細川大臣閣議後記者会見概要
H22.12.10(金) 10:45 ~ 11:07 省内会見室
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 閣議が終わってこちらにまいりました。閣議や閣僚懇での話は特にご報告するようなところはございません。私の方からは2,3点ほど皆さんの方にお話をしておきたいことがございます。 一つは、子ども手当の関係で、昨日、町村会の皆さんと意見交換をいたしました。私と小宮山副大臣、全国町村会の藤原会長、小沢副会長、汐見副会長、古木副会長と子ども手当について意見交換を行いました。私の方からは「厳しい財政状況でございますから、子ども手当の地方負担につきましては従来通り負担をお願いしたい」と、二つ目に「扶養控除の廃止に伴っての増収分については子ども手当としてご負担をお願いしたい」と、こういうお話をさせていただきました。これに対して会長からは、一つは、「子ども手当は全額国庫負担にすべきだ」と、それから「子ども手当の制度設計についてはサービス給付等にかかる国と地方の役割分担等を国と地方と協議をして欲しい」と、こういうことでございます。そして、「税収を特定の経費に充てることを地方に求めることは筋違いではないか」と、こういうことでありました。そして、「子ども手当を学校の給食費の未納、あるいは保育料の未納、こういうところに充てることができるような、そういう法律上の措置を作って欲しい」と、こういうようなご発言がありまして、色々意見交換をいたしましたが、合意に至るというところまではいかないということで終わりました。これからさらに町村会の皆さんとは予算編成に向けて色々と協議をさせていただきたいと思っておりまして、そういうことをお話申し上げて終わったというところでございます。町村会の意見をどの程度取り入れることができるのか、あるいは私どもの考えをどの程度ご理解をいただけるかということが、これからの色々な協議で詰めていくことになるかと思います。ぎりぎりの折衝が続くということになると思います。 次に、明日、総理と一緒に東京キャリアアップハローワークの視察をしてまいります。これは、職がない人達に対して、住居、生活に大変お困りの方々に対しての支援、これがどういう風に行われているのかというようなことを総理と一緒に視察をさせていただきます。新卒者の就職支援の状況についても意見交換を行う予定となっております。そのハローワーク視察の前に総理は近くのコンビニやネットカフェを訪問しまして、11月と12月に集中的に取り組んでおります住居・生活困窮支援の周知・広報の状況を視察されることになっております。 三つめは、大阪のシンワメディカル社を巡ります贈収賄事件で起訴をされております住友被告人でございますが、今週の7日火曜日の初公判で起訴事実を全面的に認めるということでありましたから、私の方から住友被告人に対して懲戒免職の処分をいたしました。具体的な内容については皆さんの方に資料をお配りしたいと思います。この件に関しても、厚生労働省としては再発を防止するということで検討チームで検討をしております。再発防止の実施に向けて早急に検討をしていただきたいと思っていまして、このチームについては今月中に中間のまとめを行うということになっておりまして、まとまりましたら皆さんにもご報告をしたいと思っております。 もう一つは、アジアパラ競技大会の開催についてでございます。2010年アジアパラリンピック競技大会が明後日、現地では12日から8日間の日程で中国の広州で開催をされるということでございます。日本からは223名の選手が出場をすることになっておりまして、十分実力を発揮して立派な成績を期待しております。
質疑
- 記者:
- 小沢元代表について、党の執行部が衆議院の政倫審への出席を求める方針を固めているようですが、これについてどのように思われますでしょうか。
- 大臣:
- 国会の方でどのような形で小沢さんの話を決められるか、それは国会、党のお考えであろうと思うので、私の方からはそれについてのコメントは避けたいと思います。
- 記者:
- 小沢さんに近い議員の皆さんが反発してらっしゃって、党内分裂の危機にあるのではないかという指摘もあるのですが、これについてはいかが思われますでしょうか。
- 大臣:
- そんなことはないようにしっかりと党の方で対応もしていただきたいと思います。
- 記者:
- 今日の午前中に官邸に行かれて玄葉大臣や野田大臣、官房長官と協議をしてらっしゃったようですが、どのようなことを協議されたのでしょうか。
- 大臣:
- 今日の午後に社会保障改革検討本部で社会保障改革に関わります基本方針が取りまとめられるということで、社会保障の関係ですから医療の問題、介護の問題、あるいは年金、そういうようなことで、今どういう状況で進んでいるのか私の方から報告をしたり意見交換をしたということでございます。
