細川大臣閣議後記者会見概要

H23.07.26(火)8:38 ~ 8:53 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今、閣議・閣僚懇が終わりまして、こちらに参りました。閣議・閣僚懇の方は特に厚生労働省としてはご報告するようなことはございませんけれども、閣議の前に、犯罪対策の閣僚会議が行われました。そこで、死因究明制度に関するワーキングチームが作られるということが決まりました。これは個人的にはなりますけれども、わたくしは野党時代に、死因究明制度についての責任者となって国会に提案をしたという経緯もありまして、この死因究明制度が制度的にしっかり確立をされるということを、強く望んでいるところであります。死因究明制度と申しますと、たとえば、他人に保険をかけてその人を殺して保険金をとるという、いわゆる保険金殺人のような犯罪は、死因究明制度、司法解剖をしっかりやれば防げるわけですね。あるいは、みなさんも思い出していただきたいと思いますが、時津風部屋で若い弟子がリンチ的に殺された事件がありました。あの事件などについてもしっかり司法解剖をやっていれば、どういう理由で亡くなったかということがわかるわけですね。そういう意味で、死因究明制度というのは、犯罪の防止のためにはどうしても作らなければいけない制度だということです。そしてまた、厚生労働省として、公衆衛生の観点からも死因をしっかり解明するということは大変大事なことだと思っておりまして、死因究明制度が早く閣議決定出来ることを、わたくしとしては強く望んでいるところです。

質疑

記者:
昨日、二次補正予算が成立しました。成立の受け止めと、菅総理の退陣三条件のうち一つの条件がクリアされて、残りは再生エネルギー特別措置法案と公債発行特例法案ということになると思うんですが、この二つの法案につきましても、菅総理のすみやかな退陣のために早期の成立が必要だと大臣はお考えですか。
大臣:
昨日、第二次補正予算の成立をさせて頂きましたけれども、これは被災地の復旧のためには本当によかったということでありまして、早く執行をして、被災地の復旧に全面的に全力で取り組んでいきたいと思っています。あとの法案も、早くぜひ国会の方で審議をさせていただいて、成立をしたいと思っています。
記者:
それは菅総理の早期退陣を求めるということでしょうか。
大臣:
というよりも、法案そのものが大変重要な法案で、早く成立をして頂くことが国民のみなさまのためでもありますし、また国にとっても本当に大事なことでありますから、早く成立をさせていただきたいと思っています。
記者:
子ども手当について伺います。現在民主党が出している所得制限の案に、自民党と公明党は更なる見直しを求めている状況ですが、民主党はさらに譲歩すべきだと大臣はお考えでしょうか。
大臣:
これは前から申し上げておりますとおり、子ども手当については厚生労働省としては法案を提案したいという考え方については従来から変わりはありません。しかし、これは今、大きな政治状況の中で与野党で話し合いをされているところでございますから、それについて具体的にわたくしの方から特にコメントをすることは控えたいと思っています。
記者:
続きまして、肉牛から高濃度の放射性セシウムが検出された件につきまして、各県から全頭検査を国に対して求める声が強まっていると思うんですが、厚労省としては、今後の検査の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これは、やはり食の安全そして安心ということからすると、安全な肉が市場に出るということが大前提でありますから、検査についてはしっかりやっていかなければと思っております。自治体の方から、全頭検査というような決定あるいは要請が、いろいろございますが、まずは自治体で全頭検査に向けての体制を組んでいただくと、そして国としてはそれに対してしっかり協力をして、全頭検査が出来るような各省庁との連携と、自治体ともいろいろお話をしていきたいと思っております。
記者:
厚労省として出荷を再開する際の話として、最初に牛の頭数を限定した上でその牛のすべてを検査して出荷するという計画出荷を検討されていると思うんですが、この計画出荷に関して、地方自治体との連携を含めて、厚労省としてどのように対応していくおつもりでしょうか。
大臣:
全頭検査を自治体の方も強く要求、また全頭検査をやっていきたいことでありますが、検査をする機器の問題、マンパワーの問題があります。従って、スムーズに全頭検査が出来ない場合は、計画的に検査をやっていくことになります。自治体のみなさんが全頭検査の方針でやっていかれるということもありますので、その点についても、計画的にどのようにやっていくのか、自治体のみなさんのお考えと、わたしたちがそれを協力をするという立場で、自治体のみなさんとも話もしていきたいと思います。
記者:
全頭検査が出来ない場合は計画出荷を検討するということなんでしょうか。
大臣:
物理的にすべての牛を検査をするということは、まずちょっと不可能でございます。他の食品などについても検査をしなければいけないということもありまして、全頭検査に向けての協力はいろいろな機関へのお願いもして、厚労省としても最大限の協力もしてまいりたいと思いますけれども、それでもまだ検査機器については不足するということになると思います。検査の出来る頭数が限定されるということになりますと、そこは計画的に検査をしていかなければいけないと思います。
記者:
先ほどの死因究明の関係なのですが、大臣としては死体解剖保存法の改正等にとどめておくべきなのか、野党時代に出されていた旧民主党案のような2法案をイメージされているのかお聞かせ下さい。
大臣:
これについては、ワーキングチームが今日設置されましたので、ここで検討されていくと思いますが、私のイメージとして死因究明のための法律を作り上げていただけたらと思っておりまして、それには、研究会が国家公安委員長のもとにできておりまして、それの成果もありますから、それらを含めて今日結成のチームで検討していくと思いますから、私としては野党時代に提出したようなイメージで死因究明制度が出来たらいいなという希望です。
記者:
全頭検査なのですが、全国一律47都道府県でやるべきか、あるいは検査を希望する産地県のみでやるべきか、また、財源負担の考え方については国が財源を持つかどうか、大臣はどうお考えですか。
大臣:
全国一律で全頭検査ということは、今は考えておりません。やはり汚染された牛が出荷、発見されたところを中心にやっていくということになると思いますが、基本的には自治体の方で、どのような形で取り組むかというのが基本だろうと思います。そこへ国の方としてはしっかり協力体制を組んでいくということになると思います。また、国の方でどういうふうに負担していくかについては、今、関係省庁といろいろ相談しておりまして、近々、農水省の方で結論を出されるのではないかと思っております。
記者:
食品安全委員会が検討している放射性物質の健康への影響、評価なのですが、これに関して近く外部内部含めての数値が示される見通しなのですが、それを受けて規制値の見直しが出来るか否か。
大臣:
まだ、私の方には何も報告が来ておりませんので、何とも言えませんが、結論が出たとしても、国民の皆さんにこういう内容でいかがですかというパブリックコメントなどもして、最終的に報告があるのではないかと思っております。
記者:
全頭検査なのですが、原則として各県から出荷されるものは、各県で行うということを原則にするのでしょうか。例えば、福島は36頭から40頭くらいしかいないので、と畜の機能と全頭検査の出来るものというのはリンクしていると思うのですが、東京などは全国から牛が集まってきますが、そういう点はどうお考えでしょうか。
大臣:
検査体制だと思いますが、先ほども申し上げましたが、検査機器というのが、数が限定されておりまして、急に増やすというのはなかなか難しいところがありますので、今、いろいろなところにあります検査機器については、牛の検査のために使わせていただくような協力要請などでやっていくしかないと思っております。
記者:
そうすると各都道府県で責任を持って全頭検査を行って、検査したもの以外はよその県には出さないということですか。
大臣:
出荷については都道府県がそれぞれの計画にもとづいてなされているところでありまして、国としてそれについての具体的な指示というのは出来ないと思っております。

(了)