後藤大臣会見概要

(令和4年4月19日(火)9:45~10:00 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 それでは、最初にこちらから一件冒頭発言をさせていただきます。ノババックス社が開発しました、新型コロナワクチンにつきましては、昨年12月に武田薬品工業から承認申請されておりましたが、PMDA(医薬品医療機器総合機構)における審査を経まして、昨日(18日)の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において御審議いただき、承認することが了承されました。
 現在、最終的な薬事手続きを進めておりまして、本日にも薬事承認をいたします。
 今後、予防接種法に基づく予防接種に位置付けるかどうかについては、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において議論をいただくことになります。
 厚生労働省としては、引き続き、新型コロナワクチンについて最新の科学的知見を踏まえて対応を行ってまいりたいと思っております。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年4月19日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
新型コロナワクチンについて質間です。昨日(4/18)、国内で使える4種類目として米ノババックス社のワクチンの承認が専門家部会で了承されました。組換えたんぱくワクチンとしては初めてではありますが、すでにほかのワクチンが普及する中で接種対象が多くないという見方もあります。このワクチンの使い方や、ワクチンの種類が増えることの意義についてどのように考えているか教えてください。
大臣:
武田社のノババックス・ワクチンは、国内で製造が行われる非mRNAワクチンでありまして、海外の輸出規制の可能性に備えて、ワクチン供給の安定性を確保するとともに、実績がある組換えタンパクワクチンであることも踏まえまして、ワクチンの種類の多様性を図るために、1億5,000万回分について、昨年9月に購入したものでございます。
 今後、必要な審議を経た後に、予防接種法に基づく予防接種で使用するワクチンとして位置付けられた場合には、速やかに、かつ、円滑に接種を開始できるように、各自治体に接種体制の整備をお願いしたところであります。
 これに合わせて、mRNAワクチンに対するアレルギーがある方に接種していただくことを念頭に、5月下旬から6月上旬にかけて、合計約10万回分のワクチンを配送することをお示ししたところでございます。
 1億5,000万回分の更なる活用方法については、審議会における今後の議論の内容も踏まえつつ、今後しっかりと検討してまいりたいと思っております。
記者:
ワクチン4回目接種に対する考え方についてお伺いします。先日の自民党のワクチンPTでは高齢者や基礎疾患のあるリスクの高い人を対象に接種を進めるべきとの提言案が示されましたが、現時点で医療従事者を対象にすべきかどうかのお考えについて教えてください。
大臣:
まず、御指摘の自民党の提言案については、まだ正式に決定されたということではないとは聞いておりまして、コメントは差し控えたいと思います。
 新型コロナワクチンの4回目接種について議論いたしました3月24日の審議会では、4回目接種の特例臨時接種としての実施に向けて、3回目接種を受けた全ての住民に接種機会を提供することを想定し、自治体が準備を開始することについては、適当とするご意見をいただきました。ただし、委員からは、有効性・安全性の議論も十分に行うべきとか、あるいは、4回目は、よりハイリスクの方が対象になるのではないか、といったご意見も出されました。
 4回目接種につきましては、接種を行うか否か、仮に4回目接種を行う場合の対象者や、3回目接種からの適切な接種間隔については、ワクチンの有効性・安全性、効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえて、引き続き検討することが適当とされております。
 引き続き、専門家のご意見も踏まえつつ、最新の科学的知見や諸外国の対応状況を注視しながら、4回目接種を行うか否か、仮に接種を行う場合の対象者等について今後また検討を進めてまいりたいと思っております。
記者:
ノババックス・ワクチンと、それに加えて今、開発が続けられている国産ワクチンについてお伺いします。
 まず、ノババックスのワクチンですが、政府として契約通り1億5000万回分購入するということには変わりはないでしょうか。
 今、国の支援で国産ワクチンを開発している会社がいくつもありまして、中には相当有望なかたちで開発を進めているところがあります。今後も実用化まで継続的な国の支援というのはしていくということで、方針は変わらないでしょうか。また完成した後に企業の投資に見合うだけの量を国として購入し、マーケットを支えていく考えはありますでしょうか。
大臣:
まずノババックス・ワクチンについてでありますが、先ほど申し上げたように、 海外の輸出規制の可能性に備えて、ワクチン供給の安定性を確保するとともに、実績がある組換えタンパクワクチンであることも踏まえて、ワクチンの種類の多様性を図るためにも、昨年9月に1億5,000万回分を購入したものであります。
