細川大臣閣議後記者会見概要

H22.10.5(火) 10:51 ~ 11:15 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣議と閣僚懇を終えてこちらにまいりました。今日の閣議あるいは閣僚懇で私から報告をすることはございませんでした。

質疑

記者:
検察審査会が小沢元幹事長に対して2度目の起訴相当ということで、強制起訴されることになりますが、検察審査会の判断に対する大臣の所感と、党内では小沢さんに離党を求める声もありますが、大臣は小沢さんにどのような行動を期待されるかお聞かせ下さい。
大臣:
昨日、検察審査会の方で2度目の起訴の議決がされたという報道を受けまして、私の方の所感をということですが、御承知のように日本の国は司法・立法・行政というように三権分立の制度でございますから、この小沢さんの今回の件につきましては司法の具体的な事件でございますから、私としては内閣の一員、行政の一員でございますから、これについては所感を申し上げることは差し控えたいと思います。
記者:
小沢さんに対しては何か求められることはありますか。
大臣:
その点についても行政の一員でありますから、具体的に小沢さんに対してどうこうというのは差し控えたいと思います。
記者:
別件ですが、今臨時国会で雇用・能力開発機構の廃止法案を成立させたいということでしたが、廃止にあたって職員を承継しないということになっていると思います。今臨時国会で雇用が大事な時に、高齢・障害者雇用支援機構で一定程度引き継ぐとしても、公的機関の職員を解雇するという法律をそのまま提出することについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
雇用・能力開発機構の廃止法案は、今のところ内閣の方で提出を予定している法案です。雇用・能力開発機構の中の能力開発の点については高齢・障害者雇用支援機構に引き継ぐことになっていますから、その点で職員の異動ということになります。雇用・能力開発機構は廃止ということで、新たに職員の皆様は高齢・障害者雇用支援機構の公募に応募していただくということで、そこでどのような形で公募で採用していくかについては、当然やる気のある人達をしっかりと受け止めて採用していくことになります。
記者:
希望をすれば高齢・障害者雇用支援機構の方に引き継がれるということでしょうか。
大臣:
色々工夫があると思いますが、やる気があってまじめでしっかりとした人ならば受け付けていくということになります。
記者:
検察審査会について、国民の代表の審査会ですので議決は相当重いものだと思いますが、その点についてどう感じられるかということと、検察審査会の課題や改善点などでお感じになることがあれば教えて下さい。
大臣:
検察審査会は司法の改革によって、国民の良識ある民意を司法の中に取り入れていくということで、検察審査会の改正が行われたわけですね。その民意をより重くするということが、2度目の起訴相当になれば強制的に起訴をしていくという制度でありますから、そのこと自体は評価をしている制度になっていると思います。
記者:
改善点とか「こうした方が良いのではないか」ということで感じられることは何かありますでしょうか。
大臣:
今の制度については、今回で確か4例目です。まだ、制度としては緒に就いたというような状況であろうと思います。多分、検察審査会で強制起訴になって起訴した場合の判決はまだ出ていないと思いますので、これからの状況を見て、改善するところがあれば改善の方向に行くべきだと思います。今はそういうことを検討すべき時期ではないと思います。
記者:
小沢さんの件ですが、臨時国会も始まりましたが、国会審議に与える影響を大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
小沢さんの件で政府から提案する法律案や補正予算案の審議が阻害されるようなことがないようにというのがこちらからの希望でございます。あとは国会のことですので。
記者:
検察審査会で、検察当局が不起訴処分と決めたものを、現職の国会議員を起訴するという制度そのものを大臣としては評価するという認識でよろしいでしょうか。
大臣:
私は、その強制起訴になった方が国会議員であろうと一般の方であろうと関係ないことであって、それは法の下の平等ですから、そこは差があってはいけないと思います。司法の中に国民の良識と言いますか民意を反映させることはそれなりの評価を致しております。
記者:
フィリピンの戦没者の遺骨収集事業についてお伺いしたいのですが、先日の報道で、日本人の遺骨として収集されたものの中にフィリピン人の遺骨が大量に含まれているのではないかという報道をNHKの方でしたのですが、それについての厚労省の対応と、今現在NPOに遺骨収集を委託して行っていると思いますが、NPOに遺骨収集を委託することについての是非について大臣のお考えをお願いします。
大臣:
私自身はその報道についての事実関係については良く存じていませんが、フィリピンの遺骨収集については、委託している団体には適正な収集になるようにということは徹底してまいりたいと考えております。遺骨の収集は大変でありまして、年月が経っていますので難しくなっています。したがって、現地の人達の御協力もいただかなくてはいけないし、そういう現地の人達と連携を取れているいるような団体の皆さんにお願いをするのも一つの方法だと思います。不適切なところがあるかどうか検証をしていかなくてはと思っています。
記者:
自治労共済、厚労省所管の自治労共済をめぐる生協違反の問題でですね、厚労省の職員が内部告発、つまり、公益通報を受けながら、1年4ヶ月放置していたことについて、大臣の所感とですね、今後たぶん再発防止をですね、過去には経産省で原子力発電所のひび割れ問題があったときは、あのときは大臣主導で調査をし、処分にまで発展しましたけれども、どのように対処されているのか、お考えをお聞かせください。
大臣:
公益通報者保護制度という、これはしっかりした法律によって、通報者が保護されなければならないのですけれど、今回の件ではそれがなされていなかったということで、私は大変遺憾に思っておりまして、しっかり私の指示で調査をさせております。そして、再発防止のための予防策もしっかりやりたいと思います。
