武見大臣会見概要

(令和6年3月8日(金)9:16~9:23 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 東日本大震災の発生から、この3月11日で13年が経過いたします。改めて、震災でお亡くなりになられました皆様方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様方にも哀悼の意を表したいと思います。この間、被災地の方々の絶え間ないご努力により復興は着実に前進しています。「東北の復興なくして、日本の再生なし」との強い思いの下、被災者の方々の心のケア、医療・介護提供体制の整備、雇用対策等に、引き続きしっかりと取り組んでまいります。あわせて、このたびの能登半島地震における被災者の生活と生業の再建支援に全力を尽くしてまいります。
 麻しんは「はしか」とも呼ばれ、高熱と発しん等の症状を特徴とする感染症です。感染力が非常に強く、先進国であっても1,000人に1人が死亡すると言われていることから注意が必要です。今般、海外では麻しんの流行が報告されており、特にヨーロッパ地域における症例報告数は前年度の30倍以上に増加し、入院を要する重症例や死亡例も確認されています。また来日者数が多い東南アジア地域も、麻しんの症例報告数が多い地域の1つです。海外との渡航の再活発化に伴い、国内での流行にも特に注意が必要な状況です。現に、飛行機で関西国際空港へ到着し入国した方が麻しんに罹患していたことが判明し、その後同じ便で入国した方の感染が判明した事例が複数の自治体から公表されており、今後、更に感染が広がる可能性があることに注意が必要です。国民の皆様方におかれましては、感染予防として予防接種が最も有効なため、定期接種を2回受けていない方で罹患したことがない方は、接種をご検討いただきたいと思います。また、不特定多数の方が集まる場所に感染性のある状態で患者の方が訪問した場合などには、そうした情報が自治体から公表される場合があるため、自治体の発信する情報をよく確認するように心がけていただきたいと思います。麻しんを疑う症状がある場合は、医療機関に電話等で麻しんの疑いがあることを伝え、医療機関からの指示に従うようにしてください。また医療機関へ移動する際は、公共交通機関の利用を可能な限り避けるようお願いいたします。

質疑

記者:
生活保護の利用申請について伺います。2023年の生活保護の利用申請が25万5,079件となり、現在の調査方式になった2013年以降で最多となりました。理由をどのように分析されていますか。また生活に困窮している世帯に対して、今後どのような支援をされていきますか。
大臣:
ご指摘のとおり2023年の各月の生活保護の申請件数を合計すると、速報値を含むものの約25万5,000件となります。申請件数が増加している背景としては、社会全体の世帯数自体が増加傾向にあること、そうした中で、長く続いたコロナ禍や近年の物価上昇などの影響が、国民生活の様々な局面で生じている可能性があるものと考えています。なお生活保護の受給者数については、2015年以降減少傾向で推移しています。いずれにしても、生活保護制度は最後のセーフティネットであることから、保護を必要とする方に確実かつ速やかに保護を利用していただくことが必要と考えています。今後とも自治体と連携を図りつつ、生活保護行政の適正な実施に努めてまいりたいと思います。
記者:
本日3月8日は「国際女性デー」です。男女の賃金格差解消など、厚労省の施策に関する課題も多いと思います。大臣の受け止めや現状認識、今後厚労省が優先して取り組む施策の考え方について教えてください。
大臣:
本日は1975年に国連が定めた「国際女性の日」です。様々な国でイベントが開催され、世界中でジェンダー平等について考える機会となっているものと承知しています。女性活躍の推進については、これまでも厚生労働省において301人以上の企業を対象に男女間賃金差異の公表を義務化するなど、様々な対策を進めてきました。また現在、厚生労働省において「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」を開催し、女性活躍推進等に関する現状や論点、今後の方向性について、専門家の知見も踏まえた検討を進めているところです。厚生労働省としても、引き続き女性活躍の推進に向けた施策の充実を図ります。
記者:
厚生労働省がこの国会に提出予定の育児介護休業法など改正案に含まれる、総務省所管の法律の条文に誤りが見つかり、2012年以降放置されていたという一部報道があります。こちらの事実関係と、この法案の国会提出に向けたスケジュールへの影響を教えてください。
大臣:
今年の通常国会に提出する予定の育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法の一部改正法案について、法案提出前の精査過程において総務省所管の地方公営企業法において過去の改正漏れが判明したことは事実です。育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法の一部改正法案については、現在、内容を精査しつつ法案提出に向けた手続を進めているところであり、引き続き速やかな国会提出を目指すつもりです。

(了)