加藤大臣会見概要

(令和4年8月15日(月)15:20~15:35 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭発言はございません。

質疑

記者:
新型コロナウイルスの感染状況についてお伺いいたします。3年振りに新型コロナ対策による行動制限がないままお盆に入り、人出も多くなってきています。人の動きが感染状況に与える影響についてどうお考えでしょうか。また、1週間の移動平均の前週比が1を下回るなど、感染は減少傾向にあります。ピークアウトしたかどうかも含めて現状の感染状況に関する大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
まずは直近の感染状況を数字で申し上げますと、全国の感染者数は昨日(14日)は178,329人、1週間の移動平均では195,945人ということで、1週間の移動平均の前週比は0.91、この3日間前週を下回るという状況にはなっています。
 他方で、さはさりながら、全国的には大変高いレベルでの感染が継続をしているということであります。いまご質問ありましたように、数字の中にはお盆の影響、あるいはこれからにおいて、このお盆の人の動きがどうなってくるのか、あるいはこれから、いま学校が夏季の休暇に入っておりますが、これがまた再開されていく、そうした動き、それがこれからの感染状況にどうなっていくのか、これはしっかりと見ていかなければいけないと思います。
 他方、その中で病床使用率、これは全国的に見ても上昇していますし、重症者数、死亡者数も増加傾向が続いているというような現下の状況であります。また、お盆の時期、もうお盆も終わろうとしているわけでありますが、医療体制等も懸念がされたところであります。お盆のあとにおいてもそうでありますが、発熱外来の体制をしっかり確保していくこと、あるいは診療検査が可能な施設名を公表したり、臨時の発熱外来の開設等、適宜心配な皆様方がかかれるような状況を作っていく、これに発熱外来がひっ迫するということもありますから、今は発熱外来の自己検査体制ということもお願いをしているところでありますが、それを進めるにあたっては、後で質問があるかも知れませんが、簡易検査キット、これをしっかり供給することも必要であります。
 こういったひとつひとつの施策を具体的にスピード感を持って、進めていきたいと思っておりますし、国民の皆様には引き続き換気には十分留意していただくことをはじめとして、三密の回避をはじめ基本的な感染対策、こうしたことはしっかり徹底をしていただきたいと思いますが、しかし他方で今日も大変暑い日となっております。熱中症にかかる方もでてきている訳でありますから、その辺は適宜マスクの着用も状況を踏まえながら、対応していただきたいと思います。また外を歩くときは、基本的に距離があればマスクを外していただくことが大事だと思います。
記者:
先ほどの質問に少し重なる部分はあるのですが、新型コロナウイルスと病床使用率についてお伺いします。各地の使用率は高い水準にあるほか、医療スタッフに感染者や濃厚接触者が出ている現場のひっ迫度は数字よりも深刻との指摘もあります。大臣の受け止めや、医療体制のさらなる強化の必要性などについて見解を教えてください。
大臣:
新規感染者数が大変高い水準になり、それに従って入院収容率も高くなっていると先ほど申し上げたところです。一方で感染されるのは病院の関係者等も感染がでてきている訳でありますから、需要が増えて供給が十分に確保できない、よりひっ迫しやすいという状況に引き続きあるという認識をしております。そうした中で、まず各都道府県ごとに、病床確保数というものをそれぞれお示しいただいて、これも努力をしていただいている訳であります。より状況に応じてレベルアップをしていく、これをいま進めていただいたり、あるいは臨時の医療施設等の再開をされているところもあると承知をしておりますが、そうした努力をしていただく一方で、いかに負荷を減らすかという意味において先ほど申し上げた発熱外来自己検査体制、またそれを支えるための検査キットの十分な供給を進めていく必要があると思いますし、また中にはこれも7月の終わりに各経済団体にもお願いをしましたが、会社に(検査結果を)申告をするために、検査結果を必要だから受診するということはある意味では発熱外来等の負荷を高めるので、そういったものは是非求めないようにして欲しいということもお願いをさせていただいたところであります。
 また、医療従事者の皆様等へのワクチンの4回目接種、これもいまお願いをしているところでありますが、これをしっかり進めていくということと、あわせて濃厚接触者の待機期間の短縮等にもこれまで取り組んできたところでもありますし、また、各施設においても様々な個人防護具を着けて診療等にあたっていただいておりますが、状況に応じたいろいろな対応の仕方がありますので、その辺りも踏まえながらできる限り負荷がかからない体制をとっていただきたいと思いますし、また救急医療、特にマスコミ等においてもひっ迫ぶりが報道されているところでもあります。もちろん、いざというときに救急医療にかかっていただくことは非常に大事なことでありますが、日本感染症学会はじめ4学会からも症状にあわせて適切な対応を、というようなメッセージを出されていたところであります。そうしたことも踏まえていただきながら、皆で救急医療のひっ迫といったものに対するご協力をいただけたら大変ありがたいなと思っているところであります。また、引き続き各都道府県とよく連携をとりながら、それぞれの状況状況に応じて国として対応できることをしっかりやらしていただきたいと思っております。
記者:
