細川大臣閣議後記者会見概要

H22.12.28(火) 11:12 ~ 11:30 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議が終わりまして、そのご報告を申し上げたいと思います。今日は雇用失業情勢について発表がございました。11月の完全失業率は5.1%で前月と同じでございます。有効求人倍率は0.57倍でございまして、こちらは0.01ポイント上回りました。雇用失業情勢は、少しは持ち直しの動きが見られますが、依然として厳しい状況でございます。景気はこのところ足踏み状態ということでありまして、雇用の先行きにつきましても、現在の円高等の経済状況の影響なども含めまして注意が必要だと考えております。予備費、あるいは補正予算での雇用対策を引き続き着実に実行をしていくと、こういうことで23年度の予算案についても雇用対策を計上することによりまして、厳しい雇用失業情勢に対して改善の方向で全力を尽くしていきたいと思っております。 もう一つは、出先機関のアクションプランにつきまして報告がございました。これにつきまして、厚生労働省ではハローワークが取り上げられております。ハローワークについてのアクションプランにつきましては、まずは希望する地方自治体におきまして、国が行います無料職業紹介等を地方と一体的に実施を行っていくと、そして地方自治体への移譲の問題につきましては、一体的な実施を3年程度行いまして、その成果と課題を検討いたしまして、その移譲について検討をすると、こういう内容でございます。厚生労働省としては、この閣議決定の内容に従いまして、ハローワークを利用される方々のニーズをより的確につかみながら、それに細かく応えていくと、そのように取り組んでまいりたいと思っております。

質疑

記者:
昨日、今年最後のB型肝炎の和解協議があったと思いますが、今日から原告団が座り込みを始め、「年内にはまだ時間がある」といったことも言っていますし、年越しも辞さないということですが、こういう状況についてどう思われますか。
大臣:
昨日、裁判所の方から所見が示されるかもしれないという期日でしたが、その所見は示されることがなく、来年の1月11日の期日指定で、そこで裁判所の所見が示されると、こういうことが裁判所の方から示されたところでございます。私もこれまで国会などでも答弁をしてまいりましたが、年内に基本的な合意をしたいと、こういうことも言ってまいりましたし、裁判所での和解協議につきましても、誠心誠意国の方としましても和解が成立するように努力をしてまいりましたが、残念ながら年内には合意に至らなかったというところでございます。したがって、1月11日に示される裁判所の所見について、その所見が示されたならば国としても早急に検討をして結論を出したいと思っているところでございます。
記者:
今日で今年最後になりますが、この1年をふりかえっての大臣の所感と、来年に向けての抱負をお願いします。
大臣:
この1年私としては前の長妻大臣の下で副大臣も務めてまいりましたし、9月からは厚生労働省の責任者として仕事をするようになりまして、この1年は本当に自分としては大変な忙しさと、難しい厚生労働行政、これに私なりにがんばって取り組んできたというのが感想でございます。大臣になりまして、この厚生労働行政は幅が広く、仕事の内容も深くて、そして困難な問題をたくさん抱えている省だということをあらためて強く感じたところでございます。そして、仕事そのものが生まれてから亡くなるまで、人の一生に深く関わった行政ばかりでございまして、この行政がしっかり国民の期待に応えて行われるならば、本当に日本という国は住みやすい良い国になるのではないかと思っております。したがって、大変厳しく難しい行政ではありますが、しかしある意味で大変希望のある行政でもあると思いますので、この1年厳しい仕事ではありましたが、来年も政務三役一丸となって、職員の皆さんと一緒に住みやすい日本、安心して住める日本にしっかりと造り上げていくという来年にしたいと思っております。
記者:
菅総理が昨夜に年明けの内閣改造を検討しているということを明らかにしたのですが、通常国会前に改造が行われるとすると菅改造内閣が発足してからわずかな期間でまた改造ということになりますが、この時期の改造についてどのようにお感じでしょうか。
大臣:
これは総理の専権事項でありますから、私の方からコメントすることはないということでございます。
記者:
子ども手当の対象になりません、親御さんがいなかったり、不明だったりする児童養護施設や里親家庭の子どもを対象にした子ども手当相当の補助金ですが、これが国の補助金から出ておりますので貯金ができないと、使い勝手が悪いという声が施設から出ていますがどう受け止められるかお聞かせ下さい。
大臣:
今は安心子ども基金の方から1万3千円相当を給付しておりますが、来年の子ども手当については法律で子ども手当としてお子さんに支給をする予定となっております。22年度の支給されているお金を貯金ができないということで使い勝手が悪いという指摘でございますが、その点については将来のために貯金をすることについて認めるかどうかについて、それは検討中でございまして早々に結論を出したいと思っています。
記者:
使える方向ででしょうか。
大臣:
その方向で検討はしたいと思っております。
記者:
B型肝炎の件ですが、原告側は次回の期日を待たずに政治決断をしてほしいということで抗議活動を始められるそうですが、政府側としては基本的には11日の和解所見を見た上でというスタンスは変わらないということでしょうか。
大臣:
これまで裁判所に仲介していただいて原告と国のそれぞれの主張を裁判官に伝えて、そして国も譲歩できるところは精一杯誠意を持って譲歩もしてまいりました。そういう意味で裁判所の方は国の考え方や主張、そしてまた原告側の考え方や主張をそれぞれ理解された上で所見を示されるということになると思いますので、私どもとしてもその所見を拝見をして、そして早急に結論を出したいと思っています。
記者:
靖国神社の合祀事務の関係で、先日大阪高裁の方で、国の主張は認めるが、当時の厚生省の協力事務が政教分離に当たるという判断が出たのですが、これについての受け止めと、これまで政府答弁では「あくまで協力していただけ」というスタンスでおられたかと思いますが、それを変更する可能性はありますでしょうか。
大臣:
この裁判につきましては、国の方が靖国神社に情報を提供をしたと、このことも問題になっているわけですが、旧厚生省としましては、旧軍人軍属の身上記録等を保有しておりまして、多様な戦没者についての情報を持っておりまして、昭和61年までは靖国神社を含めまして遺族や戦友会などから調査依頼がありましたならば一般的な調査回答業務の一環として戦没者の身上記録等を回答いたしてきたという経過がございます。いずれにしましても、合祀の決定というのは靖国神社が行っているものでございまして、旧厚生省としては合祀の決定には関与はしていないということでございます。先だっての判決につきましても国が勝訴をしているわけで、基本的には主張が認められたということだと思います。

(了)