加藤大臣会見概要
H30.2.27(火)9:29 ~ 9:44 会見室
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- おはようございます。閣議におきまして、3月の「自殺対策強化月間」について関係閣僚にご協力をお願いいたしました。期間中、お手元に配布しておりますが、広く若者一般を主な対象としたSNSによる相談事業等を重点的に行うこととしています。私からは以上です。
質疑
- 記者:
- 旧優生保護法の関係ですが、不妊手術を強制された方たちが全国にいらっしゃるということで、国に一括して調査を求めたり、補償の関係で国にリーダーシップを求める声もありますが、これに関して大臣のお考えをお願いします。
- 大臣:
- それぞれ訴訟を起こされている方がいらっしゃるということ、また報道では各党で様々な議論がなされ、与党内でもそのような議論があるということは承知しております。政府としては、そうした動向を注視していきたいと思っております。
- 記者:
- 裁量労働制を巡るデータの問題についてお伺いします。今日、衆議院で予算案の通過が見送りになりましたが、その受け止めをお願いします。
- 大臣:
- 衆議院における予算委員会の動向について私がコメントするのは差し控えたいと思います。
- 記者:
- 労働時間に関する調査について、野党側から様々な指摘がなされています。一般と裁量労働制でそれぞれ調査をやり直すお考えは今の時点でありますでしょうか。
- 大臣:
- 今は国会でご指摘いただいた点も含めて、今回の平成25年度の労働時間等総合実態調査について精査をさせていただいているところであります。一つは、野党からもご指摘をいただいた点について、これをまず最優先で精査をさせていただいております。また加えて、それ以外にも論理的に見ておかしいものはないだろうかということのチェックを一方でしつつ、当初、私も調査票はないと聞いておりましたから、国会で、ないと承知しているが代わりに電子的なデータがあるということで、電子的なデータを出させていただいたわけでありますが、結果的に調査票そのものがありましたので、調査票と電子データの中身がきちんとあっているかどうかまずチェックをした上で、最初に申し上げた精査をもう一回そのデータでやり直していくといった作業を併行して進めさせていただいているところであります。まずその精査に全力で取り組んで行きたいと思います。
- 記者:
- データの精査について、調査票とデータを突合するという話ですが、1万件全部なのか、怪しいなと思った論理的に変なものだけやるのか、その扱いについて教えてください。また、今回の問題は、国民に対して誤解を答弁等でも与えてしまったということで、意図的ではなかったとしてもそういう誤解を与えたことに対して何らかの処分を考えているのか、教えてください。
- 大臣:
- 1点目については、先ほど申し上げた野党等のご指摘に優先的に取り組んでいくことを考えていますから、まずそれをさせていただいて、最終的には全てのデータをもう一度チェックするということで、今作業を進めているところであります。2点目については、そうしたデータを平成27年の3月だったと記憶しておりますけれども、まず民主党に出したところから始まり、それがベースとなって私も答弁をしたわけですけれども、そこに係る経緯なども含めて、この間のいろいろなことをしっかり検証していく必要があると思いますし、処分するかどうかは、まず検証した上で考えていくべきことと思っております。いずれにしても、本来比べるべきではないデータを比べてお示しをして、その結果において国会、国民の皆様にご迷惑をおかけしたことに対しては、お詫びを申し上げるとともに、しっかりと反省をしていかなければいけないと思っております。
- 記者:
- 裁量労働制について2点伺います。弊社の取材では、今回の労働時間等総合実態調査に当たられた監督官のお話で、実際に調査に当たった時間が1件当たり1時間半程度であったというお話を聞いております。昨日の国会答弁で大臣の方から、都道府県の労働局レベルでは1人日以上で計画、実施されていたというお話でしたけれども、現場の労働基準監督署あるいは個々の監督官レベルで実際どのように行われていたのか、確認されるお考えがありましたらお願いします。また、厚生労働省の人事の責任者として伺います。この間、長時間労働を巡る法改正の動きで、与野党からたくさん注文、ご指摘を受けていまして、担当部局を中心に官僚の方も繁忙になっていると思います。今、担当部局あるいは厚労省全体の繁忙度を大臣としてどのように把握されているのか。あるいは、公務員の方に長時間労働の実態があるとすれば、それに対してどのように取り組まれるのかをお伺いいたします。
- 大臣:
