武見大臣会見概要

(令和5年10月17日(火)10:20~10:33 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
一部薬局で、緊急避妊薬を医師の処方箋なしで販売する調査研究を11月20日にも始めるとの報道があります。具体的に決まっていることがあれば教えてください。また避妊や人工妊娠中絶に関しては、大臣が力を入れるユニバーサルヘルスカバレッジの文脈で近年捉える流れになっています。日本では、緊急避妊薬も先に承認された経口中絶薬も高額でアクセスしにくいとの声もありますが、大臣のご所見をお聞かせください。
大臣:
ご指摘の調査研究では、現在、委託先の日本薬剤師会で準備を進めています。販売開始時期やその際の価格も含めて、具体的な販売方法が決定した事実はまだありません。緊急避妊薬が必要な方に適切なかたちでアクセス可能となるよう、OTC化に向けた調査研究等も含めて引き続き検討することとなっています。ご指摘の緊急避妊薬及び経口中絶薬については、現在、自由診療において医療機関と企業が価格設定をして販売されていると承知しています。
記者:
世論調査について伺います。週末に行った世論調査では、内閣支持率は横ばいで34%でしたが、政府が10月にまとめる物価高対応や賃上げ促進などの経済対策に「期待できない」と答えた人が73%、自分自身や周りの人の賃金が上がった実感は「ない」と答えた人は75%にのぼりました。この数字の受け止めと、改めて今月中にもまとめられる経済対策にどのように臨むか、お考えをお聞かせください。
大臣:
個社の調査の結果について、一言一言お答えすることは差し控えます。しかし、やはり世論調査に表れた国民の皆様の声というものは極めて重要だと思っていますので、それらに対しては真摯に受け止め、対応するということを心がけています。その上で、国民の皆様は今、物価高に苦しんでおり、総理からは、足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策や持続的賃上げなどを柱とする経済対策を、経済財政政策担当大臣を中心に10月末までに取りまとめるよう、指示を受けています。厚生労働省としては、労働者の持続的な賃上げに向けた環境整備、そして医療・介護・障害福祉分野においては、食材料費・光熱水費の負担増や人材不足によるサービス提供体制が危機的事態となっていることへの対応が必要であると認識しています。これらも踏まえて、今後策定される総合経済対策に必要な施策を盛り込んでいきたいと思います。
記者:
大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案についてお伺いします。20日からの臨時国会に提出されるこの改正案では、大麻を原材料とする医療品の施用の解禁と、大麻の施用罪の罰則規定の整備などが盛り込まれているとのことですが、改めてこの法案が成立した場合の医療面での意義と、一部の若者の間で広がる乱用防止にどのような効果が期待できるとお考えか、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
現行法では大麻から製造された医薬品は使用禁止でありますが、改正により欧米で承認された大麻由来医薬品を必要とする日本の患者に使用可能とすることで、アンメット・メディカルニーズ、未だに有効な治療法がない患者の医療ニーズを解消する意義があると考えています。また近年、若者の間で乱用が広がっている大麻については、使用罪がないです。したがって大麻を使用してもよいという誤ったメッセージとなっていた側面があります。このため、他の規制薬物と同様に、大麻の乱用に対して、「施用罪」、これは人に投与すること・使用するという意味ですが、「施用罪」を適用することで、乱用の拡大の歯止めにもつながると考えています。引き続き、この大麻取締法の改正法案の国会への提出に向けて、必要な対応を進めてまいりたいと考えています。
記者:
日本医師連盟との関係について伺います。資金管理団体や政党支部の収支報告書をみると、日医連などから1億円超の寄付やパーティー券購入があります。大臣は以前の会見でも、「医療関係団体の代弁者ではない」とおっしゃっておりましたが、年末の診療報酬改定で、それをどのように具体的に実行していくお考えでしょうか。
大臣:
日本医師会はじめ、医療関係団体から大変に色々なご協力をいただいていることは否定できない事実です。しかし私の立場は、国民の医療をしっかり考えた上での施策を考えるということが私の立場ですので、就任当初から申し上げているように、特定の医療団体の代弁者にはならないという立場に全く変更ありません。その上で、診療報酬改定は、予算編成過程を通じて内閣が改定率を決定し、社会保障審議会において策定された「診療報酬改定の基本方針」に基づき、中央社会保険医療協議会において、具体的な診療報酬点数の設定等に係る審議を行うといった、公的なプロセスを経てしっかり決められていくものです。これを尊重しつつ、私の職責を果たしていこうと考えています。その上で、令和6年度診療報酬改定においては、物価高騰や賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者が必要なサービスを受けられるよう、必要な対応を行っていくべきと考えております。国民の皆様の立場に立って方策を考えるという基本的な立場に全く変更はありません。
記者:
メッセンジャーRNAワクチンの繰り返し接種により、免疫を抑制する免疫グロブリンIgG4が増えることを示した論文が、オープンアクセスの学術サイト『MDPI』で5月に公開されています。IgG4合成の増加は、自己免疫疾患の原因となり、感受性の高い人、免疫不全、合併症がある人においては、がんの増殖や自己免疫性心筋炎を促進する可能性があると指摘されています。日本は7回もの追加接種を行っています。日本国民の多くが、自分の接種回数を増やせば増やすほど安全だと信じていたところ、逆にこのような、回数が増えるほど危険だという情報が出てきたことに対し、不安を抱えているのではないかと思われます。政府は、追加接種と免疫力の低下の関係について包括的な調査を実施していますか。またしていないのであれば、調査をする意思はありますか。
大臣:
ワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、副反応疑い報告制度により、常に情報を収集し、定期的に開催している審議会において評価が行われております。通常の立場からこのようなことが現実に行われております。免疫疾患には限らないものの、接種回数を重ねても、特に副反応疑い報告の頻度は上がっておりません。直近の7月28日の審議会においても、安全性において重大な懸念は認められないと評価されています。今後とも、新型コロナワクチン接種については、科学的な知見の収集に努めるとともに、専門家に評価いただき、ワクチンの安全性の評価を適切に行ってまいりたい。その上で、新たな情報が得られた場合には、速やかに医療機関等に情報提供するなど、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
記者:
日医連からの献金の件ついて伺います。お金をもらっていたといっても手心を加えるつもりはない、公平な観点からみるというお考えだと思いますが、そうは言ってもかなりの額のお金なので、一般の国民からすると、本当にそうかと疑念をもたれることもあるかと思います。例えば具体的に、大臣をお勤めの間だけは献金は辞退するとか、目に見えるかたちでのファイアウォールの築き方を検討されることはありますでしょうか。
大臣:
基本的には、私は今までと同様の立場で対応することを考えておりますし、あらゆる団体について公平な立場で対応しようと考えております。その上で、それぞれの団体を通じた現場の声も、かなり重要な意味をもっているように思います。したがって、そうしたことに関わる私の基本姿勢は今までも一貫しており、その基本的な立場の中で対応していこうと考えております。

(了)