加藤大臣会見概要

(令和4年10月3日(月)9:56~10:09 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭発言はございません。

質疑

記者:
オミクロン株の対応ワクチンについてお伺いします。BA.1対応ワクチンの接種が開始されていますが、この出だしの接種の伸びというのは順調との認識でしょうか。今後、一日の接種回数がピークを迎えるのはいつ頃と想定されていますでしょうか。またBA.4/5対応ワクチンの承認の議論も目前に控えています。こちらのワクチンを待ちたいとの意見も出てくると思いますが、大臣の見解を教えていただければと思います。
大臣:
まずオミクロン対応ワクチンでありますが、前回の接種から5か月以上空けて1回接種をするということで、9月の末からスタートしているところでございます。
 先週お話をさせていただいたと思いますが、まだこれから人数が増えていく状況だということで、というのは、全ての自治体で開始されるようになったのは月末ぐらいからになりますから、これからスピードが上がっていくものと考えております。もっとも、過去2年、いずれも年末年始に流行していたわけでありますので、希望するすべての対象者が本年中にワクチン接種を受けられるよう、10月から11月にかけて、1日100万回というペースで接種体制を整備する必要があると思っております。
 他方で接種間隔でありますが、先ほど申し上げたように5か月ということで今スタートしておりますが、薬事・食品衛生審議会において、接種間隔を短縮する方向で議論をしていただいておりまして、10月下旬までに結論を得ることとしているところであります。引き続き自治体と連携して、そうした切り替えがあったとしても、円滑に接種が進むように連携をしていきたいと思っております。
 それから、打ち控えの話でありますが、まずBA.1は今申し上げたように既に接種が始まっているところであります。BA.4/5対応ワクチンについては、9月13日に薬事承認申請がされ、10月5日、今週の水曜日の薬事・食品衛生審議会で承認に関する議論が行われるというのが今の状況であります。
 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会では、現在流行しているオミクロン株の中での亜系統間の抗原性の差、要するにBA.1とBA.4/5との差は、従来株とオミクロン株ほど大きくないということが示唆されています。いずれにしても、オミクロン株の種類にかかわらず、オミクロン株成分を含むことで、従来株を上回る重症化予防効果等があること、また、ウイルスが今後変異する可能性がある中で、今後の変異株に対してもより効果が高いことが期待されているところであります。
 また、諸外国を見ても、米国ではBA.4/5 の接種でありますが、英国、カナダはBA.1ということで、対応もそれぞれまちまちとなっているのが今の状況でありますので、ぜひ接種対象者の方においては、タイミングに応じて接種可能なオミクロン株対応ワクチンを打っていただくことが望ましいのではないかと考えております。
記者:
新型コロナの全数届出の見直しによって、新規感染者の数を厚労省がホームページにアップするようになったかと思います。一部の自治体でズレが出ている状況だと思うのですが、例えば鳥取県は、国の方では前日の数字がアップされて、鳥取県は新しい数をその日に出しているという状況になっています。今後、感染状況の動向を把握するのに影響はないのか教えてください。
大臣:
まず、全数届出見直しが9月27日からスタートして、前日24時時点に医療機関等がHER-SYSに入力した陽性者数を、次の日に厚生労働省が集計して公表するということであります。
 実はそれ以前は、医療機関からの発生届を翌日に自治体が集計・公表し、更にその翌日に厚生労働省が自治体公表値を集計・公表してきたわけです。したがって医療機関で確認されてから2日後に集計されていたのに対して、今回の運用変更によって、医療機関等のHER-SYS入力値、これは確認された当日すぐ行われますが、その翌日に厚労省が直接集計・公表することが可能となったため、実際の発表時期が1日前倒しになったということがございます。
 その上で、ご指摘の鳥取県は、県庁が医療機関からの陽性者の総数報告を翌日に一括してHER-SYSに入力しているため、厚労省の集計・公表に表れるのは更にその翌日となっています。それ以外の都道府県においては、当日にHER-SYSに入力していますから、翌日に公表できている。だから翌日と翌々日の差があるわけで、鳥取県の値は1日遅れる状況となっていましたが、鳥取県からは他県と同じ運用へ変更するとの連絡を受けたところでありますので、今後、揃ってくるということでございます。