- 1点目でありますが、そういう報道があることは承知しておりますが、一つひとつコメントすることは控えたいと思います。国会で申し上げましたように、都道府県レベルで確認をする中で、基本的に指示は、厚労省から労働局、労働局から各監督署、そして監督署の中において責任者からそれぞれの監督官に対して流れていくわけですけれども、労働局における把握においては、1件について1.0人日がベースとなっていますので、1.0人日は恐らく8時間くらいだと思いますけれども、それをかけて調査をするということ。労働局から聞いている限りにおいては、実績もそうだということをヒアリングしているところでありますが、併せて、監督署においてどうであったのかということについて、確認をしていきたいと思っております。また、今おっしゃった、特に労働基準局を中心に、元々法案作業が続き、さらに国会でのこうした内容、もちろん私どもの問題から生まれているわけでありますけれども、そうしたこともありまして長時間で働いている方もおられますし、疲労が見られる方もおられますので、私の方から官房に対して、他からの応援、例えば統計的なことであれば統計担当局からの応援ということで、全体として職員の方が健康を害さないように配慮を申し上げ、実際そういった対応がされていると承知しているところであります。いずれにしても、国会でも話がありましたけれども、まず隗より始めよということで、霞ヶ関の中でも厚労省は長時間労働の役所ということであり、長時間労働の解消に向けてこれまでも議論されてきていますから、その具体的な対策を一つひとつ着実に実施していきたいと思います。
- 記者:
- 旧優生保護法の関係でお伺いしますが、本日の午前中に北海道の副知事が要請に来られて、実態把握と必要な対策について求めるということですけれども、自治体を含めて実態調査するなどを動きもありますけれども、改めて厚生労働省として実態調査を進めるお考えかあるかも含めて、対策についてどう進められるかお伺いします。
- 大臣:
- まずは今の北海道の要請でありますが、まだいただいていませんので、何とも申し上げられないということであります。これまでも申し上げてきたところでありますけれども、当事者の方からご相談等があれば直接担当者がお話を聞いて対応してきたところでございますので、今後もそういった形で丁寧に対応していきたいと思っております。
- 記者:
- 裁量労働制のデータの件ですが、一万件全部最終的には精査されるということで、時間のメドはいかがでしょうか。
- 大臣:
- それは、だいたいを見ながら必要な人数を投下すべく作業をしているところでございます。今まずは野党からお話があったことを優先的に処理しつつ、電子的に打ち込んだデータがございますから、それに対する分析を進めております。
- 記者:
- 今の質問についてですが、おおまかでも結構ですが、これだけの騒動になっておりますので、大臣の中でもスケジュール感と言いますか、野党の要請に対する調査の出し方と一万件をざっくりでもどのぐらいのスケジュール感で考えていらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。
- 大臣:
- 野党に関しては、できるだけ早くということで進めさせていただいております。ただ、裁量労働制等については、監督指導と違い企業等にもアポイントを取ってそれから先方の都合に合わせてということでありますから、若干時間がかかりますけれども、それをまず優先して処理したいと思っております。それから、トータルとして今お話したような作業がございますので、一定程度時間がかかるのではないかと想定しておりますが、それもできるだけ効率的に進めて、それから人数もできるだけ多く投入することで速やかに精査を終了するようにしていきたいと思っております。ですから、今の段階でいつまでにこれなどの具体的なことを申し上げる状況にはありませんけれども、ただこうした指摘をいただいておりますから、スピード感を持ってできるだけ早期に結果報告をできるようにしていきたいと思っておりますし、そのように指示もしているところであります。
- 記者:
- 今の質問に関連してお伺いしますが、先ほど大臣はまずはデータの精査を優先させていくとおっしゃっておりますが、データの精査が終わった後に改めて裁量労働制で働く人たちの調査をやり直すとか、そういったお考えはあるのでしょうか。それとも、現時点で調査のやり直しそのものはお考えにはないということでしょうか。
- 大臣:
- 「まず」という意味は、今は精査をさせていただいているということで、何かと何かを比較してこっちを先にということではなくて、こういう課題があるのでそれをさせていただくという意味で「まず」という言葉を使ったということでありますので、そこはご理解いただきたいと思いますし、そういった意味でまず精査をさせていただき、その結果を出していくということが大事だと思います。
- 記者:
- 調査のやり直しですとか、そういったことをおやりになる考えは今のところありますでしょうか。
- 大臣:
- 今は思っておりません。
(了)