細川大臣閣議後記者会見概要

H23.05.10(火) 14:07 ~ 14:31 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議あるいは閣僚懇が予定より延びまして、会見することができなくて申し訳ありませんでした。10時から厚生労働委員会も予定されておりましたから失礼しました。先ほどは福島の浪江町の町長がお見えになって、いろいろご要請を聞いておりましたので、また遅れまして失礼をいたしました。 閣議の方はご報告をすることは特にありません。私の方からお話を申し上げたいと思いますが、例の食中毒の件について、これは大変な事件になっておりまして、亡くなった方が4人、重篤な方もおられるということで、これについてはしっかりと厚生労働省としても対応をしていかなくてはならないということで、今日の朝方に各都道府県に指導の依頼をいたしました。内容的には、前提として今回のような事件が起こったのは法律的なしっかりとした規制がなかった、刑事罰あるいは行政罰がなかったことの反省も踏まえまして、法律によってしっかりと規制をしていく手続きに入りたいと思っています。期間的には9月いっぱいには手続きを終えるということで、10月1日から施行ができるように、そういう目標で手続きを進めていきたいと思っています。その間をどうするかということについては、今回のような事態にならないように、一つはしっかりと消費者に情報を提供するという観点から、生食用食肉を提供する飲食店におきまして、どの施設において適正な生食用の加工を行っているかを店内などで掲示をして消費者の皆さんに知っていただくと、こういうことでございます。もう一つは、営業者間の取引の中で、衛生基準に基づく生食用の加工を行っているかどうかということを取引の文書の中に明示をして、それを取引者間で確認できるような、そういうことをしっかりやってもらうように、そういう依頼を都道府県に出しました。法律で規制をするまでは消費者が焼肉店などで情報をしっかりとわかるようにすること、業者間では文書によって生食用にしっかり加工ができているか明示をする、そういう指示をするようにお願いをしたところでございます。 もう一つは、5月7日に福島第一原発に視察に行ってまいりました。視察の目的は、作業をしている人たちの線量管理がなされているか、あるいは健康管理はどのようになっているかということについて、そこで作業をしている人たち、あるいは会社の人たちからいろいろとお話を聞くということで視察をいたしたところでございます。その中で作業員などからのご要望もありました。一つは被ばく線量の管理についてでございます。下請けを含めて徹底をするように行政として指導をお願いをしたいという要望がございました。また、協力会社も含めて一元的な線量管理がなされるようにという要望もございました。また、被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた場合に5年間放射線業務に就けないという指導基準については、会社側からは作業要員が確保できなくなるので弾力的に運用してほしいという要望がありました。一方では労働者の方からは、そのことによって就業ができなくなる、あるいは休業補償に配慮してほしいというようなお話もありました。健康管理については、被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた方と従事期間が1ヶ月を超えた方に対する健康診断については協力会社にも周知が徹底されておりまして、計画的に実施をするということでありましたが、中小企業の経営者からは、費用負担が大変になるのでそのことも考えてほしいという意見もございました。それから労使双方からの意見でしたが、これから梅雨時、夏に向かって防護服を着て作業をすると、非常に温度が高くなりまして、私も原発の免震棟に行くのに防護服を着ていきましたが、防護服を着て作業をするというのは大変だろうと、しかも湿気があり温度が高くなればなるほど過酷な状況になると実感をいたしました。そういう中で熱中症が心配されます。そういう意味では、働く人からもそのことについて心配もありましたし、東電あるいは協力会社の皆さんもそのことについての対応をしっかりやっていかなければという話がありました。後は、メンタルヘルスにつきましては家族を含めたケアが必要であるということも要望としてございました。作業環境や生活環境につきましては、食事の内容については一定程度改善されているようですが、宿泊環境は未だ十分とはいえない状況であります。福島第二原発にベッドを用意するなどの改善が予定されていること、それから休日の宿泊などについて、旅館等でゆっくりできるということも進めていかなくてはならないということもお話としてございました。それぞれ作業をしている方、あるいは会社側の方とお話をいたしまして、大変厳しい環境の中で仕事をされているということで、そういうなかで放射線の管理、健康管理をしっかりやってもらうという厚労省の方針として、しっかりと取り組んでいきたいと思ったところでございます。割と長い時間作業をされている方、会社の方とも話をしましたので、細かいことについては局長や課長とも皆さんの方でお話を聞いていただけたらと思います。

