小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.8.24(金) 8:52 ~ 9:01 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日、冒頭私の方から一点。 東電の福島第一原発で、線量計を紛失した事案が多数あったということを東電が公表しましたが、厚労省としての考え方を申し上げたいと思います。東電福島第一原発で、線量計を紛失したり未装着の事案が28件あったにも関わらず、そのうち24件については、被ばく線量を補正できたことなどを理由に問題視をせずに、東京電力は厚生労働省に報告をしてきませんでした。これは労働者の被ばく管理の根本を揺るがす問題で、大変遺憾だと思っています。今回の東京電力の公表の内容は、厚生労働省が過去の未装着と紛失の事案について、原因究明と再発防止の指導を行った結果、東京電力が調査し判明したものと認識しています。厚生労働省としては、労働者の被ばく管理について、今後二度と同じような事案が起こらないよう、東京電力に対し今後とも厳しく指導を徹底していきたいと考えています。また、しっかりと更に調査をするように指導していきたいと思っています。 以上です。

質疑

記者:
二点ほどお聞きしたいと思いします。まず、第一点ですが、最低賃金と生活保護の問題ですが、最低賃金で働いた場合の収入が、生活保護の給付水準を下回る逆転現象が続く都道府県が、まだ六つあるということは分かりましたが、これについての受け止めと、あと2年以内に解消されるという御方針であるということですが、厚労省として、今後どう具体的に取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
大臣:
そうですね。基本的に今回秋に作ろうとしている生活支援戦略の中でも、なるべく働ける人には就労してもらう方向で立てたいと思っているので、そういう中で5月に発足した研究会でも、生活保護の水準とそれから年金の最低保障、それから最低賃金の在り方についても、今検討していただいているところです。そうした中で、やはり逆転現象はしっかり取り組まないといけないので、中央最低賃金審議会が、地方最低賃金審議会に示した今年度の目安では、逆転現象が生じた11地域について、2年以内の期間を定めて、計画的に解消に取り組むように求めているわけです。今月22日までに、11地域の全てで答申が行われました。五つの府県では、今年度で逆転分を全額解消することになり、その他の6都道府県でも、2年以内の逆転現象の解消に向けて、計画的な引き上げが答申されました。地方最低賃金審議会の公労使3者の委員が、最低賃金法の趣旨を踏まえて真摯に御議論いただいた結果だと思っています。厚生労働省としても、先ほど申し上げた研究会などで、引き続き水準の在り方については検討していきたいと考えています。
記者:
もう一点なのですが、今国会も会期末まであと2週間程度となりましたが、まだ厚労省の法案がいくつかというか結構残っていると思いますが、国会の話だとは思いますが、大臣としては優先的にどの法案を成立させていきたいというお考え方がありましたらということと、あと例の3号の主婦年金救済法案が継続にも関わらず趣旨説明をなされていないと。この扱いについて、どうお考えになりますでしょうか。
大臣:
今回は一体特に入れた二つの年金の法案も含めて13本、厚生労働省としては法案を提出していました。既に、そのうちの8本は成立しているので、今全体の成立率から言うとどうかというと、まあ結構頑張って成立させてもらっている方だというふうに思っています。それで九つ目の高齢法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正法案)は、このままで行けば来週参議院で審議をし、採決をさせてもらう予定だと思っていますので、そこまではこの国会でいくと思います。あとは、今御指摘のあった3号被保険者主婦年金の追納法案と、それから趣旨(提案理由)の説明だけした労働安全衛生法の改正案、それから交付国債をつなぎ国債にするのと、特例水準の引き下げを合わせた法案と、それから低所得の年金受給者に福祉的給付をするという、その4本の法案ということになりますので、会期は本当に残り少ないですが、1本でも多くあげていただきたいというのが、私の方の考え方です。ただ、主婦年金の方もずっと続いてきて、私たちは何とかやりたいと思っていますが、今回一体改革の非常に大きな法案があったり、色々なねじれ国会の状況があったので、残念ながら今日までは、趣旨(提案理由)の説明もできていないということなので、それも当然なるべく早く審議をしていただきたいと思っています。
記者:
認知症の高齢者が急増して300万人を突破して、更に高齢化が進むとどんどん増えるという状況なのですが、その受け止めと対策についてお願いいたします。
大臣:
これは大変関心の高いことだと思うのですが、大分前に調査をしたデータしかないということは国会でも再三御指摘をいただいてきたもので、要介護認定データを基に新たに認知症高齢者の日常生活自立度?以上の高齢者の数を算出した結果、平成22年でおよそ280万人、65歳以上人口に対する比率がおよそ9.5%でした。これは、平成22年に280万人なので、今言われたように平成24年は305万人ということで300万人を超えています。厚生労働省としましては、今回の新たな認知症高齢者の数の推計を基に、今年6月の認知症施策検討PT報告書に掲げました施策の5年間の具体的な計画を平成25年度概算要求と併せて策定するということにしています。
記者:
カネミの救済法案なのですが、今日衆院通過する見通しで、来週にも成立が見込まれていますけれども、大臣の御感想と言いますか、この結果を受けての思いを聞かせていただけますでしょうか。
大臣:
カネミの救済法は、今日議員立法で衆議院の厚生労働委員会で通って、今日の衆議院本会議で衆議院は通過するというふうに聞いています。これも議員立法は今やっているものは、この国会の会期内に上げていくことだというので、この国会で成立する見込みだと思っています。カネミについてはずっと長年問題が指摘されながら解決ができずにきたものを今回は超党派の議員立法という形ですけれども、もちろん言えば色々な御不満もまだあると思いますが、現在考えられる最大限の支援をするという形で今回超党派の議員立法が成立をするということの意義は大変大きいというふうに思っています。

(了)