田村大臣会見概要

(令和2年11月27日(金)  8:40 ~ 8:50 ぶら下がり)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。お手元に配布させていただいていますが、そのうち2件をこの場でご報告します。
 1件目は雇調金の延長の件です。12月末までは現在の特例措置を継続してきましたが、12月いっぱいで雇用情勢を見ながら、という話でしたが、これを2月まで今のまま延長するということを決定しました。
 ちなみに、3月以降に関しては、以前から申し上げているとおり休業でありますとか、また、失業者の状況、雇用の状況をしっかり見ながら、これが急激に悪化した場合にはということで、そうではない場合には本則に向かって段階的に戻していくということです。
 今回に関しては、足下の雇用情勢の急激な悪化はないですが、やはりコロナが急激に増えているということがございますので、このようなことに鑑みながら2月まで延長させていただくということであります。
 併せて、2月以降もやはり困っておられる方々に対してしっかりと寄り添うという意味では、これからもどういう方策があるのかということは厚生労働省として検討してまいりたいと思います。
 併せて、労働移動もしっかり考えなければなりませんので、失業無き労働移動という意味では、在職出向等に関してもしっかりと支援をしていくというような体制を取ってまいりたいと思います。 

 もう1点、実は本年6月8,000人の方を対象に、東京、大阪、宮城で抗体検査をやりました。これは免疫の獲得状況がどういう状況かということを検証していくということでしたが、第2回目をこの12月に調査をさせていただくということでございまして、3都府県プラスあと2件、愛知県、福岡県、併せて1万5,000人の規模で、第2回目をさせていただくということでございます。
 調査を開始した結果については、まとまり次第公表させていただきたいと思っております。私からは以上です。

※以下、配布を以て発言とした3件
(小学校休業等対応助成金・支援金の延長等について)
 小学校休業等対応助成金・支援金についても、制度の適用対象となる休暇等の期限を、2月末まで延長することとし、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管 理措置による休暇取得支援助成金については、12月末となっている期限を1月末まで延長することとします。
 住居確保給付金について、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ支給対象を拡大した4月から受給を開始した方は、12月をもって最長9ヵ月間の支給期間が終了するところ、年末年始を不安に思われている方などへの対応が必要と考えています。
 このため、厚生労働省としては、新型コロナウイルス感染症対応の特例として、支給期間の延長について検討しているところです。 緊急小口資金等の特例貸付について、申請受付期限は本年12月末となっておりますが、なお相当の件数の申請が続いており、厚生労働省としては、申請受付期限の延長について検討しているところです。
 住まいや生活に不安を抱えている方への支援は重要であり、住居確保給付金、緊急小口資金等の特例貸付の両方について、詳細が決まり次第、速やかにお知らせします。

(派遣労働者の雇用維持等に関する要請について)
 今後、12月末に契約の更新の時期を迎える方が多くなることなどが考えられるため、本日、派遣労働者の雇用の維持に関して、私から派遣元の業界団体及び派遣先となる経済団体に対して要請を行います。
 個別の派遣会社に対しても、都道府県労働局を通じて、雇用調整助成金の活用等による雇用の維持を強く求めていくこととしています。詳細については、本日、各団体への要請が終了した後に報道発表を行います。

(職場における新型コロナウイルス感染予防について)
 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、11月以降その傾向が強まっており、職場における感染状況については、新型コロナウイルス感染症対策分科会において、「業種別ガイドラインの策定が現場でも進んできたが、引き続き、クラスターが発生している」旨の指摘がなされているところです。
 厚生労働省では、これまでに、職場における感染防止を図るため、「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を作成し、労働者が安全かつ安心して働ける環境づくりに取り組んでいただくよう、労使団体に要請を行うとともに、集団感染が発生した事業場に対しては、チェックリストを活用した感染拡大防止の要請、労働者死傷病報告の提出及び労災請求の勧奨を行ってきたところです。
 今般、このチェックリストについて、冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気に係るチェック項目を追加するなどの改訂を行うとともに、職場における感染予防や健康管理の強化についての留意事項、テレワークの積極的な活用等を取りまとめ、本日、労使団体に対し、改めて、周知のお願いをいたします。
 また、冬場の換気の方法の詳細については、リーフレットにまとめておりますので、労使団体や建築物衛生関係者に通知するほか、厚生労働省ホームページに掲載し、広く周知を図っていく予定です。
 厚生労働省では、引き続き、これらの取組みを通じて、職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化に取り組んでまいります。

