加藤大臣会見概要

H30.6.12(火)10:04 ~ 10:22 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭申し上げることは特にございません。

質疑

記者:
千葉大学医学部附属病院でCTの検査結果の見落としによって適切な治療が行われず、がん患者2人が亡くなったと先日発表しました。この件について大臣の受け止めと再発防止策についてお願いします。
大臣:
千葉大学医学部附属病院において、CT画像の見落としがあったという事案がありましたが、本件が高度な医療を提供する、そして、それにふさわしい医療安全が求められている特定機能病院において発生したということは残念に思います。厚労省としては、本件に関しては保健所設置自治体である千葉市と連携をして、当該医療機関での再発防止に向けた対策が適切に実施されるように指導していきたいと思います。同時に、全国で同様の事案が相次いでいるわけであります。昨年秋に全国の医療機関あてに注意喚起の事務連絡を発出したところでありますけれども、改めて周知を図るとともに、こうした頻発事例の対策等として、どういった対応が考えられるのかについて、我々としても検討していきたいと思います。
記者:
HPVワクチンについてお伺いします。HPVワクチンの積極的な接種勧奨を厚労省が中止してからまもなく5年となります。この接種については、賛成・反対双方に意見が分かれていますけれども、今後の見通しについてお願いいたします。
大臣:
HPVワクチンについては、平成25年6月に積極的勧奨を差し控えるということで、その状態が今も続いているわけであります。今後のHPVワクチンの接種のあり方については、子宮頸がん等の予防対策をどのように進めていくのかという観点、また他方で、接種後に多様な症状が生じている方に寄り添った支援をどう進めていくのかという両方の観点から議論を進めていくことが必要と考えております。厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、こうした観点から審議を進めていただいているところでありますが、昨年12月22日の審議会において、これまでの議論の整理が行われ、このHPVワクチンについてはリスク(安全性)とベネフィット(有効性)の両方をよく理解していただくことが必要である。そのために、国民に対する情報提供を重視すべきとされたことから、HPVワクチンに関するリーフレットを更新させていただき、1月にはホームページにおいても公表させていただいたところであります。厚労省としては、リスクとベネフィット双方の情報提供をしっかりと行いながら、国民の皆さんが接種について判断されるために十分な情報が届いているか等の評価を行うこととしています。また、HPVワクチンの有効性と安全性については国内外の知見を踏まえて引き続き検討を進めるということでありまして、こうした評価等を行いながら、HPVワクチンの接種のあり方については、引き続き審議会のご意見を踏まえ、検討を進めていきたいと思います。
記者:
先程、米朝首脳会談が始まりました。トランプ大統領は、拉致問題について提起すると約束されていますけれども、拉致問題についてどのような成果を期待されますでしょうか。
大臣:
昨日、ご家族からも記者会見がございまして、大変今回の会談に対する期待、同時に懸念、そして、まさにこれが最後の機会ではないかとの様々な思いが聞かれたと承知をしています。先日の日米首脳会談、6月7日、また先日6月11日の日米首脳会談においても、米朝首脳会談に対する方針について綿密な擦り合わせが行われるとともに同会談において拉致問題を提起してもらえるということが再確認されていることであります。拉致問題が前進する、そういう会談となるよう米朝首脳会談が成功するよう強く期待しています。
記者:
働き方改革関連法案についてお伺いします。高度プロフェッショナル制度に関して、厚労省はこれまで12人の専門職の方からニーズの聞き取りを行ったと説明してきましたが、このうち9人は、今年1月31日と2月1日だったことがわかりました。大臣はこれまでの国会審議でも私自身が話を聞いたというふうに答弁されていると思いますけれども、大臣は何人の方からお話を聞いたのでしょうか。
大臣:
私自身は、色々な機会に人と会うたびに、ITの関係の方、コンサルタントの方等々、機会を取って聞かせていただいてるということで、手元で何人という記録を持っているわけではありません。また、それに加えて、今お話があった厚生労働省も聞いていたと、それを踏まえて申し上げたということであります。
記者:
確認ですが、12人は大臣が聞かれたのでしょうか。
大臣:
12人は、私が直接聞いているわけではなくて、厚生労働省の事務方を通じて聞いたというところであります。
記者:
高プロに関する労働者のニーズの把握について、この12人の方を答弁で説明しているわけですけれども、この12人の方の時期は、すでに高プロ導入の骨格が決まった時期で、後付けではないかという批判もありますけれども、この点についてはどのように思われますか。
大臣:
労政審の審議において、別にそれを出しているのではなくて、労政審での審議は国会でも答弁しておりますように、産業競争力会議あるいは日本再興戦略等において議論され、そして労政審でそれがさらに議論され、そして、それを踏まえて働き方改革実現会議においても議論されてきている、そういう中で、最終的な労政審において概ね妥当とされたということをこれまで申し上げてきたわけでありますから、本件の法案そのものはそういう中で出てきたと。ただ、一方で、国会等でニーズを把握しているのかというご質問があったので、こういうニーズもあるということを承知しているということを申し上げたと、こういう経緯であります。
記者:
障害のある子どもが通う放課後等デイサービスについて伺います。4月の報酬改定で、悪質な事業者の対策ということで、改定が行われましたが、これは多くの事業者がその報酬が引き下がって経営が苦しいという声が上がっています。その要因の一つとして、自治体、市区町村によって、子どもの障害の重さというのが判定されて報酬区分が決まるということなのですが、市町村による障害程度の判定が実態とかけ離れて軽く判定されているのではないかという声が相次いでいます。この点について、大臣はどのようにお考えでしょうか。それと、今後の対応を考えておられるかお聞かせください。
大臣:
まず、平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定、これは他の報酬改定もそうですが、それぞれサービスごとの収支等も見ながら全体の改定をさせていただいておりまして、その際に放課後等デイサービスの適切な評価を行うため、障害児の状態像を勘案した指標を設け、各事業所の利用者のうち基準に該当する児童が占める割合に応じた報酬区分を設定するという仕組みを今回新たに入れ込んだところであります。その判断については本来は16項目くらいについてそれぞれの障害児ごとに判定をして、点数が水準より上か下かということを判断しながら、報酬区分が設定されるという仕組みでありますが、今年度末までに限っては、指標の判定に準ずる状態と市町村が認めた場合も判定方法として認めるという措置を取ったところであります。今、ご質問の趣旨はその市町村が認めた場合という、その認定において軽く出ているのではないかというご指摘なのだろうと思います。私どもに対しても各市町村が用いている判定方法が実態に即していないのではないかというご指摘が寄せられております。各市町村の判定方法や事業所の区分判定の状況について、今実態把握を進めているところでありますので、この実態把握の結果を踏まえて、制度の適切な運用が図られるよう、市町村に対し再判定の促しを含め必要な助言を行っていきたいと考えております。今は実態把握をまず精力的に進めさせていただいているところでございます。ただ、いずれにしても今年限りの暫定措置ですから、そんなに時間のある話ではありませんので、可及的速やかに対応していきたいと思います。
記者:
HPVワクチンに関してなのですけれども、国民への情報提供を進めていくということなのですが、保護者の中には接種の判断を迷っている方がおります。知り合いの中でそういう声を聞くのですけれども、さらなる情報提供の必要性に関して、どのようにお考えかを教えていただいてもよろしいでしょうか。
大臣:
今回、先ほど申し上げたHPVワクチンに関するリーフレットを更新させていただいて、今まさにそういった形で情報提供を行っております。ただ、そうした情報提供で、国民の皆様方が子どもさんの接種で、親御さんが判断の主体になると思いますけれども、そうした親御さんが判断するに必要十分な情報が届いているのか、これは引き続き評価をすることになっております。また今お話しいただいた声なども頂戴しながら、さらに改善すべき点があればしっかりと改善したいと思っております。
記者:
高度プロフェッショナル制度に関するヒアリングについてお伺いします。今年の1月31日の参議院予算委員会での加藤大臣の答弁についてなのですが、加藤大臣は働く方の声を色々と聞かせていただきましたとされた上で、先月労働基準局が出したヒアリング概要の一番目に書かれている内容とほぼ同じ内容、研究職の方が1日4時間から5時間の研究を10日やるよりは、2日間集中した方が非常に効率がいいという声を把握しているという答弁をされております。先ほど加藤大臣の答弁で、ヒアリングの内容はご自身が直接聞いたものではないというお話がありましたが、その1月31日の加藤大臣の答弁ですと、大臣は「私が企業等を訪問した中でお聞かせいただいた意見、声でございます」というふうに言われているのですけれども、この答弁は間違いだったということでしょうか。
大臣:
それ全文、読まれましたか、答弁。今、最後におっしゃったところは、どこの部分に書かれておりますか。そこは、たぶん裁量労働制などの流れの中で言っていると思いますけれども。違いますか。
記者:
研究職の方の意見を聞いたという後に、大臣は言われてます。私が企業を訪問した中でお聞かせいただいたご意見、声でございますというふうに。
大臣:
その前に裁量労働制の話をしていませんか、答弁の中で。
記者:
それはそのもっと前です。
大臣:
