田村大臣会見概要

(令和3年6月29日(火)10:40 ~ 10:52 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
おはようございます。私からはまず1件、今日の閣議での発言ということで雇用統計についてご説明です。
5月の有効求人倍率1.09倍ということで、前月と同水準ということでありますけれども、これ全体で見ると失業率自体は0.2ポイント上昇し3.0ということになっております。完全失業率は2ヶ月連続で上昇しておりまして、そういう意味では、やはりまん延防止等(重点措置)、緊急事態宣言もございましたので、そのような影響があると思っております。
 全体で見ると求人が求職を上回っているわけでありますが、求人が弱含みで求職の方がやはり引き続き高い水準ということを考えると、我々としてはやはり雇用情勢をしっかり注視していかなければならないと思っております。
 有効求人倍率が1倍を下回る地域、これもあるということでございますので、これからまだコロナの方も新規感染者が東京を中心に増えてきているということもございますので、しっかりと我々としては状況を見ていきながら必要があれば対応していかなければならないと思っております。私からは以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年6月29日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
東京都は新型コロナウイルス感染症のリバウンドの傾向が鮮明になりつつあり、前週比においては前の週からの伸び率が高まっている、当初11日のまん延防止等重点措置の期限に向けて、今後の措置に向けて検討が進む日程だったかと思いますが、これを前倒しして措置を厳しくする必要はないかどうか、大臣のお考えを教えてください。
大臣:
昨日317人ということで、一週間の移動平均489人ということになってまいりました。前週比で、1.2倍という形であります。
 夜の人の動き、夜間滞在人口といいますかそれを見ていますと、やはり伸びてきています。ちょうどこれアドバイザリーボードにも出されると思いますが、明日発表があると思いますが、緊急事態宣言前に伸びましたよね。最後駆け込みといいますか、緊急事態宣言が出るからというので、夜(の人の動きが)最後のところで伸びたというのがありますが、あれぐらい(の水準)になってきているという状況でありますので、そういう意味では我々としては非常に注意をしていかなければならないと思います。
 一方で、病床の方、これは重症者の方は東京は減ってきているということであります。ただこれもちょっと遅れて重症者の場合は数字が伸びてきますので、注意していかなければなりませんが、病床の状況を見ると若干増えているということです。そういうものを総合的に判断しながら、どのような形に我々としてはしていくかということを考えなければならないと思っています。
 いずれにいたしましても、まん延防止(等重点措置)というものをやっていて、夜間の滞在人口が増えている。もっと言いますと前回も言いましたが、その前の緊急事態宣言の後半から伸びているわけでありまして、これに対してどういうような対応をお願いしていくかよく考えていかないと、漫然と緊急事態宣言、緊急事態措置を東京にお願いするということは、我々は必要であれば早急にもということは考えておりますが、ただ、緊急事態措置を漫然とお願いしただけで本当に夜間の滞在人口が減るのかということは、以前からそういう議論がありました。
 ですから、そういうことも考えていかなければならないわけでありまして、どのようなことを国民の皆様方と対話をさせていただければ、そういう危険なリスクの高い行動というものを控えていただけるのか、これが一番重要な話でありますので、そこをよく専門家の方々にもいろいろなアドバイスをいただきながら、我々としては対応していかなければならないと考えております。
記者:
実際、緊急事態宣言をするとなれば、どういう措置が必要かという具体的な議論は必要だと思いますが、既にリバウンドの傾向は顕著になっていると思いますが、現状も、大臣は従前、「感染拡大の兆候が見えたら緊急事態宣言をすぐにでもとりたい」と仰っていたと思いますが、現状はそういう感染拡大の兆候が見えるタイミングではないのでしょうか。
大臣:
人の流れ、特に夜、深夜という言い方がいいのか分かりませんが、夜間のやはり滞在人口が増えますと、その後感染者が増えてくるというのが、今までの傾向から見るとある程度相関関係があるわけでありまして、それは前回でも申し上げましたが緊急事態宣言下で、あの時はお酒を出してはいけません、出さないでください、お店を閉めてくださいというような緊急事態措置だったのです。にもかかわらず、夜の滞在人口が増えているというのをちゃんと分析をしなければならないと思います。
 よく報道にもありますように、緊急事態の中にあっても、本来はお酒を出してはいけないのにお酒を出していた店があったという話もありますし、それは今まん延防止措置の下で20時まで、19時まではお酒を出せて、その後お店は20時まで、飲食店はという話であっても、それ以降も開いている店があるという報道もありますし、そういうのを町に出ると見るわけであります。ですから、そういう意味からすると、そういうものも含めて、もしくはそれだけではないかも分かりません。