質疑

記者:
昨日成田空港会社が、入国者で陰性となった人がそのまま公共交通機関を使って移動していることを把握していると発表しました。ただそういう人たちに、専用車両を提供したり、バスを運行することも考えているが、国の協力が必要だという話がありました。現在、そういった検討状況があれば教えてください。
大臣:
どういう方法があるかということは幅広く検討していかなければならないと思いますが、現状改めて申し上げますが、ビジネス関係でこられている方々に関しては受入機関の皆さま方に誓約いただき、公共交通機関を使わない、それから14日間、ビジネストラックは若干制度が違いますが、基本的には14日間しっかりと療養の措置を取っていただくという形で、破った場合にはペナルティ付きという対応であります。
 そうではない、例えば、元々日本国民の皆さまですとか、日本にそもそも生活基盤がある方等については、そういう形ではないという中において、しっかりとご本人に14日間近くのホテルで療養いただくか、もしくはご自宅に帰られるときには公共交通機関を使わずにハイヤーやご家族の方々に迎えに来ていただく等の対応をしてきていただいております。
 こういう事例があるということもありますので、どういうことができるのかということは幅広く検討していきたいと思いますが、しっかりとまずは、戻ってきた時にお約束を守っていただくように、更に皆さま方には丁寧にご説明をさせていただくということになると思います。
記者:
高齢者が一人で亡くなる孤独死について伺います。同居者が居るのに、数日間発見されなかったケースが問題になっていて、弊社の調査でも200人近くがいたということが分かっています。大臣の受け止めと新たな対策の必要性についてご所見をお願いします。
大臣:
独居と言いますか、一人住まいの方々が増えてきている、これは高齢者もそうですが、高齢者以外もそういう方々が増えてきているということは大きなこれからの我が国の課題にもなってくるとは思います。地域とのつながりがなくなる中において、孤独死等がそういう形で発見されるということは非常に大きな課題だと思います。
 一方で、高齢者の場合は地域包括支援センターですとか、民生委員や自治会だとか、いろいろなつながりの中でしっかり生活等をみんなが日頃から見守っていくことが大事だと思いますし、そういう意味で社会福祉法を改正して地域共生社会というものの構築を今目指しているわけです。
 いろいろな多層的な問題を抱えておられる方々が増えてきておりますので、そういう方々に相談ができる窓口をしっかりつくって、それぞれ福祉サービス等につなげていくということ、これは今、地域共生社会というものを目指している最中ですので、その中でしっかり対応できるような地域づくりを各自治体と共に進めてまいりたいと思っております。     
記者:
昨日総理が保健師1,200人を確保というお話がありましたが、1,200人は具体的にどこに派遣するかは計画で決まっていることはありますか。
大臣:
派遣をどこにというわけではないです。札幌は札幌で今も派遣をさせていただいておりますが、600人くらいだったのが1,200人、これはいろいろな団体の皆さま方が更にお声がけいただく中において、言うなれば厚生労働省が全体をバンクのような形で管理をさせていただきながら、必要なところがあればお声がけいただければそこに対して、派遣といいますか行っていただくことをお願いしていくという制度です。
 これから、専門人材をいろいろな形で必要だという地域があれば、厚生労働省にお申し出をいただければつながせていただきたいと思っております。
記者:
一人親の支援についてお伺いします。以前、給付金で支援されましたけれども、新たに予備費を活用するという報道もあります。先ほど、大臣から困っている方に寄り添うというご発言ありましたけれども、その検討状況について教えてください。
大臣:
これも検討させていただいている最中で、SNSを使って生活の状況というものを把握しないといけないというので、今、調査している最中です。やがて12月の頭くらいには調査結果の集計ができていると思います。
 そういうものをしっかりと検証しながら、コロナがこういう状況でまた広がってきていますので、非常に困っておられる方が増えているということは推測できますので、その実態を見てしっかりと対応してまいりたいと思います。     
記者:
雇調金、今日2月末まで延長を発表されましたけれども、既に雇調金の積立金が枯渇気味で、雇用保険財政が厳しくなってきていると思うんですけれども、今回の延長によって更に雇用保険財政が厳しくなると思うのですが、現状の認識と対応をどうお考えかお願いします。
大臣:
厳しい状況でありますけれども、制度の中で資金といいますか必要な財源をしっかり確保しながら対応していかなければなりません。いろんな対応方法ございます。財政当局とですね、しっかりと調整しながら対応していきたいと思います。
記者:
新型コロナの関連なんですけれども、今日、職場における感染防止でありますけれども、改めて狙いだったり、どういった点に注意して欲しいかということの呼びかけをお願いします。
大臣:
これから冬場に入ってくるということもございます。そういうことも含めてガイドラインというものを、今回クラスターが発生しているところはいろいろ指摘されておりますので、そういうところは改めて皆さんにご理解をいただくということで、こういうチェックリストのような形で、ガイドラインを作る中において徹底していきたいということで、今回こういうものを出させていただいているということであります。
 職場のみならずいろんな場があると思いますけれども、やはり環境が変わってきていますので、今まで春から夏、比較的暖かい中での対応でしたけれども、寒くなってくるとやはり職場の状況も変わってまいります。
 どうしても換気等も難しくなってくるということもありますので、そういう意味も含めて今回こういうようなチェックリストを出させていただく中において、職場の環境というものをしっかりと対コロナで対応いただきたいということで、お願いをさせていただくということです。

(了)