人が立ち入らない所でも、給気口に近い所があったりするということですよね。
○小峰健康課長補佐 人がいないけれども、そういう換気設備を通じて中に入ってしまうとかというのはよろしくないと、そういうことですね。承知いたしました。ありがとうございます。
○中澤委員 例えば、うちのことですが、隣のビルの、人がめったにというか、たばこを吸う人しか行かない屋外の所に喫煙所が作ってあった。ところが、建物の距離とか向きによって、風がある一方向から吹いてくると、そこの喫煙所をばーっと通って全部私の窓に入ってくるという状態になっていたので、これは受動喫煙状態にずっとなっている。窓を開けるとなるとかということがあるので、給気口とか、そういうことに配慮して、もちろん隣の施設とかということもありますし、そういう所に気を付けて喫煙所を設置してという形になるのかと思います。
○祖父江委員長 重要な点だと思います。その点を配慮して、ちょっと工夫をした記述をしていただきたいと思います。大体、議論としてはこのぐらいでよろしいでしょうか。
それでは第2点目の屋外分煙施設ですね。駅前等における屋外分煙施設のほうの議論をしたいと思います。いかがでしょうか。これは大和委員のほうから具体的な事例が出されていて、このような形での施設の設置が望まれるということが、かなり具体的に示されています。これについて御議論を願います。
このグラフの見方ですが、PM2.5の値が100とか350とか書いていますけれども、一般の大気汚染のほうの基準からすると、ここはどれぐらいの値なんでしょうね。
○大和委員 環境省が示した24時間の平均値で、これを超えてはならないというのが35μg/m3、通年で15μg/m3、24時間で超えてはならないというのが35μg/m3、そして70μg/m3を超えると不要不急の外出は控えてください、となります。ですから35μg/m3をめどに考えていただければいいのではないかと思います。
○祖父江委員長 だから、そのものがすごい低い値では決してないということですね。かなり。
○大和委員 かなり高い値です。
○祖父江委員長 屋外であっても、一過性であっても、かなり高い値を示しているということであります。何か御議論ありますか。
○小嶋委員 大和先生、ちょっと教えてください。資料1の2ページで、「排気口は、天井近くの高い位置とし、人通りの少ない場所に向けること」とあり、その実例が、多分こういう場合ですよね。
○大和委員 そうですね。
○小嶋委員 それで、この排気に指向性を持たせるということなのですけれども、私の杞憂かもしれませんが、強制換気のファンの力は、自然の風に比べると圧倒的に弱いですから、横向きに排出した場合、もし反対方向から自然風が吹き寄せたとき、押し戻されてしまうという心配はないのでしょうか。だから、むしろ真上に向けておいたほうがいいのではないかという気もするのですが、いかがでしょうか。
○大和委員 真上に向けると、雨がそのまま入ってきて、排気装置が錆びるので、写真のように横向けにしています。
○祖父江委員長 蓋するか、蓋というか屋根か。
○大和委員 そうすると、よく言われる垂直煙突の上に小さな屋根が付いているものになります。そうするとどの方向にも流れます。風下に建物があると受動喫煙が発生します。ただ、そのような事例は、今のところ見たことはないです。本日示した事例は、傾斜天井に排気装置を組み合わせれば良い、という提案です。ただし、いくら傾斜天井でも、喫煙室のようにある程度は滞留するでしょう。吸う人本人に気の毒な環境にならないためには、天井が何もない自然換気、青空天井が一番です。だから決してこの閉鎖型のものは、私としては推奨はしたくはありません。
○祖父江委員長 閉鎖型を置くような状況というのは、どういうことが考えられますか。
○大和委員 例えば、東京都23区の区役所など、建物の周囲の敷地に余裕がない施設があるでしょう。そういう施設の敷地内の隅に建てて、舗道ではない方向、車道の方向に排気すると良いと思って、本日の資料を付けてみました。
○祖父江委員長 とにかく吸う人が屋外では寒冷地等だと寒いとかいうようなことで、むしろ吸う人が望むから閉鎖型にするというようなことではないかと思ったのですが。
○平野たばこ対策専門官 そのようなニーズは聞いております。例えば降雪地ですと、なかなか青空天井の下でたばこを吸うのは困難だということで、例えば資料2の1ページ目の図のようなものを想定されています。実際にこれは市販されているものなのですが、右側の上の図のものは、スモーキングエリアと書いてあるコンテナにはエアコンも付いています。
下の図のものは、先ほど大和先生がおっしゃられたように、天井近くの所に換気扇が付いており、更に天井が勾配になっていて、高いほうから吐き出すような形になっています。○大和委員 私も2月に青森の屋外喫煙所を見に行ったことがあるのですけれども、くるぶし以上に雪が積もっていて、灰皿にたどり着けないような場所がありましたね。それから北海道庁も一番最初は屋外に出しただけで、先ほどのバーとコーンで囲っただけの所だったのですけれども、その翌年に行ってみたら喫煙者たちからの要望で、コンテナ型の喫煙室ができていました。だから雪が深い地域は、確かに青空天井というのは、ちょっと難しいかもと思います。
