小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.11.25(金)8:53 ~  9:11 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
お待たせしました。今日は、閣僚懇でいろいろと発言があったりしたので、遅くなりました。今日は、冒頭私から1点お伝えしたいことがあります。 12月1日は、世界エイズデーです。今日、私も赤いリボンのバッジと、赤いリストバンドを着けています。世界的にエイズのまん延防止と、患者・感染者に対する差別や偏見の解消を目的とした啓発活動が実施される日です。日本でも、12月1日前後に全国各地で啓発イベントや、保健所での夜間や休日のHIV検査などを行うことにしています。日本のHIV感染者、エイズ患者は依然として増加しています。国民の皆さんの関心を喚起していくことが非常に重要だと考えています。マスコミの皆さんのお力添えも必要ですので、ぜひ今年度の世界エイズデーのイベントを、すでにご案内してあると思いますが、取り上げていただきたいと思います。私からは、3つのメッセージをお伝えしたいと思っています。1つ目は、ぜひHIV検査を受けていただきたいということです。HIV感染を判断するためには、検査が必要で、早期に感染を発見すれば、エイズの発症は防ぐことができます。HIV検査は、全国の保健所などで、無料、匿名で受けられます。2つ目は、HIV感染は性行為によるものがほとんどで、誰でも感染のリスクがありますので、コンドームの使用による感染の防止を心がけていただききたいということです。そして3つ目は、エイズに対する正しい知識と関心を持っていただきたいということです。HIVの感染経路というのは限られています。普段の生活で感染することはまずありません。患者・感染者に対する理解を深めていただき、エイズに関する関心を持ち続けていただきたい。以上3点が私からお伝えしたいことです。そして厚生労働省が主催するイベントをご紹介します。東京では今年6回目を迎えますレッドリボンライブを、11月27日日曜日に開催します。また、その日、昨年もしたのですが、代々木公園のけやき並木で、NGOの皆さんなどによる普及啓発ブースが出展されまして、私も午前中視察をしたいと考えています。地方では、福岡で、レッドリボンライブin福岡、これを、12月1日木曜日に開催します。一人でも多くの方がエイズに関心を持っていただき、早期発見、早期治療のために検査を受けるよう、皆さまには世界エイズデーを積極的に情報発信していただき、お伝えをしていただきたいと思っています。 私からは以上です。

質疑

記者:
閣僚懇で、発言がいろいろあったというのはどのようなことですか。
大臣:
閣僚懇の中身は特に申し上げません。様々なことについて発言があったということです。
記者:
大臣がご発言されて。
大臣:
そうですね。私からは、この間の政策仕分けは非常に意義があったのではないかということを申し上げました。
記者:
悠香の茶のしずく石鹸で、アレルギーの被害が出ていることについてお伺いします。昨年の10月に、厚生労働省から消費者庁の方に情報を提供していると思うのですが、消費者庁が事故情報だと思わずに見過ごしていたという意見があったかと思うのですが、その件に関して消費者庁長官は、厚労省ともうちょっと情報のやりとりをすべきだったと、今後は連携していきたい、と述べているのですが、厚労大臣としてはいかがお考えですか。
大臣:
厚労省はきちんと伝えていたと思います。ただ、それを消費者庁の方ですぐに取り上げなかったことについては、更にこちらからもフォローしていく必要を考えた方がいいのかなとは思いますが、一義的にはこちらから消費者庁の方に入れてありますので、消費者庁が対応されることだと思います。
記者:
企業名や製品名は厚労省としては把握していたと思うので、それをもうちょっと早く公表していれば、ここまで広がりはなかったと思うのですが。
大臣:
やり方については、また今後、今回のことも教訓にして検討していけばいいと思います。
記者:
政策仕分けで、総理も今後閣僚の皆さんに指示をしたいという発言がありましたが、今日の閣議や閣僚懇でそのような具体的な指示というのはありましたか。
大臣:
蓮舫大臣の方からは、協力に感謝するというような発言がありましたが、総理からは特に今日はありませんでした。