記者:
処分というのは今後あり得るのでしょうか。
大臣:
これは私の方で調査の指示をしましたので、調査結果を待ってそこで判断するということです。
記者:
有期労働契約についてですが、先日報告書がまとまりましたが、締結事由である「入口規制」をどうするかとか、「出口規制」どうするかということが曖昧なままなのですが、大臣としては「入口規制」は必要だとお考えでしょうか。
大臣:
研究会の報告について「入口規制」、「出口規制」について曖昧な報告になっているわけではありません。いろいろな方法があるということで、いわば並列的な形で出しているということで、それを基に労働政策審議会で審議をしていくということです。私は「入口規制」、それから「出口規制」どちらをして、どちらをしないということではなくて、入口で規制しなければならないものは入口で規制する分はより良いと思いますので、そこは総合的な判断です。
記者:
今日広島の被爆者3人が、原爆症認定却下処分の取り消しを求めて広島地裁に提訴しますが、原爆症認定の問題を巡っては、昨年8月に集団訴訟を受けた確認書で、課題については国と被爆者側の協議で解決していこうということになっていたにもかかわらず、新たなケースに踏み切った背景として、この一年の認定行政が「依然として被爆者に厳しいものではないか」という声があるのですが、今回のケースについての受け止めと、前大臣は認定基準の改正について法改正で対応していくということをおっしゃっているのですが、これでは高齢化した被爆者にとって「長い時間がかかるので間に合わない」という思いもあり、早期の運用改善を求める声も多いのですがその辺についてはいかがでしょうか。
大臣:
原爆関係については、訴訟が提起されたということは具体的な報告を受けていないのでどういう内容になっているか分かりませんのでお答え出来ませんが、今、厚生労働省の方でいろいろ検討しているのは、これまでの被爆者援護法の在り方について、これで十分かどうかということで見直しについて検討しているところです。それと、今回の裁判がどういう関係があるかということについては、ここでは即答出来ませんが、私としては原爆の被爆者についての救済は、誠意を持ってやっていかなければならない問題だと思っておりまして、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
記者:
もう一度確認させていただきたいのですが、先ほどの検察審査会の件で「重いと評価している」ということだったのですが、今回の議決はやはり「重いものだ」と感じていらっしゃるという意味合いでよろしいでしょうか。
大臣:
私が「重い」とどこで申し上げたか覚えておりませんが、検察審査会の方でこれまで法律を変えて、より民意を重く受け止めて司法手続きの中に組み込んだということについては重く評価をしているということです。制度そのものです。
記者:
今回の議決については。
大臣:
ですから、法律に基づいて検察審査会の委員の人達がこの問題について淡々と処理をしてきたということですから、これは特に今回の事件が重たい判断ということではありません。制度そのものは私は尊重しているということです。
記者:
ASEMの首脳会議に出席中の菅総理が、現地で日中首脳会談に臨みました。両首脳でハイレベル会合の協議の再開などについて合意したようですが、悪化している日中の関係改善に向けた一歩と受け止めるのか、大臣の御所見をお願いいたします。
大臣:
日中関係は非常に重要な関係ですから、戦略的互恵関係ということで日中双方がこれに基づいて友好的に発展させていこうということです。尖閣諸島のところで問題が起きましたが、今回ASEMで首脳会談が行われたということは、それはそれで良かったと思います。これが良い方向へいくきっかけとなればこれはまたこれで良いことだと思います。
記者:
先ほど有期労働契約研究会についての質問が出たのですが、前回の記者会見でもその質問や、今国会での労働者派遣法についての質問がありました。特に派遣法の中でみなし雇用規定の問題とか、この法案ですと短期間の雇用の繰り返しであっても、直接雇用と見なされるという抜け穴があるということが、非正規労働者の方からも再三指摘されてきたと思います。そういうことを踏まえて現行の派遣法改正案を見直すとか、労働政策審議会の中には非正規の立場を代表するメンバーが入っていないわけですが、そういった議論をもう一度きちんとし直すということを考えていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
労働者派遣法の改正法案は衆議院の方で継続審議となっております。私どもが御提案した改正案については労働政策審議会でも審議していただいて、そこは労使の代表、公益委員の先生方にも入って検討していただいた結果の内容です。今、国会の中で審議をしていただくという状況ですから、私は国会の審議を待ちたいと思います。政府としては私どもが代表として提案したわけですから、あとは国会の審議を待つということです。
記者:
9月28日に第三国定住難民ということで、タイ・ミャンマー国境から、ミャンマーの難民の方が来日されたのですが、就労支援という形では厚生労働省が窓口になっていると思います。今までの中国の残留帰国者の問題ですとか、インドネシア難民のことなどで厚生労働省はいろいろ就労支援で関わってこられたと思いますが、今回第三国定住のプロジェクトを始めるにあたって、どういうふうに関わっていきたいとか、大臣で何か所感があればお伺いしたいのですが。
大臣:
第三国への定住の難民は初めてだと思いますが、そういう意味でこの人達への就労支援というのは私はしっかりしていかなければと思っております。もう日本に来ておられますが、具体的にここでお話は出来ませんがしっかりやって、国際的にも日本は難民の皆様の救済をしっかりしているということについては、就労支援などを通じて国際的な役割も果たしていきたいと思います。
記者:
それは中国残留帰国者や、インドネシア難民のことを踏まえた上でもう一度きちんと見直すということでしょうか。今、生活保護の受給を受けている方が多いと思いますが。
大臣:
そういうことを含めて検討していくということです。

(了)