加藤大臣会見概要

(令和5年7月11日(火)10:50~10:57 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 まず大雨の被害状況です。6月29日から九州を中心に大雨が発生しております。まずは被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。本日8時現在ですが、厚生労働省が把握している主な被害状況です。水道については大分県の2つの市、中津市と杵築市で現在140戸が断水中で、応急給水で対応しているところです。医療施設については福岡県において6施設で一部浸水が確認されたところです。現時点ではそのうちの5施設では水が既に引き上げたということです。また、うち1か所では停電が続いており、電源車及び自家用発電機での対応を行っております。社会福祉施設については高齢者関係施設8か所で浸水が確認されております。また障害者関係施設では停電・断水が発生しておりますが、停電は既に解消されたとのことです。高齢者関係施設では依然として被害が継続しており、利用者が一部避難をしていると承知しております。大雨により今後被害が拡大する可能性もあることから、引き続き万全の警戒をお願いしたいと思います。また総理からは、自治体とも緊密に連携し、人命第一の方針の下、災害応急対策に全力で取り組むとともに被害の拡大防止の措置を徹底するとの指示がございました。これを踏まえ厚生労働省として今後とも自治体との連携を密に行い、引き続き被害等の状況把握、そして被害に遭われた方々の支援に万全を期してまいりたいと考えております。私からは以上であります。

質疑

記者:
昨日10日に介護保険部会が開かれ、ヤングケアラーなど家族介護者支援に取り組むことが重要と明記した基本指針案が示されました。狙いと今後どのように取り組む考えかお聞かせください。あわせて、介護保険料の見直しなどに関する議論も再開となりました。少子化対策の財源捻出のために歳出改革が求められる中、物価高の状況での介護報酬改定も控えています。どのように制度改正の議論を進めていくかについてもお考えをお聞かせください。
大臣:
ヤングケアラーをはじめ家族介護者について社会全体で支えていくことが必要です。昨日開催された社会保障審議会介護保険部会において、令和6年度からの介護保険事業計画期間における基本指針案に「認知症高齢者の家族、ヤングケアラーなど家族介護者支援に取り組むことが重要」と記載をおこなったところです。これまでも家族介護者支援については様々な施策を講じてきたところですが、今後世代ごとに抱える課題が多様化する中、全世代型社会保障の構築を進める観点から、介護保険制度においてもヤングケアラーを含め、家族における介護の負担軽減のための取組を進めることが重要と認識しているところであります。関係省庁とも連携の上、ヤングケアラーの方々を含め家族介護者を社会全体で支えていくことができる取組を具体的に進めていきたいと考えております。また介護保険料の見直しを含め介護保険制度の給付と負担の見直しについては、介護保険制度の持続可能性を確保する観点から、昨年秋より社会保障審議会介護保険部会でご議論いただいており、本年6月の骨太の方針において「年末までに結論を得る」とされております。引き続き高齢者の生活に与える影響も踏まえながら、介護サービスの利用者が必要なサービスが受けられるよう丁寧な議論を重ねてまいります。令和6年度の介護報酬改定については、既に骨太の方針にも具体的に書かれているところですが、物価高騰等に対するこれまでの支援策の影響、加えて昨今の物価高騰や経営の状況等を注視しつつ、利用者が必要なサービスが受けられるよう必要な対応を図りたいと考えております。
記者:
RSウイルスなどの流行により、医療関係者の間では今の状況をコロナ以上だとするような声も上がっています。新型コロナのようなシステム的なサポートや金銭的な支援などを求める声も上がっていますが、厚生労働省として具体的な支援策などの検討する考えはありますでしょうか。
大臣:
まず小児医療の現場では新型コロナに加えて様々な感染症が出てきております。また今は大変暑い時期でもあり、大変ご苦労いただいていることに感謝申し上げたいと思います。そうした中でRSウイルス感染症やヘルパンギーナの報告数は増加傾向にあります。特にRSウイルス感染症においては新生児や基礎疾患のあるこどもは重症化しやすく注意が必要と認識しておりますが、2歳までにほぼ全員が1回感染するという感染症ですから、これまでもそういうことは続いてきておりますし、現在の感染の動向をみると2021年とほぼ同じような動きを示しているということが現下の状況です。またヘルパンギーナについては初夏から秋にかけて主にこどもで流行が見られる夏風邪の代表的な病気の1つであり、症状としては口の中に水疱ができる、これで少し食事や水をとりにくいことがあるようですが、数日間の発熱が続くといった症状を呈するものと承知しております。大事なことは、そうした病気の実態を皆様がよく理解していただき、その上で病院を受診してよいか判断に迷う場合もあると思いますが、そういった場合や特に休日・夜間にお子様の具合が悪くなった場合には、まずはこども医療電話相談(#8000)、これをご活用いただきたいと思います。また感染状況についてしっかり周知を図るとともに、RSウイルス感染症やヘルパンギーナは接触や飛沫により感染するため、石けんによる手洗いなどの手指衛生を推奨するなどの感染防止対策に努めていただくよう先般も周知を図ったところでありますので、引き続きこうした周知を図りつつ感染状況を注視して参りたいと思います。なおRSウイルス感染症及びヘルパンギーナはいずれも季節性の感染症と同じ5類感染症として位置付けをして対応を図っているところです。
記者:
小児医療をめぐっては年々病院の数も減少傾向にあり、今回のような感染症などが起きた際の脆弱性も指摘されておりますが、今後診療報酬上の見直しなどで対応する考えはありますか。
大臣:
小児に係る診療報酬については、これまでも小児医療の特性や状況を踏まえて必要な評価や見直しを行ってきたところです。今後もそうした観点に立って評価の在り方を中医協で議論していきたいと考えております。

(了)