細川大臣閣議後記者会見概要

H23.04.05(火) 10:04 ~ 10:31 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議、閣僚懇談会がございましたが、特に厚労省の関係はございませんでした。明日、私は宮城県の方に現地の視察にまいります。これは、今後、被災者の方の生活がどういう風になっていくかと大変心配だし、生活を支える仕事の問題などが大変重要な我々の仕事になってまいります。そういう意味で、これから就労、雇用の関係に力を入れていかなくてはなりません。そういうこともあって、避難所などでのワンストップサービス、あるいはハローワークの夜間や休日・祭日の開庁、こういうこともやりますが、そういうことについての現地のハローワークの視察、それから避難所の視察、病院関係、それから埋葬関係でいろいろと御遺体の数が多くて、埋葬にご苦労もされていますので、それらの関係の視察もしたいと思っています。明日1日かけて行ってきたいと思っております。 3つくらい私の方からお話をしたいと思います。まず、厚生労働省として「生活支援ニュース」を発行することにいたしました。これは現地の被災された皆さん、取りわけ避難所などで苦労されている皆さん方に届くように、枚数も避難生活をしている方の数以上に刷りまして皆さん方のところに届くようにいたしております。これにつきましては、物資の支援とか、いろいろなボランティアの方とかが支援をされておりますが、それに加えて、私どもとしては確実な情報、生活の支援や復旧復興のために必要な情報というのを確実に迅速に、また簡潔に記載したものをお届けをするという趣旨でこれを発行したところでございます。また、私どもとしてはこれまでいろいろな対策をうってきましたが、これについては皆さん方にもご協力いただきまして本当にありがたいと感謝を申し上げておりますが、しかし、その情報が確実に被災者のお一人お一人にしっかりと届いているかどうかということについては、そのことについて心配もいたしておりました。そういうこともありまして確実に情報が正確に、そして統一的に書いたようなものが被災者の皆さんに届くようにということで、これを発行したところでございます。私どもといたしましては、こういう情報がお一人お一人に確実に届いて、皆さんがこの情報に基づいて安心をしながら、確実に不安な生活から抜け出せていける、その応援のための一つのツールにしていただければと、こういうことで発行をしたところでございます。是非皆さんの方からもこういうものが被災者の皆さんの元に届くということを発信していただければと思っております。 2つ目は、ワンストップサービスの件でございます。これまで被災した3県、岩手、宮城、福島で被災された方々が避難所で生活をされているわけですが、ここは労働局の方は出張をしていろいろと相談を受けるということをやっておりました。しかし、この出張相談が労働局だけではなくて、やはり被災者の皆さんの生活支援に幅広く対応するためには、福祉とか暮らしの相談、あるいは雇用、労働の相談、こういうものを労働局、あるいは社会福祉協議会、あるいは年金事務所、こういうところが一緒になって共同してその相談を受けると、そういうことが被災者の皆さんにとっては一番大事なことだと思いますので、このワンストップサービスを実施をしていきます。 3つ目は、ハローワークの全国ネットに関してであります。ハローワークは全国的なネットで職を失ったときの雇用保険の適用とか求職の世話もしているわけですが、ハローワークの全国的なネットを最大限発揮をいたしまして、震災における被災者の皆さんの求職活動をしっかりと応援していくと、こういうことでございます。そういう中で大事なことは、使用者の側もありますし、労働者の側のニーズもいろいろございます。企業などにいろいろお願いをして是非活用をしてもらいたいのは雇用調整助成金という制度でございます。それから、労働者にとっては今回の災害で、自然災害だから制度を利用することが難しいのではないかと、そういうようなお考えがあったりすれば、それはそうではないということでしっかりと対応していかなくてはと思っておりまして、今後、こういう相談が大変多くなってくると予測がされます。したがって、被災者の皆さんのことを考えると、ハローワークについては、被災3県に対して全国的な応援をするということで、だいたい人数的には3百人くらいを応援に出すということにいたします。それから、その3県については、大変忙しいですから人数的な応援もしますし、ハローワークについては被災3県の太平洋沿岸については平日は夜間も、それから休日・祭日も開庁をして相談に応じるということにいたします。これは各局にすでに指示をいたしたところでございます。被災者の皆さんが生活をしていく糧をしっかりと得られるように、私達としては支援に万全を期したいということでございます。

