田村大臣会見概要

(令和3年2月5日(金) 8:34 ~ 8:47 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私から冒頭3件ご報告があります。まず1点目ですが、閣議決定をされました2つの法案です。1つは全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案です。
 内容は、後期高齢者の窓口負担割合に関しての見直し、それから育児休業中の保険料の免除要件の見直し、更に保健事業における健診情報等の活用の3点です。
 それから、もう1つは特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案です。これは、請求期限が来ますので、これを令和9年3月31日まで延長するというものです。
 いずれも、今後本国会で速やかにご審議いただいて、可決をしていただければと思います。    

 続きまして、抗体検査を2回目に実施した結果が、速報ですが出ましたので、ご報告いたします。前回、調査対象は東京、大阪、宮城という1都1府1県でしたが、新たに愛知県と福岡県を加えました。
 これは以前もご報告いたしましたが、5つの自治体で自治体毎に約3,000人、合計1万5,043人を対象に12月の第3週から第4週にかけて血液検査等を行いました。前回と同様、FDAが緊急使用許可しております抗体陽性か陰性を判断する定量的な検査法であります。
 結果は、測定方法が異なる2種の検査法の両方で陽性の確認ができた、要は2つの検査法を行い、2つとも陽性と確認できたもので、各自治体の抗体保有率を言いますと、東京都が0.91%、大阪府0.58%、宮城県0.14%、愛知県0.54%、福岡県が0.19%ということでございまして、かなり自治体でばらつきが出ています。
 ただいずれにしても、1%足らずということですので、多くの方々が罹って集団免疫に達したという話では全くないというもので、引き続き、感染に対して各地域それぞれの方々にご努力いただかなければならないということですので、よろしくお願いいたします。
 これらの陽性検体については、検体中の抗体が実際に新型コロナウイルスに対して、どの程度の防御機能を持つかは国立感染研究所で精査中であるということです。    

 もう1点ございます。休業支援金・給付金に関して、大企業は対象になっていないということで、与野党からいろいろなご要望をいただいていたわけですが、これに関してシフト制などの休業手当が受け取りづらい勤務形態の方々に関して、令和3年1月8日以降の休業に関しては休業支援金の対象とするということにしました。
 それから、緊急事態宣言下において、基本的対処方針で休業等の対象になっている知事が要請された業種に関して、大企業も10分の10の補助金を出すということで運用していますが、これに関して雇用維持要件があります。
 これは前年から1年間解雇をしていないということでありましたが、なかなかこれだと今まで解雇をされている企業もあるということですので、この10分の10の対象、後は生産指数の3ヶ月平均が3割以上落ちているという企業も対象になりますが、ここに関しては、1月8日以降解雇しなければ10分の10にする、つまり、大企業でも非常に厳しい状況が続いておりますので、解雇要件を緩和して10分の10の補助率を適用しやすくして、更に雇調金の申請をしやすくしていただくということを今回決めました。
 それから、産業雇用安定助成金について、以前からこういうものを考えているという話でしたが、これに関しても在籍型出向による労働者の雇用維持を促進していくということで、改めてスタートさせていただくということでして、これも併せてご報告させていただきます。
 私からは以上です。何かご質問があればお願いします。

質疑

記者:
2点伺います。総理がワクチンの接種開始時期について、2月中旬に前倒ししたいと発言されていますが、厚労省としてどのように対応していく予定でしょうか。
 それから、COCOAの不具合が問題になっていますが、ワクチンの接種管理システムも同じ会社が開発しているという話がありますが、事実確認をお願いします。
大臣:
まず、ワクチンの接種開始時期ですが、総理がそのように仰っていますから、それに合わせて我々も最大限努力していくということで、ただいま薬事承認に向かっての審査をPMDAでやっているということです。
 これに関しては、まだ日程は未定ですが、迅速に審査をするということで対応しておりますので、なるべく早く結果を出していきたいと思っております。
 それから、COCOAに関しては、これは自治体がいろいろな形でこの事業者に対してお願いしているということのようですが、V-SYSはここではないので、厚生労働省が直接お願いしているというわけではないと。
 各自治体でいろいろな業務がありまして、いろいろな調書の読み取りだとかいろいろなことでこの企業を使っておられるということはあるようですが、厚生労働省自体がV-SYSでお願いしているという事実関係はないということです。
記者:
今日閣議決定された健康保険法の改正案ですが、今の新型コロナウイルスで医療に不安を抱えている方も多いと思いますが、改めて高齢者の医療負担を2割に引き上げる意義と、本国会での成立を目指す狙いを教えてください。
大臣:
狙いとしては、やはり全世代型ということでして、負担能力のある方々には是非ともご負担をお願いしたいという基本的な考え方で、負担能力に応じて分かち合っていただこうということが念頭にあります。
 言うなれば、若い世代の方々の保険料の上昇等をどう抑えていくかということが、大きな一つの主眼です。それから、負担が増えるということなので、これは3年間にかけて一月分の上限を設けるということで、3,000円という上限を設けさせていただいて、そこはいきなり負担が上がらないようにということをしっかりと暫定措置といいますか、経過措置で入れています。
 併せて申し上げれば、もちろんコロナ禍ですが、施行はまだ先なので、来年度施行ということではありませんから、そういう意味では、今このコロナ禍で大変な状況の中で、ということではないということはご理解いただきたいと思います。
記者:
雇調金の要件の緩和ですが、1月8日以降に解雇をしなければということですが、その前まで一生懸命解雇せずに頑張ってきた企業からすると、やっぱり多少の不公平感が出てきますが、今回はそこを大胆に緩和した狙いをお願いします。不公平感と併せてお願いします。
大臣:
それまで頑張ってきていただいたところは、それ以前の解雇維持要件で補助率を上げていたわけです。
 ですから、もちろん10分の10ではありませんでしたが、そういう意味では頑張っていただいたというようなことに対しての国としての助成率というものは、しっかりと今までも守らせていただきました。
 ただ、今般やはり、基本的には緊急事態宣言を出している地域は以前も大変な状況で、多分大企業の中にも維持ができなくて、特に飲食等に関しては、解雇せざるを得なかったという大企業があると思います。
 そういうところの従業員の方々が、今回2度目の緊急事態宣言の時に雇調金等について、例えば雇調金を受けられないという問題、これはもちろん労働基準法に則って、休業手当を払わなければいけないという基準にあるところは法令違反ですからやっていただかなければなりませんが、それに際しても当然補助率が低ければ、法律上は6割ですので、支給されるものが少なくなってしまうということがあります。
 上限の問題もあると思います。そういう面から考えると、やはりここは厳しい状況の中で今、緊急事態宣言が始まってから解雇されてしまったらそれは選別になりますからこれは困りますが、そこはちゃんと雇用を守っていただくのであれば、働く方々のことを念頭に置きながら、今回特例の特例という形で、こういう対応をさせていただいたということです。
記者:
大企業向けの給付金ですが、問題は去年から起きていますが、過去に遡ってシフト労働者に支払うということは難しいのでしょうか。
大臣:
今回の緊急事態宣言下においての特例措置ですので、今回の緊急事態宣言下においての対応という形になります。
記者:
去年までの分はなかなか難しいということでしょうか。
大臣:
そうです。そういうようなことには、今回、制度的には設計してありません。

(了)