記者:
厚労省内で、今後、出た結果についてどのように反映するかということは、たくさん項目あるのですが、大臣としてのお考えをお願いします。
大臣:
私としては、野田内閣が総理を先頭に推進していることですので、閣僚の一員としては、重く結果を受け止めたいと思っています。当日、年金給付額の特例の廃止をしていく方向については、私からも、私の見解ということで申し上げましたが、全体に指摘をされたことはしっかりと受け止めて検討していきたいと思っていますし、その場でも申し上げましたが、昨年の事業仕分けを受けて、省内でも事業仕分けをしてきて、先日お伝えしたようにそのフォローアップを今年しているところですが、それは大変省内的にも意義のあることだと思っていますので、また政策仕分けを省内でどのようにやっていけるかということも、昨日私から検討するように指示しています。
記者:
政策仕分けの話で、診療報酬についてですが、当日大臣のぶら下がりでもありましたが、仕分けの結果を重く受け止めるということで、診療報酬についてはどうするか、どの程度お考えなのでしょうか。
大臣:
重く受け止めて検討していくということです。今までもプラス改定にしたいということは一貫して申し上げてきましたけれど、大きくプラスにするということは出来ないので、プラスにしていくという方向性を示すという意味で、そういう発言をしてきましたが、その狙いとしてはご承知のように産科、小児科、そして救急外科というような力を入れなければいけない診療科目にしっかりと支援をしていくということと、地域の偏在を無くしていくということ、勤務医の方の処遇を上げていくこと、その狙いを持って昨年もやってきたわけですが、そうしたことを継続したいという意味なので、それがどういう形で継続しうるかということを仕分けの結果を合わせて考えていきたいということです。
記者:
本体を据え置くという意見も多かったのですが。
大臣:
本体を据え置くと結果的にマイナスになりますから、薬価の方でマイナスが出る分、本体をマイナスにするということがいいのかどうかということも合わせて検討しなければいけないと考えています。
記者:
年金の特例水準について伺いたいのですが、去年は物価スライドを発動せずに、据え置くという案が一時期政府内で浮上したと思うのですが、結局、発動して引き下げることになったのですが、今年は物価スライドについては実施するということでよろしいのでしょうか。その上で特例水準を解消していくということになるのでしょうか。
大臣:
物価スライドについては、昨年は下がった分を全部というのではなくて、その一部を下げたのだと思います。それと、今度の特例水準を解消するということは、また別の話ですから、それはそれで考えていきます。
記者:
今のところ、物価はたぶん0.3%くらい下がっていると思うのですが、この分は来年度は下げるという理解でよろしいのでしょうか。
大臣:
そこは、丸ごと下げるかどうかは、去年は0.7%下がった結果0.4%下回ったので、年金額を0.4%引き下げたということですから、今年下がったその分をどう引き下げるかは、特例水準の解消とは別の次元の話ですから、それはそれできちんと検討したいと思っています。
記者:
食品の放射性物質の新しい規制作りが検討が始まっているのですが、昨日の検討会で4つの食品区分を作るということになったのですが、乳児用食品にベビーフードを含めるかどうかについて大臣の今のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
私は、予算委員会などの委員会で一貫して粉ミルクやベビーフードというふうに申し上げてきています。ただ、聞くところによると部会の中で、乳児用食品が一般食品より厳しい規制となった場合、乳児用食品にベビーフードを含めると、一般家庭で調理した離乳食を乳児に食べさせてはいけないという誤解を生むため、一般用食品でも乳児に十分配慮したものであることを明確に伝えることが必要との意見があったということと、ベビーフードには法令上の定義が無いため法制的な検討が必要であるというような意見があったというふうに聞いています。再三申し上げているように、一般の基準も今回は子どもの方にウェイトを置いてもっと厳しくする方向でやっていますので、一般のもので離乳食をお作りになっても十分に安全です。ただ、安全は確保した上で、よりお子さんにとっての安心を作るために乳児用食品については厳しい規制値を作りたいと思っていますので、ここをどうするかは検討していくことだと思っています。