○祖父江委員長 ですから、この委員会で議論すべきこととしては、地方自治体が支援するための目安といいますか、そういったものを提示するというようなことでよろしいでしょうか。
○小峰健康課長補佐 はい、自治体が、例えば、今も大和先生から提出していただいたように、駅前などに作っているものがあろうかと思いますけれども、こういったものを作るときに、どういうものを作ることがいいかという観点からご議論いただければと思います。
○祖父江委員長 どの程度の具体的な指示になるのでしょうか。この具体例には、かなり高さですとか、あるいはクランクの構造とか、地面からどうとかいうようなことを具体的に記述していますけれども、どの程度の詳細さが必要なのですか。
○小峰健康課長補佐 先ほど申し上げましたとおり、屋外はそもそも喫煙は可能という状況ですので、絶対これを満たさないといけないというものではありません。具体例という形で挙げさせていただいていますが、一番上に考え方としては周囲に煙が漏れないような形にしてくださいというものでお示しさせていただきました。
○祖父江委員長 条件を設定するというよりは、こういうものが望ましいという、望ましい事例を提示するというようなことで、それに似たようなものを作ってくださいというようなことで示すということですね。あとは、外部から見えるとか、あるいは人数とか面積といったようなことの何か目安というようなことはあるのですか。
○大和委員 ぎゅうぎゅうに詰め込むわけにもいきませんし、これまでの経験では1坪に2人とか3人ぐらいかなと思いますが。
○祖父江委員長 それも駅前でものすごい利用者がある場合は困ったり、新橋などは何か人が溢れていたりしますね。
○大和委員 お手洗と一緒で、中に混み合って入れない場合には、ちょっと待ってもらうしかないと思うのですが。
○祖父江委員長 なるほど、並んで待つのですか。
○小嶋委員 外でスペースなどがあれば。
○大和委員 だから、屋外で喫煙すると過料を取られる地区などがありますよね、千代田区ですとか。
○祖父江委員長 なるほど。
○大和委員 そのような地区では過料をとられないように、そうでない地区ではお願いベースになるのでしょうけれども、極力、中で吸ってください、なるかなと思います。
○祖父江委員長 地方自治体の条令でそうしている所はちょっと強制力があると。この法律自体は、そういうことは求めていないわけですよね。
○蒲生委員 言葉尻なのですが、今、屋外分煙施設で議論されているのは、基本的に処理装置を付けるような話ではないので、全て屋外に漏れ出てしまう構造だと思います。容易に漏れ出ないようにするというのは、多分言葉が足りていないのだろうと思いました。
○祖父江委員長 そうですね、もっと大変ですか。
○蒲生委員 多くの人が通る方向に対しては遮断することと、あとは恐らく人が通らない方向に効果的に希釈することなのだろうなと思いました。
○祖父江委員長 そうですね、漏れ出ないという言い方はちょっと変で、選択的に漏れ出るというか。
○蒲生委員 人がいるほうには漏れ出ないという意味かと思うのですが、あとは最終的には希釈だと思うので、そういう辺りが具体例との関係で表現されると趣旨が理解されやすいかなと思いました。
○祖父江委員長 そうですね、どうでしょうか。
○平野たばこ対策専門官 工夫させていただきます。
○祖父江委員長 ですから屋外分煙施設の場合は、要は人がいる所で、いかに効果的に人に向かわないようにするかという意味での施設ですね。
○中澤委員 うちの県庁の近くの関内駅の所には横浜市さんが作った、大和先生がいろいろ写真でお示しいただいたような喫煙所があるのですけれども、ちょっと写真で確認してみてももともと高い場所に作ってあって、それで一定程度の高さがあって、なおかつ1回クランクしているので、そこの所は結構駅からお仕事に行かれる方がついでに寄っていかれるのですけれども、県庁のほうにも苦情が来たことがないという。私たちも毎日通っていてもたばこ臭いということは、まあ、吸いながら出てくる人もたまにはいますので、そういうことがなければ臭くないと思うのですけれども。
いろいろな事例を拝見していて思ったのが、確かに2回クランクがあることは望ましいのだろうなと思うのですが、うちの所もJRの高架下に作っていますので、かなりのスペースがある所で、なおかつ結構な方がいらっしゃっていても十分に1坪に2名とかよりも、もっとたくさん入れるような状況の所で通勤の方がガーッと入っていくことができるようになっているのです。
ところが今日、新橋駅の所を通ったらば、正に何となく申し訳程度に喫煙所の近くにわらわらと人がいらっしゃると、やはり都会などで関内駅のようなそれだけのスペースを取るというのは、場所的に面積的に厳しいのかなということもあるので、なかなかどれぐらいの人数の方が来るかというのを調査するのもとても難しいことだと思いますけれども、全体的にこういうのが望ましいという例示をしていかないと難しいのかなと。
最初から諦めて中途半端なものを作ってしまうというのではなくて、なるべくこれに近付く所がそこにできることをやっていただくと、その自治体ができる限りの努力をしていただく範囲内で、効果的な方法を取れるというような記載の仕方にしたほうが、やはり常に私たちが考えるような実効性が担保されるのではないかと思うのです。
