田村大臣閣議後記者会見概要

H25.3.19(火) 8:53 ~ 9:04 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は私の方からはございません。何かございましたらどうぞ。

質疑

記者:
政府のTPP交渉への参加表明を受けまして、改めてなんですけれども、国民皆保険制度、あるいは食の安全に関して、本当に守られるのだろうかという懸念もありますが、改めてその辺りお願いします。
大臣:
国民皆保険制度に関しては、もう総理がですね、これを堅持していくということをはっきりと申し上げられておられますし、それからこれはよくいつも予算委員会なんかでもお答えをしているんですけれども、元々ですね、USTR(米国通商代表部)の代表補のカトラーさんという交渉の責任者みたいな方がですね、この国民皆保険制度と言いますか、各国の医療保険制度に関して、これに民間開放等々を求める等々、そういうようなことは言わないとはっきりと、これ去年日本で米国アジア・ビジネスサミットですか、この場でもはっきりおっしゃられておられまして、当時日本の国もかなり国民皆保険制度を含めですね、色々と議論があったので、あえて日本の友人達やマスメディアにお伝えしたいということではっきりおっしゃられておられますから、そういう交渉にはならないんであろうなというふうに思います。ただ、その中において色々な医薬品等々の御心配もあります。これに関してはTPPでですね、薬価と言いますか、薬の価格を決める制度等々を含めて、透明性をもうちょっと開示した方がいいみたいな御意見のところもあれば、そんな議論はこの貿易交渉の中には入っていないというような国もそれぞれありまして、まだしっかりとした確定はしていないようでありますけれども、そもそも我が国の薬価ルールというのは非常に透明性の高いそれぞれの製薬企業等々も意見が言えるような制度にはなっておりますので、そういう意味からしたら、例え透明性のことが言われてもですね、十分に耐え得る制度だというふうに私は思っておりますので、国益を損なうようなことをおっしゃられるということがもしあればですよ。あればそれは交渉の中で我々もしっかりと主張してまいりますから、そういう意味では日本の医療の後退がないように対応していきたいと。食品の方に関しましても、国民の皆様方がですね、心配されるようなことがあれば当然のごとく、こういう交渉は進んでいかないわけでありますから、しっかりとその点も主張をしていくということになろうと思います。
記者:
それから労働についてお伺いします。先週の競争力会議で解雇規制がやはり厳しいためになかなか労働力の移動が行われないのではないかというようなことから、解雇規制の緩和を改めて議論するというようなお話があったと思いますが、その解雇規制やはり緩和すべきなのかということと、した場合にやはりそういう労働力がきちっとその成長産業の方に移動していくというふうにお考えでしょうか。
大臣:
まず議論の一つとしてですね、今まではですね、どちらかというと雇用維持型のいろんな政策を国も打ってきたわけですね。よく象徴的に言われるのは雇用調整助成金みたいな話だったんですけれども、それを労働移動支援型に変えてほしいというお声がありました。それは例えば成熟産業から成長産業に人を移動させる場合にいろんな支援するようなお金の使い方をしていただきたいということでございましたので、これは厚生労働省の方からもですね、一つ提案をさせていただいて、是非ともそういうような方向で成長分野に人が失業なきですね、ちゃんとした失業のない中で移動するような形で進めましょうというような、そんなお話はプレゼンでさせていただきましたので、その方向性は一致していると思うんです。解雇というふうに取り立てておっしゃられますけれども、なかなか日本のですね、この法制度というのは基本的には契約の自由ですから、民法に則ってですね、この雇用というものに関しても自由な契約の基でやっておるわけでありますけれども、ただ、そこは雇い主と雇われる方々のやはり関係が違いますから、そこで解雇の権利の濫用をどう防止するかというような、そういう観点からですね、いろんな形で司法等々が判断をされておられると。でありますから、それはもうそのままいろんな日本の雇用慣行だとか働き方だとかいろんな要素が加味される中で今までの判例が積み重なってきておりますので、なかなか解雇法制を緩和という言い方をされたかどうかはちょっと私は定かではないんですけれども、変えるにいたしましてもその総合的なものを勘案しながらやはり判断していかなきゃならんということは御理解いただいておると思いますので、そこら辺のところを色々と勘案しながらどういうようなこれから御要望が具体的に上がってくるかっていう話なんだろうとは思いますけれどもね。
記者:
失業を経ないということはどういうことで担保という。
大臣:
いえ、それは先ほど言いました、雇用継続型の国の労働政策から労働移動を支援する政策に国の方は変えるという意味で、今の解雇に関わる法制とは違う話であります、それは。今先ほど御説明したのは。
