加藤大臣会見概要

(令和4年11月11日(金)9:33~9:42 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 厚生労働省では現在、官民交流で66社から86人、任期付採用で148人の外部人材を登用し、適材適所でご活躍いただいております。
 これまでの取組に加え、この度新たな取組として、総合職事務系相当の課長補佐級職員について、経験者採用を開始することとしました。お手元に概要をお配りしておりますが、募集期間は本日11月11日(金)から12月8日(木)までの約1か月間です。その後、書類選考、論文試験、面接試験を経て、令和5年度より採用する予定としています。採用予定数についてはあくまで人物本位の選考となりますが、受験案内では「若干名(5名程度を想定)」とさせていただいております。
 厚生労働行政に強い関心があり、熱意と意欲あふれる方に、ぜひご応募いただきたいと思います。

質疑

記者:
課長補佐級の経験者採用について伺います。民間から優秀な人材を獲得したり、一度辞めた職員に戻ってきてもらったりするには、職場環境の改善も重要になると思います。働き方や働きがいについて感じている課題と、それらを今後どのように改善していくお考えか教えてください。
大臣:
今働いている皆様を含めて、国民の期待に応えていただくためにも、その力を十二分に発揮できる職場環境にしていくことが大事であります。
 これまでも若手からの様々な提言をいただきながら一つ一つ取り組んでまいりましたが、やはりそうした環境を作るにあたっては省内の信頼関係、特に上司と部下との関係のコミュニケーション、こういったことも大事だと思っております。こうした円滑なコミュニケーションを図りながら、職員が自ら成長してキャリアを形成されていく、やりがいを持って仕事ができる、こういう職場にぜひしていきたいと思っております。
記者:
昨日、政府分科会の尾身茂会長が第8波に入りつつあるとの認識を示されました。厚労省は外来医療体制の月内の整備を自治体に求めていますが、感染拡大が先行する可能性も出てきていると思います。体制整備は十分な速度で進んでいるのか、足元で救急や一般医療への影響は出ていないかを含め、保健医療体制について大臣のご認識をお願いします。
大臣:
現在の感染状況を先日のアドバイザリーボードでもご議論いただきました。全国的には病床使用率は上昇傾向、重症病床使用率は低い水準にあるが、今後、新規感染者数のさらなる増加に伴う影響に注意が必要な状況であります。
 また、救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに、全国的に足元で増加傾向が見られます。地域によっては高いレベルのところ、特に北海道、東北等ではみられるところであります。
 各都道府県における体制整備については、これまで発熱外来の強化、健康フォローアップセンターの整備など、取り組んできていただいたところでありますが、さらに11月中に発熱外来や電話診療・オンライン診療体制の強化等、地域の実情を踏まえた必要な体制の整備を進めるべく、今月14日(月)にもそのさらなる強化のための計画案の提出をお願いしているところであります。いわゆる同時流行ということを前提としながらでありますが、各都道府県においては計画案の検討と併せて地域の実情に応じた体制の強化に取り組んでいただいていると承知しております。
 例えば、大阪府では、かかりつけ以外の患者への対応能力の拡充、出張型の臨時の発熱外来の整備、コロナオンライン診療・往診センターの運用などを内容とする体制整備を行っているということが、先日のアドバイザリーボードでもご報告されたところでございます。
 厚生労働省としては、計画案の提出を受けて支援が必要と考えられる都道府県があれば必要な助言等支援をしっかりしていきたいと思います。ただ足元かなり感染が進んでいる地域もありますから、そういった地域とは特に緊密に連絡を取りながら、対応に万全を図っていきたいと考えています。
記者:
新型コロナワクチンの廃棄についてお伺いします。弊社の調査で、東京都の自治体でこれまで廃棄されたワクチンが合わせて100万回分に上るということがわかりました。今後ワクチンの廃棄量を全国で調査を行う考えはありますでしょうか。海外供与など活用法を検討される考えなどはいかがでしょうか。
大臣:
まず自治体において、配送したワクチンが有効期限を迎えた他、使用残量や破損等があった場合には廃棄されることとなりますが、今まさにオミクロン株対応ワクチン接種等をお願いしておりますから、現時点では廃棄された量の調査を行うことは考えておりません。なお、接種事業が終了した際には、全体の配送量とか打っていただいた量とかがわかりますから、そういったところは把握していくことになるだろうと思います。
 それから海外供与についてはこれまでも約4,400万回分の新型コロナワクチンを供与したところであります。今後とも地域のニーズを踏まえて適切な支援を行っていきたいと考えております。
記者:
コロナワクチンについてお伺いします。愛知県愛西市の集団接種会場で5日(土)、新型コロナワクチンを接種した40代女性が接種会場で体調を崩されて、搬送先で亡くなった事案についてです。昨日愛知県の大村知事がこの件については厚労省が医療機関に聞き取り調査をする予定だという趣旨のお話をされました。厚労省の現時点でのこの案件についてのアナフィラキシーの有無など事実関係や受け止め、あるいは調査の予定などお伺いさせていただきたいです。
 また、10日付けで厚労省からもアナフィラキシーの対応についてという通知を再周知されておりますが、この意図などを教えてください。
大臣:
まず個人情報保護の観点から、個別の事例についての回答はこれまでも差し控えさせていただいていますが、ワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、副反応疑い報告制度によって医療機関の医師等から厚生労働省が報告を受けることとなっております。この報告を受けてPMDA((独)医薬品医療機器総合機構)や厚生労働省の審議会において専門家による因果関係等の評価が行われるわけでありますが、厚生労働省としても必要に応じて情報の収集を行っているところであります。
 また今お話がありました、昨日自治体宛てに事務連絡を発出して、アナフィラキシーが生じた場合に適切に対応いただくための体制等については改めて確認いただくよう依頼したところであります。今ワクチン接種について色々お願いしておりますから、このタイミングでそのことを改めて通知させていただいたということでございます。
記者:
政府の全世代型社会保障構築会議が本日(11日)開かれております。前回の会合では、厚生労働行政と深く関わる子ども・子育て支援の充実や医療・介護制度の改革についての論点が示されました。現在の検討状況や、今後の進め方についての大臣のお考えを教えてください。
大臣:
本日開催されている全世代型社会保障構築会議では、かかりつけ医機能等の医療提供体制に関する事項、勤労者皆保険の実現に向けた方向性、非正規雇用の方々を取り巻く課題の解決や、労働移動の円滑化のために必要となる政策等といった点などについて、議論が行われるものと承知しております。
 こうした議論の背景には、現役世代が急速に減少して、雇用やライフスタイルの多様化が進んで、また社会保障制度の担い手が不足していく、逆に言えば担い手を確保していかなければならない、そしてその中で全ての方が希望どおり働く社会を実現していく、そういった観点からさらに論点を整理していかれると思いますので、厚生労働省としても関係大臣とよく連携しながら、具体化に向けた検討を行っていきたいと考えております。

(了)