質疑

記者:
福島の浪江町長との会談ですが、仮設診療所についての要望だったと聞いていますが、どのような要望で大臣としてどのように答えられたのでしょうか。
大臣:
避難先での仮設診療所についてのご要望でした。一つは仮設診療所を設置するのにいろいろな手続きがあってなかなか進まないので、簡略にしてもらいたいということでした。それについては、緊急を要することでありますから、簡略はもちろん、手続き的なものは後回しにしてもよいから診療所を早くつくるという方向で進めてもらって結構だという話もしました。それから費用の件についても、町としては財政的に大変で援助してほしいというお話がありまして、特に医師の確保ということについて、今はボランティアでやってもらっている先生方がおられるけれども、いつまでもボランティアではというお話がございました。それについては「重点分野雇用創造事業」という基金事業がございますが、これが震災対応も新たに項目に入れましたので、そういうところが利用できないか検討をするというお話もさせていただきました。看護師さんも同様でございます。
記者:
静岡の浜岡原発の停止要請に対して中部電力が要請を受け入れました。それについての受け止めと、厚労省として中部電力の関係で何か対応は考えうるところがあるかお伺いします。
大臣:
浜岡原発についてはいろいろご意見がございまして、これについて総理の方で決断をされて停止という要請をされたわけですが、これについて会社の方で要請を受け入れるということになったことについては非常によかったと思っております。中部電力としてはいろいろな電気の供給面などで課題があると思いますので、国としてはいろいろな形で協力もさせていただかなければと思っております。
記者:
厚生労働省としての対応は今後検討されることはありますか。
大臣:
厚生労働省そのものとしてこの問題でそんなに対応はございませんが、供給量が少なくなって東電と同じような電力供給の削減という事態になれば、それはそれで私どもとしては医療機関などの供給については特別な配慮を強く要請させていただくことになろうかと思います。
記者:
長妻前厚労大臣が震災を受けて、消費税増税に慎重な人も含まれるような会で会長として会を開かれましたし、夕方もご自身の持論である日本モデルに関しての会合を開かれます。12日には厚労省案を出し、6月には政府として一体改革案をまとめるという時期で、政府・与党の流れとは別の形の動きが出ているということについて、しかも前大臣で、大臣も副大臣として長妻さんと一緒にお仕事をされましたが、どのように受け止められているかお聞かせください。
大臣:
詳しくはお話を聞いていないのでどういう趣旨の会合かわかりませんが、党の方は党の方で社会保障改革について検討を進めていると聞いております。厚生労働省としては12日に厚生労働省案を説明をすることになっていて、その時はだいたい総論部分ということになっていますが、それはそれで、党の方のこれまでの考え方、あるいは党がこれから出してくるであろう考え方についても総合的に検討をして最終的な政府の案をまとめることになろうかと思います。
記者:
仙谷会長のもとの調査会とは別で、有志という形ですが、正式な手続の流れとは別の形でこの時期に始めたということの受け止めはどうでしょうか。
大臣:
どういう趣旨かよくわからないので、前大臣とお話もさせていただいて、どういう趣旨なのか聞いてみたいと思います。
記者:
先ほど被ばく線量100ミリシーベルト超えた方の労働について、労使双方から弾力的な運用をというお話を受けたとありましたが、一方で健康管理をしっかりするという厚労省の見解ということもあって、そのあたり今後どのようにされていくのでしょうか。
大臣:
厚生労働省としては、4月28日に通達を出したと思いますが、緊急時の被ばく線量については250まであげたということがあります。しかし平常時での作業については5年で100、1年で50ということについては、これは全く変えていないわけであります。したがって、緊急時で100ミリ以上を超えて作業をした方が平常時に作業に就くということになった場合、これは5年間について残りの期間については休んでいただくと、こういう指導をしていきたいと、これは今の状況でやっていきたいと考えています。
記者:
休業補償の点については。
大臣:
これについては、もちろん会社としてはどういうような働き方をしていただくかという決め方によると思います。原発と関係ない仕事に就いた場合は休業補償は関係ないわけですね。技術者で全く他の仕事をせずに休業ということになれば、それはそれの休業補償というのはしっかりと指導をしていきたいと思っています。

(了)