記者:
昨日、お母さん方にインタビューを取ったのですが、その時にかなり誤解が生じているような印象を受けたのですが、一般食品を使って離乳食を作って食べさせたら、それが乳児にとっては値が高いのではないか、逆に、ベビーフードをそういう形で食べると逆に、ベビーフードしか食べさせないような方が出てこないとも限らない、その辺は非常に丁寧な説明をしないと、ダブルスタンダードになって誤解を生むと思うのですが。
大臣:
おっしゃる通りだと思います。そういう意味で部会の中でも検討があったと聞いていますので、今回の5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに下げ、さらに子どものところを4つに分類を分けて、19歳以上と18歳未満を4つの分類に分けて、その中で一番厳しい規制値をそこの規制値にするという考え方ですので、そこで十分安全は保たれていると思いますから、ベビーフードを入れることが、今言われたようなことがあると、ある意味、逆効果になることがあるのでどういうふうに検討していくかということだと思います。
記者:
子ども・子育て新システムについて伺います。昨日の会議で、私学助成を残すということが案として示されましたが、これについて、委員からは当初の幼・保一体化の目標からかけ離れるという指摘があったのですが、それについて大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
私はそのことについて後退したという報道が強すぎると思います。それは、当然そういうことは想定されていたことなので。再三申し上げているように就学前の全ての子どもに質のいい学校教育と保育をする、今は総合施設と言っていますが、そこの部分を増やしていきたい、それが、私たちの子どもへの構想ですので、そのためには消費税を上げさせていただいて、それを高齢者だけではなくて子どもへの財源という形で使うことを前提に、いわゆる「こども園総合施設」の処遇を改善するとか配置基準を上げるとか、インセンティブをそこに働かせるためには、消費税のアップというのは是非必要だということをご理解いただきたいです。その上で、全部を「こども園総合施設」にするということは、1年間議論した結果、中々無理のある部分もあります。ただ、多くのところをそれにしたいという方向で進んでいること自体は、そのままで何も変わっていません。ただ、3歳未満のところの保育所が残ることと、一部のブランド幼稚園とか宗教法人の幼稚園とかは、幼稚園として残すということを決めたところがあるので、そうしたところについては、私学助成がないとなにも無くなってしまうわけですから、それはするのは私は当たり前のことだと思います。そのことが「こども園総合施設」になることの足を引っ張るとは私は考えていないので、納得していただいて消費税を上げさせていただいた財源、これは0.7兆を税制改正で取りたいと、それで合わせて1兆円分というのを確保していますので、それは、十分にインセンティブを「こども園総合施設」に働かせられる水準だと考えています。このことは、想定されていたことなので、そのことが、全部、幼稚園は幼稚園で残るという話とは全く違う。色々な仕組み作りは、文科省・厚労省・内閣府合わせてしっかりと進めていますので、何ら当初の方針は変わってはいません。これは、私がずっとやってきたことですから、自信を持ってそう申し上げます。
記者:
委員からは再考、是非考え直して欲しいという意見がありましたが、それについては。
大臣:
それは、幼稚園と保育園のガチンコの議論してきたわけですから、そういうことの中で、ちゃんと財源を確保して「こども園総合施設」のインセンティブを高められるということの納得性をどれだけ持っていただけるかということだと思っています。
記者:
年金物価スライドについての確認ですが、去年は基準年との関係で0.4%しか下がっていないのですが、来年は今年下がった分の物価はルールに当てはめれば下げることになると思うのですが、それは、下げるということでよろしいのですか。
大臣:
そのやり方についても今検討してます。
記者:
そこを下げないと、また特例ということになってしまいますが。
大臣:
特例は解消していく方向ですから、合わせてそちらも考えていくことだと思います。

(了)