田村大臣閣議後記者会見概要

H25.7.2(火)11:02 ~ 11:23 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は冒頭私からはございませんので、どうぞお願いします。

質疑

記者:
国と都道府県が備蓄しているタミフルについてですね、今年度に使用期限を迎えるのですけれども、それを3年延長するという報道がありますが、この事実関係とですね、その狙いについてお伺いします。
大臣:
平成14年5月以降に製造されたタミフルに関しましてですね、今まで有効期間7年ということであったわけでありますけれども、7年以上使用期間といいますか、期限が有効かどうかということも含めて、ちょっと御検討をいただいておりました。メーカーの方からですね、いろんな分析をした結果ですね、10年安定しているということでございますので、今申し上げました平成14年5月以降のタミフルに関しましては、使用期限が10年ということでございますので、これで1,702万人分、とりあえずでありますけれども、廃棄をせずに済むということで、貴重な薬資源がですね、有効に活用ができるということでございまして、そのような意味でですね、非常に利用価値といいますか、我々といたしましてもですね、せっかくの薬というものを無駄なく使えるというふうな認識でございますし、備蓄の方もある意味余裕ができるということでございますので、そういう意味では意味のあることだというふうに認識をさせていただいております。
記者:
小林製薬の肥満解消薬の治験についてデータの改ざんが問題になっておりますが、大臣の御所見とですね、厚労省として今後どのように対応されますか。
大臣:
これに関しましてはですね、申請をいただいておったわけでありますけれども、その後ですね、申請を取り下げられたということでございますので、今いろいろとその医療機関等々でどのようなことがあったのかということを調査されているようでありますが、その推移を見守りながらですね、いずれにいたしましても、こういうことが起こらないように指導をさせていただきたいというふうに思っております。この件に関しましてはですね、申請が取下げになっているということでございますので、その後の推移、どのようなことが起こったのかということは、また、御報告いただければありがたいと、このように思っております。
記者:
今日午前ですね、復興推進会議がありましたが、厚労省としてどのように取り組むなりですね、何か決まったことがあれば。
大臣:
復興大臣、それから財務大臣、双方からですね、本来被災地、被災者に使わなければならないものでありますから、それ以外の使用されているもの等々に関しましては、適切に使われるようにということでございまして、使われていないものに関しては、お返しをいただくということも含めて対応をするということでございまして、267億円ですかね、我が省といたしまして。そのうち144億円が被災地、被災者等々に衣替えといいますか、ちゃんと使うような形でお使いをいただく。それから、122億円に関しましては返還をいただく等々の方向で調整をさせていただきたいということであります。
記者:
それは確認ですが、復興関連で計上した予算のことということでよろしいですか。復興に絡んで計上していた予算が都道府県に流用されている問題に関してということ。
大臣:
そうです。そういうことです。
記者:
8月からの生活保護の切下げに関係して、全国的にですね、審査請求や訴訟が多く起こりそうな見通しとなっているんですけれども、このことに関しての大臣の受け止めと、それから手続き的には各自治体の訴訟なんかの対応はあろうかと思うんですけれども、厚労省として何か計画されることがあるんであればその内容について意見をお伺いします。
大臣:
これは審査請求が出てくるということでございますので、それぞれの自治体でですね、適切に対応いただくものだというふうに思っております。経緯を、経緯といいますか、推移をこちらの方では見守らさせていただくということでございますので、特別といいますか、もう適正化は示させていただいておりますので、それに則って審査請求があればそれに対して対応をそれぞれの自治体にいただくということになろうというふうに思います。
記者:
かなり膨大な人数になりそうだというところについての何か御所感がございましたら。
大臣:
そういうような手続きが認められているわけでありますから、認められた手続きに則って、それぞれの自治体に出されたものを自治体の方で適切に対応いただくということであろうというふうに思いますが。
記者:
大臣、冒頭あった復興予算の返還要請なんですが、これは自治体に対していつされるのでしょうか。
大臣:
今早急にしていかなきゃならんというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、要請をいただいた中において我が省としてですね、中身を精査をあらかじめしていた部分もございますので、それぞれの自治体には早急にですね、内容に従ったものを御請求をさせていただくといいますか、しっかりと適切に対応いただく部分と返還をお願いしていく部分という形でこちらの方から御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
記者:
今おっしゃったと思うんですけれども、122億円について返還を求めるというのは、これは厚生労働省としてですね、使われ方が不適正であったという御認識があるということでよろしいんでしょうか。
大臣:
以前も申し上げたんですが、前政権下におきましてですね、そのような意味では一つの方向性というものを示された上で、各自治体にお使いいただいたわけでございますので、そういう意味からいたしますと、各自治体に問題があったというわけではないんだというふうに認識いたしております。ただですね、その後のいろんな世論の流れでありますとか、それから政権が変わった中においてですね、適切な判断をもう一度し直した中において、やはりそもそも復興のためのお金でございますから、これに関しましてはやはり被災地や被災者の方々に使うというのが大前提でありますので、そうじゃない使われ方をされておられて返還可能なものに関しては返還をいただく、若しくは本当に被災者、被災地のために使えるものに関しては衣替えしていただいて使っていただくという形で仕分けをさせていただいた中においてお願いをさせていただくということでございますので、自治体に瑕疵(かし)があるというよりかは、いろんな流れの中において政権交代も含めてですね、人を厳格に限定をさせていただいた中においてのこちらからのお願いという話になろうというふうに思います。
記者:
今日中央最低賃金審議会で冒頭に御要請されると前回もおっしゃっていましたが、この最低賃金アップっていうのは成長戦略にも入っていますが、この意義といいますか、必要性について改めてお願いします。
大臣:
これですね、経済財政運営ですね、これの基本方針。これの中において、やはり一つの方向性としてですね、やはりデフレを脱却していく中においては、所得が上がっていくということが継続的にデフレ脱却という意味では重要であるということでございまして、「日本再興戦略」の中にもですね、やはりこの所得の多寡に関わらず全ての層において賃金が上がるといいますか、所得が上がるというような、そのような形を作らなければですね、なかなか日本の国全体としてデフレから脱却ができていかないのではないかという中において、当然最低賃金というものもですね、見直していく中において上がっていくのが理想であるということでありますので、そのような流れの中において、私の方から今日ですね、最低賃金の引上げの方向性で審議をいただきたいというお願いをさせていただくということでございます。
記者:
経済界、特に中小企業から反発も予想されますが、中小企業などに対する支援というのを併せてお考えになっているんでしょうか。
大臣:
それはですね、やはり基本方針の中にもですね、しっかりとそこのところは明記をさせていただいておりますので、最低賃金が上がるという形からすれば、やはり中小企業ですね、零細企業を含めて、それぞれ利益の上がる、そういう環境を整備をしていかなきゃいけませんし、そのための国としての施策等々も進めていかなければならないわけでございますので、もちろんですね、最低賃金を上げる方向で審議いただくということに関しましては、我々の今度は政府の責任としてですね、しっかりとそのための経済環境を整えていく、また、そのためのいろんな施策を講じていくということがセットになってくるわけでございまして、その中において最低賃金も上げていただくというような方向で御審議をいただくというような形になるところだというふうに思います。
記者:
昨日、公的な年金や独立行政法人が管理している金融資産の運用をどう向上させていくかっていう有識者会議の初会合がありました。この会議ですね、成長戦略の中に位置付けられていることもあって、外部の見方としてはリスクを多少取ってもリターンを増やしていくというところを目指していくという方向で議論がされていくんじゃないかという見方が出ています。ただ一方で、年金っていうのは国民の老後を支える大事な備えでもありますから、リターンが増えることはもちろん望ましいことではあると思うんですけれども、やっぱり一定のリスク管理というものをちゃんとやってもらわないと困るというようなですね、不安も国民の中にはあるのかなと思いますので、今後の議論ですね、どのような考え方に則って進めていただきたいと大臣としてお考えでしょうか。
大臣:
年金はやっぱりですね、専ら被保険者の方々の利益というのが前提にあるわけでありまして、その中においてですね、一つは長期的な観点から、それから安心かつ効率的なというような観点からですね、運用をいただいているわけですね。その中において、これからいろんな経済環境が変わっていって、日本の国自体が今までですね、潜在的な成長率も含めて非常に低成長であったわけでありますけれども、これが今の経済政策の中において成長率を上げることができるという話になれば、当然それをですね、盛り込んだような形でいろんなものの運用というものがなされていくんだろうと思いますが、しかし一方でですね、やはりリスク管理というものが前提になるのが年金でございますので、ここはですね、しっかり長期にわたってですね、運用をしていく中においてリスクをちゃんと管理できるというような、そういうようなことが前提で御議論いただかないとですね、国民の老後の生活に対して不安が生じるわけでございますから、その点のバランスをしっかりと考えていただきながらいろんな御議論になるんだろうなというふうには思います。
記者:
この会議ですね、内閣官房と厚生労働省が共同で事務方を務めているということで、昨日会議そのものが非公開で、その後事務方のブリーフがあったんですけれども、その場ではですね、座長、特に委員を務めた方がどなたも出て来られなくて、それでこういう概要でしたっていうことを簡単に説明するというような形式だったんですね。マーケットに直結する話でもあるので、会議の中をリアルタイムにオープンにできるものとできないものがあるということは理解するんですけれども、国民のですね、やっぱり大事な財産をどうするかっていう関係もあるので、事務方だけの説明で十分説明責任を果たしたのかどうかっていうことについて私自身は疑問を感じたんですけれども、このような発信の仕方でいいのか悪いのか、大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
そうですね、直接私が主催している会議ではございませんので、どのような形なのかは私もですね、今お話をお聞きしてそういう形だったのかというような、そういう感覚を持ちますけれども、ただ今おっしゃられましたとおり非常にセンシティブな会議だと思います。もちろんすぐに方向性が示されるわけではありませんが、しかし一方で中身がリアルタイムで流れるなんて話になると、今言われたとおりマーケットにも影響が出る可能性もないとは言えないわけでございますので、しかるべき担当の部署においてどのような報告の仕方、情報の開示の仕方があるのかということはお考えをいただいておるんだというふうに思います。