記者:
今の雇用制度の改革なんですけれども、2点ありまして、まずはその今おっしゃった雇用調整助成金のことで、首相はですね、5年間は緊急構造改革期間としていますけれども、大臣としてはその助成金の使い道のシフトとかですね、それをいつ頃からやりたいなとお考えになっているのかということが1点と、あとその雇用のルールに関しては、連合の会長がですね、労働政策審議会でも議論していただきたいというふうにおっしゃっているんですけれども、こちらについてはどのような対応を考えていますか。
大臣:
雇用のルールですね、これに関してはいろんな解雇の話も出ましたけれども、当然ですね、これは公労使含めた議論をしなきゃいけない話であります。特に労使は直接関係者でございますから、労政審議会で当然話になることでございますから、そこでしっかりとした議論はいずれにいたしましてもさせていただくことになろうというふうに思います。それから雇用調整助成金をどうするんだという話ですが、今も条件をかなりですね、以前に戻しつつあります。というのはリーマンショック前はかなり厳格な制度だったんですけれども、リーマンショックが起こってとにかく目の前の失業になる可能性がある方々をどうですね、とりあえずのところ企業に留まっていただくかということをやらなきゃいけない。あの時はもう成長分野だとかそういう議論じゃなくてですね、ちょっと全ての業種がほとんどみんな不況に陥いるというような特異な状況にあったわけでありますので、そこでかなり条件を緩めたんです。それを徐々に徐々に今ですね、また元の方に戻してきていますが、まだ完全に戻っていないので、これを状況を見ながらですね、元の制度に戻すと、元の条件に戻すと。かなりこれで減ると思います。一方で、先ほど言いました、労働移動を支援するような、そういう制度というのはこれちょっと法律整備も含めて考えなければ、勝手にお金使えないので、そういうことも含めて準備しなきゃいけませんが、若干時間かかると思いますけれども、できる限り早くですね、これも制度設計をしてですね、法制化をするのであれば法制化をしていかなきゃいけないと思っておりますので、決して時間をかけてというよりかは、なるべく早くという意識で対応してまいりたいというふうに思っております。
記者:
官邸の菅官房長官が健康医療戦略室の三役会議を開かれたのですが、前に厚労省で初会合をやった厚労本部は、今どのような感じでしょうか。
大臣:
四つのタスクフォースに分けておりますので、鋭意、医薬・医療機器、それから再生医療、それと国際展開の四つのタスクフォースに分けてありますので、それぞれ鋭意それぞれのタスクフォースで作業を始めております。
記者:
今日、日銀の白川総裁が任期を迎えるのですが、これまでの日銀総裁に対する評価と新しく総裁になられる黒田総裁に対する期待するものを一言お願いします。
大臣:
白川総裁は、日銀総裁人事が混迷をする与野党状況の中で就任をされて大変な御苦労は、そういう力関係の中でいただいてきたのだと思います。そういうふうな中において、私は政治家個人としてはいろんな意見はありますけれども、御苦労される中でそういう立場において一生懸命務められたのだと思います。今度の新しい総裁に関しましては、そもそも我々が野党のときから主張していた思いというものに十分御理解をいただいておられる方だと認識し、安倍総理と思いを共通されておられる方だというふうに思いますので、これからデフレ脱却、そして名目経済成長の実現、さらにはそれの結果としてですが、失業率の低下、国民所得の増大こういうものに大変役立っていくような金融政策というものを、それぞれの独立性に基づいて、行っていただけるのではないかというふうに期待をさせていただいておりますので、がんばっていただきたいと思っています。
記者:
国民の健康についての質問をさせていただきたいのですが、今糖尿病の治療法で糖質をカットした食事療法というのがされているのですが、それについて、長期的に見て安全性が確認できないから、今は薦めないよという意見を出したのですね。この糖質カットの食事療法は最近ダイエットブームとかで糖質カットダイエットとかありますよね。それは結構国民全般的に広がっている食事療法だと思うのですが、そういったことに対して学会の方から、ちょっと今は薦められないというのは。
大臣:
糖尿病に糖質カットしては駄目だというんですか。
記者:
完全カットは駄目だということで。
大臣:
全く摂らないのは駄目だということですね。ダイエットでも炭水化物ダイエットとかいろんなことが言われていますが、私もダイエットをやりましたが、決して全く食べないということはしなかったので、食べる量を減らすだとか、運動を交えるとか、やはりいろんなことをバランス良くやっていただくことが一番良いと思うので、食べなくて断食をすれば絶対に痩せるのですが、それが健康的かと言われれば、絶対にそうではないので、そこは、それぞれ個人の方々の方法論というのは御自由なところはありますが、よく専門家に御相談いただいて健康に留意していただきながら、ダイエットをしていただきたいなというふうに思います。

(了)