質疑

記者:
お話がありましたワンストップサービス、休日・祭日のハローワークの開庁ですが、これはいつから開始されるのでしょうか。
大臣:
もう指示を私の方から出しております。実施は指示をしましたからハローワークについては具体的に進むと思いますが、南三陸町では明日から実施をします。
記者:
昨日、茨城県沖のコウナゴから4千ベクレルを超える放射性ヨウ素が検出されました。これについての受け止めと、暫定基準値を検討するという方針を厚労省が示されていますが、いつごろまでに示されるかお伺いできますか。
大臣:
大変高い検査結果が出ております。コウナゴからは4,080ベクレルのヨウ素131が検出されたということで、原子力災害対策本部の方に報告をいたしたところでございます。原子力対策本部の方では、原子力安全委員会に対して魚介類にも放射性ヨウ素の規制について行っていくということでの助言を求めるということになります。その助言に基づいて対策本部の方で方針を決定するということになりますから、それに基づいて私共も暫定規制値ということをやっていくとなりますから、早くやらなくてはいけないと思いますから、近日中に出ると思います。
記者:
震災への対応で民主党と自民党のいわゆる大連立が模索されていますが、連合の古賀会長なども、こういう時には危機克服内閣というようなものをつくるべきだと歓迎するような話をしていますが、大臣としてはこの大連立については目指すべきだと思われますか。
大臣:
今回の震災、津波もありますし原発の事故もあります。かつてない災害で国家の重大な危機でございますから、党派を超えて協力をして危機を乗り越えるということが一番大事だと私は思っております。大連立ということについては、これは私自身がここでというのは差し控えますが、党派を超えて協力をして、この困難を克服していくことは大変重要なことだと考えております。
記者:
ハローワークの応援の件ですが、どういう予定で応援に行くのでしょうか。
大臣:
全国で応援部隊を出すと、これはもう進めておりまして、まず4月4日から始めておりまして、3県に5名ずつ、それから4月11日からさらにプラスして15名ずつ、それから非常勤という形でそれぞれ50名とか、そういうような応援態勢を組んでおりまして、すでに一部始めているところでございます。
記者:
ワンストップサービスについて、展開の規模と年金事務所の方々も応援に来られるということでしょうか。
大臣:
日本年金機構の方からも出していただいてやるということでございます。すでに例えば埼玉のアリーナに双葉町の方々が避難されていましたが、そこなどは出張の相談はいたしましたし、加須でも出張の相談もやったりして、いろいろとハローワークの出張相談はやってきておりましたが、それだけではなくて生活相談もありますし、年金の問題などもありますから、そういうものも含めて総合的にワンストップでやるべきだと、こういう風に考えております。ただ、避難所も多いし、毎日かどうかというのも難しいと思いますので、大小いろいろありますが、大きいところに、例えば「何月何日に相談を受け付けます」ということを大きく掲示をして相談にのるとか、工夫をしながら避難所で生活をしている方々のニーズにしっかりと応えられるようにしていきたいと思っております。
記者:
3県での本格的な実施はいつごろでしょうか。
大臣:
3県だけではなくて、福島の原発の関係などで外に出られたりもしていますから、そういうところも含めてやることになります。
記者:
イレッサの訴訟の控訴期限が明日までですが、結論はまとまりましたでしょうか。
大臣:
最後の詰めをいたしておりまして、近々結論が出ます。今日にでも出ると思います。
記者:
昨日の食品中の放射性物質の暫定基準値についてですが、現状このままでいくという結論でしたが、文言の中に「当分の間」と入っていたのですが、あらためて見直す予定は。
大臣:
これまでに食品衛生法での放射能に関しては規制値がなかったわけですから、今回の震災によって放射能問題が発生しましたので、いわゆる暫定という形で規制値を設定して、これについて食品安全委員会とか、薬食審とか、いろいろなところで検討していただいて、暫定規制値で行くべきだと、こういう評価をいただいたわけですから、とりあえずこの暫定規制値でいくと、こういうことです。暫定でいつまでいくかということについては今後検討をして、正式な形の規制値を検討していかなくてはと思いますが、これについてはいつまでにやるというのは決めておりません。取りあえず暫定規制値で今回の放射能には対応していくということです。
記者:
電力不足の問題が一段落というような感じがあるのですが、夏場に向けまして電力のピークが上がるということで、医薬品メーカですとか医療現場ですとか、そういったところがかなりこの問題に注目していますが、厚労省としてどのようにしていくのでしょうか。
大臣:
この計画停電に関しては、命と健康を守る厚生労働省でありますから、取りわけ医療関係、病院関係などへの送電については例外でお願いをしたいと最初から申し上げておりまして、これについては今もそういうことでお願いをして調整の検討をしていただいているということです。どうなるかというのは全体の関係でわかりませんが、私どもとしては医療関係の送電の方は例外にしていただきたいという主張をずっと続けていくと思います。

(了)