記者:
明後日から参院選が始まりますけれども、社会保障の分野でですね、自民党が訴えたいというか、争点になるように思われること、野党との違いについて何かお考えがあれば教えてください。
大臣:
私が答えるというよりかは、それは党の方にお聞きをいただいた方が良いのかもわかりません。党の方と連携はいたしておりますけれども、私からはあんまり発表するような立場ではないのかなというふうに思いますので、党の方でお聞きをいただければというふうに思います。
記者:
関連して、党の方でというのは十分わかってお聞きはするんですけれども、自民党の公約の方ではですね、今回衆院選の時の公約に比べてさらに負担と給付に関するあり方に関する記述がですね、ほとんどないように見受けられたんですが、皆無に近いというか薄いなという印象を受けたんですけども、これは今後3年間、仮に自民党が勝てば安定政権のような形になると思うんですけども、3年間議論をしなくて良いということでは必ずしもないと思うんですが、その辺大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
党がどのような社会保障の政策決定プロセスをやってこられたかとは、ちょっと私も行政の立場の中でございますので、しっかりと理解はしていないんですが、ただ一方でですね、今やはり社会保障と税の一体改革ということで国民会議で御議論をいただいて、これから8月21日に向けてですね、その中で方向性というものを示した上で、法整備も含めた対応をしていくわけですよね、ですからそのような意味からすればやはり党としてもなかなか書きづらい部分はあったのかもわかりませんですね。そういうようなことも含めての記述になったのかもわかりません。いずれにいたしましても、党の方ともしっかりと連携しながら、とにかく目の前は国民会議の結論というものがあるわけでありまして、これによって大きな方向性が示されてまいりますので、それを含めた上でのこれからの一定の法的な整備というものに向けてですね、臨時国会、さらには通常国会という方向でいろんな動きを我々としても進めていかなきゃならんというふうに思っておりますので、そこは党とももちろん連携しながら進めてまいりたいというふうには思います。
記者:
風しんワクチンなんですが、すでに入手困難になっている医療機関も出てきて、定期接種の方にも影響がしてきているようなんですけれど、今後、さらに対策なりですね、優先順位の付け方で新たにまた発表なりっていうのはありますか。
大臣:
これは供給体制をですね、ちゃんと必要なところに必要なものが行くように、全国レベルではまだそこまで行っていないんで、多分本来行かなきゃいけないところ、つまり不足しているところにですね、うまく行き渡っていないことがあるから、そういうような医療機関が出てきておるという話なんだと思いますので、それはちゃんとですね、必要なところに、足らないところにものが行くようにですね、我々としてもしっかりお願いをさせていただきたいというふうに思っています。いずれにいたしましても、この風しんに関しましてはですね、本当にメディアの皆様方もですね、熱心に報道をいただいたおかげでですね、接種率が上がってきておるということでございますので、そのような意味では本当に感謝を申し上げておりますし、引き続きですね、必要な方がですね、自らのリスクをしっかりと勘案する中において、接種をいただければありがたいというふうに思います。
記者:
昨日夜までかけて行われた岡山大学のですね、肺の移植手術に関して、大臣の受け止めと、もし今後厚労省としてああいった事例に関してですね、フォローといいますか、そのような考えがありましたら、教えてください。
大臣:
ああいう形で今までなかなかですね、お子さんの中において、移植対応できなかったものがですね、親からのという形で成功されたというのは、私は朗報だというふうには思います。いずれにいたしましても、移植は、ドナーの方々のリスクというものもありますので、そういうところも勘案しながらですね、どのような形でこれからこれが進んでいくのか、一定の方向性といいますか、ルールみたいなものもこれからいろいろとそれぞれ作ってこられるものだというふうに思います。我々といたしましてはですね、しっかりとこういう流れ、推移を見守りながらですね、一方で必要な部分に関しましては、我々としても何らかの制度設計、制度整備とまでいくかどうかわかりませんけれども、そのように対して、厚生労働省としてやるべきものがあるとすればですね、それは対応をしてまいりたいというふうに思っております。
記者:
先週末にですね、北海道石油業厚生年金基金の理事長が収賄容疑で逮捕されましたが、昨年11月にも福岡県で同様の事件が明らかになっています。厚生年金基金の投資運用に対する信頼が揺らぐ事件ともいえますけれども、事件に関する大臣の御所感をお聞かせください。
大臣:
詳細は現在確認中ですけれども、事実だとすれば大変遺憾な問題でありまして、これは遺憾といいますかちょっと憤りを感じる問題でありまして、もちろんこういうことが起こったのはですね、最近のことではないずっと長年の中で起こってきたんだというふうに思いますが、そもそもみなし公務員とされるわけでありまして、そこは高い倫理性が求められるわけですね、それが今般こうやってまた表に出てきておるわけでございまして、ただでさえ厚生年金基金に対する信頼性というものが非常に国民の皆様方からですね、危うく思われている中においてこのようなことが起こったと、事実であるならばでありますけれども、大変私としては残念な話でございまして、このようなことが二度と起こらないように、それぞれの基金の皆様方には意識を高く持っていただきたいというふうに思っております。

(了)