武見大臣会見概要

(令和5年10月3日(火)10:20~10:30 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭は特にございません。

質疑

記者:
先週の医療保険部会で、薬の窓口負担額の見直しについての議論が始まりました。患者の負担額を見直すこととする目的とその方向性、そして今後のスケジュールの見通しについてお聞かせください。
大臣:
創薬力強化に向けて、革新的な医薬品等の開発強化、そして研究開発型のビジネスモデルへの転換促進等を行うために、保険収載時を始めとするイノベーションの適切な評価などの更なる薬価上の措置等を推進する、これが「骨太の方針」の中に入りました。更に医療保険財政の中で、こうしたイノベーションを推進するために、長期収載品等の自己負担の在り方の見直しの検討を進めております。この方針に基づき、社会保障審議会医療保険部会において、その検討が始まったという経緯と承知しています。
記者:
今後のスケジュールについてはいかがでしょうか。
大臣:
今後のスケジュールについては、大体年末にかけて取りまとめを行う方向だと聞いています。
記者:
生活保護費減額に関する広島地裁判決について伺います。昨日の判決で、厚労大臣の判断は生活保護法に違反すると認定され、51人の受給者の減額処分取り消しが認められました。この判決についての大臣の受け止めと、国としての今後の対応についてのお考えを伺います。
大臣:
昨日、広島地裁で判決があり、当時の生活扶助基準の改定について適法であると認められなかった判決については伺っております。ただ、詳細はまだ聞いておりません。これから内容をしっかり精査し、関係省庁や被告の自治体、こうしたところと協議した上で、今後どう対応するかを決めたいと思います。
記者:
第3号被保険者制度について伺います。1日、日曜日の朝のフジテレビの番組で、第3号被保険者制度について言及されました。社会の価値観を変えて納得してもらうプロセスが必要とのご発言もありましたが、次回の年金制度改革に向けての大臣のお考えと、社会の意識を変えるために今後取り組まれることがありましたら教えてください。
大臣:
この点についてはTV番組でも申し上げた通りで、将来の1つの検討課題、選択肢の1つと表現させていただいています。それ以上でも以下でもありません。その中であのような説明ぶりになったとご理解ください。それから、9月21日に社会保障審議会年金部会において議論を開始したということです。したがって、こちらも方向が決まっていないわけで、ここでの議論というものがこれからどう展開されていくのか、それもよく見極めながら最終的に自分の判断を行いたいと思います。
記者:
昨日開催されたこども未来戦略会議に関連してお伺いします。少子化財源として創設される「支援金制度」について、こども家庭庁で具体化を検討することになりますが、社会保険の徴収ルートを活用するとされています。医療や介護、雇用などの社会保険を所管している厚労省としては、どのような方針で臨みますか。
大臣:
こども・子育て政策を強化し、少子化・人口減少の流れに歯止めをかけることは、社会保障の持続可能性を更に高めるという考え方で行われていくものと理解しておりますので、極めて重要な課題であると思います。その上で「支援金制度」については、こども未来戦略方針において、「賦課対象者の広さを考慮しつつ社会保険の賦課・徴収ルートを活用すること」と定められており、昨日の会議でも、加藤大臣からこの方針に沿って制度の具体化を進めていくとの発言がありました。私としても、加藤大臣の発言に沿って対応していきたいと考えております。
記者:
社会保障に関し、28年度までの歳出改革工程表を年末までに策定するという方針も確認されましたが、どのような分野が検討対象になるのか教えてください。
大臣:
具体的にどのような分野を検討するかということも含めて、「全世代型社会保障構築会議」において、「経済財政諮問会議」と連携して検討していくことになります。どういう分野かということも全て含めてこれから議論することになります。
記者:
新型コロナワクチンについて質問です。コロナ禍に突入して以降、厚生労働行政に精通している方が厚生労働大臣のポストに就くことはこれまでありませんでした。武見大臣の手腕に大変期待しております。ワクチンに含まれるメッセンジャーRNAは副反応が多く、実際に死亡者を含め、被害者が出ています。京都大学の福島雅典名誉教授らは、新型コロナワクチンは史上最大の薬害であるとして、批判的研究を行う学会を立ち上げました。武見大臣は、ワクチン推進派だけでなく、こうしたワクチンに批判的な学者・学会に呼びかけ、ヒアリングなどを行い、耳を傾け、対話していく考えはおありでしょうか。
大臣:
基本的に、現在の新型コロナワクチンの意義について、私の立場はそれを否定するものではございません。その上で、この副反応を疑う症状については、副反応疑い報告制度がございます。新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、医師や製造販売業者等から報告があった場合、これを審議会で安全性などを評価した上で必要な対応を行う、すなわちそこでしっかり内容を調査し、議論するということです。そして現時点で審議会において、新型コロナワクチンの接種を見合わせるといった意見はいただいておりません。今後とも、新型コロナワクチン接種については、科学的な知見を収集することに努めるとともに、専門家に評価していただき、科学的なしっかりとしたエビデンスに基づいて、ワクチンの安全性の評価を適切に行うことが基本だと思います。その上で、新たな情報が得られた場合には、速やかに医療機関等に情報提供するなど、必要な対応を行っていくということが私の考えです。
記者:
9月26日の会見の質問に対して、武見大臣は、新型コロナワクチンの特例承認は今年度いっぱいとして、来年度以降は安定的な制度の下で接種を継続することを検討いているとおっしゃいました。安定的な制度とはどのようなものなのか、もう少し具体的にご教授いただきたいです。
大臣:
まさにこれからの検討課題です。平素の医療の体制に戻していくというプロセスで、我々は今までパンデミックを経験し、このような状況に陥ったことはありませんでしたし、それを今度は、ある意味で収束し、そして平時の医療体制に溶け込ませるということも、今まで十分経験したことはありません。そこはこれから慎重に検討し、決めていくことになりますので、今の時点でまだお答えすることはできません。

(了)