コロナ検査キットのOTC化について、17日に審議会が予定されています。OTC化が実現しネット販売などが可能になればメーカーへの発注が増加することが予想されます。どのように医療機関への供給を優先し、薬局での在庫不足を防ぐのか、具体的な対策があればお教えください。また、検査キットは30度以下という貯蔵温度の制限がありますが、夏場の流通環境をどのように整えていくのかも併せてお願いいたします。
大臣:
まず、新型コロナウイルス感染症に係る医療用の抗原定性検査キットのOTC化については、先日申し上げましたが、8月10日のアドバイザリーボードで、OTC化に向けて具体的に検討を進めるという方向性について確認され、それを受けて8月17日に薬事・食品衛生審議会を開催し、OTC化に向けた具体的な議論を行っていただくこととなっております。しっかりそうした検討は進めていただきたいと思います。
 これから議論するので、それを乗り越えてしまってはいけないと思いますが、そうした状況が生まれてくるそうした中においても、医療機関等に対する確保、これはしっかりと進めていく必要があると思いますが、しかし同時に今回OTC化等を進めることによっていろいろな所から入手が可能になっていくわけですから、そういったことに伴って、国民の皆様の不安を解消していく、それから、ひいてはそれが先ほど申し上げた発熱外来のひっ迫の解消にもつながっていく訳であります。その辺りはバランス良く進めていくことが大事だと思っております。
 また、夏場における温度管理の問題でありますが、現在でも出荷、保管、配送の流通環境については、製造販売業者の方々、卸売業者、薬局において、30度以下に温度管理された状態にしているとお聞きをしておりますので、引き続きそうした対応を取っていただくようお願いをしていきたいと思います。
記者:
本日戦没者慰霊追悼式がありました。どういうお気持ちでこの日をお迎えになられたのでしょうか。
大臣:
毎年8月15 日 は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」でありまして、この日に「全国戦没者追悼式」が開催をされております。戦没者のご遺族の思いを鑑みますと、大変重要な日であり式典だと考えています。
 残念ながらコロナの影響でこの間規模を縮小し、昨年は191名、200人を切る人数でありましたが、今年は各都道府県の遺族会の皆様方にも20人程度で参加していただけるような形で運用し、まだ数字は確定しておりませんが、1,000人弱位の規模の方々がおいでいただいたということであります。こうした皆様が来られたり、今日遺族代表で追悼の言葉を述べられた方はちょうど私の地元の岡山県の遺族会の方でありましたが、その文章の中にもありましたが、自分がまだ生まれる前にお父さんが出征されて、残念ながら会うことはできなかった、そういう方と別件でお会いするときに「今日この日がお父さんに会える、こういう思いを持っているんだ」ということがありました。まさにそうしたご遺族の方、様々な思いを持ちながら、今日ご出席をされたり、あるいはこの日を迎えておられると思います。まさにいま私たちがいる日本、平和で繁栄を享受している訳でありますが、こうした背景には戦没者の皆様の尊い命、そして苦難の歴史の上に築かれたものであります。戦後77年経った訳でありますが、こうした歴史は決して風化させてはならないし、しっかりとその思いを引き継いでいくことが重要だと思います。また、今回、新型コロナの感染下でありましたが、それぞれ皆様に感染防止対策にいろいろと協力をいただいて、本日先ほど申し上げた1,000人弱の方々のご出席を賜り、無事開催できたことに改めて感謝申し上げたいと思います。
記者:
今朝なのですが、官邸で総理大臣とお話をされていたと思うのですが、コロナの関係だと思うのですがこれはどのような協議をされたのでしょうか。もし何かご指示等ありましたら教えていただけますでしょうか。
大臣:
これまでも何回かあったとお聞きをしておりますが、今日、コロナの対応について、総理のところで関係大臣あるいは関係の役所の皆様が入って、現状等の認識について共有をさせていただいたということでありますが、併せてまずはいま第7波ということで先ほど申し上げた先週比で、1週間単位で見ると減少しているものの、入院・重症者が増加をしている訳でありますから、医療・保健体制、これをしっかり取り組んでいく、あるいは先ほど少し申し上げましたが救急医療のひっ迫ということも報道されているわけでありますから、そうしたような対処をしっかりやっていくということ、それから検査キットについても1、2週間前に不足がかなりあるというご指摘があり、いま対応させていただいていますが、それに対してしっかり取り組んでいくということ。それから緊急発熱外来自己検査体制とセットになっておりますが、健康フォローアップセンター、これもかなりの都道府県で整備が進捗しておりますが、これをさらに進めていく、こうした話をさせていただいたところであります。
 それからワクチンについてもオミクロン対応のワクチンの準備を進めているところでありますが、1日も早くそうした新しいタイプのワクチンを接種できるよう、環境の整備に努めていくということ。それからまさにいまウィズコロナということで進めておりますが、各関係者、知事会あるいは医療界からも、現場のひっ迫を解消するためのいわゆる2類から5類、全数把握を見直す、こうした話が出てきているわけでありますが、そうした話についても関係者とよく調整をしながら、どういう対応をとっていけばいいのか、結論をしっかり出していく必要がある、そうしたことについて、総理からもご指示をいただきながら、議論させていただいたということであります。

(了)