加藤大臣会見概要

(令和5年6月27日(火)11:20~11:33 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 冒頭2件ございます。まず幹部職員の人事異動です。本日の閣議で局長級以上の幹部職員の人事異動について内閣の承認が得られました。今回の人事異動の内容についてはお配りをしている資料のとおりです。この人事は7月4日付の発令となっております。若干内容について申し上げますと、小林洋司厚生労働審議官が退官しその後任に田中誠二職業安定局長を、福島靖正医務技監が退官しその後任に迫井正深内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室長を登用することとしております。なお大島一博事務次官は留任としております。女性の登用については健康局長に大坪寛子、雇用環境・均等局長に堀井奈津子をそれぞれ登用することとしております。
 2点目です。国民の皆様にマイナンバーで受診していただくことにより、ご自身の薬剤情報や特定健診情報などを活用したより良い医療を受けていただくことが可能となります。こうしたメリットを実感しまた享受していただくために、マイナンバーカードと健康保険証の一体化によるオンライン資格確認の利用を推進していく必要があります。そのためこれまで生じてきた問題点も含め一つ一つの課題を洗い出し、具体的な対応策とそのスケジュールを明確にお示しし確実に実施していくことを通じて国民の皆様のご不安やご懸念の払拭を図り、安心してマイナンバーを健康保険証として活用していただける環境整備を進めていくことが必要と考えております。そのためお手元に配付している資料のとおり私の下にオンライン資格確認利用推進本部を設置し、省を挙げて取り組むこととしております。今週中に第1回の会合を開催することとしております。課題について申し上げれば、新規・既登録データの正確性の確保、何らかの事情によりオンライン資格確認を行うことができない場合の医療費負担の取扱い、顔認証付きカードリーダーの不具合など医療機関等における様々なトラブルへの対応、高齢者施設等でのマイナンバーカード等の取得支援や管理方法、医療機関等におけるオンライン資格確認の利用環境の整備などの課題が挙げられております。この中には既に医療機関や保険者において取組を進めていただいているものもありますが、医療現場等の実情を踏まえ早急に対応が必要なものがあります。推進本部ではこうした課題への対応の進捗状況を把握、確認しながら着実な実行を図ることとしています。また新たな課題への指摘があればしっかりと受け止め、一つ一つ丁寧に解決していきたいと考えております。私からは以上です。