 例えば、公園やいろいろなところで集まって、非常に密な状況、密接に密集してお酒を飲んで、マスクを外して会話したり、肩を抱き合ったりみたいな形で良い気分でお酒を飲まれている、そういう映像も流れるわけでありまして、そういうものもあるかも分かりません。それから、それだけでなくもしかしたら、それぞれのご自宅で人が集まって飲んでいるということもあるのかも分かりません。
 いろいろなことを我々分析していかなければならないわけでありまして、どうやれば感染リスクの高い行動を防げるか。もちろんそれ以外に、医療機関はだいぶ減りましたが介護施設等でクラスターのようなものが起こる、集団的に感染が拡がるというのも散見されるわけで、それに対しては検査をしっかりやるというのは、それは以前からやっているわけで、それから少しでも調子の悪い方がおられたら検査をして、陽性ならばその後自宅で療養いただいて、施設内で感染が拡がるのを止めるとか、いろいろなことがあるわけで、そういうことをしっかりとやっていかなければならないので、まずは夜の人流というものが増えているとすれば、どういうような状況なのかということをよく分析しなければならないと思っています。
 その上で、緊急事態宣言を解除して、まだ日が経っていないわけでありまして、そういう意味で緊急事態宣言というものを今またすぐに出すということ自体が、果たして効果としてどうであるのかということもよく分析をしなければ、前回(宣言中に人の流れが)増えてきていたわけでありますから、一旦解除してまたすぐ出したとしても、前回の延長だということであれば、人流も前回の延長で伸びるというような、そういうおそれもあるわけです。そういうことも踏まえて専門家の方のいろいろなご意見もいただかないとならないと思います。
 我々は、とにかくいかに効果的に新規感染者の増加というこの伸びをなるべく抑えていけるかということをいろいろと検討していかなければならないわけでありますので、様々な部分からいろいろなご意見を賜りながら、最終的には政府として判断していくことになろうと思います。
記者:
大臣の地元でもあるのですが、三重大学病院の麻酔科教授の汚職事件について伺います。昨日、医療機器メーカーの日本光電の元社員に対して、製品採用の見返りに教授などに賄賂を渡したとして、有罪の判決が出ておりまして、本日、小野薬品のMRに対して小野薬品製品の処方量増の見返りに奨学寄付金を提供したとして贈賄の罪に問われています。今日判決が出る予定になっています。医療機器や製薬企業のプロモーションを所管する厚労省として、大臣のお受け止めをお伺いしたいと思います。
大臣:
裁判の方は裁判の方で結果が出て、今(裁判を)やっているものはやっているもので、司法の場で判決が出るんだと思いますが、一般的にやはりそのようなこと、いわゆる癒着のようなものはあってはならないということは、これは一般論として言えるわけでありまして、我々厚生労働省が所管しておりますので、不正なことが起こらないようにしっかりと対応いただきたいと思っております。
記者:
新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンについてお尋ねします。7月以降の供給量が減って、8月以降の供給見通しが立たないとして、新規の予約を停止する自治体が複数出始めております。先週の会見で大臣は「足らないことはないはずだ」と仰っていましたが、現状も同様のお考えでしょうか。実際の現場で接種に影響が出ていることについて、原因と対処方針についてお尋ねします。
大臣:
今、実際問題全体を見ると、接種者とそれから供給をさせていただいているワクチン量を見ると、今、足下で足らないということはないということです。ただ一方で、先を見た場合のことをたぶん自治体は仰っているのだと思います。
 つまり、これから接種券を出して、二週間後、三週間後、接種されに来られるわけですよね。そうなった時に特に高齢者のみならず、高齢者は一応6月いっぱいで、7月までに何とか高齢者の接種をお願いいたしたいという部分に関しては、これはもう配送計画は作ってありますので、そこは自治体もご理解いただいていると思いますが、結構、今自治体も大変なスピードで、高齢者を7月中旬までに終えて、その後、高齢者以外の方々にも接種を始めようとしている自治体も複数あるとお聞きいたしておりますので、そういう非常にペースを早めておられる自治体が次に向かってのワクチンの供給量が分からないので、例えば予約券等を配送するときにどうしたら良いのかということが、なかなか決定できないというお困りの声だと拝察をいたします。
 これに関しては河野大臣の下で、今、その配送計画というもの、これをしっかり作っていただいていると思いますので、やがてお示しをしていただけるものだと思います。連携をして、なるべく早く自治体の皆様方にどのような計画でワクチンが配送されるかということをお示しさせていただきたいと思っております。

(了)