加藤大臣会見概要

H30.7.13(金)9:27 ~ 9:43 会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、冒頭ですが、被災地でのボランティア活動について申し上げたいと思います。昨日視察をいたしました広島県三原市の避難所でも、ボランティアの方々が活動されていらっしゃいましたが、明日から3連休ということであります。被災地でボランティアをしようとお考えになっている方も多いのではないかと思います。これまでの災害への対応を振り返ってみても、被災された方の生活の再建を進めていく上では、家屋の後片付けや支援物資の仕分け、避難所運営の支援などボランティアの方々のお力をいただきながら進め、大変大きな後ろ盾となっていたところでございます。また、被災された方にとっても大変心強い支えにもなっていたということであります。今回の災害においても、全国57市町の社会福祉協議会に災害ボランティアセンターが設置されておりまして、多くのボランティアの方々のご支援をお願いしたいと考えております。受入状況は災害ボランティアセンタ-ごとに異なっています。せっかくボランティアをしたいという心を持っていただいても、中には募集をもう締め切っているところもございます。現地に行ってそのことに気づかれたということではせっかくの思いが実現していただけないということですので、そうした方々の思いを無駄にしないためにも、ぜひ全国社会福祉協議会のホームページなどで、まず募集の実施、あるいはすでに募集が終了しているかという状況、さらにホームページには装備あるいは熱中症等への留意点等も載せておりますので、その点をしっかりご確認いただきたいと思います。暑さが大変強くなってきておりますから、ボランティアの皆さんにおいても体調や安全の管理に十分ご留意いただきながら、それぞれの被災地におけるボランティア活動を展開していただきたいと思います。

