小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.1.27(金) 9:40 ~ 9:47  ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭私から2件お伝えしたいと思います。一つは法案の閣議決定について、厚生労働省関係では法案2本が閣議決定されました。一つは、雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案、もう一つは、児童手当法の一部を改正する法律案、この2本が今日閣議決定をされました。雇用保険法の一部を改正する法律案は、現在の厳しい雇用失業情勢の中、労働者の生活と雇用の安定を図るため、リーマンショック以降に実施している今年度末までの暫定措置を延長する法案です。失業手当ですとか、雇用安定事業費の財源、それに係る暫定措置の延長ということです。そして、児童手当法の一部改正法案は、昨年の三党合意を踏まえまして、平成24年度以降の恒久的な子どものための手当制度について、所要の措置を講じるものです。仮に、法案が年度内に成立しない場合は、4月から、元の児童手当に戻ることになって、手当が大幅に減額されたり、対象者が狭まるなど、国民の皆様の生活に大きく影響します。また、市町村の現場にも混乱を来すことになります。これは非常に大切な法案ですので、是非とも速やかな与野党協議で合意を得たいと考えています。 それから2点目、今日お手元に資料をお配りしていると思いますが、厚生労働省相双地域等医療・福祉復興支援センター、これを設置して、今日から業務を開始するということです。昨年の10月に、福島県相双地域に、厚生労働省相双地域医療従事者確保支援センターを設置しまして、被災者健康支援連絡協議会とも連携をして、医師の派遣などの調整を行って来ました。これまでには、南相馬市立総合病院へ福島県立医科大学から3名の医師を派遣したこと、また、南相馬市の雲雀ケ丘(ひばりがおか)病院への医師派遣を調整して、精神科の入院診療再開に繋げるなど、こうした実績を挙げてきました。この度、支援範囲を拡大しまして、業務範囲に福祉分野を加え、また活動地域にいわき市を加えて、新たに、厚生労働省相双地域等医療・福祉復興支援センターとして活動することにしました。関係機関と協力しながら、地元の方々に少しでも安心していただけるように、支援をしていきたいと考えています。具体的には、広げる業務の内容としては、現地での医療機関、福祉事業者等のニーズを把握すること、また、地元自治体と関係機関との連絡調整、そして医療従事者の確保や福祉事業の早期再開に向けた支援活動などをここで行って行きたいと考えています。 私の方からは以上です。

質疑

記者:
社会保障と税の一体改革の素案に中に、年金の改革案が含まれているのですが、その最低保障年金の部分についての試算があって、その試算について公表するかどうかで色々と意見があるのですが、大臣としてはこの公表についてどのようにお考えですか。
大臣:
新しい年金制度の一元化のことですね。これについては再三申し上げているように、平成25年に法案を提出するために、今、党の方で色々と検討しているところです。恐らく、いくつかのケースについての試算をしながらどのような法案にしていくかということを、今、党でやっている最中ですので、今皆さんが言われているこの春の試算というのは、元の試算であって、それの組合せによってどこから最低保障年金を入れて、どこで終わるのかとか、それを三角形にするのか菱形にするのかとか、色々なことの制度設計によって変わってくるので、現時点で生の数字を出すことにはどういう意味があるのかなというふうに私は考えていました。これは、きちんとした形で、民主党としては、こういう選択肢がありますけれども、野党の皆さん、そして国民の皆さんどうお考えですかという形にして出すのがいいのではないかと思っています。少し誤解があるといけないので、よく「7%だ」「10%だ」「更に必要だ」というような数字が出てきていますが、それは、これから60年先とかずっと先のことなので、2014年度、15年度に導入する今回の5%の消費税を上げさせていただくこととは、直接関係ないと。長期的に見ると年金制度のマクロ経済スライドがかかっている期間はそんなに変動がありません。その先マクロ経済スライドをどうするかは5年ごとの財政検証の時にやっていきますので、そういう意味ではその先、今から60年後(年金給付が)一番多くなると考えられるときまで、このままでいってもある程度増えていくわけです。そのことと新しい年金制度を入れたこととの見合いの話をやっていただかないと、自然にしていても増えていくのに、新しい年金制度を入れたらこうなるのだという報道の仕方というのはちょっと違うし、その辺りの説明もきちんとしなければと考えています。
記者:
新しい子どもの手当なんですが、おっしゃったように3月中に成立しないと国民生活に影響があると思うのですが、現時点で野党が名称であるとか、所得制限がかかった方の経済事情について反対している状況なのですが、政府として今後どのように進められるのでしょうか。
大臣:
元々昨年末の3党合意にも、4月からの恒久的なものについてはこれから話し合いをしましょうということだったと思います。話し合いの協議の場が中々設定されないので、やむを得ず与党としての考え方を示したもので、当然野党はそれぞれお考えがあるわけですから、早く協議の場を作っていただいて野党の案も出していただいて。与党民主党から出している案が全部通るとは与党も思っているわけではありません。当然、各党で話し合いをした結果必要なところに落ち着かせるということだと思いますので、あくまでこれは与党としての案を協議の場が整わない中で出したということですから、当然協議の場の中で野党から案を出していただいたら、協議をしながら落ち着くべき所になんとしても年度内に落ち着けていただきたいと考えています。名称とか所得制限をかけたところへの手当の在り方も十分にこれから御協議いただくということだと思っています。
記者:
新しい年金の確認なのですが、先程のお話ですと、あくまで党の側で検討して示してもらうという話ですが、年金の制度というのはとても専門家ですとか、一人一人ではなく多くの方の知識が必要だと思われまして、厚労省も協力してといいますか、厚労省内でもきちっと検討する必要があると思うのですがそれについては。
大臣:
新しい年金制度は、民主党のマニフェストで打ち出している政策です。ですからまず民主党の中で議論をしていただくのが順序だと思います。民主党が検討する際にそこにどういう数字を入れるかということは当然、厚労省としては協力しています。民主党で案が出たら役所としてもそれを受け取ってしっかり検討していくことだと思っています。
記者:
関連してですが、試算を新しくやり直すような話はありますか。
大臣:
試算としては春の時点で試算をしていますので、その数字をどのように組み合わせるかということだと思っています。ただ、生の数字を出しても自然に増えていくものなど色々なケースによって違うので、一部の数字だけのピックアップでは、色々考えると全体として正しい伝え方にはならないので、それは、党の考え方をしっかりと決めて、先程申し上げたようにいくつかの選択肢かも知れませんが、こういう形でやれば、これだけの負担が要ります、給付はこうなります、こういうケースで行けばこうですというようなことを、きちんと生きた形といいますか、これからやろうとしている形の中で出さないと、生の数字だけを出すと却って誤解を受けるのではないかと私は思っています。元の試算をやり直すとは聞いていません。

(了)