- 記者:
- 高齢者医療制度改革についてお伺いしたいのですが、民主党のワーキングチームの方が改革会議でまとめた案について、高齢者の負担増につながるということで、法案の成立がねじれ国会で難しいことも踏まえて法案自体も提出しない方がよいのではないかという意見も出ていますが、これに対してはいかがでしょうか。
- 大臣:
- まだ最終的なとりまとめ、案は出していますが、最終的なとりまとめが行われているわけではありません。次の会議でとりまとめをしていただくことになっていると思います。先立っての会議でも色々なご意見が出まして、最終的にどのような形でのとりまとめをするのかということは、事務局も検討いたしておりまして、最終的にどうなるのか確定したわけではありませんので、したがって、次の会議の最終的な取りまとめと、党で色々なご意見があろうかと思いますので、そういうことも含めて今後検討をしていくことになると思います。
- 記者:
- 先ほど質問のあった今朝の会合とも関係するのですが、来年度の年金額について基準となる消費者物価指数が大変落ち込んでいるという状況があるのですが、大臣としての見通し、来年度の年金額の見通しをどのようにご認識されているのでしょうか。
- 大臣:
- 法律によりますと、物価スライドしていくということになっております。昨年は物価が下落しておりまして法律によるとそれに応じて年金額が下がるということになります。
- 記者:
- 法律ですと平成17年1年間の平均消費者物価と比べてということで、ここ5年間は17年を下回っていないのですが、来年度はかなり下回る見通しです。そうなった場合は、大臣としては法律どおり引き下げるようなお考えでしょうか。
- 大臣:
- 法律ではそうなっておりますから、法律を遵守するということになればそういうことになります。しかし、年金ですから引き下げるということについてはいろいろご意見もあるかも分かりませんので、法律どおりにやると決めたわけではありません。
- 記者:
- そこら辺は一致していないということでしょうか。
- 大臣:
- もちろんそういうことです。
- 記者:
- 昨日、神奈川県の松沢知事が記者会見の場で子ども手当の予算を来年度に盛り込まないということを宣言されたのですが、それについての受け止めと、やはり、現場の市町村や都道府県で混乱が起きつつあるのですが、厚生労働省としては予算を決めていく中で時間がないのですが、今度どういったふうに町村会を含めて短時間で理解を求めていくのかお聞かせください。
- 大臣:
- これまでの記者会見でもお話申し上げたように、私どもとしては地方に負担をしていただくということですから、地方団体に対して理解をしていただくように、私どもの考えを丁寧にご説明して理解していただくということに尽きると思っております。松沢知事がどういう宣言をしたのか詳しく記事を見ておりませんが、松沢知事に対しては、この間会いまして私どもの考え方をお話をしてご理解をいただくようにお願いしたわけですが、そういうことを言われたならば、これからも各地方団体の皆様には誠意を持ってご理解いただくようないろいろな形でお話をさせていただきたいと思っております。
- 記者:
- 高齢者医療制度の関係なのですが、先ほどの大臣のご発言を聞いておりますと何か法案を提出する気持ちが弱まったのかなとも思えたのですが、元々の大方針として来年の通常国会でということだと思いますが、そこに今の段階で変化があったということではないのでしょうか。
- 大臣:
- 高齢者医療制度については、今審議をしていただいている途中です。したがって、それについての結論をいただいておりませんので、最終的な取りまとめをしていただいてから判断をしていきたいと思っております。それはもちろん審議をしていただいている最終的な結論は尊重したいと思っております。
- 記者:
- あくまでも来年の提出を目指してということは変わっていないですか。
- 大臣:
- もちろんそういう気持ちは変わっておりません。
- 記者:
- 今日、毎年恒例の今年の漢字が発表されるのですが、大臣が今年一年を漢字で表すとどのような字になるか教えていただけますでしょうか。
- 大臣:
- 今年一年は私自身は前半は副大臣として長妻大臣に仕えてまいりまして、夏からはこういう立場に立っておりますが、そういう中で私が常に思っていたことは結論からいうと「誠」です。誠心誠意で誠を持って今の難しい社会を変えていくように改革していくようにやっていかなければということでやってきましたから。
- 記者:
- 子ども手当とかまだ問題が山積しておりますが、これから「誠」の一字で地方に対してもお願いしていくということでしょうか。
- 大臣:
- 誠心誠意、私どもの考えをご理解いただけるようにがんばっていくしかないと思います。
(了)