後藤大臣会見概要

(令和4年5月13日(金)8:47~8:55  衆16委員室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について



大臣:
 最初に一言申し上げます。 新型コロナ対策に関する、沖縄県へのリエゾンチームの派遣について申し上げます。新型コロナの新規感染者数は、地域によって差が生じておりまして、減少が続いている地域もありますが、連休中の人出増もありまして、今後の動向に注意をする必要があります。
 中でも、沖縄県については、新規感染者数が、5月11日に過去最多となるなど、足下で増加しておりまして、病床・重症病床使用率も増加が見られます。
 こうした状況を踏まえまして、本日より、4月上旬と同様に、官邸や各省幹部とホットラインで対応するため、厚生労働省職員を含むリエゾンチームを沖縄県庁に派遣することといたしました。機動的な対応を可能とするよう緊密な連携を図ってまいりたいと思っています。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年5月13日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
昨日ですが、コロナの新しい派生型のBA.4、BA.5が確認されました。厚労省としてはどのように対応していくお考えなのかお聞かせください。
大臣:
ご指摘のBA.4系統については、検疫検体において1件、BA.5系統については、検疫検体において2件確認されておりますが、国内においては、いずれも確認されたとの報告は受けておりません。
 このBA.4、BA.5系統につきましては、南アフリカでそれぞれ初検出されて以降、南アフリカ全体に占める割合が増加しておりまして、それまで優勢であったBA.2系統から置き換わりが進んでいるとの報告がなされていると承知をいたしております。
 これらの変異株については、いずれも、感染性や重症度が明らかでなく、また国内においては報告を受けていないことから、引き続き、国民のみなさまにはこれまでと同様に、マスクの着用、手洗い、三密の回避、換気などの基本的な感染症対策を徹底いただきたいと考えています。
 厚生労働省としては、諸外国の状況や知見等を収集し、検疫や国内における陽性検体のゲノム解析やゲノムサーベイランスによる監視を継続していくとともに、必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えています。
記者:
国内メーカーによる新型コロナの飲み薬の開発が進んでおりますが、今後、経済活動と感染対策の両立を見据えて大臣としてのご期待をお聞かせください。また、緊急承認制度を盛り込んだ薬機法改正案が今日にも成立する見通しですが、塩野義製の飲み薬をこの対象とする可能性についても、改めてお考えをお聞かせください。
大臣:
国産治療薬の実用化については、これまでも累次の予算措置等によりまして治験費用の一部を補助する等、開発の加速等に取り組んできています。
 ご指摘の塩野義製薬の経口薬については、2月25日に条件付き承認を求める申請がなされておりまして、現在、PMDA(医薬品医療機器総合機構)において審査をしております。
 このような中で、昨日の参議院厚生労働委員会で、緊急承認制度の創設等を行う薬機法の改正法案が可決されたところでございまして、本法案の成立後には、緊急承認制度の対象として「新型コロナウイルス感染症に係る医薬品」を政令で規定することといたしております。
 その上で、個別の治療薬の適用については、企業の意向を踏まえて検討することとしておりまして、塩野義製薬の経口薬についても、企業の意向があれば、緊急承認制度における承認の可否について審査をしていくことが想定されます。
 いずれにしても、現在審査中であることから、具体的なコメントはいたしかねるわけでありますが、申請者から提出されたデータに基づきまして、専門家の意見も踏まえつつ、迅速に審査を進めていきたいと考えています。
記者:
一部報道で、2歳以上の園児へのマスクの着用の推奨について、取りやめる方向で検討に入ったと報じられています。事実関係や検討状況をお聞かせください。
大臣:
新型コロナの感染経路は、飛沫やエアロゾルの吸入、接触感染等でありまして、感染防止のためには、三密の回避や換気などに加えて、マスクの着用が極めて重要であると考えています。
 専門家からも、マスクを着けずに近距離で会話をするような、感染リスクの高い行動を避けることが重要であると指摘されております。
 一方で、人との距離を十分取れれば、屋外でマスクの着用は必ずしも必要ではなく、特に気温、湿度が高いと熱中症のリスクが高くなることから、屋外で人との距離が十分ある場合は、具体的には、少なくとも2メートル以上の距離を確保できている場合には、これまでもマスクを外すことを推奨してきています。
 また、子どものマスク着用については、特に2歳未満の乳幼児はマスク着用が推奨されず、また、2歳以上であっても、就学前の子どもについては、本人の体調が優れず持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理に着用させる必要はなく、マスクを着用する場合は、保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意した上で着用していただく必要があり、その旨の周知を行っています。
 厚生労働省としては、引き続き現在の感染について「最大限の警戒」をしつつ、安全・安心を確保しながら、可能な限り「日常の生活を取り戻すために必要な対策」を講じていきたいと考えていますが、マスクの着用を緩和することについては、現時点では、現実的ではないと考えています。
 その上で、マスクの適切な着用について、引き続き、様々な場面で周知・広報に努めていくとともに、新型コロナへの対策について、マスクの着用など基本的な感染対策も含め、感染状況等も踏まえながら、専門家の科学的意見も伺い、検討していくということであります。今まで申し上げていることは、これまでもご説明をしてきたとおりのことだと考えております。

(了)