質疑

記者:
発表がありましたオンライン資格確認利用推進本部ですが、改めて設置の意義、狙いについて教えてください。またマイナンバーカード、マイナ保険証をめぐっては報道各社が実施する世論調査で対応が不適切との声も上がっていますが、国民の不安払拭に向けての大臣の意気込みなどがありましたらこちらもあわせてお聞かせください。
大臣:
今申し上げたオンライン資格利用推進、まさに医療DXを進めることによってより良い医療を国民の皆様に享受していただく、また実感していただくことをまさに各国も取り組んできているところであります。そうしたことを実現していくためにもマイナンバーカードと健康保険証の一体化によるオンライン資格確認の利用をしっかり促進していく必要がありますが、ただここに来て間違った紐付けをはじめいろいろな課題が指摘されあるいは問題が出てきているわけですから、その問題に対して具体的にどう対応していくのか、いつ頃までにどうやっていくのか、そういったことをしっかりお示しさせていただくことを通じて国民の皆様が安心して利用できる、そうした環境をぜひ作っていきたいというふうに考えており、これまでも各局単位ではやっておりましたけれども今回省を挙げてこの問題に取り組んでいくということで今申し上げた本部を設置する、そして第1回を今週中にも開きたいというふうに考えております。こうした取組を通じて冒頭申し上げましたように国民の皆様のご懸念やご心配ご不安、こうしたことの払拭を図れるようにまずは努力していきたいと思っています。
記者:
北海道のグループホームで障害者が不妊処置を受けていた問題で、北海道は意思決定支援が不十分だとして運営法人に改善を指導しました。不妊処置を入居の条件などとしたことは確認できなかったとする一方、強制と感じたと証言した人がいたことも判明しました。監査結果の受け止めと障害者の出産や子育て支援について今後の施策の在り方を教えてください。
大臣:
まず本事案については北海道庁において監査が行われました。その結果6月21日に北海道庁が利用者の意思決定支援への十分な配慮や体制整備等について文書による行政指導を行ったものと聞いております。結婚や出産、子育てを含め障害のある方がその希望に応じて地域で安心した生活を送れることは極めて重要であります。このため地域で障害者の希望に基づく生活やこどもの養育を支えるため必要な障害福祉サービスや子育て支援等が確実に行われるよう、障害福祉、母子保健、児童福祉などが各自治体において連携すべきこと等について本年1月に事務連絡を既に発出し依頼したところです。更に厚生労働省としてはこども家庭庁と連携しながら、障害福祉サービス事業者や相談支援事業者に対する意思決定支援に関する研修やガイドラインの周知にまず取り組むとともに、障害者のこどもの養育を支えるための体制に関して調査研究を実施し、そうしたことを通じて障害者の希望に応じた地域生活の実現に向けた取組をしっかり進めていきたいと考えております。
記者:
今回局長級以上の人事異動が発表されたわけですが全体の人事異動の狙い、それからお二人女性を登用されることについてのご見解をお聞かせください。
大臣:
厚生労働省として引き続きコロナへの対応を進めていく、また今マイナンバー等々の話もあります。更には人口構造や社会経済状況の変化にも対応したまさに全世代型社会保障制度の構築に向けた取組をしっかり進めていく必要がある。そして岸田総理も大きな柱として挙げておられます人への投資、また働き方改革、こうしたことの推進それを進めていくために、それぞれの担当する業務において力強くリーダーシップを発揮していただける、そうした人材を配置させていただいたということです。
記者:
新型コロナについてお尋ねします。昨日政府分科会の会長を務めた尾身会長が岸田総理大臣と面会した後に第9波が始まっている可能性があるとお答えになりました。高齢者を中心に6回目のワクチン接種などの対策を行う必要があるという認識を示しましたが、現状での厚生労働省における今後の対策についてお尋ねできますでしょうか。
大臣:
先週行いましたアドバイザリーボードの際にも類似の発言があったというふうに承知しております。そうした尾身会長のみならずその場でいただいた専門家のご意見も踏まえながら、また今足下のデータを定点の観測データだけではなく入院等様々なデータあるいは都道府県ごとにも、相対的に言えば今一番感染状況が厳しいのは沖縄だと思いますが、そういったことも含めて厚生労働省においてしっかり情報収集しながら必要な対策を進めているところでございますし、また各都道府県においても分類の見直し以降まさに移行措置を今着実に進めていただいているところでございます。ワクチンについてもそうしたご指摘もある中でこれまでもワクチン接種をそれぞれの地域でお願いしております。引き続き特に今回は高齢者、基礎的疾患のある方を対象にしておりますので、そうした皆様へのワクチン接種をしっかり呼びかけていきたいと考えています。
記者:
利用推進本部の設置についてお伺いしたいのですが、今オンライン資格確認の課題等についてそれぞれの局で取り組んでいると思うのですが、今回複数の局の対策本部が設置されると思うのですがそのメリット、例えば複数の局にまたがる課題について一緒に取り組みやすくなるとか、課題を一元的に管理できるとかそういうメリットはあるのでしょうか。
大臣:
2つあります。1つは既に総理からご指摘をいただいているマイナンバーに係る様々な紐付けについて現在事項では29分野、うち厚生労働省所管が21、そのうち1つ重複していますが20ございます。既に医療等で進めているものもありますし先般課題となった障害者に係る話もございます。それはそれで既に省内で議論し体制を作って、そしてそれについても改めてまた会議をするなり、ただこれはそれぞれの分野で進めていきますから全体を統合する形の体制を総括審議官の下に専従のメンバーも置いて、これは全体としてしっかり把握していきたい、これはマイナンバーカードと各情報の紐付けの話です。それとは別にこのオンライン資格確認というものをしっかり進めていく必要があるということは先ほど縷々申し上げたところでございますので、それにあたってそれに係る保険局等々関係するセクションの方にしっかりお集まりいただき、また社会保険診療報酬支払基金あるいは国民健康保険中央会こうした皆様にもご参加いただく中で、呼吸を合わせながらしっかりと進めていく、そしてスケジュール感をお示ししその中で一つ一つの課題を解消し、そしてもって国民の皆様の安心を取り戻していくあるいはしっかりご活用いただけるように努力していきたいと考えております。

(了)