もちろん基準が高いほうが、通りすがりの人とか屋外でも受動喫煙は防止されるのですが、新橋みたいに並んでは吸ってくれないので、並んで吸っている状態になってしまいますので、そういうところはもうちょっと何か工夫するとか、高さもかなり低かったなと見ていたので、それを高くすることを少しでもしていただくとか、そういう努力ができるような記載がいいのかなと拝見しました。
○大和委員 新橋の喫煙コーナーは機関車の横ですか。
○中澤委員 はい。
○祖父江委員長 あそこは何もクランクとかなかったですね。何か中は丸見えでしたね。
○大和委員 パーティションが立っているだけですよね。
○祖父江委員長 ほかに何か御指摘の点はあるでしょうか。
○大和委員 新橋のような、多くの人が通る場所に、お手本みたいなものを1個作れれば、全国に広がっていくのではないかなと思うのですけれども。
○祖父江委員長 そうですね、余り人目の触れない所に好事例があってもしょうがないですね。だから、何か公園の上にあっても別に仕切りがなくても構わないような気がしますけれどね。何か丘の上にあるのだったら、パーテーションで区切るということは、そこの周りに人がいるということでしょうからね。若干、だから、そのロケーションによっても、こういう施設の類型を変えたりしてということは必要かもしれませんね。ほかに何か御意見はあるでしょうか。
○小嶋委員 もし、どなたか御存じならばお尋ねしたいのですが、屋外喫煙所のパーティションが台風とか地震で倒れたとか、そういう事例は実際にあるのでしょうか。
○大和委員 それは今のところ聞いたことはありません。ベタ基礎に壁を固定し、さっきのイラストのように十字の補強材を組み合わせれば大丈夫でしょう。この前の台風のように、屋根のある駐輪場が自転車ごと飛ばされていきましたよね。あれは屋根が風を受けるような構造になっていたから吹き飛んでいったわけです。天井に何もないようなものは吹き飛んでいかでしょう。それよりは、さっきのような箱型になっているものだと、よほど地面にしっかり固定しておかないと、この前の台風で転がっていった車があったように、煽られて破損する可能性が高いかなと思います。
さっきエアコンの話が出ましたけれども、こういう断熱性の余り良くないプレハブでエアコンを掛けると余計エネルギーが要りますし、換気扇で外に出すときには煙以外に冷暖房された空気も逃げていきますので、大変なランニングコストが必要なのです。私たちが出入口で0.2m/秒の風速を確保するには、1時間に1,440m3の排気風量が必要です。そうすると年間20万円ぐらいの冷暖房費が掛かるので、エアコンは不必要です。つける場合には、多額のランニングコストが発生、と付記しておくことが必要です。
○祖父江委員長 寒冷地においても閉鎖型にとどめておいて。
○大和委員 寒冷地といっても建物からここに行く間には、コートなどを着るはずです。出た瞬間に凍死するような状況はあり得ないので、要らないと私は思います。
○祖父江委員長 ちょっと我慢してくださいということですかね。ほかに意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしたら、おおむね御意見は頂いたということで、では、これらの意見を踏まえて、事務局において関係省庁、関係者とともに調整をして、省令案などに落とし込んでいただくということで、対応していただければいいと思います。よろしくお願いします。
ここで、今後の進め方で1点お諮りしたい事項があります。喫煙室の煙の流出防止基準ですけれども、特に加熱式たばこについては最新の科学的知見に基づいて検討するということが必要です。現在JTを初めとしたたばこ会社が新しいデータというようなものを公表しております。委員長である私と厚労省の事務局とで、公表データについての説明を聴取したいと考えています。この点はFCTCにおいて、たばこ会社との接触を制限するというようなこともありますが、今回の場合は政策に関する意見、あるいは御要望を聞くというものではなくて、データについての客観的な説明を受けるという点での聴取としたいと思います。御了解いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
では私と、恐らく欅田委員が委員長代理というようなことで、それから厚労省ということで聴取を受けたいと思いますので、よろしくお願いします。その結果を、また次回に報告させていただきます。
では最後に、今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いします。
○木下健康課長補佐 今後の進め方ですが、委員長とも御相談の上、これまでの本専門委員会での議論や関係団体ヒアリングで出された意見などを踏まえながら、次回11回の専門委員会にて前回の第9回に引き続き、たばこの煙の流出防止基準についての議論・検討を行いたいと考えております。
次回、第11回の専門委員会の日程は、現時点で未定ではありますが、スケジュールはおおむね資料4に記載のとおりを想定しております。日程等が定まりましたら、後日改めて御連絡申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○祖父江委員長 では、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。