小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.7.31(火) 8:35 ~ 8:44 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、冒頭2点私の方から申し上げます。 1点目は、本日公表の雇用情勢についてです。6月の完全失業率は0.1ポイント改善し、4.3%。有効求人倍率は、0.01ポイント改善し0.82倍であり、現在の雇用情勢は持ち直しているものの、依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも被災地の雇用情勢や円高による雇用への影響について注視していく必要があると認識しています。『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』ですとか、平成24年度の予算に盛り込んだ雇用対策を迅速・的確に実施をして、厳しい雇用情勢の改善に全力で取り組んでいきたいと考えています。 2点目、今日は、「低所得者への福祉的給付」と言っている「年金生活者支援給付金法案」と交付国債をつなぎ国債に変えた「国民年金法改正法案の修正」を閣議決定しました。「年金生活者支援給付金法案」は、年金制度の外で、低所得高齢者・障害者などへの福祉的な給付を行うものです。これは御承知のように、衆議院で修正されまして、年金機能強化法案から削除された「低所得者等への年金加算」に代わるもので、社会保障・税一体改革の一部を構成する不可欠なものだと考えています。また、国民年金法改正法案の修正は3党合意に基づいて基礎年金国庫負担2分の1を確保するための財源を、交付国債から、平成25年度分も含め「年金特例公債」、つなぎ国債に修正するものです。26年度に恒久化されるまでの間も、基礎年金国庫負担2分の1を維持するということは、年金制度を長期的・安定的に運営するために必要不可欠です。どちらの法案も国会で速やかに御審議いただいて、成立させていただけるよう全力で取り組んでいきたいと考えています。 以上です。

質疑

記者:
1点お尋ねします。日本再生戦略が取りまとめられましたけれども、これについての受け止めと、それから、総理からの発言もありましたけれども、省庁の枠を超えた大胆な予算の組換えということもありますが、これについて厚労省は今後どういう姿勢で取り組まれるのか。
大臣:
日本再生戦略は、政権としてとにかく経済成長をさせていくために、必ずこうしたことに取り組むということで、今御指摘あったように省庁縦割りじゃなくて、国家戦略室が統括をする形で、予算編成も含めて統一的にやるということが、意味のある部分だと思っています。厚労省としては、一つはライフイノベーション、医療について医薬品とか医療機器は、日本が先進国に伍して、あるいは先進国以上に優れて能力が発揮できる部分、そこが省庁縦割りとか規制があってできなかったところをしっかりやろうということです。例えば、がん対策についても、国家戦略室で全体の予算を取りまとめて国として取り組んでいく方向性を出せるようにしようと、これも国家戦略大臣とそのような話をしているところなので、そういう一つ一つの実効性を上げていきたいと思っています。また、生活雇用戦略のところにある若者の就労促進、それから女性の就労促進、これは、いつも言っている「働くなでしこ大作戦」ということで、それぞれがエリートではないけれども頑張っている女性達が本当に能力を発揮できるように、こちらで待っているのではなくて、営業大作戦で企業にこちらが出向いて行くということも含めて実効性のあるものにしていきたいと思っています。あとは、秋に取りまとめる生活支援戦略についても、その骨格をこの中に入れて生活困窮者対策を体系的にして、生活保護も見直していくと、就労を促進していくという観点なども含めて、相当、厚労省もこの中に具体的な施策を盛り込んでいますので、実効性が上がるようにしっかり取り組んでいきたいと思っています。
記者:
黒い雨の関係で、昨日広島市長がお見えになった際に、市長が拡大について政治的判断をと求められたのに対して、大臣からは、実務的にもう少し詰めてみたいとおっしゃったということですが、それは、拡大についてはまだ考える余地があるという意味なのでしょうか。それとも、それ以外についてですか。
大臣:
黒い雨については科学的・合理的に考えて今回範囲を広げることはできないという報告書をこの間受け取っているので、その範囲を拡大するということは難しいと。ただ、そこで黒い雨に当たったということで、精神的な面も含めて、心身のケアが必要な方達がいらっしゃるのはよく分かるので、そこは相談体制を含めてケアにしっかり取り組んでいきたいと、そういうことを申し上げました。あと、黒い雨の地域以外に、被爆者への対策としては、私も党にいたときからずっとワーキングチームで取り組んで来ましたので、色んな実態も分かっていますから、広島市長が言われたように、67歳未満で対象になる方がいなくなり高齢化しているということは私もよく分かるので、今の被爆者の、例えば認定制度、もっと迅速にできると期待されたのが、なかなか伴っていないという話を当事者の方から受けていることもあり、認定制度を見直すということ。また、司法との乖離はなんとしても埋めなければいけないと思っているので、そのことや、あとは法改正を含めてしっかりとできる対応をしたいと、全体に広げたところで、少し広島市長にとっては前向きな発言だったと取っていただけるような、話をしたということです。
記者:
拡大については、事実上今回、現時点ではできないという御判断ですか。
大臣:
それは、報告書に書いてあるとおりで、それは、その時の会見でも申し上げたとおり、科学的な合理性からして難しいということです。
記者:
野田政権のエネルギー政策の見直しについて伺いたいのですが、現在2030年の原発比率について、0、15、20~25という三つの選択肢が示されていますけれども、大臣はどの選択肢が望ましいとお考えになるかということと、今後、原発の増設についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それは、野田政権として、脱原発依存という方向はしっかり出していますので、後ろの質問について言えば、増設ということはないと思います。ただ、今、三つの選択肢をお示しをして、国民の皆様から御意見を伺っているところですので、私の所管ではありませんし、私の意見を言うことは控えたいと思います。
記者:
もう1点関連しまして、使用済み核燃料の処理についてですが、今後も現在の全量再処理を続けていくべきだとお考えか、それとも、地中に埋めるような全量直接処分という方法に切り替える、もしくは、今の全量再処理と全量直接処分の併用、どういう形が望ましいと。
大臣:
これも、私の所管ではありませんので、特にコメントはしません。

(了)