 このワクチンについては、先ほど申し上げたように、5月下旬から6月上旬にかけて、合計約10万回分のワクチンを配送するともに、今後の審議会における議論の内容も踏まえつつ、活用方法について検討してまいりたいと思っております。
 それから、国産ワクチンについてでありますが、新型コロナワクチンについて、国内で開発・生産できる体制を確立しておくことということは、危機管理上も非常に重要だと考えています。
 このため、ワクチンの開発・生産に取り組んでいる国内企業に対して、生産体制の整備への補助、それから有効性を検証する臨床試験の実施費用に対する補助などの取組を行ってきています。一日も早く実用化できるように、引き続き、しっかりと開発支援を進めていきたいと思っています。
 さらに、国内企業が開発に成功した場合の買上に必要な予算として、令和3年度補正予算において、約1,300億円を措置しているところであります。具体的な買上の方針については、有効性・安全性が確認されたワクチンの供給が可能となった場合に、その時点の感染状況やワクチンの中長期的な安定確保等を踏まえて、しっかりと検討していきたいと思っています。
記者:
過去のワクチンの開発については、途中で国からの研究補助が打ち切られたような、メーカーにとってはいわばハシゴを外されたような状況になったことがありました。新型コロナの国産ワクチン開発については、そのように支援を縮小し、開発を止めてしまうような事態というのは起こさないということでしょうか。
大臣:
これまで新型コロナワクチンの実用化に向けては、令和2年度の第2次補正予算で、ワクチン生産体制等緊急整備基金として1,377億円を施設整備に、また引き続き2年度の第3次補正予算では、有効性を検証する試験等の実施費用の補助として、1,200億円、そして令和3年度補正予算では、買上等のために、約2,562億円、そのうち、買上が1,300億円ということでありますが、そういう形で、対応をいたしております。
 もちろん開発の状況を見据えながらの補助金の適用ということになりますが、国内産のワクチンを支援していくということについては、国の方針は変わるわけではありません。しっかりと支援していきたいと思います。
記者:
現在の感染状態についてお伺いします。沖縄などの地方では、もうすでに第 7 波に入ったという、各知事から見方や発言等が相次いでいますが、大臣の現在の認識はいかがでしょうか。
大臣:
現在の感染状況について申し上げると、全国的にみれば、新規患者数の7日間の移動平均では前週比で減少しています。地域別にみると、継続的に増加している地域もある一方で、横ばいの地域や減少している地域も見られるなど、感染状況の推移に差が生じている状況だと思います。
 感染力がより強いBA.2系統への置き換わりの状況も含めまして、今後の動向に注意が必要と認識しておりまして、引き続き、アドバイザリーボードにおいて、感染状況に関して評価をしていただくこととしております。 
 オミクロン株については、重症化率は低いものの、高齢者等への感染が急速に広がった場合に、重症者数が増加することが懸念されることから、高齢者等の重症化リスクの高い方への対策の重点化・迅速化を図っています。
 再び感染が拡大する可能性が懸念される中で、政府としては、引き続き「最大限の警戒」を保ち、昨年11月にとりまとめた「全体像」で準備してきた保健医療提供体制をしっかりと稼働させていくことが重要だと思っております。また必要であればこれまでの考え方にとらわれることなく、適時果断に対応していくということでございます。
 ゴールデンウィークが近づく中で、人流や都道府県を越える移動が増えることも予想されることから、引き続き、感染防止策の徹底が必要でありまして、国民の皆様には、感染リスクの高い行動を控えていただいて、改めてマスクの着用、手洗い、三密の回避や換気などの基本的な感染防止策の徹底を心がけていただきたい。そのようにお願いを申し上げる次第です。
記者:
靖国神社の参拝について質問です。例大祭の期間中もしくはその前後で、参拝の予定があるかどうか教えてください。
大臣:
個人として、適切に判断してまいりたいと思います。
記者:
4回目のワクチン接種についてお伺いします。大臣は、先ほど自民党の作業チームの提言についての回答を差し控えるとのことだったのですが、この提言案の中では高齢者や基礎疾患がある人を対象に進めるべきだとありましたが、接種のあり方についてどうお考えなのか。
 また、この接種券を配布するにあたって、国や自治体が基礎疾患のある人を特定することは困難と指摘していたと思いますが、4回目接種券の配布はどのように進めるべきとお考えでしょうか。
大臣:
4回目接種については、接種を行うか否か、仮に4回目接種を行うとした場合にその対象者や、3回目接種からの接種間隔をどの程度空けるかについては、ワクチンの有効性・安全性、効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえて、引き続き検討するという審議会の提言を踏まえて、今後、専門家のご意見も踏まえつつ、最新の科学的知見や諸外国の対応状況を注視しながら、検討を進めてまいります。
 4回目接種を実施することとなった場合には、接種券の送付事務を含めて、円滑に接種が行われるように、自治体の意見を丁寧に伺いつつ、対応することになります。

(了)