小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.12.20(火) 10:52 ~ 11:05 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からは、冒頭3点お話をします。 1つは、今日の閣議で今年度の第四次補正予算案が閣議決定されました。厚生労働省関係の主な項目は、台風等の被害からの復旧、医療保険、生活保護の義務的経費の追加、23年度末までで期限を迎える基金の1年延長措置、これは24年度末までです。具体的な内容としては、70歳から74歳の窓口負担の軽減措置、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種事業、保育所整備、地域子育て支援等の基盤の整備、妊婦健診の公費助成、新体系サービス移行後の定着支援のための事業所の経営安定化支援等などで、6276億円計上しています。この補正予算案が、年明けの通常国会で速やかに成立して、着実に実施ができるように取り組んでいきたいと思います。 2点目は、閣議で特殊法人等の理事長の人事について了解がされました。厚生労働省所管の特殊法人として、日本年金機構理事長の、紀陸孝さんについて、12月31日で任期満了となりますが、引き続き再任することとし、閣議で了解を得ました。 それから3点目は、皆さんのお手元にお配りしてあると思いますが、今朝8時半からの、社会保障・税一体改革関係5大臣会合で、党と最終調整していました、社会保障改革の部分の素案骨子がまとまり、了解を得ました。私からポイントだけ、お話をしたいと思います。ずっと私がご説明している、今に1人が1人を支えるようになるとか、全体状況の中で、全世代対応型が必要だ、という総論を1ページ目に加えたということ。それから、10ページ目の「長期高額医療の高額療養費の見直しと給付の重点化の検討」について、「高額療養費については、高額療養費の改善に必要な財源と方策を検討する必要がある。」ということ。また、「平成24年4月からの外来現物給付化に引き続き、まずは年間での負担上限等を設けることについて、所要の財源を確保した上で、導入することを目指す。その際、年収300万円以下程度の所得が低い方に特に配慮する。」という書き方になっています。11ページの「高齢者医療制度の見直し」については、「具体的内容について、関係者の意見を聴きながら引き続き検討し、平成24年通常国会へ後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案提出を目指す。」としています。それから16ページ「物価スライド特例分の解消」については、「平成24年度から26年度の3年間で解消し、平成24年度は10月から実施、平成24年通常国会に法案提出。」としています。18から19ページ「その他」のところで、「保険料の事務費への充当の解消を実現するための財源の確保策や過去繰り延べられて未返済となっている年金の国庫負担分の返済に必要となる財源の確保策について引き続き検討。」としています。それから19ページに、「歳入庁の創設による、税と社会保険料を徴収する体制の構築について直ちに本格的な作業に着手。」としています。それから、22から23ページで、「生活困窮者対策の推進」では、「生活困窮者に対する支援を実施していくための体制整備・人材確保等を進めるため、国の中期プランを策定」としています。 そして最後ですが、24ページ「障害者施策」について、「障害基礎年金への加算に加え、障害者の就労を支援し、障害者の所得保障や社会参加の充実を図る。」としています。同じく24ページの「次世代を担う子ども・若者の育成」で、「手に職をつけ就業につなげるための教育・訓練環境整備や、教育の質と機会均等を確保するための方策、特に生計困難でありながら好成績を修めた学生等への支援の強化。」こうしたことを、党との調整の結果、修正をしまして、5大臣のところで、この社会保障改革関係の素案骨子は合意をした、ということです。 私からは以上です。

質疑

記者:
一体改革素案骨子ですが、大臣として内容の評価、出来映え、また、今後の課題とスケジュールについてコメントをいただけますでしょうか。
大臣:
これは、私が先頭に立って素案の元になるものを厚生労働省の推進本部でとりまとめて、それを党や関係の方達と話をした結果とりまとめが出来たので、そういう意味では、社会保障の部分の責任を果たしたと言うと変な言い方ですが、こちらはとりまとめが出来ました。これが片側であって、年末までにその担保となる財源である税のとりまとめもすると総理も言われていますので、年末には両方を合わせた形で社会保障と税の一体改革素案ということで、政府与党の会議で決定するということだと考えています。
記者:
ちょっと話が飛びますが、金正日氏の死去につきまして、大臣のコメントをお願いいたします。
大臣:
特に私からのコメントというより、今日の閣議で、総理から、昨日の安保会議の関係の閣僚には指示がありましたが、全閣僚に向けては3点、1つは北朝鮮の今後の動向について情報収集態勢を強化すること。2つ目に米国、韓国、中国等関係国と緊密に情報共有すること。3つ目に不測の事態に備え万全の体制をとること。こうしたご指示が全閣僚にありました。私から特にコメントすることはありません。
記者:
予算編成の中で、昨日も大臣折衝ということでやられたと思いますが、一部報道で年金2分の1の財源を交付国債で賄うことで閣僚が正式合意したとありますが。
大臣:
いいえ。全く正式合意いたしておりません。ただ今、折衝中ですので内容についてはコメントしません。
記者:
交付国債で賄うことについては、問題点ありとお考えでしょうか。
大臣:
厚労省として問題点があると考えるから、今議論をしてそれぞれの主張をぶつけ合っているところで、まだ全く合意ということではありません。
記者:
もう1点予算編成の焦点ですが、診療報酬の改定つきまして、これも、据え置き報道等ございますが、閣僚折衝の今後の予定等についてお聞かせ下さい。
大臣:
大臣折衝に入る何時間か前には、皆様のところにも連絡があると思います。今日から相対で折衝しますので、まだまだです。私の主張することはいつも申し上げているとおりです。
記者:
診療報酬改定ですけれども、マニフェストに沿って2年前は、あらかじめ配分を入院等、それ以外ということで決めた決着を、前回しておりますが、今回もそういう前回の方式を踏襲する考えはございますか。
大臣:
まだ、そういう具体的な直接の折衝はしていませんので、まとめ方についても、コメントをすることはございません。
記者:
診療報酬についてですが、従来、大臣は救急ですとか、産科ですとかを充実させたいとおっしゃっていますが、そのためにも、その部分への配分というのは明記することが効果的だと思うのですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それは、ずっと申し上げているように、厚労省として取り組んでいる、政府として取り組んでいる医療体制整備のための政策にちゃんと充てるということを明記すれば、その方がいいと思います。
記者:
第四次補正について、介護の処遇改善交付金の計上が見送られたと思うのですが、報酬改定の方では交付金分を読み込むという要求をされているかと思うのですが、それですとマニフェストで約束した4万円アップというのは、正式に断念されたということでよろしいのでしょうか。
大臣:
断念といいますか、4万円に向けて、今は1万5千円と考えていただければいいと思います。ただ、今回そこを増額するということは、中々いろんな状況がある中で厳しい面もあるかも知れませんが、当然のことながら一時金としての交付金のところから、ずっと継続していく形として介護報酬に移すということ自体は、私はその方がいいと思っていますので、介護報酬もこれから診療報酬と合わせて折衝ですので、こちらは予算額を取れるようにやっていきたいと思っています。
記者:
診療報酬改定で大臣は、ネットでプラスということを主張していますが、一方で財務省からは、薬の方の値段でさらに引き下げて欲しいという要求が出ているのですが、長期収載、後発の新薬の値段も落とされるという話に言及しているのですが、それについてはどのような主張をするおつもりですか。
大臣:
具体的にはこれから折衝しますので、あまり踏み込んでは申し上げませんが、今、製薬業界というのは非常に担税力のある、また医療イノベーションでもこれから伸ばそうとしているところであるわけですから、その力を削ぐようなことは、出来ないということをしっかり主張したいと思っています。

(了)