記者:
岸田首相が9月30日に経済対策の策定を指示したことを受け、厚労省として経済対策やその裏付けとなる補正予算に盛り込むことを検討している施策、あるいはその分野について、お考えをお聞かせください。
大臣:
まず、総合経済対策の策定は9月30日の閣議で、具体的な施策の検討を進め、10月末を目途に総合経済対策をとりまとめるという指示があったところであります。
 私ども厚労省の関係では、総理から構造的な賃上げに向けた人への投資の抜本的な強化と成長分野への労働移動の推進、Withコロナの下での感染症対策の強化、こどもの安全対策等の幅広い分野について指示があったところでありますので、現在その指示を含めて、今様々な課題がありますので、それに対応すべく中身を詰めているところであります。
記者:
今月から、75歳以上の医療費の窓口負担が一部の人は2割に引き上げられまして、また、短時間労働者の厚生年金の加入要件も緩和されましたが、政府としてこうした取り組みを進めていくことの改めての狙いと、今も全世代型社会保障の構築に向けて議論が進んでいると思いますが、今後の社会保障のあり方について、どのようにお考えかお聞かせください。
大臣:
まず、一つは先日も申し上げましたが、高齢者人口は2040年頃をピークに増え続けていくということで、特に今後3年間でいわゆる団塊の世代の方が後期高齢者の年代になっていくということであります。すなわち高齢者人口が増加し、そしていわゆる現役世代の人口が減少する。そうした中で、同世代の負担する高齢者医療制度の支援金の増加が見込まれるわけであります。負担能力に応じて、すべての世代で増加する医療費を公平に支払う仕組みの構築に向けて、見直しを図っていくことが必要だと考えております。
 その一環として、10月1日から高齢者の負担能力や生活状況を踏まえた上で、 後期高齢者のうち所得上位30パーセントに相当する課税所得28万円以上で、かつ単身者の場合に年収200万円以上、夫婦の場合には年収合計320万以上の方に限って、窓口2割負担とする形で見直しを行ったところであります。これまでは3割負担の制度がありまして、これは全体の7パーセントくらいの方がそれに該当していました。今回の新たな見直しで、拡大が新たに2割、要するに2割負担の層が約20パーセントと想定しているところであります。
 また、必要な受診が抑制されないよう配慮措置も今回講じておりまして、2割負担によって影響が大きい外来患者については、施行後3年間、一月(ひとつき)分の負担増を最大でも3,000円に抑えることにしております。更に2割負担の対象となる方で、高額療養費の口座が登録されていない方には、施行に際して申請書を郵送する等、対象となる方に配慮措置が確実に行き渡るよう取り組んでいるところであります。すなわち事前に口座を登録していただくことによって、払い戻しをした場合に初回申請なくして、その口座に自動的に振り込まれていくことになるわけであります。
 また、加入要件の拡大の話もありました。これは、まさに総理の仰る勤労者皆保険という制度に向けて今回拡大をし、更に今後も拡大するという方向は示されているところでありますが、今回の措置の影響等を踏まえながらしっかりと議論をしていきたいと思っておりますが、こういった意味で、いわゆる幅広いセーフティネットの拡大をしっかり図っていくことが大事だと思います。
記者:
今月6日、世界脳性まひの日となります。脳性麻痺の方々に対して、厚生労働省は何を取り組んでいくべきでしょうか。また、日本でも世界脳性まひの日にイベントが行われると聞いていますが、それについてのご所見をお願いします。
大臣:
脳性麻痺の方への支援ということでありますが、障害のある方に関して、脳性麻痺である方も含めてそれぞれのニーズに応じた障害福祉サービスを提供していくということ、また、特に分娩に関連して発症した重度脳性麻痺のお子さんやその家族に対しては、産科医療補償制度によって補償金の給付を行い、経済的な負担を補償するといった制度も設けているところであります。そうした制度や対応を含めて、しっかりと支援を進めていきたいと考えておりますし、お尋ねのようなイベント等様々な機会を通じて、脳性麻痺の方、あるいは障害者の方に対する理解が進むことは大変ありがたいことであります。厚労省としては、先ほど申し上げたように、引き続き、脳性麻痺の方、更には障害者の方への支援、これを着実に進めていきたいと考えています。

(了)