後藤大臣会見概要

(令和4年1月28日(金)8:47~8:56 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
それではこちらから冒頭発言でございます。一つは経口治療薬のモルヌピラビルの5万人分の前倒し入荷について、一言申し上げたいと思います。新型コロナウイルス感染症の経口治療薬、モルヌピラビルについては昨年末の承認から1か月の間に1万8千以上の医療機関、そして1万5千以上の薬局が登録しまして、これまでに1万5千を超える医療機関・薬局に6万1千人分以上を配送しております。
 この治療薬については、これまで合計160万人分を確保しておりまして、既に納入されている20万人分に加えて2月下旬に20万人分、3月下旬に20万人分が納入される予定でしたが、今般、企業と交渉しまして、5万人分の納入時期の前倒しをしまして、本日1月28日に納入されることとなりましたので、報告をしたいと思います。
 それからもう一つですが、新型コロナウイルス感染症の中等症・重症の患者向けの治療薬である「レムデシビル」につきまして、昨日「診療の手引き」が改訂されまして、軽症者に対しての使用方法等に関する記載が新たに盛り込まれまして、都道府県にもその旨を周知いたしました。
 製造販売業者によれば、この治療薬は、オミクロン株にも効果があることが示唆されておりまして、これによりまして軽症者に対する治療の選択肢が広がるものと考えております。引き続き、治療薬を必要な方に確実にお届けできるように取り組んでまいりたいと思います。以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年1月28日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
新型コロナウイルスのワクチンの3回目接種についてお伺いいたします。1月末までに約1,400万人ほどが対象となっているかと思うのですが、直近の接種回数の数字では236万回ほどと、ペースが伸び悩んでいるようにも見受けられます。厚生労働省として理由をどのように分析されていますでしょうか。また、今後のペースアップに向けた対応についてどう考えていらっしゃるか、大臣のご見解をお願いします。
大臣:
今、3回目接種、本当に積極的に進んでいくように関係者と連絡を取りながら進めているところです。3回目接種につきましては、1月14日の時点で73%の自治体が、高齢者施設等の入所者等の接種間隔の前倒しを含めまして、1月中から接種を開始又は開始予定と回答しておりまして、ちょうどこれから本格化していくことになっていきます。
 また、接種率については今後ともしっかり注視して進めていくことになりますが、昨日1月27日の時点で97.4%の自治体が、2月末までに対象となる希望する高齢者等への接種を想定どおり2月末までには終えると見込んでおります。
 欧米等に比べると、1回目、2回目の接種が遅れておりました。ちょうど1月から本格的な接種が進んでいるものと期待しておりますし、お尋ねがありましたように、引き続き自治体の取り組み状況をしっかり把握しつつ適切に助言を行っていくとともに、各都道府県における大規模接種会場の設置、接種場所の更なる確保などを通じて、ペースアップを要請する等、自治体とも緊密に連携して、今後本格化する3回目接種の着実な実施に努めていきたいと考えております。
記者:
医療現場を取材していますと、検査キットがなくて診療ができないというような悲鳴の声が聞こえます。コロナからもう2年経って、検査体制が、今現状のように整備できていないということに関して、これは行政の怠慢ではないかというような声も患者さんたち、あるいは関係者から聞こえてくるのですが、これについての大臣の見解をお伺いしたいです。
大臣:
最近の急激なオミクロン株の感染拡大、これは本当にすごい勢いで拡大しているわけですが、そうした中で、薬局等における一般販売分で大量の発注があったこともありまして、抗原定性検査キットの需要が急速に高まっている状況にあります。
 抗原定性検査キットの供給確保については、足元460万回分の在庫を有しておりますし、メーカーに対しては今回国が買い取り保証をして当面1日80万回分までの緊急の増産と輸入を要請いたしております。今後ともこの量についてはしっかりと拡大する方向で進めていきたいと思います。
 そして、抗原定性検査キットが一部地域、そして一定の期間品薄になっているという、そのご指摘につきましては、足元をまず医療機関、そして病状のある方に対する行政検査はもとより、濃厚接触者で社会機能維持者である方が、待機期間を短縮するための検査だとか、現在自治体が行っている無料検査の継続、こうしたものに対して必要になるキットについては、全体として十分に確保しているということであります。
 また、昨日公表させていただきましたように抗原定性検査キットの需給が安定するまでの間、こうした必要なところに確実に検査キットが供給されるようにするために、医薬品卸売業者やメーカーに対して協力要請をすることといたしまして、優先度に応じた物流の流れを確保しているということを通じて、本当に例えば感染が心配になったような状況だとか、あるいは行政検査が必要だとか、先ほど申し上げたような検査キットをしっかり確保することで、国民の皆さんがそうした場合に、しっかり安心して対応できるようにしていきたいと考えております。
 それまでの間については、薬局において販売している抗原定性検査キットの購入がここ数週間、厳しくなることは想定されるわけでありますが、今回の措置が発熱等の症状が出た場合に、あるいは自覚症状があって検査をする場合に、確実に検査を受けられるようにするための、そういう措置でありまして、抗原定性検査キットの供給が増加するまでの当面の措置となるということのご趣旨をご理解いただきまして、ご協力をお願いしたいと考えております。
記者:
ここ数週間と仰いましたけども、このオミクロンの感染力の強さと、それから持続期間のことを考えますと、ここ数週間品薄というような見込みでは手当が行き届かないのではないかと、そういう声も聞こえますがいかがでしょうか。
大臣:
ここ数週間と言っている意味は、増産体制の体制整備だとか、あるいは輸入につきましても、割合、世界で品物の取り合いになっている状況の中で少し戦略的に買い取り保障を付けたりして供給量も増やせるという意味であります。
 それから、先ほど申し上げたようにオミクロン株の感染が急速に拡大したことで、その大量発注だとか、あるいは薬局における大量な購入みたいなものが進みまして、一時需給が非常に切迫して逼迫する需給関係になっていると、そういうものをしっかりと安定させて乗り切るのに数週間ということで申し上げています。

(了)