小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.10.18(火)8:57 ~ 9:07 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今閣議が終わりましたが、今日は私の方からご報告することはありません。

質疑

記者:
まず、BSEについてですが、米国産などの牛肉の輸入規制について緩和する方針だということが報道されていますが、現時点までの検討状況をお聞かせください。
大臣:
BSE対策は、平成13年9月に発生して、10月から全頭検査を行っていますので、ちょうど10年が経過しました。そうしたことから、国内の検査体制、輸入条件など対策全般について、最新の科学的な知見に基づいて再評価を行うことが必要だと考えています。今の時点では、一部報道にあるように、何かの方針を固めたという事実はありません。また、この問題の経緯や現状などについては資料を整理して、今週中に、あらためて事務方から説明させたいと思っています。
記者:
先週から社会保険部会が始まっていますが、来年度の介護職員処遇改善交付金の扱いが焦点になっています。介護報酬に上乗せする案や、健保加入者の負担を増やすなどの案が出ていますが、現時点での大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
これも再三申し上げているように、介護を必要とする高齢者はこれから言うまでもなく増えて行きますし、新成長分野と言うとまた語弊があるかもしれませんが、これから福祉の分野というのは人手が必ず必要になってくるので、雇用を創出するという意味からしても必要だと思っていますので、介護人材の処遇改善についてはしっかりと取り組みたいと思っています。これまで平成21年度に介護報酬を3パーセント引き上げ、介護職員1人あたりの平均月額1万5千円の賃金引き上げに相当する介護職員処遇改善交付金を平成21年10月から交付しまして、介護職員の処遇の改善を図ってきました。そしてご承知のように、介護職員処遇改善交付金が平成23年度末が期限となっているので、平成24年度以降の処遇改善については、介護職員処遇改善交付金を継続していくのか、あるいは来年度の介護報酬の改定で、介護報酬の中に折り込むことにするのか、今年中に結論が出るように、方策や財源を今検討を始めたところなので、しっかりと検討していきたいと思っています。
記者:
ポリオの不活化ワクチンの件ですが、神奈川県では独自に不活化ワクチンを提供する方針だという話があって、自治体ごとに色々な方策を立てていますが、その点に関してのお考えは。
大臣:
神奈川県がそういう取り組みをされているということは承知しています。また、個人輸入でいろいろ個人的にされている方もあると聞いています。ただ、都道府県が未承認のワクチンの接種を勧めることについては、健康被害が生じた際の健康被害救済制度がないということ、それから国民の皆さんの不安を煽って、結果として全国的にも生ポリオワクチンの接種を差し控える方が増えて、免疫を持たない人が増加する恐れがあることなど、予防接種行政上は望ましいことだとは思っていません。先日広報のチラシを皆さんにお配りしたように、一部アジアの国で流行っていることもありまして、私たちは引き続き、可能な限り早く不活化ポリオワクチンを導入できるように取り組みます。しかし、それでもその間は、やはりどうしても導入は来年度末くらいの予定になりますので、その間は引き続き生ポリオワクチンの接種をしていただきたいということを自治体を通して更に周知していきたいと思っています。
記者:
大臣、今日これから茨城県と福島県に視察に行かれますが、視察の目的とこのタイミングになった理由は何かありますか。
大臣:
茨城の方では、子どもの状況を見ると同時に、保護者の方に色々なご不安な点などお話を聞きたいと思っていました。ただ、保育園は当然のことながら親御さんが働いていらっしゃるので、この時間帯はなかなか無理ということもあって、もっと小さい地域にいる子どもたちの施設に行きまして、そこでお子さんをお持ちの方々のお話を聞いてきたいと思っています。それからもう一つは福島県で、これは副大臣の頃からずっと取り組んできました原発作業員の健康問題を中心にJビレッジに行って、色々改善をかなりしてきていますので、その現地を見てきたいと思っています。この時期になったというのは、今週木曜日から臨時国会が始りますと、なかなか外へは出られませんので、ぎりぎりこのタイミングになったということで、今日という日に何か意味があるということではありません。
記者:
TPPの問題なのですが、野田総理がかなり積極的な姿勢を示されている一方で、党内で慎重な方々の声も高まってきていて、特に厚生労働省の所管分野である医療とか雇用の分野について不安視するような声が高まっているように思うのですが、大臣はその点について今どのようにお考えでしょうか。
大臣:
前回の会見の時にも申し上げましたが、厚生労働省関係では、医療、医療保険、食品安全、外国人労働者の問題などがあるということは承知しています。そうした問題については、どういうことが問題になるのかをしっかりチェックしないといけないと思いますが、やはり交渉に参加しないと実際の条件や色々な材料が手に入らない訳です。ですから、交渉には参加して、今枠組みをつくってる訳ですから、そこにも積極的に日本としては加わって、その結果色々検討して、こういう点があるから参加出来ないという判断はもちろんありうべしと思っていますので、参加の是非というかTPPに加わるかという是非の前に、まず交渉に参加するかどうかが重要だと思っています。色々な意味でTPPおばけとか言われていますけれども、こういうことがあるのではないかという仮定の中で色々言うのはあまり生産的な議論ではないと思っています。厚労省の中でも、実際にそれぞれの分野でどういうことが問題になるのか、厚労の分野でも国を開いた方がメリットになるものもあり、これからの、やはり日本の国だけじゃなく全体にこの国も成長をしていかなければ、復興財源も社会保障財源も出てこない訳ですから、そういう意味では、この時代に日本だけが鎖国をしていていいということではないので、しっかりと厚労の分野の問題点については洗い出すと同時に、厚労の分野でもプラスになるものもあるはずだから、そこもしっかりと挙げるように今事務方にも指示していますので、厚労省としてもそこはしっかり検討していきたいと思っています。
記者:
メリット、デメリットを挙げてもらった後に、何か外に対してそういったことを情報発信するということは。
大臣:
情報発信というか、材料がないから、そこの具体的な検討は出来ない訳ですよね。だから、例えば医療保険の制度にしても各国違う訳ですから、それを統一のものにしようとしてやっているのではないと思いますので、交渉に参加することによって、具体的な検討をしていかないと、全部これもだめじゃないか、こういうことがあるから危険じゃないかというようなことを言うのは建設的ではないと私は思っていますので、厚労の中でもそういう具体的な材料をしっかりと挙げたいと思っています。
記者:
でも、そういったメリット、デメリットがあって、医師会などはかなり反対している訳ですけれども、そういったメリット、デメリットがありますよ、ということをまとめたものを外部に情報発信することは。
大臣:
今これから全体に、政府と党の方でも色々と議論している訳ですし、今それをどういう形でどのタイミングでするという風には考えていませんが、私が判断するに際して、しっかりと材料を今揃えたいと思っています。

(了)