それを踏まえて話しているので。企業を訪れたのは、裁量労働制に関して、聞かせていただいたというのはありますので、それを踏まえてしゃべっているのだと思います。
記者:
これは、裁量労働制に関しての。
大臣:
私が企業を訪れたのは、ですね。
記者:
裁量労働制に関してのご意見を聞かれるために、企業を訪問されたのですか。
大臣:
行ったことはありますし、その時は記者の方も一緒に同行されたのではないかと記憶をしておりますけれども、そこを指しているということです。
記者:
同じ日の答弁で、また別のお話ですが、「私も色々お話を聞く中で、その方は、自分は高度プロフェッショナルとして、自分のペースで仕事をしていきたいのだと。そういった働き方を是非作って欲しいというご要望をいただきました」というふうにおっしゃってますが、これは。
大臣:
それは私が個人的に聞かせていただいた方の声を、その場で申し上げさせていただいたということであります。
記者:
これは、プロフェッショナル制度についてのヒアリングを加藤大臣が直接行ったのでしょうか。
大臣:
ヒアリングではなくて、先ほど少しご質問があったので、色々な機会に声を聞かせていただいたので。別にこういうヒアリングではなくて、別にそれが目的ではなくて、たまたまコンサルタントをやっている人とお話をする機会があった時にどう思いますかと、機会があればやらせていただいてますから、そういった時の声を紹介させていただいたということであります。
記者:
これはちなみに、いつどういった方のご意見でしょうか。
大臣:
色々な方から聞いたので、私の記憶を一つ一つメモを取って残しているわけではなくて、どういう感じを持っておられるかということを私自身が感じ取りたいと思って、色々な方から聞いたということで、その範囲の中で申し上げさせていただいたということであります。
記者:
先月労働基準局が国会に高度専門職に対するヒアリング概要の12例を提出されましたが、この12例の中で、高度プロフェッショナル制度を要求しているという意見を述べられた方は何人おりますでしょうか。
大臣:
高度プロフェッショナル制度の詳細がすでに出ているわけではありません。国会を通らなければ、業種も具体的には出ていないわけですから。むしろそういう働き方について、どのような思いがありますかということを自由に聞かせていただいた、そういうヒアリングだったと承知をしております。
記者:
このヒアリングは高度プロフェッショナル制度の詳細だとか、具体的な内容は相手に伝えずに行われたのでしょうか。
大臣:
いや、だから決まってないじゃないですか。業種だって決めてないわけです。当然そういう状況の中で、時間と成果が相対的に結び付いていないとしか書いていないわけです。出した法律においては。ですから、そういったことを前提に話をしているわけですから、いずれにしても漠然とした話の中で、そうした仕事の仕組みについてどうですかと、いわば抽象的なのかもしれませんが、別に細かい質問項目を作って、一個一個これはどうですかというふうにやったとは聞いておりません。その方の思いを聞かせていただいた。そういうヒアリングだったと私は聞いておりますけれども。
記者:
抽象的な理解の上でのヒアリングとおっしゃいましたけれども、そういった抽象的な漠然とした内容のヒアリング、わずか12例だけで、この高度プロフェッショナル制度に対する労働者のニーズを十分把握できたというふうにお考えでしょうか。
大臣:
それは、先ほど他の記者の方に申し上げましたけれども、労政審における議論を踏まえて提出させていただいているわけですから、そこにおいては、このニーズをお示ししているわけではありません。一連の流れの中で、それぞれの中に有識者が入られたり、労政審であれば、組合の方が入られたり、あるいは働き方改革実現会議で言えば、連合の会長が入られたり、そういう場を重ねながら、答えを出してきたということであります。たまたまニーズがあるのかというお話があったので、こういうニーズは聞いてますよということで、いくつかそうした事例を紹介させていただいたということであります。
記者:
骨太の原案で少し教えてください。2040年の推計が出て、今後の社会保障の在り方と国民的な議論が必要だという中で、この原案の中で、2020年度にこれまでのレビューをして、今後、給付と負担の在り方を含めて、社会保障の必要な政策をまとめるという表記があったのですけれども、大臣は以前から増税をもって税と社会保障の一体改革がとりあえず終了するとおっしゃられていましたけれども、ポスト一体改革の姿を描くのが、この2020年度という理解になるのでしょうか。
大臣:
とりあえず私ども申し上げてきたのは、来年の秋に消費税が引き上げられるということになって、消費税10%に引き上げることを前提に、税と社会保障の一体改革ということを議論してきたわけであります。そういった意味においては、消費税だけではなくて、それに伴う社会保障の関係の充実を図っていきたい。そういう意味においては、一つの節目を迎えるということであります。その節目を迎えることがもう目の前に見えてきているわけでありますから、それから先についても議論するということでございます。次いつまでにというところは、まずこれから議論していくところであります。

(了)