質疑

記者:
豪雨災害についてお伺いします。発生から一週間になりますが、水道の断水が今も続いている状況です。復旧の見通しや支援についてお伺いしたいのと、DHEATが昨日岡山県に初めて派遣されましたが、今後の派遣の見込みや活動についてお聞かせください。
大臣:
まず、水道ですが、現時点7月12日22時時点で、広島県、岡山県、愛媛県など39事業体が被災し、10府県27市町の合計約20万8千戸において断水の被害が発生しております。一方、現時点で約5万4千戸においては断水が解消しているところであります。それぞれの努力によって徐々に復旧が進んでいるということであります。また、断水が発生している地域に対しては、自衛隊による支援のほか、九州、四国、関西、中部等の水道事業者の給水車が応援に駆けつけていただいており、避難所等での応急給水活動にあたっていただいております。昨日は、全国で123台の給水車が、今日は151台の給水車が活動に当たっていただく予定と聞いております。また、土砂災害により送水停止をしていた愛媛県の宇和島市の一部に供給している浄水場では、仮設浄水設備の設置により送水を再開することを目指し、現在、設計、設備の手配等が進んでおります。また、土砂災害により損傷した広島県の呉市や江田島市への導水トンネルにおいては、昨日、送水が再開され、今後2、3日で両市の給水が開始できる見込みであります。給水が開始できれば、約7万6千戸の断水が解消されることになります。また、冠水により機能停止しております広島県の三原市や尾道市に供給している広島県企業局の取水場、昨日私が視察に行かせていただいたところでありますが、9日に排水作業が完了して以降、点検・清掃・修理を進めており、作業が順調に進めば16日に送水が開始、その後2、3日で給水が開始できる見込みであります。現在、この取水場が止まっていることによって約8万5千世帯において断水が生じているということであります。その他冠水した浄水場については水が引いたところから順次復旧が進み、岡山県矢掛町のようにすでに送水を再開した施設もあるなど、被害の状況に応じて復旧が進み始めていると認識しております。今は生活用水の供給ということでお話をさせていただきましたが、これを次には飲料に適する水をお届けするということが重要になります。被災自治体によって水質検査等をしていく必要がございます。その期間がまちまちになるわけであります。一概に見込みを示すことは難しいのですが、これまでのケースから鑑みると、短くて2日から3日、長い場合には10日程度を要していると認識しております。今後とも復旧に向けて速やかな現地調査や復旧作業が進められるよう、日本水道協会の関係者と連携して適切な応援体制が確保されるよう、厚労省としてもその調整の任に当たりたいと思います。生活用水として、まず水が供給されるということが、再建あるいは浸水した家屋等を清掃するにあたり大変大事なポイントなので、水の供給の目安の見通しをできるだけ公表できるように自治体にも働きかけていきたいと思います。それから、DHEATのお話がありました。DHEATは「災害時健康危機管理支援チーム」の英語の略称ですが、大規模災害が発生した際に被災都道府県以外の自治体の医師、保健師、管理栄養士等の公衆衛生関係職員が被災の都道府県に応援派遣され、食中毒や熱中症対策、栄養対策等、避難所の衛生コントロールを行うことを支援する制度であります。実際現場に行かれることもあると思いますが、主としてはそうしたそれぞれの活動をサポートするという役割を担っております。これは今年の3月に制度化されたもので、今般、長崎県の1チームが制度創設後初めて、昨日から岡山県で具体的に活動を始めたと聞いております。具体的には、倉敷市保健所管内の医療施設の被害状況確認や健康課題へのアセスメント等を行い、今後必要となる対応について専門的な見地から現地保健所職員に対して助言を行っております。広島県からも依頼がありますので、17日から千葉県、東京都、札幌市で3チーム、愛知県、大分県及び熊本市で各1週間交替で1チーム、ですから実質約4チームを派遣する予定にしております。この制度が被災地の健康危機管理に役立つことを期待しております。今後とも被災地による受け入れの要請があれば、受け入れ側と送り出し側の双方の事情にも鑑みて速やかに派遣できるよう進めていきたいと思います。併せて、DPATというものがあります。精神科医師、看護師、臨床心理士等精神医療の専門家の数名のチームが被災地に入っていただいて、被災者の精神医療、メンタル医療等に直接携わって支援するチームであり、岡山に2隊、広島に3隊、愛媛に1隊、これもそれぞれ避難所等を回っていただきながら被災者の方への対応にあたっていただいている状況です。
記者:
人事院が国家公務員の残業上限について年360時間を原則として、最大でも720時間に抑えるということを人事院規則に明記する方針です。現状の国家公務員の働き方について大臣のご所見と、厚労省は特に業務量の多い省庁ですが対応についてお聞かせください。
大臣:
まず、国家公務員の超過勤務の上限等について民間の制度を踏まえ人事院で検討が行われているということは私も承知しているところであります。今回、一連の法律は国家公務員に適用されておりません。しかし、同じく国家公務員においても働き方改革を進め、長時間労働の是正を図っていく必要が当然あると考えております。また、その中でも厚生労働省はまさに法案の提出という官庁でありますし、旗振り役として率先して働き方改革、長時間労働の是正に取り組んでいくべきだと考えています。実際、実態としても他省庁よりも長時間労働であると認識をしております。ただ、この間、いろいろな努力をしてきておりまして、内部打合せ時間の原則30分を徹底することや、部下への作業指示を明確化すること、あるいは国会への対応を含めて省内の業務の効率化等図ってきたところであります。まだまだ退庁時間は20時前後ということで、決して早いとは思えませんが、それでも平成29年の平均退庁時間は、前年よりも16分短縮してきているということで、徐々にではありますが成果も出てきているところでありますので、引き続き、長時間労働の是正を含めて、働き方改革を厚労省から率先して他の範になれるように頑張っていきたいと思います。
記者:
労働分野で過労死大綱が今月中にも閣議決定される予定ですが、一部報道で過労死大綱で看護師の皆様に対して、インターバルを検討するようにということが盛り込まれる内容がありました。検討会議の中では、そのようなことはなかったかと思いますが、現時点での検討状況をお願いいたします。
大臣:
まだ中で検討している段階ですからそれについてのコメントは控えたいと思っております。ただ、今看護師の方のみならず、医療分野におけるインターバル等は医療の検討会議において、そうした議論がなされていると承知をしておりますので、そちらについても来年の3月までに結論を出す方向の中で、しっかり議論していただきたいと思っております。
記者:
子どもの医療費助成について2点お伺いします。厚労省のまとめですと、昨年4月に子どもの医療費助成の対象を中学生以上としている市区町村が通院の場合86%に達しています。まずこれについて、大臣のご所見を伺いたいのと、一方で先月9都県市の市長から助成している自治体への国庫負担金の減額調整措置を廃止するよう要望が出ていると思いますが、現時点で大臣のお考えをお願いいたします。
大臣:
今のは平成29年4月に乳幼児等に係る医療費の援助についての調査を行って、この7月6日に公表させていただいた数値であり、市町村では中学生までの医療を医療費援助の対象としている自治体が、それなりの数にのぼるということでありますし、また高校生までを対象とする市町村が前回は378から474に増加しておりました。年々市町村における医療費助成の対象年齢は拡大する傾向にあるということは認識しております。子どもの医療費に対する国としての対応でありますけれども、医療保険制度において、就学前の子供の医療費自己負担を3割から、一般が3割でありますから、それに対して2割に軽減し、これに加えて自治体独自の助成制度による自己負担の更なる軽減が図られている、それが先ほど申し上げた調査結果に表れています。また自治体の少子化対策の取り組みを支援する観点から、自治体からさまざまなご要望がございましたので、平成30年から未就学児までを対象とする医療費助成については減額調整措置、これは国民健康保険でありますけれども、実施していたものを実施しないということにしたところであります。9都県市首脳会議等からも今申し上げた減額調整措置の全面廃止あるいは子どもの医療費助成制度の国による現物支給等のご要請を頂戴しているところでありますけれども、まず減額調整措置については、今申し上げた今年度から実施をしたということでありますから、まずその推移をしっかりと見守っていきたいと思います。また医療費全体をということでありますけれども、子どもの医療費の助成制度については、全て国の制度として運用していくこと、中には二十歳ぐらいまでやっているところもあります。そういったことも考えますと、厳しい財政事情等を勘案し現時点では課題が多いものと考えております。限られた財源の中で、少子化対策として何に取り組んでいくのか、そういった観点から、また財源の確保ということもあります。そういったこと等も含めて考えていくべき課題だと思います。

(了)